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ページ番号:0000253218更新日:2021年11月30日更新印刷ページ表示

2021年11月22日記者会見「令和3年第5回広島市議会定例会提出案件について」

動画は下記からご覧ください。

(「広島市公式チャンネル(YouTube)(市長記者会見)」のページへジャンプします<外部リンク>

日時 令和3年(2021年)11月22日(月)午後2時~2時50分

場所 市役所本庁舎11階第1会議室

■市からの発表案件■

令和3年第5回広島市議会定例会提出案件について

市長

 12月3日金曜日に開会予定の令和3年第5回広島市議会定例会に提出する議案についてですけれども、これは一般会計補正予算案など177件であります。

 まず、補正予算案についてですが、今回の補正予算の規模は、お手元に資料がありますけれども「令和3年度12月補正予算案の概要」のとおりでありまして、全会計で、45億9,838万5千円となっております。

その内訳として、最初に、新型コロナウイルス感染症対策に係る補正予算案であります。

まず、利用料金の減収に伴う指定管理料等の追加措置についてです。

 新型コロナウイルス感染症の影響により利用が減少している施設の指定管理者が適切に管理運営できるよう、指定管理料を追加措置するなど所要の予算措置を講じます。

次に、集会所管理運営委員会への支援についてです。

本市からの臨時休館の要請に応じた地区集会所の管理運営委員会に対し、協力金を支給します。

次に、新型コロナウイルスワクチン接種事業に係る経費の追加措置についてです。

 国の方針に基づき、ワクチンの追加接種を実施するため、接種費用や集団接種会場の設置等に係る必要額を計上いたします。

 次に、広島市観光誘客促進実行委員会への支援についてです。

 新型コロナウイルス感染症により、経営に深刻な影響を受けながらも、観光誘客に取り組む旅行業者等に応援金を支給する広島市観光誘客促進実行委員会に対し、その取組に要する経費を補助します。

続いて、新型コロナウイルス感染症対策関連以外の補正予算案です。

 まず、財政調整基金への積立金についてです。

一般会計の令和2年度決算剰余金の確定等に伴い、財政調整基金への積立金を計上します。

 次に、電子調達システムの改修についてです。

電子調達システムで使用しているブラウザのサポートが終了することから、次期ブラウザに対応するためのシステム改修に係る債務負担行為を設定します。

 次に、サッカースタジアム建設予定地における近代遺構の調査についてです。

 サッカースタジアムの建設予定地において、本市文化財審議会の意見を踏まえ、近世遺構に加え、近代遺構についても、詳細な記録保存等を行うための所要の作業が生じることになったことに伴う必要額を措置します。

次に、後期高齢者医療事業についてです。

令和2年度の保険料の確定に伴う広島県後期高齢者医療広域連合への追加納付金等を計上します。

 次に、放課後児童クラブ利用料金収納システムの改修等についてです。

放課後児童クラブについて、サービス向上策の実施に合わせて、長期休業中の朝の延長時間部分に加え基本時間部分に受益者負担措置を導入するために必要なシステム改修などを行うことに伴い、債務負担行為を設定いたします。

 次に、給与改定に伴う補正についてです。

期末・勤勉手当の支給割合を年間4.45か月から4.3か月に改定することに伴う減額を行います。

 次に、公の施設の指定管理者の指定に伴う補正についてです。

広島市立図書館管理を始め154件の指定管理業務について、来年度以降の管理経費に係る債務負担行為を設定します。

 以上の補正措置を行った結果、補正後における全会計の総予算規模は、1兆2,952億6,135万円となります。

 最後に、予算以外の議案としては、広島市附属機関設置条例の一部改正案など条例案10件のほか、公の施設の指定管理者の指定議案などその他の議案162件を提出します。

以上が、今議会に提出する議案の概要であります。私からの説明は以上です。

 

■その他の質問■

【2023年G7サミットの誘致について】

記者

 G7のサミットの件で、誘致についてお伺いします。県とサミットの誘致に向けて協議を始めていらっしゃるということを報じているんですけれども、改めて市長の思いとしてその理由と、仮定の話にはなってしまうんですけども、(広島開催と)なったときに、どういう意義があって、もしかしたら平和の発信が中心になるかと思うのですが、トップの方々が集まることについて、どういうことを伝えていきたいか、その辺のことを2つお聞かせください。

 

市長

 サミットは、世界の主要国首脳が集う会議でありますので、広島で開催されるとなりますと、世界の首脳そのものの最終目的と理想とする目標は、やはり平和の確保といいますかね。世界のいろいろな意味での秩序の維持であるとか、その中でいかに各国同士が活発な経済活動をできるようにするかと、そんな中でのテーマ設定があり、様々な議論があると思うんですけども。それがこの平和の象徴としてある広島で開かれるということになれば、大変意義のあることだと受け止めています。

実際、今までもG7の外相会合があり、ローマ教皇に来ていただくなどして、世界にいわゆる平和の象徴する都市としての存在としての認知度が高まってきていると思いますけれども、一層その認知度を高めていただき、ヒロシマの心というものをいろいろな機会に、世界に広げていく絶好の機会になるというふうに受け止めております。

そういう意味で今、県の方と調整を進めておりまして具体的にどういった形でお願いするかというのは、地元の経済界なども含めて一緒にやっていくための準備をしていますので、その全容とか具体的なものはある程度固まれば、また改めてお知らせして、皆さんにも応援いただいて、広島での開催が可能になるようにしたいなというふうに思っています。

 

記者

 関連して、前回の外相会合のときは、平和公園を訪れてもらって献花してもらってということで。今回、もし誘致が実現すれば当然平和公園に行ってもらって、(広島平和記念)資料館の見物等も含めて、やってもらうことを要請するおつもりであるのかということと、もう一つ、前回のときもですが、官民の協議会を作られて、いろいろ誘致活動といいましょうか、いろいろ盛り上げるために準備されたと思うんですが、そういうふうなお考えは、もし今後あるのかというのと。もう一つ、いつぐらいまでに結論というか、出そうと思っていらっしゃるのか、この3つをお願いします。

 

市長

 今言われた後者の手続きからいうと、官民一緒になって地元を挙げてお願いするというふうにしたいと思いますし、できれば、そういった段取りというか手続きを今月中には着手できたらというふうに思っています。そして、そこの中でどういった形にするか議論がありますので、私としての思いももちろんありますけれども、そういう場で皆さんと意見交換しながら決めていきたいなと思っています。内容は、ですから、その場で皆さんと話し合う中で十分議論していきたいというふうに思います。

 

記者

 (平和)記念公園を訪れてもらって、どういうふうなスケジュールでやるかも含めてもそこで話をする。

 

市長

 いろいろな対応もありましょうし、各国の首脳のスケジュール感とかも見ながら、いろいろ調整が出てくると思いますので、希望として、今言われたようなことを含みながら議論していきたいというふうに思います。

 

記者

 先ほどの質問に関連してなんですけれども、地元選出の岸田総理がいらっしゃるわけですが、改めて岸田総理にサミットの広島への誘致というのを直接、例えばお願いされるとか、そういったご予定というのはおありなんでしょうか。

 

市長

 もちろん直接お願いするということも視野に入れて、地元関係者挙げて要請できればというふうに思っています。

 

記者

 これまでに、先日も岸田総理とお会いになられたと思うんですけども、これまでの段階でサミット誘致について総理とお話しされたりといったことはなかったでしょうか。

 

市長

 私自身は直接やっておりません。この間は、長崎の市長さんと核兵器禁止条約についてのテーマを設定してお願いをしてまいりましたし、サミットの誘致については地元の方、県知事を含め商工会議所会頭、経済界の方も含めて、しっかりと調整した上でお願いしていこうというふうに思います。

 

記者

 関連してなんですけれども、今回初めて名乗りを上げるわけではないので、今回こそかける意気込みと、それと課題もあると思うんですね、そうはいっても。大都市が、もっと大きな都市が、名乗りを上げたりした場合に、こういったことが課題になると、それについてはどういうふうにやっていきたいというところをおっしゃっていただければありがたいんですが。

 

市長

 G7サミットをお願いするときに、窓口の役所、特に外務省とやらせていただいて、サブスタンス、それからロジスティックですね。サブの方はもちろん外務省でありますので、首脳の方々の宿泊の施設の確保であるとか、一連の動きなどについての警備とか、そういったところについて十分な対応ができるかということを当然問われますので、外相会合を通じて一定の経験もあるし、それなりの施設もあるということで、いくらかの自信といいますか、あるんですけれども、ただ首脳になると、それ以上の要請があるか、条件設定があるかということをお聞きしていかなければいけませんから、その辺に応えられるべく、そのためにも地元関係者が一緒になって万全の態勢ができるようにしていますよということをまず用意した上で、心構えと、それから準備した上で要請すると、そういう手順をしっかり踏んでいきたいなというふうに思います。

 

記者

 前は、警備とかホテルの数とかいうのが問題になったように思っていますが、今のは、努力するというということでしたが、意気込みの方はどうでしょうか。

 

市長

 意気込みは、過去の成功体験を踏まえ、完璧な自信ではないですけれども、うまくいくのではないかという、ほのかな自信を携えて頑張りたいと。まだ確信までいっていません。立ち上がれば、少し強化すると思いますが。今月中には立ち上げていけるようにしますので、それから皆さんの意見を聞いてまた。

 

記者

 今月中には、なんておっしゃいました。

 

市長

 今月中には、関係者で話をちゃんと立ち上げる準備をしていきたいと思います。追い風をしっかり受けられるようにして要請していこうというふうに思います。地元を挙げてということで。

 

記者

 しつこいようなんですが、岸田首相にもなられましたし、追い風はもう吹いていると。首相とは、市長になられたときの経緯からすごく縁があるということですよね。もうちょっと強い言葉があればありがたいですけどね。できれば。それはいろいろな課題、今言われた課題があるのは分かるのですけどね。被爆地ヒロシマから首相も出たと。で、今回ですね、本当にしつこいようで申し訳ないのですが、ほのかな期待でよろしいのでしょうか。

 

市長

 今段階ですね、ですから、関係者の方と一緒になってやれるという状況設定ができれば、追い風をいただいて、今言われた、俗に言う「運鈍根」といいますか、そういったものも、そういうご縁をいただいて、しっかり広島に来ていただけるようにしたい。ぜひやりたいし、できるのではないかなと感じつつもやっております。

 

記者

 ありがとうございます。

【NPT再検討会議について】

記者

 来年のNPTの再検討会議があると思うのですが、開催される場合にそちらに足を直接運ばれる予定が、考えがあるのか。もしくは、直接行かないまでにしても何かしら関わるような形を今考えていらっしゃるのか、お伺いをしたいなと思いまして。

 

市長

 NPTですよね。1月の会合だと聞いていますけども、まだNGO等も含めて外部の方を呼び入れるかどうかということは決まっていないし、なかなか不透明な状況でありますけれども、何らかの形で会議、今度の会議の成果を出す必要があると。それをこの間も総理に要請させていただいたときに、そういう話をいただきました、文書をまとめるべくやるのだという話も聞いていますので、そういう意味ではそういった場に参画できて、このヒロシマの思いをしっかり伝えることができればなと思っていますけれども、ただ、いろいろな状況の中でそれができないとしても、少なくとも自分のメッセージを届ける仕掛けをお願いするとか、何らかの形で気持ちが届くような対応をできればというふうに思っています。ただ、そういったロジスティックについても開催決定権は向こうにありますので、こちらは今のところ何とも言えない状況ですけど、気持ちはあります。

 

記者

 今の回答の関連なんですけれども、岸田総理と会ったときにもNPTの関係で話をされたというふうなことだったのですが、もうちょっと詳しくどういうふうな話をなさったのかを聞かせていただけますでしょうか。

 

市長

元々、要請書の中に、核兵器のない世界を目指していただくということを平和首長会議の立場として世界8,054の都市の代表として、各国の首脳に要請する一環として総理にもお願いするという、そういう立場の説明と、手分けいたしまして長崎市長の方には被爆地の両市長として、こういう立場で被爆者の気持ち、心を中心にお願いすると。この2者の立場でお話しするということで役割分担してお話ししました。そういった中で、中身としてその実現を図っていく上で当面の課題として1月のNPTの再検討会議、3月の(核兵器)禁止条約の第1回の締約国会議があると。で、そのNPTに関しては、前回成果が出ておりませんので、成果を出すということをやることが、日本国政府がやるべき橋渡し役なので、それを出すべくまずやっていただきたいと。その上で、さらに、その先の課題である核兵器禁止条約については批准、そして、批准するに至らないとしても、今の段階でも締約国会議にオブザーバー参加なりしてですね、まさにそこで橋渡し役としての働きをやっていただきたいということを強くお願いをしたと。これは平和首長会議で申しますと、国内で1,741都市あるうちの1,734都市まで、ほとんど全ての都市がこの立場でお願いするということをやっているし、8,054の世界の首長さん方も同じだという思いで受け止めていただきたいと、各国にもそう言っていますよと、こういうお話を致しました。そういった中で前回のNPTはある意味でまとまらなかったので、今回は成果を出さなければいけないと、そういう思いだということを言われたので、今申し上げたような回答をしたわけです。

 

記者

 今のご回答は、つまり、NPTの関連ですと、前回の再検討会議での最終文書がまとまらなかったので、日本政府としても今回はまとめるように橋渡し役というか調整役をしっかりしてほしいというふうに伝えたということでしょうか。

 

市長

 そうですね。そういった気持ちもあるということもお答えをいただきました。まとめ役として成果を得るべく頑張ると、こういうお話がありました。

 

記者

 その目的としては、先ほど冒頭におっしゃってくださったように、核兵器禁止、核兵器廃絶のために、そういうふうに、やっぱり、まとめ役として力を尽くしてほしいというふうなこと。

 

市長

 はい。

 

【原爆供養塔について】

記者

 原爆供養塔の献花台が、セメントのようなもので埋められているということが発覚しましたけれども、こちら、市長としての受け止めと、今後市としてどのような対応を取っていかれるのか、現時点で分かっていることを教えてください。

 

市長

 この原爆供養塔に関しましては、皆さんもご存じと思いますけれども、亡くなった方約7万柱おられるとも言われていますし、名前の判明しない遺骨も眠っているという非常に大切な場所であります。こういった方々の思いをちゃんと受け止めて祈るというか、供養を続けている多くのボランティアの方々が現におられて、その供養を行うための施設という位置づけという認識に至っています。こうした中で、今まで、水を湛えてお花を添えるというような使用を前提とした造りだったのですけれども、今回はそれを、水を溜めるところを埋めて、ろうそくを立てるための突起が出たような形に加工が施されているということが、今回の状況でありまして、こういった手を加えたことが、もし悪意があれば非常に悲しいことでありますし、何らかの事情があるとは思うのですけれども、よく調べてみまして、これについての対応をどうするかということを決めなきゃいけません。

そういう意味で、お話があって担当部局がこれについて調べると、広島市がかつて、昭和38年頃かな、寄付を受けたもので、所有権は我が方にあると。ただ、使用については、今申し上げたように、ボランティア活動されている方々にしっかり利用していただいているという中で、使用方法が全く異ならざるを得ないような形状になっているということでありまして、これが単なる形状変更なのか、悪意を持って使えないものにしたのかということを見極めなきゃいけませんので、それをよく調べてみて、それに応じて必要な対応をしたいというふうに思っているところであります。

 

記者

 ありがとうございます。それは悪意があるものというふうに判断できる場合は、市として被害届の提出とかも含めて検討するというようなことですよね。

 

市長

 もちろんですね。はい、ありますね。

本来の使用機能を別に変えるというのであれば、それをやった方々がどう思ったかということもありましょうし。そうではなくて、使用させない、そういった行為を妨害するというような意図で機能を破壊しているというのであれば、器物損壊罪でありますからね。そういったこともちゃんと据えて、司法への手続をしていく必要があるのではないかなというふうに思います。

 

サッカースタジアム建設の県・市の費用負担について

記者

 ありがとうございます。

一点、別件で、サッカースタジアムの関係なのですけれども、県との費用負担の関係で今も調整が続いていると思いますけれども、現時点での調整の見通し等、現時点での状況に変化があれば教えてください。

 

市長

 見通しというか、元々の問題設定は明らかでありましてね、県下全般、広く県民の方々にもこのスタジアムがいろいろな効能があるということを分かるようにしてもらうのが県としての立場なのだと、こういうお話がありますので、これまでもその費用対効果の効果について、今持っているいろいろな資料などを使い、効果をしっかりと検証してお示ししてきております。そういう意味では、県のご要望とか要請に対してできる限りのことをやって来ておりますので、当然県の方も応えていただけるものというふうに思っております。

 

【中央図書館の移転について】

記者

 中央図書館の移転の件について、お尋ねしたいのですけれども、先日開催された都市活性化対策特別委員会で、中央図書館をJR広島駅前の商業施設に移転する方針が示されました。委員からは、本当に様々な意見が出たのですけれども、その中央図書館の移転について市長のお考えを聞かせてください。また、今回の商業施設への移転というのが、商業施設の救済策というような面もあるのではないかというような意見も出ていましたけれども、これについてもどうお考えかお聞かせいただければと思います。

 

市長

 議会説明で、そういった問題意識を提出していただいた議員。それから、いいねといって賛成していただいた議員、そういう意味ではいろいろな受け止めがあるなということで、想定の範囲ということで、皆さん議論していただける、いい問題提起だったというような意識を持っています。

事の整理は、現在の中央図書館が築40年以上たちました。老化が激しいし、耐震改修も未実施なところがあると、早急な再整備がいるというのは今の図書館の状況であります。さらに、中の施設群についても、閲覧スペースとか書庫が不足しているんですね。継ぎ足しのようなところに置いてあったりして、床の間に隙間が見えたりしてね、相当頑張っているなという状況なものですから、これはとにかく一刻も早く、この問題解消ということがいるというのが大前提。そんな中で、そうは言っても、現地で建て替えるとすると、今の機能が停止するとかっていうことになりますので、考え方として移転、他の場所で整備しようということで、最初に問題提起になるとこういうことなんですけども、それで、この際、整備に当たっては、図書館と名の付くもの、「こども図書館」とかって中央公園の中の離れたところにあるんです。そして、その文芸関係のこういう情報提供という面に着目すると、「映像文化ライブラリー」これも大事な、いろいろな文学的なもの、芸術的なものを皆さんにお示するというものがあるんですけれども、「機能をしっかり維持して保存してほしい」というような要望も受けたりしていましたものですから、この際、この整備ということ、移転ということも考えるのであれば、幅広い世代に一緒になって、今言ったような機能を味わっていただける空間づくりをやるということ、さらに併せて、広島の文化、歴史といったようなものを味わえるような空間にするとか、さらには産業なども含めて、実際今、図書館でいろいろなビジネスサービスをやるというようなこともやっていますので、こういった形で図書館利用のメリットもあるということが分かりましたので、そういった意味で、広島の良さをまとめて提示できるようなコンセプトで見直してみようということをやりました。そういたしますと、市民、あるいは、県内外の方々も触れるということまで、せっかくつくるんですから、その発信機能を十分に活用していただける場所があっていいんじゃないかと、そこにいわば、情報拠点といいますか、平和文化というか、広島の平和を含んだ文化に関しての情報拠点を確保するというふうな方向で考えると、こんな問題意識で移転の再整備まで来ました。

そういった中で、駅前のところ、駅が今度、全面的に南口をきれいにしていくということで、まさに交通結節点、人がどんどん来る、県内、県外からも来る。そういったところで、発信拠点として駅周辺もいいのではないかといった中で、エールエール(A館)の方から、こういった利用をするということも考えられるのではないかと、元々、Aブロック、Bブロック、Cブロックを計画したときには、中心として新たに商業施設とかやりながら開発ということだった。結果、見ていただくと、下に商業施設、上で人が居住するという施設群としての経営といいますか、設備投資したものを改修とか考えたときに、居住区と、そういう商業区というふうに出来上がりましたので、改めて、商業施設としてなっていた(エールエール)A館について、今言った機能を入れるということも大いにあっていいのではないかと、こういうこと。それから、移転整備すると言ったときに、移転先に新しく集合体としての設備を整えるというときのコストといいますか、それと既存のものをうまく活用していけるという選択肢の中で考えたときに、既存のものをうまく活用しながら、今言ったコンセプトが投入できるのならば、ということで、エールエールA館、これが候補に挙がったというふうに思っております。

従いまして、今言った取組は、図書館についてだけ着目しての一応の整理だったんですけども、翻って、自分自身こういった発想になったのは、どんなところに思いがあるのかなということで振り返りますと、元々、都心の楕円形の都心づくりということで、紙屋町・八丁堀地域における開発と広島駅周辺の開発両方に、それぞれ特色を持たせながら、片方が顧客を取るから、片方の開発を遠慮しようというのではなくて、それぞれ特色あるまちづくりを進めることで、両方が核となって広島を活性化していくと。そして、そのためには、もちろん、民の力も重要ですけれども、必要な部分は行政がちゃんと支援するということもやりましょうということで、決断して、Bブロック、Cブロックも動き始めているんですけれども、そうした中で、紙屋町・八丁堀に関しましては、もう皆さんご存じのように、基町相生通り地区の再開発を商工会議所と一緒になってやるということも見えてきました。サッカースタジアムの建設もある、球場跡地のイベント広場も整備するといったように、いわば、皆さん方に、市が本腰を入れて、紙屋町・八丁堀地区やっているなということは見ていただけるような状況になってまいりました。改めて、そういった目で、駅前を見ますと、民間を中心にBブロック、Cブロックやってきておりますけれども、Aブロックについて、もう一回、本腰を入れてやるということもあっていいし、先ほど申し上げた新しい中央図書館の整備というものをその空間に持ち込むということをやれば、両方の核についてバランスの取れたまちづくりということも可能じゃないかと。そんな整理をして今回の問い合わせといいますか、議会にお諮りしたんですね。そういう意味では、都市機能の集積強化というものを2つの核に照らしながら、それぞれ行政として本腰を入れた支援やると、こういう決意をお示しするということになったと思います。そんな中で、エールエールA館の商業施設、元々、市がつくった外郭団体で、商業ビジネスで店舗確保ということをやっているんですね。そこのとこに市の施設が入ればミッションっていうか、そういう使命を負ってた会社が楽になるんじゃないでしょうかと、そういう質問ですけども、そういう面はありましょうけども、そういったことを超えて、全体として都市機能の集積強化を図れるという観点から、今回の問題を提起したというふうに受け止めていただけたらなと思っています。

 

記者

 先ほどのこの話のちょっと続きなんですけども、ただ市長の思いとしては、質問にあったとおり、今回の都市活性化対策特別委員会でも出たんですけども、特定の業態だったりとか、三セク(第三セクター)を含めて、そういう支援をすることがないというふうに考えていらっしゃるというかということと、確認ですが、そういうふうな疑念といいましょうか、それを言う思いがないということ。

 

市長

 効果はあるかも分かりません。民間で店舗を確保しなきゃいけないというところが市の施設が入るから、その部分の仕事がなくなるという、確かにそうでしょう、事実はね。しかし、それをやることが市全体というか地域全体を考えて、都市づくりに大いにプラスになるということをよく考えていただければというふうに思っていると。どちらが幹の議論で、どちらが枝葉かなというふうな問題だということです。否定するわけではありませんけどもね。

 

記者

 報じて以降、いろいろ、結構、市民の関心も高くて、うちの会社の方にも、いくつか届いているんですけども、駅前ですごく一等地なんで、どうしても、やっぱり、こう、もったいないんじゃないかいう声も聞こえてくるんですが、もし今後、市の方で、こう、有力な例えばの話ですけど、福屋さんがちょっと小さくなるかもしれないですが、特定のフロアに別の企業とかが、もし参入したいとかいうふうないい話があったときには、その図書館っていうのも再考されるような余地というのは残っているんでしょうか。その辺はどうでしょうか。

 

市長

 そこは今申しましたように、新しい中央図書館を税金を掛けて新しく造るというのと、既存の施設群を活用しながら機能投入するというのはどうかという計画をして、今ここに至っていますから、それはそれで市の財政とその機能強化ということの判断の中での結論。民間が入れるということは、そこの部分について税金を使わないでいいと言われるか分かんないけども、図書館を造るために、もっとお金掛けなきゃいけないわけでありますから、そういった全体バランスも考えていただきたい。だから、その問題意識が幹の問題意識なのか、枝葉なのかということを問いかけたいんですね。民間にするということがトータル全体で優れているかどうかは、今言ったような状況の中でいかがでしょうかということを問いかけているというふうに見てください。全体バランスであります。

 

【原爆ドームが世界遺産登録25周年を迎えることについて】

記者

 少し先になるんですけども、12月7日に原爆ドームが世界遺産登録から25年の節目を迎えると思うのですが、かつては、市議会の方でも率先して、市民と連携して遺産化を勧めて、その悲願が達成されたという経緯もありますし、その後、保存工事を重ねたり、最近では、高さ規制を行ったりとか、そういったふうに進めてこられたと思いますが、改めて、今後、だんだん時間が経っていく中で原爆ドームというものを市として、どのような存在としてアピールしていきたいかを何かお気持ちがあれば教えてください。よろしくお願いします。

 

市長

 どのような存在としてというお話ですから、これはまさにヒロシマの心、そして平和を象徴する建物として、しっかり残していく。将来にそういった働きができるようなものとして、確実に引き継ぎたいというのが結論であります。実際、自分自身、そういった思いの中で25年にあたるということなんですけど、実は先日も世界遺産登録25周年の爆心地鎮魂薪能を、平和宣言を相談するメンバーのお一人の田邊さんが、自分の住んでいたとこなんで、命あるうちにこの平和発信をぜひやりたいと。それから、広島の文化として、それまであった広島の大事な文化を一発の爆弾が人を亡くしたのみならず、まちの営み、文化、伝統までも破壊したんで、それがあったということも、ああいった施設群から形だけじゃなく、感じてほしいんで、やりたいんだという話がありまして、お手伝いできればということで実行委員会の名誉会長をさせていただいて、コロナ禍でありますけれども、うまく実施できたということでありました。そういう意味で、世界遺産に登録されているというその事実も重要ですし、その施設を使ってヒロシマの平和文化といいますか、アンチテーゼでいえば、原爆ドームが原子爆弾の非人道性なるものをきっちりと発信しながら、しかし、それを乗り越えるだけの気持ちを皆さんがそれを見ながら確認する、そして、破壊された文化・伝統も、この地で大事にしていこうということを改めて誓っていただけるような、そういう施設群として運営できるように、最初に申し上げたように、そういう営みが将来にも確実に引き継がれるようにしていきたい。そのためには建物そのものを定期的に保存するということも基金を作ってやっていますので、ハード・ソフト両面でしっかり残るように対応していきたいと思います。

 

【広島大学旧理学部1号館の保存・活用について】

記者

 広島大学の旧理学部1号館についてお伺いします。

2018年の11月に有識者懇談会の結論としてヒロシマ平和教育研究機構というものを作っていこうという構想が示されて、間もなく3年が経つんですけれども、2019年度中に当初は基本計画を示したいというスケジュールで進んでいたものが、そこから、またさらに2年経とうというタイミングで、まだ全く示されていない状況です。現在、両大学との協議状況が今どうなっているのかということと、なぜこれほど時間がかかっているのか、何がネックになっているのか、その辺りをお聞きできればと思います。

 

市長

 ネックということはないですけれども、問題が結構重たいと、こういうことだと受け止めていただきたいんですけど、実際、(広島)市立大学の平和研究所と、それから大学院の平和学研究科という、この2つの組織と、さらには広大(広島大学)の平和センター、これを統合しようということなんですね。そこで、かつ同じ建物、一つのところに同居しましょうという発想でやっていますので、いわば、両大学、そして市が絡んで、3者が一体となってやるべき課題はハード・ソフト両面にあるということなんであります。

統合するアイデアそのものは、全然複雑でも何でもなくて、いろいろな問題を3者が取り決めればいいだろうということで、客観的には全然問題ない話なんですけれども、取組について具体的な面でどういうことが課題になっているかを少しご紹介しますと、ソフト面でいいますと、個別の組織として、今までも平和の研究組織として別々にそれぞれ問題意識を持って、先生方が研究してきているんです。そうすると、今度一緒になって共同・連携してやるときに、自分たちの組織のテーマ設定といいますか、新統合体としてどういう成果を世界に発信するんだと。自分たちのそれぞれをお付き合いある研究学会もありましょうけど、そこに向けてどういった組織になっていくんですよということをやらないと。多分、その先生方の配置の人数とか、最終的には、研究を始めて、研究費をどういうふうに配分するかとか、そんなことも出てくるはずなんです。ですから、この辺のところのルール化をちゃんとやりたいといったような問題意識でありまして、個別にテーマを申し上げると、貴重な研究資料などを集めて研究基盤、どういうふうに構築するかとか。中心的には今言ったお話ですけど、実際そういうことなんですね。先生方がやっている研究成果をどういうふうに整理して自分たちの組織をどう位置づけてやるかとかですね。それから、多様な主体と研究者の幅広い相互交流。それぞれお付き合いある先生方と自分たちがどういうふうに付き合っていくんだろうかというようなことをやられる。それから、各大学や組織の枠を超えた学びの場と機会の提供。研究機関だけじゃなくて、例えば、人を呼んで勉強してもらうような仕掛けも作りたいと。そうすると、どういうふうに役割分担するかと。今までやってきた研究分野も違いますので、両方全部というか、取り込んでいかなきゃいかんですね。そんな議論をされています。さらには、学術的な視点から、市も言っているけど平和文化の振興に役立つために、研究機関としてどんなことをやっていくんだと。そんなことを今本当に協議・調整していただいていて、時々、こういう方向でやっているというお話は聞いています。それをやっていただいて。決してサボっているわけじゃなくて、研究者ですから、未来構想を考えて、大きなことを考えておられます。世界との位置づけとか、広島の特色のある学校にしたいと、こういう話を聞いています。

それとハード面。これは整備したのちの施設運営、まずは両大学ですね。離れて、第三者機関にするけど、大学がどう絡んでいくんでしょうかと、こういう問題意識で、そのときの役割分担と、それから先生方の職務を含めて人員配置ですね。どこまで大学が人を出すんでしょうかと。まず、そうすると市の方が大学に手当てしないといかん。大学は大学で、また文科省(文部科学省)と協議する必要があるんでしょうね、だから。そしてもう1つが、体制の中で劣化した建物を教育研究機関としてやっていくときに、被爆建物として残すエリアと、それからフル稼働させる研究施設、それをもたせるために長期的かつ安全に使うというふうにするためにはライフサイクルコストも踏まえて、どういった詳細設計がいるのか技術的な課題もあるというふうなことをやっていただいて、これはむしろ、実務的に解決可能な方法、予算規模とのギャップがあってはいけませんので、その詰めをやるっていうようなことを今、協議調整していただいています。

そうした意味では、確実に検討は進んでいると思いますけれども、今申し上げた点、つまり理学部1号館(旧理学部1号館)が平和に関する新たな拠点として生まれ変わるために、そして世界に向けてその機能を最大限に発揮するために必要となる整備、どうするかということを、時間はかかっていますけれどもやっていただいていますので、今申し上げたような点について一定の見通しが立てば、必ずお示しするということにしていますので、もうしばらくお待ちくださいということです。

 

記者

 関連して補足で伺いたいんですけれども、やっぱりその検討を重ね、そもそも構想を出すまでにものすごく時間がかかっていて、そこからもまた時間がかかっている中で、やはり建物の劣化というのが着実に進んでいる状況があると思います。で、実際にやっぱり1度、正面部分を残すのに約18億円という試算が出ていたと思うんですけれども、実際やっぱり時間がさらに経つことによって、さらにコストは増すだろうということはすでに議会の答弁でもお答えになっていたと思うのですが、例えばそれについて再試算をしたりとかですね、現状そういった試算をしているのかどうか、あるいは近々するような考えがあるのかということと、あと世界に向けてどういう成果を示せる機関にするのかと考えたときに、例えば一方で広島県も独自に海外の平和研究機関とネットワークの構築を進めていると思うんですけれども、例えばそういった点も踏まえて、県との連携を改めて探ったりとかそういったお考えが今あるのかどうか、その2点について補足で伺えればと思います。

 

市長

 後者の方からお答えすると、我々とすればそういう実施研究部隊をこの地に、旧理学部1号館に構えたいということですから、県が世界のそういう研究を繋げるネットワークをといわれるお話は、その中の1つにちょうど入ると思いますし、そんな中で我々とすれば、いろいろな平和研究についての世界的な権威、ヨーロッパにありますけれども、それにも負けることのないようにするためにどうするかといった中で、今すぐにでも大学の先生とやっているときに被爆の実相というものを踏まえた研究というのは、そんじょそこらにはないと。そして今ある核兵器の数とかその機能を分析して、それがどういう働きをするかというような世界情勢の中での研究テーマ設定にしている平和研究所いっぱいあるんですけれども、被爆の実相からアプローチする研究組織はないので、そういったことをやるのはどうかというふうに、それはいいですねと申し上げています。しかし前例はないし、そのための材料をどうするかとかいうふうなことを言っていますから、それはそれでそうした位置づけをちゃんと認識していただいて、県の方で、その世界の平和研究機関との連携を作っていただければそれは助かるし、ありがたいと思います。

建物の方は原爆ドーム見ていただいても分かりますよね。風化が進むといっても、1日2日でボロボロになるわけではなくて、もう何十年も経っている中で雨風しのぎながらやっていて、それ自身に手を掛けることと、あの建物新しくして新しい研究機能を投入するための資本投下しなければいけませんから、そのバランスを考えながらやってきています。そして、そういった中でどこまで保存するかということもまず決めてやらないと、どうせ取り壊すか分かんないのにとりあえず風化が進んでいるから手当てしてということは、ちょっと採用しがたいという思いでやっています。

そんな立ち位置だということをご理解いただきたいと思います。

 

※(  )は注釈を加えたものです。

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