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ページ番号:0000235072更新日:2021年7月27日更新印刷ページ表示

2021年7月13日記者会見「平和首長会議の新ビジョン及び行動計画の策定について外2件」

動画は下記からご覧ください。

(「広島市公式チャンネル(YouTube)(市長記者会見)」のページへジャンプします<外部リンク>

日時 令和3年(2021年)7月13日(火)午前10時15分~11時21分

場所 市役所本庁舎11階第一会議室

 

■市からの発表案件■

【平和首長会議の新ビジョン及び行動計画の策定について】

市長

 それでは、新ビジョン及び行動計画の策定について発表させていただきます。平和首長会議はこれまで、被爆者の存命のうちに、核兵器廃絶を実現したいとの願いから、2020ビジョンの下で、核兵器廃絶に向けた様々な取組を進めてまいりました。この2020ビジョンが昨年度末をもちまして終了したために、(令和3年)7月7日(水曜日)に、広島・長崎の他16の役員都市の参加を得まして、第12回の平和首長会議理事会をオンラインで開催いたしまして、全会一致で新たなビジョンと行動計画を策定いたしましたので、そのポイントについて、資料に沿って説明をさせていただきたいと思います。

なお、参考までに、A4、1枚物の概要図をお配りしておりますので、全体図はそれを見ながら御覧いただければ、参考にしていただけると思います。

 まず、1ページ目、新たなビジョンの名称についての説明であります。核兵器を廃絶して、人類の共存が持続可能になることによって、あらゆる人が永続的に平和を享受できる世界、すなわち「世界恒久平和」を実現するために、市民が連帯する都市を創造するという観点に立ちまして、新たなビジョンの名称を「持続可能な世界に向けた平和的な変革のためのビジョン」といたしました。また、副題を「都市による軍縮と人類共通の安全保障に向けた平和構築」といたしました。英語名では、「Vision for Peaceful Transformation to a Sustainable World」といたしまして、「Peaceful」の「P」と「Transformation」の「Trans」の略称であります「X」を取りまして、略称を「PXビジョン」というふうにいたしました。

2ページ目を御覧ください。このPXビジョンでは、世界恒久平和への道筋といたしまして、これまで掲げてきた「核兵器のない世界の実現」ということと、「安全で活力のある都市の実現」この2つに加えまして、3つ目、「平和文化の振興」という新たな目標を掲げております。それぞれの項目についての説明をいたします。

 まず、「核兵器のない世界の実現」についてでありますけれども、都市とその市民が標的となって、ひとたび使用されれば、地球全体が甚大な被害に遭うという、その核兵器、これは市民の安全・安心な生活を脅かす最大の障害になります。

平和首長会議は、市民の安心・安全な生活を守ることを使命とする自治体の首長で構成された組織でありますことから、それを脅かす最大の障害である核兵器を廃絶することが最重要課題であるという考えのもとに、一つ目の目標に据えました。この目標達成に向けて、国連や各国政府、とりわけ核保有国とその同盟国に対して、加盟都市と共に核兵器廃絶に向けた行動を要請することによって、為政者の政策転換を促していくということにしております。

 次に、「安全で活力のある都市の実現」についてであります。

核兵器がもたらす脅威以外にも、人類は、飢餓、貧困、難民問題、人権問題や環境問題など、その共存を脅かす様々な課題に直面しています。市民の安心・安全な生活をより確かなものにしていくためには、こうした地域ごとに異なる多様な課題に取り組むことも重要であると考えて、これを二つ目の目標に据えたものであります。

 最後に、この度、新たな目標として加えた「平和文化の振興」であります。

これについては、「核兵器のない世界の実現」と「安全で活力のある都市の実現」という二つの目標達成に向けて、根元的に重要なことは、現在の国際情勢の下で、国益追求を重視する国家レベルの視点というものに代えて、市民相互の利益を重視し、助け合うことが大切であるという、いわゆる市民レベルの視点、これに基づきまして、核兵器のない平和な世界を願う市民社会の総意を形成すること、そしてこれにより、為政者の政策転換を促していくことだというふうに考えています。

そのために、市民一人一人が日常生活の中で平和について考えて行動する「平和文化」これを市民社会に根付かせて、平和意識を醸成していくこと、すなわち「平和文化の振興」を図るということが必要と捉えています。こういった取組が市民に最も身近な存在であります自治体の首長により構成される平和首長会議にとって、今後果たしていくべき最も重要な役割になるというふうな考え方に立っています。

 3ページ目、御覧ください。続いて、ビジョンに基づく具体的な取組を定めた平和首長会議の行動計画であります。今回のビジョンと併せて、2021年から2025年までの行動計画を策定いたしました。この行動計画は、都市がそこに居住する市民を核兵器の脅威から確実に守るとともに、人類の共存を持続可能なものとするため、ビジョンの三つの目標の下で、加盟都市と共に進める取組というものを掲げています。その内容を順次説明いたします。

まず、ビジョンの1つ目の目標である「核兵器のない世界の実現」に向けた取組でありますが、ここでは、”被爆者の思いの共有”というものを根底に据えて、(1)から(3)までの取組を進めていくことにしています。

具体的な1番目ですけれども、「核保有国及びその同盟国を巻き込んだ核兵器禁止条約の批准国拡大の促進」。ここでは、今年1月に発効いたしました核兵器禁止条約について、被爆者が長年訴えてきた核兵器廃絶に向けて、同条約の影響力を最大限まで高めるために、批准国の拡大を促進していきます。そのためにも、核保有国及びその同盟国に対して、まずは、締約国会議へのオブザーバーとして参加すること、そして、同条約の実行性を高めていくための議論への参画であるとか、普遍的な核軍縮体制の確立に誠実に取り組むといったことを要請いたします。

 また、2番目、「国連・各国政府への核兵器廃絶に向けた要請・働き掛け」といたしましては、NPT(核兵器不拡散条約)再検討会議や核兵器禁止条約締約国会議など、核軍縮に関する国際会議への出席など様々な機会を捉えて、被爆者の切なる願いを礎として、核兵器廃絶に向けて核軍縮を進展させていくために、「核抑止からの脱却」、「NPTが課す核軍縮義務の遂行」、そして、「被爆地訪問」の必要性、これを訴えて、相互協力に基づく安全保障体制を実現するよう、国連・各国政府に要請してまいります。

 さらに三つ目、「幅広い市民による為政者の政策転換に向けた働き掛け」といたしまして、全ての国に核兵器禁止条約の早期締結を求める署名活動を引き続き実施していきます。

 次に二つ目の目標である「安全で活力のある都市の実現」に向けた取組であります。ここでは、国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)の遂行によりまして、”持続可能な地球・社会への貢献”を果たすことを目指して、1番目、「テロ、難民、環境破壊、多様性と包摂性の軽視等の諸問題への地域ごとの取組の推進」といたしまして、諸問題の解決に向けた世界各地域での取組を推進していくこととしております。現在、世界各地に24あるリーダー都市が、それぞれの地域の実情に沿った主体的な活動を展開しているところであります。これをさらに充実していくというようなことが考えられます。

続いて、「平和文化の振興」であります。ここでは、世界恒久平和を希求する国際世論の醸成・拡大を進めることが重要と考えて、二つの目標、「核兵器のない世界の実現」と「安全で活力のある都市の実現」を支える取組として、(1)から(3)までの取組を推進していくことにしています。

まず1番目の「市民社会における平和意識の醸成」では、より多くの市民に平和の尊さについて考えてもらうため、芸術やスポーツなどを通じた多様なイベントを開催するとともに、国際的な平和研究機関との連携の下で、核兵器に関する情報をホームページやメールマガジンなどにより発信してまいります。

次に二つ目、「被爆や戦禍の実相の発信・共有」。これについては、より多くの市民に被爆や戦禍の実相について理解を深めてもらうため、ポスター展の開催や被爆体験・戦争体験講話を聴講する機会を提供していきます。

さらに三つ目、「次代の平和活動を担う青少年の育成」では、青少年に、被爆の実相についての理解を深めるとともに、平和の尊さについて考え、核兵器のない平和な世界に向けて主体的に活動してもらうために、「子どもたちによる“平和なまち”絵画コンテスト」を始めとした、平和教育の充実や平和・軍縮教育の普及などの取組を推進してまいります。

7ページ目を御覧ください。また、こうした取組を継続的に展開していくためには、持続可能な組織づくりの推進が不可欠であります。以下(1)から(5)までの取組を推進していくことにしております。

具体的には、(1)「加盟都市の拡大」、(2)「加盟都市における活動の充実」、(3)「多様な主体との連携」では、1万都市加盟を目指して加盟都市を拡大しながら、それぞれの活動を充実させるとともに、国際的な機関やNGO(非政府組織)、平和研究機関などと連携していくことにしております。また、8ページ目の(4)「事務局機能の充実」では、ソーシャルメディアを活用した情報発信の強化や平和首長会議の活動をより多くの人に知ってもらい、賛同者を増やしていくための広報活動の推進などに取り組んでまいります。さらに、9ページ目の(5)「財政基盤の充実」に向けまして、多くの賛同者から寄附金などを得るための方策について検討を進めていくことを予定しています。平和首長会議は、この度策定したPXビジョンと行動計画に基づきまして、165か国、地域に広がる8,037の加盟都市と共に、世界恒久平和の実現に向けて、たゆまず行動していくというふうな考えで対応してまいります。以上が新たなビジョン及び行動計画の概要です。よろしくお願いします。

 

記者

 この度、PXビジョンなんですけれども、核廃絶の目標年限を設けなかったということなんですが、市長もずっと設けないっていうふうにはおっしゃっていたんですけれども、改めて設けなかったことについて見解をお願いいたします。

 

市長

 核兵器廃絶そのものに向けての様々な状況を総合勘案して、年限設定できるというふうな判断材料がまずないということです。しかし、この究極目標に向けて基本的な考え方の下に、行動計画を区切りながら、その中で、より核廃絶に向けた状況を好転させていくという、Slow but steady、ゆっくりであっても確実に物事を進めていくという考え方の下に、これから、平和首長会議の活動をしていこうという決意を新たにしたところであります。スローガンを掲げて、注目を集めて、結果、できませんでしたということを繰り返すよりは、事態を確実に前進させるということをやっていくという平和首長会議にしていきたいと考えています。

 

記者

 ありがとうございます。とは言え、前回も2020ビジョンで掲げて、かつ核兵器禁止条約の締約国会議でも、核廃絶の目標年限を定めようっていうふうな話にもなっているんですけれども、理事会とか役員都市の中でも、そういうふうな目標年限を定めようかっていうふうな意見は出なかったんでしょうか。

 

市長

 先ほど申し上げましたように、会議の性格をこういった形でしようという説明をいたしましたよね。皆さんの了解を得たと思っております。

 

記者

 単純な質問になってしまうんですけれども、前回の(2020)ビジョン、行動計画から、特に変わった点とすれば、この「平和文化の振興」というものを追加したということになると思うんですけれども、具体的な取組として新たに追加したものとして例として挙げるのであれば、どれになるんでしょうか。ビジョンとして「平和文化の振興」というものが加えられたというお話だと思うんですけれども、具体的な一つ一つの取組の中で、特に今後力を入れてやっていく。いくつかは被っている部分もあるかと思うんですね。それ以外に、今回これから特に力を入れてやっていくこととして、何か新しく加わったものが何かなというふうに思ったんですけれども。

 

市長

 2020ビジョンと比べてということですか。

 

記者

 そうですね。平和教育の推進などは、新しい「平和文化の振興」の中にも入ってはいるんですけれども、これは、これまでも取り組んでこられたことだと思います。それ以外に何か新しく行動として計画されているものが何かあれば、教えていただきたいなと思います。

 

市長

 総論で申し上げますと、今まで平和首長会議で取り組んできた取組の様々な具体的な活動が、何か一新して全く新規のことをやるかというと、そういった性格ではないというふうに捉えてください。ただ、これまでの成果、それから実際の結果というものを考えて、しかし、最終目標は核兵器の廃絶という理想を掲げて、あるべき姿を追求するという中で、それは先ほど申し上げましたように、ゆっくりかもしれないけれども確実に事態が進展していくために、ビジョンという形で取組を、体系を整理したということが一つあると思います。廃絶に向けて、その取り組む主体である都市の位置付け。国家ではありません。国同士の問題とか、あるいは学者・先生とか評論家の集まりではありません。自分たちとして何をするかということを考えたときに、首長の本来の使命、そこに住む市民の安心・安全を確保するという、その使命に応じてやる取組と核兵器廃絶に向けての取組がベクトルを同じくするということを確認するとともに、都市本来がやる取組、核兵器以外に、様々な人類共通の課題を一緒にやる中で、相互関係・協力関係を作り上げて理想に向けて動くという集合体にしていくということをやりました。そしてその中で、その集合体として単に留まるのではなくて、「平和文化の振興」という形で各都市が営む文化づくり、いわゆる都市の運用上の様々な取組の中で、今申し上げた二つの課題と絡めながら、事業展開していこうということを確認し、これで好事例、成果が出れば、これを他都市にも共有して世界的な取組にしていくと。そうした中で、市民社会の総意として、核兵器は絶対悪でいらない、そしてそれは各都市の持っている人類共通の課題に取り組むときに、民意を作り上げるということの重要性ということを確認しながら、その民意が具体的な政治を動かす為政者の判断を変えていく、時間が掛かってもそれをやらなければ、特定のスローガンの下に、争いを繰り返すということをしないようにするための具体的な取組方法だということを確認したと思います。そして、核兵器に関して言えば、為政者が核抑止力という考え方にとらわれているわけでありますので、市民社会の全ての方がそういったものは無用だと、ナンセンスだということを言えば、その方々等を守る為政者の責務でありますから、そういった方々の意に沿って、核抑止論から解放されると、そういう状況を作り上げる、市民社会の総意にするということに重点を置きたい。それ以外に様々なレベルで、取組の上での手法・方法論は出てまいりましょうけれども、都市の市民を守る首長会議の立場としてやるべきこと、やれることを確実にやると。それ以外、様々な機関と連携して個別の取組の中で、協力関係を作りながら、ある意味で役割分担をして、核兵器廃絶をやっていこうという体系整理をしたということです。従って、ここだけで特定の年限を掲げて、いつまでに何をやるといったようなスローガン倒れに終わるようなことをやるのではなく、確実に物事を進めていくということを宣言し、各都市が申し合わせたといったところを確認していただければというふうに思います。

 

記者

 今、市長がおっしゃった「スローガン倒れに終わるのではなく」というふうな言葉と、先ほどのお答えの中でもおっしゃっていました年限を設けないことについて、判断材料がないということをおっしゃっていたのですけれども、判断材料がないということはどういうふうなことを念頭におっしゃいましたでしょうか。

 

市長

 いつまでにということですよね。いつになったら核兵器がなくなるかということは読めないですしね。禁止条約(核兵器禁止条約)ができましたけれども、まだ50数か国しか批准してないわけでありますので、民意を形成していこうという立場から政治的な判断について、いついつターゲットを定めるという行動をするわけではありませんので、判断できないのではないかというふうに思いました。

 

記者

 その平和文化のところで、広島市でいうと平和文化月間を定めるというふうなことが具体的に書いてあると思うのですが、これは広島市としてあるということで、当然こういうのを広めていったりとか、他の都市にも広げていくということも念頭に市長の中にはあると思うのですけれども、その平和文化を醸成するに当たって、その平和文化月間の中でやることであったりとか、もしくは具体的なこういうことをやっていく、こういうことを広げたいとか、もしくはそういうことをやっていった方がいいんじゃないかみたいな話が、この間の理事会の中で出たりとか、そういうことって何かあったりしましたか。

 

市長

 加盟都市全体で平和文化を取り組んでいくというときの、いわば先例的な取組というような位置付けを考えておりまして、広島で11月を平和文化の月間にするということにいたしましたので、例えばこの平和文化の月間を根付かせ充実していく、その先のイメージとして、例えばその季節には、世界の加盟都市と一緒に平和文化の交流授業などを行うということで、その中で広く参加都市を募るとか、行き来を活発にするといった中で、マスコミ等にも取り上げていただいて、こうしたことを特に若い方々を中心にそういった活動をしっかりやるという中で、国境を越えて、市民社会のそういう形成の取組が進んでいるというふうなことを世界に知らしめるような活動ができたらなと思っていまして、そういったことに向けての取組を着実に進めていきたいというふうに考えております。

 

記者

 簡単に2点ほどお伺いします。1点ですけれども、核禁条約(核兵器禁止条約)の批准国拡大の促進という中で、核兵器の保有国はもちろんですけれども、その同盟国を巻き込んだというふうな形が書いてありますけれども、この同盟国の中でも、やはり被爆国である日本政府、これに対して濃淡といいますか、より強くこれを求めていくというようなことはございませんでしょうか。

 

市長

 より強くと、その中で被爆者の方々も原爆の被害を受けた国であって、その国として被爆者のことを考えるならば、同盟国の中であっても、他の同盟国が強く核兵器のないことを望むということをしっかり引き出した上で、橋渡し役をすべきだということを言っておられます。これは全く同感でありまして、そういったことをやっていただくように強く要請していくということを考えています。

 

記者

 2点目は、非常に重箱の隅みたいな話になるんですけれども、核禁条約(核兵器禁止条約)の署名(活動)というのがございまして、署名というのは加盟都市がそれぞれやっていくものなのでしょうけれども、広島市におかれましては、(広島)県原水協(原水爆禁止日本協議会)とか被爆者7団体とか、いろいろ署名活動を独自にやっているところがありますけれども、そういう多くのその署名活動に対して首長会議がそれぞれに対して協力していくという形になるわけですか。

 

市長

 それぞれの立場がありますので、核兵器禁止、核のない世界ということを、いろいろな立場で同時多発といいますかね。一斉にやっていただくというのがいいんじゃないかなというふうに思っています。従って、平和首長会議の立場での署名活動をしながら、その被爆者団体の方々の署名にも、昨日署名いたしましたけれども。だから、いろいろなその立場の方々が異口同音に「核兵器のない世界を」と、核兵器禁止条約の批准国の拡大を求めているということを世にアピールするためには、様々な立場で署名活動を展開するということが効果的ではないかと思っています。とはいえ、もちろん連携しながらやるということです。

 

【新型コロナウイルスのワクチン接種について】

記者

 新型コロナウイルスのワクチン接種についてです。新型コロナウイルスのワクチン接種について、12歳から64歳までを対象とした接種券の発送が今月から始まり、7月14日には対象者全員届く予定となっています。

広島市は、集団接種会場の増設など接種率向上のための様々な取組もされていますが、ワクチン接種の進捗状況についてお聞かせください。

また、国からのワクチン供給について、供給の滞り等により接種計画に支障をきたしている自治体もあると報道されています。広島市への供給状況と接種計画への影響の有無についてお聞かせください。

 

市長

 本市のワクチンの接種につきましては、市域にある医師会など関係機関との協力体制のもとで、接種医療機関の追加募集であるとか、接種回数の拡大ということを図るとともに、全ての区に、集団接種会場を設置するなどいたしまして、接種体制の強化ということに取り組んできました。その結果、1日当たりの接種回数は、6月初旬は5,000回程度でありましたけれども、6月下旬以降には、倍の1万回を超えるというふうに接種の加速化は着実に進んできたところであります。こうした中で、接種の実績を見てまいりますと、実は7月12日までの数字、これは、国のワクチン接種記録システム、VRS(ワクチン接種記録システム)に登録された回数ベースで申し上げますと、65歳以上の方については、1回目の接種が21万7,460回で、接種率にしまして68.6パーセント。2回目の接種が10万9,217回で、率にして34.5パーセントになっております。現在のペースで接種が進むならば、8月上旬には2回目の接種終了した方が65歳以上の方で8割に達するといった見込みになっております。続いて、今言った高齢者を含めた12歳以上全ての方についての接種状況を申し上げますと、1回目の接種が23万9,678回で接種率にして22パーセント。2回目の接種が11万933回で率にして10.2パーセントになっている。これが現状であります。また、本市への国からのワクチンの供給、これに関しましては、8月1日までに、約83万回分が配付されるということになっております。これによって高齢者と現時点で優先接種をするという対象者と考えておる方々の約8割が2回接種するのに必要なワクチン、つまり約80万回分ですけれども、これは確保できるというふうに読んでおります。ところが8月2日以降に関しましては、国からのワクチンの供給量とか供給時期について、基本は示されているんですけれども、詳細が明らかになっておりません。そのため今後接種を開始することになる12歳から64歳までの一般の方への接種については、国から示されることになる詳細とともに、優先接種対象者の予約状況なども見定めながら接種体制や予約開始時期等の調整をさらに進めていかなきゃいかんというふうに捉えているところであります。いずれにしても本市としては、必要となるワクチン量の確保、体制は整っていますので、この確保の方が問題であると考えておりまして、これについては、圏域の中枢都市として企業や教育機関等が集積し、他の地域に比較して特に人流が多くて感染収束に向けての円滑・迅速なワクチン接種を行うことは極めて重要になる地域であると考えておりまして、引き続き指定都市の市長会などを通しまして国に対して強く供給量、供給時期の詳細を明らかにしてくださいということを要請していきたいと考えているところです。以上です。

 

記者

 職域接種とかですね、いろいろなことでモデルナ(社)の供給っていうことが、一つ、その中でも挙げられているわけですけれども、その点とですね、その点がどういうふうに広島市の場合は、今おっしゃった中に入っているかもしれませんが、どうなっているかということが1点。

かなり加速しているように見えるんですけれども、国も予防していくとか、そういう感じにはなっているんですが、現状、かなり進んでいると思われるんですが感想もお聞かせ願えればなと思います。

 

市長

 ワクチンの種類、大きく言って今のところファイザー(社)と、モデルナ(社)というのがあるというのは多くの方ご存じでしょうし、ただ配付方法につきましては、国が自治体を使って接種するという仕組みを最初提案されて、そして、打ち手として各自治体取り組むということをやりながら、後追いで、いわゆる企業などを使って別途対象者を把握できる主体を捉えて、そちらの方はモデルナ(社)といいますかね、違うワクチンを使ってですね、同時並行で接種を加速させようということを、どこかで国が判断されて動き始めていまして。自治体の方はあくまで県を通じて国からワクチンを配付していただいて、それを使うという位置づけがありまして、その他の接種機関に対してのワクチンの配送は、自治体はかんでおりません。直接、国とやり取りされていて。だから全体調整の状況が分からないんですね。そうした中で全体調整がなかなか難しいんでしょう。ワクチン供給をする国外の医療機関との約束事と言いますか、それが確約というよりかは努力目標になっているというようなことも、どうもあったみたいな状況もありまして、そういう意味で先が見通せないということもあるかも分かりませんけれども。ただもう接種を加速させるということを前提に、体制を手当てするためにいろいろな支援措置はお願いして整い、それを踏まえて体制を作ったというとこまで来た中で、改めて接種量について基本的な方向は言えるんだけれども、詳細はどうも決められないと。今まで配ったワクチン量などの調整。つまり、VRSでの報告状況と現場とのズレがあったりして、供給量の調整は、まだ現場でできるんではないかというようなことを政府の方では思われているし、現場の方では、2回分の接種量を確保した上で初回受付をするということで、決してだぶつくという状況はないんだと。1回でやるんであれば進むけれども2回分までを考えて接種体制を考えているんで、そういっただぶつきはないのではないかと。そういったやり取りをしながら、なかなか明確な状況が見えないというのが現下の状況です。ですから我が市としては、体制が整えばいつでも稼働できるような準備をしながら、65歳未満の方については、最初65歳以上の方については逐次取り込む方がいいよと、段階的に取り組んだ方がいいですよといった国の知恵に基づいてやった中で、様々御意見ありましたので、65歳未満については市独自の判断で、とにかく皆さんに接種券を1回渡すと。渡した上で、あとどういった段取りを取って皆さんに接種するかは逐次御報告しながらやっていこうというふうにしたところであります。その具体的な手順がまだ示せないでおりますので、改めて国の方にワクチン供給についての具体的な量、スケジュールを教えていただきたいと。そうすれば皆さんに的確な指示がというかお話ができますよと、こういうやり取りをしているという状況であります。

 

記者

 モデルナ(社)自体は市内はどうなんでしょう。やはりストップしているような状況なんでしょうか。

 

市長

 モデルナ(社)については市としては把握していないと思います。どうだろう。当事者としては把握していない。

 

市職員

 モデルナ(社)のワクチンにつきましては、広島県の大規模接種会場で使用されました他、今、企業におきます職域接種において使用されているという状況でございますけれども、その詳細につきましては本市の方は把握してございません。

 

記者

 抑えながら言われていると思うんですが、昨日でしたか、知事とオンラインを、全国知事会ですかね、会議が開かれて、国に要望していくというかなり怒りがこもったような、自治体としては押しつけられても。できるって、押しつけられても。今言われたように難しいっていうようなことを言われて。市長個人としまして、国への、何かこういったところはどうしてもやってほしい、でも、また今のお気持ちは、やはり進ませたいけれども進みにくいというふうに今のコメントでは受け取れるんですが、率直な感想はどうなのかなと思うんですが。

 

市長

 率直な感想というのは先ほど申し上げたことに尽きるんですけれども。国・県・市というこの行政システムの中で、国の方が広く国民全般を把握できるのは基礎自治体であろうと。従ってワクチン接種については打ち手を各基礎自治体、市町村に委ねていこうということを最初決断されて、そのためのシステム構築。その構築をするには自治体で協力体制を仰ぎ場所を確保し、接種者を確保してくださいということがありましたので努力いたしまして。その段階では、するにしてもいろいろ話しかけて医師会にいっても、接種者になる方々の手当が十分ではなくて、賛同が得られないんですけどと。場所にしても費用かかりますので様々な支援をという中で、とりあえず現状でやってみてはということで努力して確保しながら、そういった中でこれならどれくらいの期間でできるかねというやり取りを通じて、100パーセントなんでしょうか、8割でしょうか7割でしょうかと、いわゆる副反応があるということで全ての方に強制するわけではないんで任意なんですから、どれくらいの方々が受けたら完成と捉えてやるんですかと、そういう議論を返されながら事務的にやってくる中で、急がなきゃいかんということを実感いたしましたので、そうならば必要な接種者への処遇改善とか必要な予算措置をということをお願い申し上げたら、それは逐次整って、体制の準備が整ってきたわけです。そして、打ち手の増とか回数とか体制整備はできたと。そうしたところが、今度はそれを打つ材料であるワクチンの量に関して同時並行で進んでおりましたけれども、これまではどういう量で来るんですか、これはもちろん県を通じて必ずやっていますので、一回県に来て、県からまた配分を受けるわけですけれども。そういった中で十分な段取りはできているんだけれども供給量が見えない部分が出てきたので、そこをしっかりしていただかないと具体的な次の段取りに入れませんよということを県にも申し上げた。だから、県の方はそれを受けていただいて、基礎自治体として十分な対応ができないんじゃないかということを国に伝えていただいております。我々としても、私自身は基礎自治体、政令指定都市の一員としてダイレクトに、基礎自治体として国の方に先ほど申し上げたようにお願いしていまして、詳細を決めてくださいと。全国調整がありましょうから、全体の状況をどう把握してどうするか、そして海外の医療機関から来るワクチン量の見込みとかが確定するという作業もありましょうから、大変な作業になっているんじゃないかというようなことも感じるんですけれども、ただ、今コロナ対策で一番有力な対策として考えられるのはワクチン接種ですから、副反応など現れる方も考慮しながらでも打った方がいいと思われる方に関しては可及的速やかに打てるようにしていくということをやるために、現場の実状をしっかりと把握していただいた上で、必要な対応を国の方にぜひとも早急かつ確実にやっていただくということをお願いしたいというのが今の思いであります。

 

記者

 先ほどおっしゃっていた、次の段階にちょっと影響が出るという話は、具体的には一般の64歳以下の方の接種に影響が出てくるということですかね。

 

市長

 はい。今の状況では皆さんに接種券はお配りできましたので、31日までは優先的にやれる方の量はまだ確保できるんですね。31日以降のところがちょっと見えないんですね。ですから、次の方々への段取りをお示しできないということに、このままいくとですよ。示していただければ動けるようになっていますけれどもという状況であります。

 

記者

 それは予約ができるのがずれ込むとか、接種がずれ込む可能性がある。

 

市長

 あるということ、おっしゃるとおりですね。量が足りなければ逐次展開しないと、いきなりいくとパンクいたしますのでね。

 

記者

 まず、高齢者のワクチン接種に関してなんですけれども、市の方でこれまで7月末までに7割の方が打てば完了というか、そういうふうなことで認識というか、今まで聞いてきたと思うんですけれども、今、先ほど現状ではまだ7割に達していなくて、1回目7割達していなくて、7月末までに7割達成というところが現状では難しいということだと思うんですけれども、そこに対しての認識をお聞かせください。

 

市長

 このワクチン接種は5歳刻み階層ごとにやりまして、一番高齢の方からやっていたんですね。そういたしましたら、国とのやり取りなんかを踏まえて完成時期といわれたので、それであれば7割ぐらいを前提にやればいいかということで、国の要望にも応じる、頑張りますということでやってきたのですけれども、実は、いいことか、意外な反応というか、高齢者の方々、最初に始めた集団、8割近くになっているのです。平均で、今申し上げた六十何パーセントというのは階層ごとでいくと、トップグループは8割に達したのです。そうすると、この勢いでいくと、副反応で来ないんじゃないかと見られていた方々も結構そうでない可能性が出てきて、先ほど申し上げたように、8割でいくのならば少しずれると、7割ベースだったら収まっていたのだなというような状況に今なっているということになります。

 

記者

8割というのは、80歳以上が8割ということですか。

 

市長

 詳細、ちょっと年齢区分を言って。

 

市職員

 現状で、80歳以上の方の接種率が、今、1回目の接種が78パーセント程度になっておりますので、この状況でいくと8割近くに達するのではないかというふうに考えております。

 

記者

 年齢高い人の接種率が上がってくるということになると、先ほど言われていた高齢者と優先接種の方の打つワクチンの量が確保できているというお話でしたけども、上の方の年齢の接種率が上がると、そこの優先接種者とかのワクチン量とかにも影響は出たりはしないのでしょうか。

 

市長

 今のところ、31日までの範囲ですと、なんとか収まりそう、8割いってもいけそうなものですから。

 

記者

 ちょっと、もう一件あるのですけれども。昨日、厚生労働省の方から、8月の上旬に各自治体に配るワクチン量で人口配分にあたる基本枠というところで、あまり接種が進んでいない自治体のところが、大阪市とか、基本枠が1割削られたみたいな報道を耳にしたのですけれども、広島市ではそういうことというのはあるのでしょうか。また、それによって、その影響が出てきたりするものなのかどうなのかというところが、もし分かれば。

 

市長

 先ほど説明でも申し上げましたように、基本は示されているというのは今みたいな話がありまして。達成率がどうのこうので1割カットするとかという話は聞こえてきているのですけれども、じゃあ、我が市がどうなるのですかという詳細はないのですね。そんなもので、我がグループ、どちらに入っているのでしょうかとかということも答えていただいていない、そんな状況だということであります。

 

記者

 じゃあ、そこも含めて、やっぱり早く示してほしいと。

 

市長

 そうすれば、スケジュールが整いますということを申し上げます。

 

【サッカースタジアム建設予定地の発掘調査で発見された被爆遺構について】

記者

 次は、サッカースタジアム建設予定地の発掘現場で発見された被爆遺構についての質問です。サッカースタジアム建設予定地で見つかった旧陸軍の中国軍管区輜重(しちょう)兵補充隊の施設の被爆遺構についてお聞きします。

市長は、これまで同じく被爆した軍施設である旧陸軍被服支廠の全棟保存を広島県に要望され、市民の平和への思いを広める「平和文化」を掲げておられます。今回見つかった遺構について、市長として歴史的価値をどのように受け止めていらっしゃいますか。

また、現時点で、保存や活用について、どのようなお考えなのか、お聞かせください。

 

市長

 サッカースタジアムの建設に伴う発掘調査、これによって検出されました陸軍施設の遺構、さらには広島城の城郭遺構等でありますけれども、これに関しましては考古学を始めとする様々な分野の学識経験者で構成されています広島市文化財審議会による現地調査とその意見、それを踏まえながら、取扱いについて、慎重に今議論・検討しているところでありまして、近世あるいは近代の埋蔵文化財として、文化財保護法上の保護を図るために、詳細な図面や写真などによる記録保存を行って、その記録については市民の皆さんに公開するというところは、しっかりやろうということにしているところであります。

その上でということなのですけれども、検出されましたこの近代の軍施設の遺構に関しましては、調査にあたっております専門職員の意見を踏まえますと、想定以上に本来の状態が残っておらず、戦後の混乱の中で軍施設の上に応急住宅を建設したことなどに伴い、随所で破損・改変が見られ、遺構の残存状況は決して良好とはいえず、被爆当時の状況はうかがえない状況にあるとの報告を受けております。

 したがって、市民の保存・活用してはどうかといった意見、こういうものがあるのですけど、これに関しましては、被爆遺構という視点からではなくて、むしろ詳細な図面とか写真などの記録保存をしっかり行うということと共に、いわば戦前の広島の姿の一端を知ってもらえるように、切り取った遺構の一部を何らかの形で保存・活用するというふうな方向で検討できればというふうに考えているところであります。

 

記者

 まず、市長は自ら現地に行かれてみた上で今の価値というか評価をなさったのか、それはどうでしょうか。

 

市長

 専門調査員の報告を受けております。現地は見ておりません。

 

記者

 これだけ市民団体や被爆者団体から相次いで遺構を、軍都広島とか被爆地の、どんなまちがあって、どういう人が犠牲になったかと伝える上で生かしてほしいという意見が出ているのは事実で、一方で市としては、市長がさっきおっしゃったような立場でいらっしゃると思うのですね。そうはいっても、平和を願う広島の市民社会の総意形成に重要な役割を果たしている市民や被爆者がここまで、何とか生かせないかという声がある中で、最終的な方向性というのを決めるのは市長だと思うのですけれど、自ら現地でご覧になられて最終判断をする必要というのが不可欠だという声もありますけど、その辺はいかがですか。

 

市長

 自ら見るという、私が考古学の専門知識があって判断する知識があれば意味あるかもわかりませんけど、私自身は、お願いした専門(調査)員の方々の、まず意見をしっかりと踏まえて判断すればと思いますし、実際見ること嫌だと言っているわけではありませんので、時間あれば見てもいいと思っていますけども。第一義的には、職員担当者、お願いした方々の判断を尊重して物事を処理したいと思っています。

 

記者

 追加ですけど、一つは、アメリカ軍が被爆前後に撮った写真に軍馬の水飲み場が明らかに写っているのですけれど、それは把握されていらっしゃった上での、さっきの御見解なのかということが一つと、あと作業関係者に取材をすると、その軍馬の水飲み場が、戦後、芸術という形の平和文化を代表する峠三吉の原爆詩の中で、その軍馬の水飲み場が触れられていて、そこで、そこにいた馬の亡霊が見えるようだという形で被爆の傷が癒えないことを詠んでいて、その作業関係者いわく、その点での価値が非常にあるということは聞いているんですけれど、そういう情報は市長のところに入っていらっしゃいますか。あるいは、そういう物としての、何かガラスが溶けたとか、黒焦げだとか、そういうこと以外の価値も踏まえて判断する必要性はどう思われていますか。

 

市長

 そういった被爆の思いを抱えた方々の思いも、しっかりと受け止めながらどうするかということは、とても大切なプロセスだと思っています。ただ、今申し上げました調査員の方々からの報告、もちろん写真も含めて担当部局から見せてもらいましてね。戦前の航空写真の比較とか。それから原爆投下したあとに、自分は基高(広島市立基町高等学校)ですからね、あの周辺におりましたからね。バラックがずっとあってね、その当時多分もう家は建っているから、その辺りをだいぶ改変してね。生活居住空間にされていたということも知っておりますのでね。そういったことを総合勘案しなきゃいかんなということを思いながら。そこまでは自分の個人的な知識ですね。考古学的アプローチをしていただく調査員13名の方からの報告を受けている中身は、原爆で被災した状況はうかがえないと、現在までのところね。それを想起させる状況にもないんだと。被爆遺構、被爆遺跡としての評価が不可能な出土状況で、記録を成り立たせるのは困難な状況であるというふうなこと。これは実は、あそこの旧陸軍施設が存在したところがあるんだけれども、戦後、バラックから生活面共存しておりましてね。戦後住宅等を建設するために、面的にフラットにする必要があったこと。戦後の生活の中で撤去、破壊されたということが随所にあってですね、今言われた文学的な資料の思い出の部分はあるんですけど、それを完全に残されているという状況ではないというふうなことだと聞いております。したがいまして、被爆の遺構という形や思い出というもの、そういう戦前の広島を想起させる一助になるということは間違いないと思っておりますけれども、そういったものをどういった形で保存活用するかというのは別の議論としてしっかりやる必要があるなと思っていますけれども。被爆の遺構という形で残せるような状況にはなっていないというのが調査員の方からの報告ということで。詳細はいずれ皆さんに発表するということで、今作業を進めておりますのでね。どこかの段階できちんと公表する必要あると思っていますけれど、そんな受け止めです。

 

記者

 改変の話でいきますと、例えば、アンデルセンが被爆建物を、一部の壁を使って残すというようなこと、本当に一部になるということすら公的な支援もして、何とか被爆時のまちがどうだったかということを伝えようとしていると思っているんですね、広島市さん。その被爆建物の登録も別に被爆の痕跡の明らかな有無にかかわらず、そこに存在したということが伝えられるものであれば、それこそレストハウスだって改修もしていますし、そのままの状態で残っているものじゃなくても、その被爆時のまちを想像させる可用となるようなものであれば、それを積極的に残していこうっていう立場でやっていると思うんですね。かつ、遺構も状態が悪いっていうのがそうだとしても、全く残っていないわけではなくて、それは残っているのは事実なんですよ。そうすると、被爆建物の施策でやっていることとの一貫性が、やっぱり見えないっていうのが市民とか被爆者団体の受け止めでもあると思うんですね。その辺は、被爆建物は、ある種モニュメント保存みたいなものも助成金を出して保存していますけれど、それとの一貫性はどう受け止めていらっしゃるんですか。

 

市長

 気持ちはよく分かりますし、市民の声というか記者個人の意見のようにも聞こえるんですけど。被爆の実相をどう残し伝えるかということについての意見提言だという受け止めは可能ですけれども。現在、市のやっています、被爆の建物の残し方なんかの根拠を少し説明申し上げますと、広島市では現存する建物、橋梁、樹木この3つに関しては、規則を作りましてね。被爆の事実を把握できたものを、市庁が調べて、把握できたものを被爆建物台帳に登録するというシステムを持っております。ですから、この台帳登録システムに登録されるという対象について、所有者にお願いするときにそれを促すための支援制度というのを作って運用してきているという部分を、今一部申されたと思います。一方、旧陸軍の中国軍管区輜重兵補充隊の施設の遺構ですね、施設はもうないんですね。施設があったと認められる領域は、今申し上げた、建物とか橋梁とか樹木のいずれにも該当しないんですね。アンデルセンの場合は建物でありましたから。建物としてどうするかといったときに、全体を残さず一部をということでありました。今建物はないんですね。そのあった遺構ですから、今の被爆建物台帳の登録対象ということにはならんじゃないかというのは担当者の判断ということであります。しかしながら、先ほど申し上げたように被爆の状況を伝えるものであるという御意見もあると。しかし、本当に被爆の状況を伝えられるかどうかということに関しては、先ほど調査員の報告から、いささかその後にそこに住んだ方々が自分たちの生活に必要な形での改変をたくさん加えておられて、その痕跡がなかなかないと。あった場所であることは事実でありましょうけれども、それが認められないんじゃないかというようなことを言われておりますので、今、考古学的アプローチをしっかりしながら、どうするかということを。その際、被爆前の広島の姿を一端知ってもらえる史跡になるということから、どういった保存活用があるかということを考えるということをやった方がいいんじゃないかと申し上げているということであります。

 

記者

 先ほど切り取った形で一部保存を検討しているという話をおっしゃられたんですけど、これは切り取ったものを、あそこの遺構全体を全部残すっていうのはなかなか現実的でないというのは被爆者団体の方もよく分かってらっしゃるとは思うんですが、その一部を例えば切り取ったものをここから移してでも、現地で何か保存したりとか活用したりっていうようなことも含めての検討なのか、その辺はどうでしょうか。

 

市長

 こういうふうな様々な御意見あって、思いが深いというのはよく分かるんですけどね。少なくとも今申し上げたように跡地でありましてね。だいぶ改変が加えられていて、その被爆の痕跡を残すのをどう切り取るかっていうのが、そもそもあるんですね。じゃあ、それを動かさずにそこに置いておくとなると、スタジアム建設ということで、そのスタジアムの建物の中に取り込むというのはちょっと無理だという感じがします。

 

記者

 動かしてもいいと思うんですけど、その場合、動かした上でどこか展示するとかね、その辺含めて多分(被爆者)団体の方であるんじゃないかと思うんですが。

 

市長

 多分そうだと思うんですね。だから、そうは言わずに残ったところ一部でも切り取って何とかと、こういうお話に次なるんだろうというふうに思っていますので、その点は今申し上げたように広島市文化財審議会、先ほど言った専門調査員から構成されているところの意見をもちろんよく聞きながら、どこをどう残すかということはまだあるんですけどね。残しただけでは意味がありませんので、活用方策もいると。その際には、戦前の広島の姿の一端を知ってもらえるというものだという位置付けをして、それを1つ、遠くない場所にね、中央公園の中で、どこかうまく保存活用できるところはないかというふうなことも、検討の対象にして考えていただくということはやった方がいいなと思っていますよ。そのような状況です。

 

※(  )は注釈を加えたものです。

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