本文
2021年9月2日記者会見「令和3年第3回広島市議会定例会提出案件について」
動画は下記からご覧ください。
(「広島市公式チャンネル(YouTube)(市長記者会見)」のページへジャンプします<外部リンク>)
日時 令和3年(2021年)9月2日(木)午前10時14分~11時06分
場所 市役所本庁舎2階講堂
■市からの発表案件■
【令和3年第3回広島市議会定例会提出案件について】
市長
9月14日火曜日に開会予定の令和3年第3回広島市議会定例会に提出する議案についてコメントを述べさせていただきます。一般会計補正予算案など20件あります。
まず、補正予算案でありますけれども、今回の補正予算の規模は、お手元の資料のとおりでありまして、全会計で、104億9,365万6千円となっております。
その内訳としては、最初に、新型コロナウイルス感染症対策に係る補正予算案であります。
まず、キャッシュレス決済の推進についてであります。
市民サービスの向上や業務の効率化を図ると共に、新型コロナウイルス感染症の予防対策の一環と位置付けて、各区役所市民課窓口などにキャッシュレスの決済を先行導入いたします。
次に、利用料金の減収に伴う指定管理料の追加措置についてであります。
新型コロナウイルス感染症の影響によって、利用が減少している施設の指定管理者が適切に管理運営できるよう、指定管理料の追加措置をいたします。
次に、困難を抱えた女性のためのつながりサポート事業についてです。
新型コロナウイルス感染症の影響による収入減少や孤独・孤立などの困難や課題を抱えた女性に対する緊急支援策を実施いたします。
次に、住居確保給付金の追加措置についてです。
新型コロナウイルス感染症の影響の長期化により、再支給を受けられる者の要件が緩和されたことなどに伴いまして、必要額を追加措置いたします。
次に、新型コロナウイルスワクチン接種事業に係る経費の追加措置についてであります。
希望する市民に対するワクチン接種を早期に完了させるために、集団接種会場の設置や、コールセンターの体制強化等に係る必要額を追加措置いたします。
次に、PCR検査の実施に係る経費の追加措置についてです。
症状がある方などに対するPCR検査数の増加に対応するため、検査に要する自己負担分の費用助成等に係る必要額を追加措置いたします。
次に、新型コロナウイルス感染症入院医療費の追加措置についてです。
入院者数の増加に対応するため、入院に要する自己負担分の費用助成に係る必要額を追加措置いたします。
次に、アフターコロナを見据えた中小企業等の活性化支援についてです。
販売促進・販路拡大に取り組む市内中小企業者等で事業計画が適正と認められた者に応援金を支給する広島市販路拡大等チャレンジ応援実行委員会に対しまして、その取組に要する経費を補助すると共に、「新しい生活様式」に対応した新たな事業環境の整備や、経営基盤の強化に向けた新分野への進出、廃業からの再起等を図ろうとする中小企業者等を対象に、金利及び信用保証料の負担を軽減した新たな融資制度を設けます。
次に、バス、路面電車などの交通事業者への支援についてであります。
外出自粛や休業要請等により移動需要が激減して、厳しい経営状況にあるバス、路面電車などの交通事業者に対し、PASPY(パスピー)による運賃割引に要する経費を補助いたします。
続いて、新型コロナウイルス感染症対策関連以外の補正予算案であります。
まず、似島臨海少年自然の家の整備についてです。
当初の想定よりも地盤が軟弱で、追加の地盤改良工事が必要となったこと及び木材価格の高騰に伴い、全体事業費の増額及び年度ごとの事業費の変更を行います。
次に、国の補助内定に伴う補正についてであります。
国庫補助金の内定に伴いまして、道路整備などに係る所要の予算措置を講じます。
次に、広島競輪場の再整備等についてです。
広島競輪場が、広く市民に利用され自転車を活用したスポーツや文化の振興に資すると共に、本市財政に一層貢献できるよう、施設の再整備を含めた包括委託を実施することに伴い、債務負担行為を設定いたします。
次に、旧広島市民球場跡地イベント広場管理についてです。
旧広島市民球場跡地イベント広場について、施設の管理を指定管理者に行わせることに伴い、債務負担行為を設定いたします。
次に、広島駅南口広場の再整備等についてであります。
路面電車駅前大橋ルートの令和7年春供用開始に向け整備を進めるため、債務負担行為を設定いたします。
次に、道路施設災害復旧についてです。
本年7月の大雨により被災した道路施設の復旧に必要となる経費を計上します。
次に、放課後児童クラブの開設準備についてです。
来年度に放課後児童クラブの定員不足が見込まれる学区において、児童館の利用に必要となる備品購入など、クラス増設に向けた準備に取り組みます。
次に、県議会議員補欠選挙についてです。
現在欠員が生じている県議会議員安佐南区選挙区において、公職選挙法の規定に基づき、県知事選挙に併せて補欠選挙を執行することから、必要となる経費を計上いたします。
以上の補正措置を行った結果、補正予算額は、104億9,365万6千円となり、補正後における全会計の総予算規模は、1兆2,857億5,306万5千円となります。
また、予算以外の議案としては、広島市個人情報保護条例の一部改正案など条例案5件、その他の議案11件、専決処分承認案2件を提出いたします。
このうち、本年8月11日からの大雨への対応に係る補正予算の専決処分承認案について御説明をいたします。
これは、大雨災害への応急的な対応として、直ちに補正予算措置が必要な民有地堆積土砂等撤去、公共施設の災害復旧などに要する経費34億9,820万円について、地方自治法第179条第1項の規定に基づき、一般会計及び下水道事業会計の補正予算の専決処分を9月1日に行ったことから、その承認を求めるものであります。
以上が今議会に提出する議案の概要であります。
なお、公共施設の本格的な復旧などに必要となる予算措置につきましては、現在必要経費の見積もり等の作業を鋭意進めているところでありまして、準備が整い次第、本定例会に追加提出させていただきたいと考えています。
私からの説明は以上です。
記者
補正予算の内の、(新型)コロナ(ウイルス)の部分で特にアフターコロナを見据えた中小企業の活性化支援の部分についてお伺いしたいんですけれども、事業費が12億円ついているんですけれども、この施策というのは、また新たな支援という理解でいいのかどうかということと、今までもいろいろ支援されてこられていると思うんですけれども、今、緊急事態宣言下で企業は非常に苦しんでいるんですが、その中でこういった施策を打ち出す市長としての支援の思いというのをお伺いしたいんですけれども。
市長
今回のこの支援策は、先ほど少し説明しました広島市販路拡大等チャレンジ応援実行委員会という運用主体が、売り上げが落ち込んでいる中小企業者等の販売促進とか販路拡大に取り組んでいきたいということを要望されておりまして、その構成のベースとなるのが、市の広島商工会議所、広島県商工会連合会、そして広島県中小企業団体中央会、このような構成員となっておられまして、そこで今言った取組を応援したいと。そのためにそういった取組をきちっとやるかどうかを審査して、応援する仕掛けというか、それに必要な費用を補助してもらえないか、こんな話がありまして、じゃあ、今までこの(新型)コロナウイルス禍で困っている方々については、共助の精神でね、助け合うということをやるときに、必要な原資を出すということを言ってきたのだから、今回もその考え方に沿って措置しましょうというものであります。そういう意味では、新しい対象支援方法なんですけれども、考え方のベースには、市民あるいは事業者団体等が、自分たちで工夫して頑張るという仕掛けを応援しようというものであります。実際に、個別に困った方々への様々な支援、国・県が、対象を限定しながら特記してやっておられますので、それとはまた別の切り口から、必要な支援をしていこうということでやっております。
融資の方についても、今困っているということで様々な支援がある中で、もう少しアフターコロナも、そういったことも見据えながらさらに頑張りを見せようという方々がおられるので、そのための資金について、やはり支援をということでありますので、新しい融資枠と言いますかね、それを作ろうじゃないかということでやったのが今回の予算措置であります。
記者
ありがとうございます。
記者
まだ補正予算の関係ですかね。1つだけ。ちょっと他に聞きたかったことが1個あるんですが。もし差し支えなければ1個あとでいいので、順番が来なかったらいけないので先に質問の補足をさせていただきます。1つは今回の補正予算、コロナ中心ですよね。それで今個別のコロナ予算についてを言われましたけど、全体として、今回こういった当然(新型)コロナ(ウイルス対策)を中心になるとは思うんですけれども、市長の全体としてのこの予算についての思い入れ、これを質問させていただきたいのが1点と。あとでかまいませんので、今、まだコロナは高止まりしていますので、その市長の今の受け止め、それを交えて。交えたら、その質問はあとでもかまいませんので答えていただければと思います。
以上2点です。
市長
今回の補正予算の大きい考え方は、今言われたコロナ対策と、災害復旧対策と、その2つが大きな課題かなというふうに思っていまして。これは、いずれも人類に対する脅威というものを我が市の市民が受けて、それを乗り越えないといけないという中で、国・県ですね、行政体を挙げて必要な措置を講ずる。そして、措置できる予算システムを作ってくれていますんで、それをフル稼働して、迅速的確にやっていこうということを理念として編成しております。その際、先ほど支援なども申し上げましたけれども、国・県・市の役割分担というものを考えながら、かつ、市民の方が問題意識を持っておられる点にしっかりと焦点を当てて、必要な対策、どういうふうにすればいいかということを考慮しながら組み立てたという思いであります。これが基本的な考え方ということであります。
■その他の質問■
【自民党の岸田文雄衆議院議員が党総裁選への立候補を表明したことについて】
記者
自民党の総裁選が予定されておりまして、地元選出の岸田(前)政調会長が立候補するという意向を示されているんですが、それについての地元でもありますし市長の受け止めと、お立場というか、エールを送られるのか、その辺について御見解をお願いします。
市長
総裁選に地元出身の岸田議員が立候補するということを言われております。この立候補される岸田議員についての思いでありますけれども、議員そのものは外務大臣をやられておりますし、それから防衛大臣もやられております。それからあとは沖縄・北方担当等もやられて、内閣府の特命の大臣もされている。さらには、消費(者)行政推進担当大臣とか、文科省(文部科学省)の副大臣等もですね、いろいろな行政分野での経験、知識等を持っておられるということが1つありますし、それから平和行政に関連いたしましても、オバマ大統領広島招聘であるとか、G7の外相会合の広島開催ということに大変御尽力いただいて実現ができたということもあります。
そして、もう一つ総裁選に立つにあたって表明されている内容ですね。核兵器のない世界を目指す上で重要な条約、核兵器禁止条約ですね。重要な条約だということを言っておられて、核保有国を条約に引っ張り込んでいくという、引っ張っていくということが大事だという認識を示されていますので、自民党総裁になられたら、ヒロシマの心を踏まえた堅実な対応をしていただけるということを期待できるんじゃないかなという受け止めを持って、そういった思いがベースにありますので、ぜひ総裁選に勝っていただければというふうに思います。
なお、今申し上げたようなことも少しありまして、地元のというか、県内の各市長さん方にお話ししたところ、県内全ての市長さん一丸となって、岸田さんを応援しようじゃないかというようなことも話し合っていまして。そんな受け止めです。
記者
今の言っていた話で、この間、(広島)県の市長会の方があって、その市長会の中で、やっぱりそういうふうな話がちょっと出たのかなと。
市長
市長会のあとで、皆さんの意見交換の場で、お話をいたしまして、市長会のみんなで応援しようじゃないかというような話をしました。
記者
すると、もう一点で、今、このコロナの状況の中で、まさに国難という状況にあると思うのですけれども、その中で、次の首相に地元の自治体のトップとして望まれるものであったりとか、そういう首相像みたいな、その辺について市長の考えも合わせてお伺いしたいのですが。
市長
今申し上げましたように、今までの議員の経験として、十分国政を担う資質のある方だということと共に、何といいますか、地元に何でもかんでも有利にしてくれということを期待するという立場ではないのですけれども、まず日本全体のことを考えていただけるということが一つと。もう一つは、平和に関しては、ヒロシマの願いでありますけれども、日本共通、世界共通の課題であるというふうに思っていますので、それについて、ヒロシマの心を理解していただいて、典型的には、先ほど申し上げた核兵器禁止条約などについての理解をしっかりして、国政をリードしていただけるならば、我が国だけではなく世界のためにもなると、そういう考え方をしっかり持っておられる議員であるから、ぜひともなっていただきたいというふうに思います。
記者
ありがとうございました。
【サッカースタジアム建設予定地の発掘調査で発見された被爆遺構について】
記者
ちょっと今日のこの資料とは関係ないのですけれども、サッカースタジアムの予定地の発掘で出てきた遺構についてなんですけれども、先日、被爆者団体などが再度、市に要望をされたと思います。で、市の方からも回答をされておられると思うのですけれども、改めて、今の時点での市のスタンスと、そのスタンスを取る理由っていうのをお聞かせ願えますでしょうか。
市長
御要望いただいた点については、昨日、文書回答をさせていただいておりまして、それを読んでいただければ分かるようになっているのですけれども、改めてその回答のポイントを申し上げますと、今回やっています発掘調査というのは、元々がスタジアム建設をしていこうと、その用地にあたることから、そこの地盤をチェックして、どんなふうになっているかと。そうすると、間違いなくそこには近世と近代の遺構があると、元々はまだそこにお城の関係の遺跡が下に。その上にはまた、戦時中も含めての近代の遺構があったと。どんな状況かを調べる必要があるというところから始まったわけですね。そして、その際、調査するとしても、スタジアム建設に伴ってそこを掘り起こしていく必要が出てくる。スタンドを造る、その基礎工事を行うゾーンがどの辺になるだろうかということで、初めは、中央館の位置が東側にあったり、西側へいったりしながら、大体決定した中でじゃあこの辺りということでゾーンを設定して、調べるようになったんですけど、その際、地盤としてもやむをえず基礎工事なんかをやるために壊さなきゃいけないところを特化して、そこの部分を掘り込んで、そこで近世あるいは近代の遺跡の状況がどうなのかということを調べなきゃいけませんということになったんですね。それを本市の文化財の審議会で決めていただいて、一部を掘り返すのだから、掘ったときに出てくるものを、そこにあってもスタジアムを建設することになるのだから、残すために記録保存をまずは確実にやりましょうということで、始めたものですね。そして、スタジアムの広さの中で、そういった掘り返しをしなきゃいかんところは、1割ちょっとのところであります。全体的に9割はそのままでいくと。その土地の上に建物を造って、掘り込むのは1割強の部分ですね。そういったことを前提にしながら、しかし、掘り返したところについては、まずは戦前のヒロシマの姿が出るということが分かりましたので、それについては、記録は保存するのは当然だけれども、さらに、いろいろな御意見があるからどうしようかということなので、先ほど申し上げた文化財審議会の皆さんの意見を聞いて、発掘された遺構の一部、典型的な箇所が分かる3箇所については、ちゃんと切り取って保存活用していくというふうにしようじゃないかというふうな流れになったわけです。その間、そういった流れも今回要望されている皆さんの意見がありますよというようなことを聞いてきた中での処理としてやってきたのであります。そして、今申し上げたような経過については、我々としては発掘調査というものについて必要とされる法令的な所要の手続きを踏みながらやる中で、さらにその外枠でいろいろな御意見をいただいたものですから、それを咀嚼しながらこういった手続きをやってきておりまして、こういった記録保存をやるということと、切り取りをきちんとしてそれを皆さんに見ていただく、活用するということもやれば一定の御意見も受け止めながら、いわばこういった遺構の保存とスタジアムの建設というのを両立できるようになっていると思っていますよと。ということでぜひ御理解してくださいと。こういうスタンスでお答えをさせていただいているわけであります。
これは元々そういう遺跡とかそういうものを発掘するための調査をやりましょうと、そのために時間をいくらかけてもいいし、あとの近世のお城の遺構はどうでもいいのでそこだけやりましょうとか、元々問題設定してやっているのはいいんですけれども、何層かに渡ってやっているその一部のところを掘り下げてどうなっているかを調べましょうということで始めたものなんですよと。たまたま見つかった中でいろいろな御意見があったとしても、スタジアムを造ろうという中でやっているものですから、それとの調整をするということをしっかりさせてもらうということでやっていますということを申し上げてきたわけですけれども、遺構とかそういったものを大事にしたいという方の御意見も分からないでもないんですけれども、そうしたものですから記録保存だけでは十分ではないと言われることを踏まえて、じゃあ現物を取り出していこうと。中には現物をそこに残しながら建物を設計で、イタリアのローマみたいに遺跡と近代建物を調和させるような設計もあるんじゃないかという御意見も入っておりましたけれども、ここは元々基礎を打つところに限定してそこを掘り下げないといけないからと掘ったのであって、全体遺構と建物を調和する設計図を作るみたいなことで予算措置をしているわけでもないですし、それを避けるために徹底的に調査して、調査したところが皆さんで目で見れば広くて広大な場所だと言われるんですけれども、スタジアム全体からすると9割方はそのまま土地の中に保存しているわけですから、そういったことを理解していただきたいということを言いながら回答させていただいておりまして、着実にこの事業をやるということ、御意見も咀嚼しながらやるということ。それからあと、切り取ったものの保存活用については、そういった思いある方々の意見もまたしっかり聞いてきちんと展示するという工夫もしたいというようなことも申し上げております。そんな状況であります。
記者
今の関連で市長がおっしゃられる様々な意見も当然踏まえた上でということではあるんですが、先日の被爆者の方々の要望のときには、日本考古学協会の評価、市への要望も出ていると思いますが、そこもすごく重視されての要望だったと思うんですけれども、その様々な意見の中でも(日本)考古学協会の評価とかっていうのはひとつ大きな重みもあると思うんですけれども。すぐ保存ということではなくて検証をというような、まず検証をというような意見もあったと思うんですけれども、そこの部分についても、もう明日から一部、天候次第では着工ということになっていると思いますけれども、やはり方針は変わらないということでよろしいでしょうか。
市長
今申し上げたのは我々の立場としての検証はしてきているふうなことで、今言われる検証は、あそこの遺構の全部を掘り起こしてやれとかいうことであれば、これはサッカースタジアムを造るためにやりましょうという作業をやめて遺構を発掘作業に全部変えないといけない。基礎工事をやる部分だけを掘り起こしているのにそこの部分だけを使って検証をというのを、どうも合点がいかないことであります。全体を見るというんだったら全部発掘しないといけません。しかしそれはやらなくていいと言われるんですよね、あそこの部分だけでやれという。だから、今回のスタジアム設計について議会という、言わば市民の意見を今からやる作業のところで了解を得てやっている作業について、遺構ということについての専門家の立場の御意見ということでお聞きは致しますけれども、全体の作業の中の位置付けということをもう一回よく整理させていただくのならば、今私が申し上げたようなことで、決して御意見をないがしろにしているわけではなくて、検証と言うけれどもそれができるような状況じゃないので、多くの遺構の部分はそのまま今の土地の中に埋めておいて、近世近代の一部は見ますけれども全体像は置いているわけですね。そういう意味では将来のそういった検証に支障をきたさない範囲で最小限の手を付けるということだと理解していただきたいですね。発掘検証作業をスタジアムにかえて全部やれということですかと言うと、それはそこまで言っていないんだと、とにかく時間をくれと言われるわけでありまして。そうするとそのスケジュールを無目的に変えるというところについて議論ができていないんですね。そんなことですから、スケジュールの中でいただいた御要望なり御趣旨、尊重できるところ咀嚼できるところはもちろんさせていただいたということです。被爆者団体の多くのメンバーそれで御理解いただいたというふうに受け止めています。
記者
ありがとうございました。
【新型コロナウイルス感染症の感染状況について】
記者
先ほどは補正予算の話だったので、改めてお聞きしますけれども、(新型)コロナ(ウイルス)が非常(緊急)事態宣言後もまだ高止まりしているような状況ですね。で、やはり市長としても強い思い入れがあると思います。その受け止めをお聞かせ願えたらと思います。
市長
この感染症の感染状況に関しまして、まず基本的な自分の今の思いは、本市としては国・県・市という行政の中の役割分担というものをしっかりわきまえて、取り組むべきこと、取り組むことができること、べきこと、できることついて全力を挙げてやってきているという思いなんですけれども、実際この状況を見ますと、この感染症対策というのは行政組織だけで実現できるものではないなという思いを強くしています。従って、改めてこういった対策というものは、それを受容してしっかりと効果を出していただくためには、市民の皆さんのお一人お一人の協力がなければできないんじゃないかなという思いが強いわけであります。
先ほど申し上げた、具体的にどんな役割分担をやっているかということなんですけれども、役割分担をやりながらも、実際依然として大変な状況というのは、もうすでに数値に出ておりまして、直近の1週間当たりの10万人当たりの新規感染者数が85.2(人)でありまして、ステージ4という指標、25人という数値からこれは3倍以上という数値でありまして、依然高止まり、大変な状況だということは一つあります。そして、もう少しその状況を分析しますと59歳以下の方の感染症の割合が多い、そして低年齢の方が感染するケースが間違いなく増えてきているということもあります。そしてその発症現場も職場であるとか、生徒さんでは部活であるとか、それから会食の場のクラスター。これは対策を打っても、その対策を実行する受容する側の方で十分それが効果を上げていないという、その実情を例えるなら問題があると思うんですね。そして、じゃあ対策は何を打っているかということですけれども、(広島)県の方から緊急事態宣言に基づいて「外出の半減をしましょう」とか「酒類とかカラオケ設備を提供する飲食店での休業をしてもらおう」と。つまり、人が出にくい状況を設定しようじゃないかとか、大規模施設の営業時間の短縮、要請をするというのはやっています。つまり、お一人お一人の行動を個別にできないから集団でやる可能性を少しずつ抑えてやるということを対策としてやらざるを得ない、そんな状況であります。それで市としてもそれに関連づけて、本市が主催するイベントは原則中止で人が集まらないようにするということをやっているから皆さんこのことを理解して個々の行動もよろしくお願いします、それで延長するということで分かってください、さらには、施設へ休園、休館もするということで、ある意味でメッセージをもうふんだんに出しているというふうな思いなんです。その状況を理解していただいた上で、今までもやってきて大変なんだということなんでしょうけれども、改めて分かっていただけないかということです。
それともう一つ、感染症にかかった方々、大変な思いをされていますけれども、そちらの方の状況は申し上げますと、宿泊療養施設、この確保ということをやっています。特に(広島)県の方でやっていまして、これからは臨時の医療施設、野戦病院の設置も検討しなきゃいかん状況になっているということを県の方でもやっています。そうした中で、本市はそういった施設設定の中で実際に動くという方、保健所の職員であるとか、区の保健センターの保健師等、どんどんと増加いたしまして、今大体90名余りの体制になりました。その方々が今フル稼働しておりまして、感染者の積極的な疫学調査とか、患者の搬送ということを上げてやっております。そして自宅療養せざるを得ない方々に関しては、日々、健康観察ということで、その方々と連絡を取って症状悪化したときには、その方々の入院手続きを取る、あるいは外来受診に円滑につなぐための対応をするということで、職員本当に頑張ってくれていると思います。感染するとこういう状況になるんです。
こういったことを、ぜひ市民の皆様お一人お一人、健全に過ごしている方はうまくいっているんでしょうけれども、かかっていないからじゃなくて、これ以上広げないために、みんなでこういう事態を避けるようにしようじゃないかということを皆さんの共通の思いにしていただきたいんですね。スローガンとして3密回避とか飛沫感染防止とか、いろいろ言っています。これは耳だこになっていると思いますので、ぜひ改めて御自身の行動態様を徹底するということをお願いしたいんですね。それをやることに違和感がないとか、連帯して一緒にやろうじゃないかというふうなことをなんとかお願いしたいという思いであります。
以上です。
【サッカースタジアム建設予定地の発掘調査で発見された被爆遺構について】
記者
すみません、ぶり返すようで申し訳ないんですけれども、2つ質問があるんですけれども、1つ話を戻させていただきたいんですが、サッカースタジアムの(被爆)遺構の件に関して、いろいろ要望されている側の方のお話とかを聞いていると、何よりもしっかり評価をしてくれていないんじゃないかとか、軍都であった広島の歴史を少し真剣に考えていないんじゃないかっていうような御意見もおっしゃっている方もいて、その中でもっと検証してほしいとか、そういうことを皆さんおっしゃっていて、それを要望したのに今回のように切り取るっていうことを決定したことについて、不信感がすごい募っているんだなというふうに感じているんですけれども、市長のお言葉で、遺構に対する価値といいますか、それについてはどうお考えなのか改めて聞かせていただきたいんですけれども。
市長
遺構といいますか、私自身はあのそばの学校のところに行っていましたから、あの辺りの公園のある以前の状況も知ったりしていまして、遺構ということを言われますけれども、あの辺りには昔、住宅がいっぱい建っていたんですよね。そして、被爆後の状況をどれほど残っているかなと思うのは、そこへ住んでいる方々がね。平和公園は別ですよ。平和公園は焼けたあと直ちに公園にするということで、手付かずにしていますけど、あの辺りは市営の住宅群を造って、基礎から何から打ち替えたりしているから、そのまま残っているところは元々あまりないということなんです。しかも、その輜重兵補充隊があった昔の地図と今の地図を見ると、上下長いんですけど、上の方は市営住宅が今建っていますから、あそこは全然基礎が無いんですね。南の方は、子供(ファミリー)プールと、それから、あそこの城南通りを造っていて、道路を造っているから全然基礎が無くなっています。元々あった施設の半分以上は破壊されているんです。だから残っているという意味で貴重であるということは私も認めます。しかし、残っている状況は、さらにその上に、あそこに住宅を建てて住んでいた方々がおったりして、いろいろな生活のためのいろいろな施設群があって掘り返されておりまして、完全に残っていないなという最初の皆さんの意見はそうだろうなと自分も実感しているんです。だけど、それでも残っているところがあるだろうっていうのは、それも間違いないと思います。全てをひっくり返せば。だから、そういった中でそこを基礎工事として壊さないといけない部分に限定してどうなっているかを調べるということ、そうでないところを掘り返すと言っているわけではないんですね。そこを掘り返したら全部について、その輜重兵補充隊の軍事施設全部を考えろと言われるのは、気持ちは分からんでもないけれども、そういう作業をしているわけではないんですよということを申し上げているんだけど、「やったのだったら、何で考えないの」。さらにもう一つその下の層のお城の近世のところも調べようとやっているんですけど、「それは関係ないので、まずそこをやれ」と、「どうやればいいんですかと」と言うと、「いやいや、我々はそれを要求してないんだ」と、「ここをやってくれ」とこういう御意見なんですね。それをまず皆さんどう思われますかということなんです。ですから「大事なところを残して傷つけないように保存しておいて、今後の検証も可能にしますから。発掘したところは全て記録として残すという中で考えることはできないんでしょうか」と言うと、「そこを今考えを深めるために検証作業をしてくれ」と言われますから、「それはサッカースタジアムの計画とのすり合わせでどうですか」と言ったら、「スタジアム設計、建設ありきでやっているのか」と。ありきなんですよ。ありきでやっているんです。それが事実なんですけれども、それがいかにも悪いことのように言われるから、そうじゃなくてスタジアムを建設するために始めたという中での作業として、御理解くださいということは、それを私は矛盾じゃないと思っております。そして手続きを始める前ですし、そういったのを市全体で議会の決定の中でやっている中で市民の御意見として聞けるところは充分聞いています。だから、「大切である」ということを否定しているわけではない、行政として皆さんの意見を聞きながらやっている作業の中で、そのスペシャルな専門的な意見を言っている方々の意見も組み入れて対応しているということ、全体の構造も理解していただきたいということを申し上げています。
【新型コロナウイルスワクチンの接種について】
記者
ありがとうございます。あと一ついいですか。すみません。あと一つ全然関係ないんですけれども。補正予算のところにもかぶってくるんですが、今まだ、今日の中国新聞さんなんかにも載っていましてけれども、若い人のワクチン接種が進んでいないというところで、今回も補正予算で54億円、ワクチン接種の追加のための費用も追加されていましたけれども、今後、こういった施設の拡充ですとか、あと、もうワクチンさえ国から供給されれば、今のこういった予約が取れないですとか、そういった状況は解消されると考えていてよろしいんでしょうか。
市長
解消されるというか、解消しなければいけないと思っています。仕掛けはこうなんですね。ワクチンの接種体制は、皆さんもご存じだと思いますけれど2種類ありまして、個別接種と集団接種というやり方でやっています。で、個別接種の方は、主に接種を受けられる方の既往症などがあって、そういったことに配慮しながらやっていくにふさわしいやり方だということで、開業医のかかりつけのお医者さん辺りがやるという。その既往症の可能性が高いという、高齢者の方なんですけれども、そういった方々については、個別接種を中心に接種体制に入ってまいりました。もう一つが集団接種ですけれども、この集団接種は、一気に大量にやるということなんですけれども、受ける方々の、例えば、生活時間との兼ね合いなどを兼ねて、自分たちの受けやすいときに、任意の制度ですから、受けやすい所でということでやるやり方ということで、やってきておるわけでありますけれども、市の中での接種状況を見てまいりますと、その2種類のやり方なんですけれども、それぞれ現状でいくと、個別接種は664の医療機関でやっていたと、そして集団接種会場というのは13会場設けてやっております。そうした中で接種が進んでおりまして、全体総数で申し上げると、1回目の接種完了者は、現時点で55万8,565人。率にすると、51.4%であります。2回目の接種終了者が、43万6,848人、40.2%。これは8月31日時点の数値ですね。これ平均というか全体なんです。ところが、ところがですよ、ここから問題なんでありまして、「全体で2回済んでいるからいいじゃないか」ということにはならないのは、60歳、65歳かな、以下の方の接種状況を個別に見ると、(8/30時点では)60~64は44.7%、50代になると29.6%、40代だと21.3(%)、30代だと15.9(%)、20代だと14.6(%)、12~19だと8.8(%)(8/31時点での2回目接種の年代別接種率は60~64歳:45.9%、50~59歳:30.7%、40~49歳:22.1%、30~39歳:16.5%、20~29歳:15.4%、12~19歳:9.7%)と。だんだん年齢が低くなるほど低いんですね。そして、今、年齢が低くなるほど感染が増えているという、こんな状況があります。従って、この状況を見定めながら、各年齢階層ごとの状況を見てそれぞれに接種率を高めなきゃいかんというふうに思っています。そういう意味で、必要な予算措置もするんですけど、さらにその際の工夫の仕方を、今申し上げた中であえて言えば、個別接種じゃなくて集団接種ですね、生活時間との兼ね合いを考えながらやっていくということができる集団接種の体制の方のさらなる強化がいるんじゃないかと。今13会場ですけれど、もっと増やして皆さんが利用しやすいようなところ。それから、平日なども、もっともっと来ていただけるようにすると。場所的にも、もうちょっと行きやすい場所とか、市民のなじみのある場所とかっていうことを確保する。それと同時に、それをやっていただく先生方も、接種する方の確保とか、問診をする方の確保というのはいるんですけれども。そういうことをやると。それから平日の夕方、あるいは夜間とか、そういったところでもするというふうな工夫といいますか、さらにしていくということをやっていかなければいけないと。そうすることで、なるべく早く2回接種をする方を、とにかく前倒しで増やしていくということをやりたいと思います。そして、今申し上げた体制を拡充していきますよと、しましたよというようなことを、SNSなどを通じて、そういうの利用する方が多いでしょうから、その他の広報媒体もしっかり使って、市民にしっかり周知していくことをやらんといかんですね。今現場で起こっているのは、一定の時間あって、それからパパッと予約すると、すぐに予約枠が埋まるっていうようなことを聞いています。若い方々が接種をしたがらないというのは、噂もあるんですけど、一方では、やりたくても十分予約が取れないという方々がおられるという現状もありますので、今申し上げたように接種をする場所というんですか、体制を拡充するということを、今からもっともっと力を入れてやっていく中で、接種率の向上を目指すということをやりたいと思っています。
以上です。
※( )は注釈を加えたものです。