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2021年11月4日記者会見「衆議院議員総選挙の結果について外3件」
動画は下記からご覧ください。
(「広島市公式チャンネル(YouTube)(市長記者会見)」のページへジャンプします<外部リンク>)
日時 令和3年(2021年)11月4日(木)午前10時14分~10時51分
場所 市役所本庁舎11階第1会議室
■市政記者クラブからの代表質問■
【衆議院議員総選挙の結果について】
記者
まず、10月31日に投開票がありました、衆議院議員総選挙の結果について、市長の受け止めをお聞かせください。
また、選挙結果が市政に与える影響について、市長のお考えをお聞かせください。
市長
今回の選挙結果に関しましては、岸田政権への期待が反映されたものというふうに受け止めています。とりわけ本市といたしましては、広島出身の総理大臣、それから国土交通大臣が再選されましたので、今後の政権運営に関しまして大いに期待しているというふうな状況があります。これからの国政に関しては、公約で掲げられた内容を確実に実施していかれると思いますが、成長と配分による経済成長のための政策ですね、新たな資本主義という大きな方向性を示されておりますので、それが具体化されていく中で、十分に国の政策を見定めながら我が市の市政運営、広島都市圏構想あるいは共助の精神を生かせるようなまちづくり、あるいは公共交通体系の構築と、そういったことに国の力をうまく生かしながら、まちづくりを進めていければなというふうに思っています。
記者
直接、市政運営とは関係ないかもしれないんですけれども、いわゆる改憲勢力が3分の2以上を今回の選挙で占めたということなんですけれども、市長の現段階の憲法改正の論議というか、それについてどういうふうに受け止めていらっしゃって、改正についてどういうふうにお考えなのかお聞きしてもよろしいですか。
市長
憲法そのものの改正ということは、国政レベルでしっかりと議論してしかるべき性格のものだと思っています。それに必要な所要の法的手続きなどもきっちり定めて、改正できるような準備ということはもちろんあってしかるべきだと思います。あとは改正にあたってどういった内容を新しい憲法に取り込むか、今の憲法をしっかりと守り生かすべきものが何かと、そういった内容についての議論を深めていただくことが重要じゃないかなと思っております。私自身は、この憲法は制定当初から理想を追求するという考え方のもとに求められている、また作られたといいますか、憲法でありまして、その基本を大事にしながら、かつ、その後の経済社会の変化などに応じた所要の基本的な国のありようですね、新しく付け加えるものがあれば付け加えると、そんなことが必要じゃないかなと思っています。
【新型コロナウイルスワクチンの接種について】
記者
広島市における新型コロナウイルスワクチンの接種率が70%を超えました。当初、11月末までに接種を希望される方への接種完了を目指すとされていましたが、現在の数字をどう受け止めておられますか。
また、3回目の接種について、国は2回接種を終えた全ての希望者を対象とする方針を決め、11月には正式決定する予定ですが、広島市の接種スケジュールや優先接種の対象者など、現時点で決まっていることがあればお聞かせください。
市長
まず10月31日時点での本市のワクチンの接種状況を申し上げますと、接種対象となる方全体では、1回目の接種率が79.4%、約8割ですね。2回目の接種率は76.5%というふうになっております。また30代以下の世代に関しましても、1回目の接種率が68.7%、2回目の接種率が63.4%となっています。こういった状況を踏まえるならば、接種は順調に進んでいるというふうに評価できます。11月末までには、接種を希望される方は、おおむね接種を済まされるのではないかなと考えているところであります。
こうした中で国の方から、2回接種を終了して8か月を経過した方のうち、希望する方を対象にして早ければ本年12月から追加接種を1回行うという方針が示されました。このことから、本年4月までに2回目の接種を終了しております医療従事者等に対して、今月中に接種券を発送できるような準備を進めているところであります。また、今後国から示されるであろう追加接種に関わる詳細、これを基にいたしまして12月からの追加接種を円滑に始められるように、現在のところ接種可能な医療機関、あるいは集団接種会場の確保といったことに取り組んでいるところであります。これまでは集団接種会場の予約枠がすぐに埋まるというような状況がありましたけれども、現在のところは、予約枠に空きが生じるような状況もあります。こういったことから、まだ接種を受けていない方はできるだけ早期に接種を受けていただいて、3回目の接種に備えていただければというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
以上です。
記者
先ほど、今月中に医療従事者に接種券を発送して、12月から接種というようなお話もあったと思うんですけれども、その後の医療従事者以外の高齢者とか、その他の対象者への接種へのスケジュールについて、何か具体的に決まっていることがあれば教えていただけますか。
市長
先ほど申しましたように、さらなる詳細の指示がまだ来ていませんので、それをにらみながら、まずは確実に必要となる医療機関、それから集団接種会場の確保ということをやりながら、逐一また指示に従った対応がいると思います。今まで経験していますからね。大体やるべきことは、射程距離は分かっているんですけれども、具体的にどうしろというのは、まだ来ていませんのでね。こう動いているということは、ちょっとまだ説明しづらい状況にあります。
記者
ありがとうございます。
【新型コロナウイルス感染症に関する経済対策について】
記者
新型コロナウイルス感染症に関する経済対策として、宿泊補助など独自の経済対策を開始した自治体もありますが、市独自の経済対策について、検討されていることがあればお聞かせください。
市長
今の状況を見てまいりますと、新型コロナウイルス感染状況ですね、落ち着いてきているというのが大前提でありますけれども、そういった中で1年9か月以上の対策期間ということになっておりまして、飲食とか観光・宿泊業を中心に、幅広い業種で厳しい経営環境にあるということがもう一方であります。従って、こういった状況の中でこれからは感染拡大局面ではできなかった需要喚起など、経済活動を回復させるための対応をしっかりとやっていくステージになっているのではないかなというような認識であります。これは国もそういった状況判断をしているということを踏まえてではありますけれども。そういうことを前提に考えますと、国の方においては「Go Toトラベルキャンペーン」の再開の検討をしている、県の方では観光分野であったり、「やっぱ広島じゃ割」開始と、こういった状況があります。
本市としては、こうした国・県が支援策をやってきておりますので、そういった動向を注視しながらも、これまでのやり方と同様に共助の取り組みを支援するということを念頭に置きまして、経済団体や業界団体などの声を聞きながら業界同士の方が連携した取り組みを支援すると。それを通じて経済活動の回復のために必要な対策をしたいということで今検討しているところであります。
【NPT(核兵器不拡散条約)再検討会議について】
記者
NPT再検討会議が来年1月に開催されることが決まりましたが、どのような議論や成果を期待するか市長のお考えをお聞かせください。また、市長は前回の(NPT)再検討会議ではNGO(非政府組織・民間団体)セッションに出席し、核兵器廃絶に関するスピーチをされるなど、様々な活動をされましたが、今回の(NPT)再検討会議ではどのような活動を希望されているかお聞かせください。
市長
昨年の4月から延期されておりましたNPTの再検討会議の開催が決定したということでありまして、非常に心から歓迎しているところであります。このNPT再検討会議は核保有国そしてその同盟国も締約国として参加して、核軍縮、これを進展させるための議論を行っていく場であります。核なき世界の実現に向けた歩みを着実に進めるために大変重要な会議というふうな認識をしております。
しかしながら、現下の国際情勢を見てみますと、核保有国を中心にしまして国益追求というふうな観点でしょうか、そういった観点から核兵器の増強を当然してもいいんだというふうな、そういう雰囲気、そういう状況になっているというふうに受け止めておりまして、そういう意味では冷戦以降最も予断を許さない、非常に厳しい状況にもあるということであります。
こうした中でNPTの締約国の政府関係者の方々に改めて確認してもらいたいことがあると思っています。それは締約国ですからNPT第6条に基づき課されている核軍縮のための誠実交渉義務、これを自分達はやらなければいけない立場にあるということをしっかりと再認識、再確認していただきたいんですね。そうした上で、会議開催にあたりましては核軍縮の実質的な進展に向けた合意文書採択に向けて、今申し上げた誠実交渉義務を果たすべく、しっかりとした議論をしていただくことを強く期待しているところであります。あるいは求めたいというふうに思っております。
あと市民社会の参加という点に関してですけれども、国連(国際連合)の方から現時点ではオンライン参加ではあるけれども、状況によっては国連本部内の別の会議室に限られた参加者のために用意するという発表がありまして、どういった活動が可能か現時点では何にしても詳細は明らかになっていないんですけれども、方向性は一応出されておりますので、引き続き情報収集をしていきたいというふうに思っています。
いずれにしても被爆地の市長として、また世界8,000を超える都市の構成である平和首長会議、この会長として、核兵器のない平和な世界の実現を願うヒロシマの心というものをしっかり発信する場というものを確保できるようにしたいなというふうに思っているところであります。
記者
確認ではあるんですが、まだ、だから現地に行けるかどうかは確定はしない状況ですけれども、基本的には状況が許せば行くという方針で、機会がちゃんと確保できるならば平和首長会議の会長としての発言の場をつくりたいという、現時点ではそういうお考えでよろしいでしょうか。
市長
被爆市の市長として、また平和首長会議の会長でもある二面性ですか、二つの立場として、二つの立場を持つ者として発言したいというふうに思っています。
記者
今のところ、まだいつ頃そういう状況になるかがはっきりするかというのは、もう国連の発表を待つほかないという状況でしょうか。
市長
だと思います。
市職員
そうです。
■その他の質問■
【原爆文学の世界記憶遺産登録への再申請について】
記者
(世界)記憶遺産についてなんですけど、「広島文学資料保全の会」と広島市が、原爆詩人の峠三吉たち被爆作家3人の日記や手帳など5点について、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の「世界の記憶」(世界記憶遺産)登録を共同申請されました。改めて、この5点の価値と、記憶遺産登録する意義について、松井市長のお考えをお聞かせください。
市長
「世界の記憶」、これに関しましては、世界的に重要な記録物の保存であるとかアクセスを促していくということを目的に、ユネスコで平成4年に登録制度というものを開始しています。
我が市としては平成27年、広島の被爆作家によります原爆文学資料3点ほどを、登録に向けて取り組まれておりました「広島文学資料保全の会」から、市と共同申請したいというお話がありましたので、市としても、被爆の実相を広め伝えていくというふうな観点から非常に有効であろうということで、一緒に共同申請したという経緯があるんですけれども、そのときには残念ながら、申請候補物件としての選定をしていただけなかったという経験があります。それを踏まえて今回の状況なんですけれども、今年はユネスコにおいて制度改善のために凍結するとされていた公募が6年ぶりに再開されたということを受けまして、前回の3つの資料に2点ほど加えて、改めて10月に共同申請したと、こんな経過があります。
ですから、この経過を踏まえれば初回のときと思いは変わっておりませんけれども、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現を目指して、被爆の実相を守り、広め、伝えるということがとても重要であるし、これをやっていくのは広島市だと考えている本市としましては、この5点の資料が「世界の記憶」になるならば、被爆証言であるとか、あるいは被爆建物、さらには被爆樹木といったものと一緒になって、国境とか時代を超えて、被爆の実相というものを広める、あるいは伝えていくための掛け替えのない重要な手がかりになるというふうな受け止めをしておりまして、そういう意味では大変意義のあることじゃないかなというふうに考えています。
【サッカースタジアム建設の県・市の費用負担について】
記者
サッカースタジアムについてお尋ねします。
10月の下旬なんですけれども、広島市の方から基本設計が出ました。その中で、市としても2024年の2月の開業、これに向けて具体的なスケジュールであるとか、少し以前よりも細かなスタジアムの内容が公表されているんですけれども、一方で、県との資金の出資割合が今もまだ決まっていないかと思うのですけれども、これについて県との今話し合いの状況がどうなっているかということと、これまで市としては1対1、県と市は1対1の出資割合なんだというふうに主張されてきているかと思うのですが、その想定というのは変わっていないかどうか、この2点について教えてください。
市長
今お話しがありました、県・市の費用負担に関しましては、現時点ではまだ合意に至っていないというのが事実でありますけれども、本市とすれば、県から求められておりますサッカースタジアムの整備事業の集客目標の根拠とか波及効果などについては、マスコミ等にも発表させていただいたとおり、丁寧に情報提供をしているというふうに思っていますし、実際皆さんにも認めていただいていると思うのですけれども、それを踏まえながら継続的に協議を重ねているという現状にあります。それともう一つ、考え方に関してですけれども、本市としては今年度の当初予算に費用負担の考え方、お示ししておりまして、今言われた基本(の考え)は動いておりません。揺るぎないものとして、これに沿ってできるだけ早期に合意が図れるよう、県としっかり協議を進めていくというふうに考えております。合意したいというふうに思っております。
記者
市長として、県との合意をいつまでに取り付けたいとか、あとは今時点でいろいろ説明もされてきていると思うのですけれども、何が足りないというふうに思っていらっしゃるかというのも伺っていいでしょうか。
市長
何が足りないかということについての具体的なお話が聞けないので困っているのですけれども、まだ検討しているというふうな、様々、総合勘案していただいているのだと思うのですけれどもね。実際に来年2月から着工ですから。契約と実際の支払い等は出した後で負担していただければ差し支えないわけでありまして。というようなことを言うと、「じゃあ、しっかり検討しようか」と、また県の方に言われますので、そうじゃないと、やはり早く決めていただいて、県民、市民が一緒になって建設を進めている、作業をしているということが分かるようにしていただきたいのだがというふうに申し上げておりますが。ですから、便りのないのがいい便りというぐらいのつもりで、今協議をしているのですけれどもね。
【黒い雨降雨地域の援護措置について】
記者
黒い雨についてお伺いします。
首相談話から10月で3か月が過ぎました。被爆者の団体からは集団申請もありまして、かなり、決定がどんな内容になるのかっていう、遅いというふうな声も聞かれます。今のところ、国との検討状況と何を何回やってどの辺りまで決まっているのかっていうところを教えてください。
市長
国との実務者協議も3回はやったかなと思うんですけどね。初めの1~2回は今の取り扱いとか、どういうふうに、4回(※)まで来たのかな、なっているかということでありまして、国の方が裁判を踏まえて(黒い雨)降雨地域とされたとこ以外の方々にも認めていくためにどういう要件設定が必要になるだろうかというふうな問題意識で、要件設定をこうしてはどうかというようなことを実務的に聞いてきておられます。最小限というか、当然想定されるというか、そういった議論の中で出てきているのは、黒い雨に遭ったということ、そのことについて一番の問題意識は、直接雨を浴びたかどうかですね。それがまた証明できるかですね。そして、間違いないかどうかっていうようなこと。裁判の方では直接浴びなくとも家屋の中にいたりすれば空中に漂う放射性物質などを吸引している可能性があるから、そういった地域におられれば、救済すべきだという判断も示されたりしていることを前提に、じゃあその地域を限定しないでやったときには、黒い雨に直接あったのか、放射能の影響を受けるようなそういう状況にあったのかという要件でいいのかと、そのときにどういった事項を確認すればいいのかと、そんな話と。
それからもう一つは、(被爆者健康)手帳をどういう段階で交付するかということ。こちらは実務として市の方の問題意識として提示しておりまして、いわゆる原爆に伴う病状。今のところ11の症状なんですけどね。その症状の発症と手帳の関係をどうするかということをきちんと整理した上でやっていく必要があるんじゃないですかというようなことをこちらからお伝えして、その点については、まだ判断が示されていませんけれども、詰めていただいていると。
それからもう一つは、まだ新しい手続き、裁判後の救済手続きが決まっていない中で、手帳申請されている方々が、もうたくさん出ていますのでね。どういった審査をしていいか分からない中で相当数受け付けています。そうすると、こういった方々と新しくルールを決める日がどこか来ますけどね、その日以後申請される方々について、差が生じないようにしていただきたいと。手続きを決めるのが遅かったのは国の方なんですからね。早い方々は、早めに手続きしたから、手続きを決めて以後の方々と違うことにならざるを得ないというようなことに決してならないように、裁判以後の方々は一緒に処理できるように区分けをしないようにしてください、そのようなことを注文付けながらやっているということであります。どれといって決まっているということは、今のところまだないですね。
※正しくは6回。会見後、報道機関に連絡済み。
記者
分かりました。今のお話で確認なのですが、市の方は裁判の内容を踏まえて雨域の外の人まで、地域の人という形で対象を決めたいと。一方で、国の方は直接雨を浴びたかどうか、どこまでその放射能の影響があったかどうかというのを軸にして決めたいというところで、方針に関して違いがあるというか、そこの対立点、齟齬があるというふうな認識でいいのでしょうか。
市長
齟齬と言いますかね、その黒い雨降雨地域の中だけで処理するということはできなかったということだから、その裁判の結果は重視しているんですね。黒い雨降雨地域、今の降雨地域の中じゃないと救わないということは、もうしないということまでは、国としても判断しているんです。そうすると、その地域の中にいたかどうかよりか、先ほど申し上げた黒い雨を直接浴びたのか、そういう影響を受けたというふうなもの、それをどう証明するかとかね、そういったところにいろいろと検討を深めているということで。私自身も、今の降雨地域の外の方も実際裁判で救われていますから、それとの整合性を作るためといいますか、整えるための要件設定をどうするかということで今議論しているところであります。
記者
分かりました。もう一点なんですけど、今、首相談話から3か月が過ぎて、集団申請もかなりあって、被爆者の方のご年齢のこともあってかなり時間がないというふうな声が聴かれていますが、市長ご自身はこの3か月というものを早急にというふうな首相の御発言もありましたが、遅いと思われているのか、このようなものだと思われているのかというのを一つお聞かせください。
もう一つ、この3か月の検討状況が被爆者の方から何をやっているのか分からないというふうな、何か途中経過を説明してくれというふうな声もあるんですが、その辺りはどのようにお考えですか。
市長
まず途中経過ということに関しては、今言ったように要件設定が同時進行していて、多分、途中経過を説明するのは、その担当者にとっては、いくらでもしゃべれましょうけれども、聞いている方にとってはグルグル回りしているみたいに聞こえて、何をやっているか分からないというようなことになるので、むしろ私自身は、ここであえて言えるのは、真剣に検討していただいているというのは間違いないというふうに捉えています。そのことを踏まえて申し上げるなら、こういった手続きを決めるのは、もちろんこちらも言っていますから、早くしていただきたいのは当然ですし、やろうと思えばもう少し加速できるんじゃないかというようなことを言いながらやっているんですけれども、実際問題、国の方が今やろうとしているのは裁判結果と総理の発言と、既存の手続きとのバランスと言いますかね、今まで救済してきた方々とのバランス等も考えてやっているんです。
だから制度を変えていく上で、今までやった方々に対する措置とも矛盾ない形でやり、かつ降雨地域以外、降雨地域という設定された以外の所の方も救うために、どういった新しい要件と言いますか、設定して以前のものとも整合性取りながら、かつ新しくその範囲をはみ出た方々を救う、そして手帳交付ということが、実は今度の裁判で、普通は2段階で手帳交付していたのが、1段階でされたということなんですよね、実は。だから、それを手続き的にどうするかっていうようなことを考えているということなので。自分が担当者でも、すぐこうこうできますよねっていうのは、なかなか難しいなと思うので、決してサボったりして遅いというわけじゃなくて真剣に検討してもらっているなというような受け止めをしています。
記者
分かりました。ありがとうございます。
記者
今の質問に関連してなんですけれども、確認なんですが、先ほど市長がおっしゃったように、市として示している考え方というのは、今まで示されていた区域で区切るというのではないというのは、国と一致する考え方で、その上で市から示しているのは、やっぱり1つ、今ある11疾病のような病気を発症しているかどうか、というのが1つの要件と言いますか、考え方になるのではないかということを示されているという理解でよろしいでしょうか。
市長
逆で、その手帳というのは被爆したということを証明する、そういう事実を証明するものですから、病状発症とは切り離してやるべきじゃないかっていうようなことを申し上げているんです。そうすると手帳制度が実際は、給付のための証明書みたいなことになっているので、そのことについての多少こだわりがあるのかも分かりません。元々は、被爆したということを証明して、それに対して、いろいろな効果を付与しているんだから、発行の要件とそれに対する効果付与は分けた方がいいんじゃないかというふうなことを言っていますので、行政も「うん」とか「どうしようか」とかってなっているようには思うんですけれどもね。
記者
考え方としては示されていて、もちろん最終的に国として、どういう制度設計をするかというのは、まだこれからということですね。
市長
問題点を申し上げて、被爆を受けたということを、この年になるまで言えなくて認めてもらいたかったと。それが、被爆というのは黒い雨の影響なんだよと。そうすると影響を受けたということを本人も言われて、今度の訴訟の中で認めてもらえるような状況もあるんだから、それに類似の方は認めてあげた方がいいじゃないですか。実際、降雨地域と指定されていた以外のところでも裁判で認めていただいたんだから、そういった方々も認められると。そうすると、雨に遭ったという、その事実じゃないでしょうかと。そうするとあと病状とかは、それ(被爆者健康手帳)をもらった後の効果として、もらっているんだから、切り離してしっかりと出すためのやり方を。しかし、今みたいに、健康診断をやりながら、2段階ではなくて、直ちに出してもらいたいと。こう申し上げているもんですから、どう手続きを省略化するかっていうことを多分考えているはずなんですけれどもね。
記者
分かりました。ありがとうございます。
記者
最後のところの確認でごめんなさい。今、2段階になっていると思うんですけれども、市としてはもう1段階にしてくれってことを、国の方にはもう要望されているという認識でよろしいってことですか。
市長
それは今回、たまたま裁判で症状が出ていたということだけであって、それがあったから手帳を出すということではないでしょと。手帳というのは被爆したという事実を証明すると。証明したことに対して、どういう効果を与えるか、それがたまたま重なっただけのことですから、裁判がそういう結果が出たと言っても、それが要件になるのは違うんじゃないでしょうか。切り離して考えるべきだというようなことを言っています。
記者
今、その1段階にしてくれというふうなことに対しての、国の回答というか反応というのは。
市長
そういったことを受け止めて、今、一生懸命考えているはずなんです。答えがまだ聞けないからどうしようかと。
記者
そういう感触みたいなのも、まだ分からない状況ですか。
市長
実務的には、まだ聞いてないですね。
記者
分かりました。ありがとうございます。
※( )は注釈を加えたものです。