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ユスリカについて

ページ番号:0000224010 更新日:2021年6月21日更新 印刷ページ表示

目次

・「ユスリカ」はどんな虫?
・「ユスリカ」はどこにいるの?
・「ユスリカ」はなぜ集まって飛ぶの? なぜ蚊柱を作るの?
・「ユスリカ」は何を食べるの? 血を吸うの?
・「ユスリカ」は害虫?  益虫?
・「ユスリカ」は駆除が必要? 駆除する方法は?
・駆除しないユスリカ対策は?

「ユスリカ」はどんな虫?

ユスリカとは、魚のエサ等で使う赤虫が成虫になったものです。
ユスリカの体長は1~10mmで、その姿は蚊に似ていますが、ハエの仲間で、人を刺したり、人の血を吸ったりはしません。
春と秋に発生しやすく、大量に群がって飛ぶと「蚊柱」をつくることがあります。

ユスリカの写真
ユスリカの写真  ユスリカの写真

「ユスリカ」はどこにいるの?

ユスリカの幼虫(赤虫)は、水溜まり、池、水田、側溝など、流れの少ない水域で発生します。
日本では1,000種以上のユスリカが確認されており、汚れた水域からきれいな水域まで、環境に応じた種類のユスリカの幼虫が発生します。このため、ユスリカは水のある所ならどこにでも発生します。
羽化した成虫は、水面から飛び立ち、昼間は草や雑木の影にいますが、暗くなると集団で飛び、街灯や電灯がある明るい場所に飛んで寄ってきます。
成虫の行動範囲は狭く、水域から30m程度、遠くても100mまでの距離で発生すると言われています。

「ユスリカ」はなぜ集まって飛ぶの? なぜ蚊柱を作るの?

蚊柱は、数十~数百匹のオスの群れで構成されており、その中にメスが飛び込み、相手を見つけて交尾・産卵します。
オスが集まって飛ぶ羽音で単独行動する傾向にあるメスを呼び寄せると考えられています。
また、ユスリカは周辺と違った場所を探して、その上に蚊柱を作る習性があり、白い車の上や、道路上の人の頭の上に蚊柱ができるのは、その場所が周囲と違う色調だったり、少し高い場所であるためと考えられています。

「ユスリカ」は何を食べるの? 血を吸うの?

ユスリカは口や消化器が退化しており、モノを食べることができません。
蚊に似ていますが、人を刺したり血を吸ったりすることもできません。
そのため、成虫の寿命は短く数日程度です。

「ユスリカ」は害虫? 益虫?

ユスリカは、人を刺したり、人の血を吸ったりすることもないため、人に直接的に危害を加える虫ではありません。
また、ユスリカの幼虫である赤虫は、水中の泥に含まれる有機物をエサにしており、汚れた水をきれいにしたり、魚類などのエサになるなど、環境浄化や自然循環において重要な役割を果たしています。さらに、成虫になってからもクモや鳥などのエサとして重要な存在となっており、一般的には益虫と考えられています。

一方、蚊柱を作ったり、群れて飛んだり、光に集まってきたり、また、風の強い日には屋外に干した洗濯物に付着するなど、人に不快な印象を与えるため、「不快害虫」とも見なされています。
また、ユスリカの死骸が人にアレルギーを引き起こす可能性も指摘されています。

「ユスリカ」は駆除が必要? 駆除する方法は?

人を刺したり、人の血を吸ったりすることもなく、人に直接的に危害を加える虫ではなく、環境浄化や自然循環に必要な存在であることから、不快を理由に直ちに駆除する必要性はありません。

仮に駆除する場合、成虫に対しては市販の噴霧式の殺虫剤で駆除できますが、ユスリカが分散して飛んで逃げてしまうことや、元々ユスリカの寿命が短いことを考えると効率が良いとは言えないのではないでしょうか。
また、水路等に薬剤を散布し、幼虫を駆除する場合、水と水中の泥(エサになる有機物)があれば次々に幼虫が発生する可能性があるため、一時的な措置に過ぎず、発生原因を除去しない限り効果的とは言えません。

さらに、薬剤を使用し駆除する場合には、生態系のバランスや自然環境への影響も心配されるので、薬剤の使用方法を守り、適量の薬剤を使用して、散布をしすぎないように注意することが必要です。それらを考慮すれば、薬剤の使用はなるべく控えたほうが良いのではないでしょうか。

駆除しないユスリカ対策は?

「ユスリカ」の幼虫(赤虫)対策

水溜まりや水路、側溝だけでなく、放置されたバケツや古タイヤ、植木鉢の受け皿など常に水が溜まっている場所はユスリカの幼虫(赤虫)の発生場所になります。また、水中の汚泥などがユスリカの幼虫のエサになります。

このため、側溝や水路などの水の溜まる場所の汚泥を取り除くなど、定期的に清掃し、水の流れが滞らないようにすること(泥ごと掃除をすると幼虫も一緒に流れます。)や住宅周辺の水たまりをなくすことがユスリカの幼虫の発生予防になります。

「ユスリカ」の成虫対策

屋内へのユスリカの侵入を防ぐためには、網戸の設置や市販の忌避剤(虫よけの薬)を使用することが有効です。また、ユスリカが飛んでくる方向に向けて扇風機などで送風すると、飛翔を妨害されるので嫌がって侵入しにくくなる言われています。

また、ユスリカは、紫外線や蛍光灯や水銀灯に誘引されやすいため、照明器具を白熱灯や黄色系にすること、紫外線を出さない器具の使用や紫外線をカットするシートを窓に張ることでユスリカの飛来数を減らすことができます。また、不要な照明はなるべく消すことも対策の一つです。

洗濯物への付着を避けるには、早めに洗濯物を取り組むことや、夕方から夜にかけて屋外に洗濯物を干さないこと、市販の虫よけ器具を物干し竿に設置することなどが有効です。
ユスリカが洗濯物についている場合は、手で直接触って払ったり擦ったりするとユスリカが潰れて洗濯物が汚れてしまうので、取り込む際には、周辺を叩いて飛び立たせることなどが有効な対策です。