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2021年6月2日記者会見「令和3年第2回広島市議会定例会提出案件について」
動画は下記からご覧ください。
(「広島市公式チャンネル(YouTube)(市長記者会見)」のページへジャンプします<外部リンク>)
日時 令和3年(2021年)6月2日(水)午前10時15分~11時05分
場所 市役所本庁舎2階講堂
■市からの発表案件
・令和3年第2回広島市議会定例会提出案件について
■その他の質問
・新型コロナウイルスのワクチン接種について
・NPT再検討会議と核兵器禁止条約締約国会議の延期について
・平和推進条例について
・安佐南区八木地区の復興交流拠点施設について
■市からの発表案件■
【令和3年第2回広島市議会定例会提出案件について】
市長
6月15日(火曜日)に開会予定であります「令和3年第2回広島市議会定例会」に提出する議案等についての説明です。議案は一般会計補正予算案など24件であります。
まず、補正予算案についてでありますけれども、今回の補正予算の規模は、お手元の資料にありますように、全会計で、23億9,040万2千円となっております。
内訳としては、まず、利用料金の減収に伴う指定管理料の追加措置についてであります。
新型コロナウイルス感染症の影響により利用が減少している施設の指定管理者が適切に管理運営できるよう、指定管理料を追加措置いたします。
次に、感染症拡大防止協力支援金への負担金についてです。
感染症拡大防止のため、(広島)県独自の要請により休業や営業時間の短縮を実施した市内中心部の酒類提供飲食店に支給される協力金の一部を負担いたします。
次に、生活支援特別給付金の支給についてです。
ひとり親世帯以外の低所得の子育て世帯に対する生活支援特別給付金の支給に係る所要額を計上しています。
次に、安佐南工場火災復旧についてです。
本年1月に発生した火災により損傷した安佐南工場の応急復旧工事を行います。
次に、感染拡大防止等に取り組む事業者への支援についてです。
新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中で、多くの中小事業者が苦境に立たされていることから、こうした事業者が、共助の精神の下、団体又はグループで苦境に耐え、感染拡大の防止を図りながら事業を維持するために行う取組に要する経費を補助いたします。
次に、南観音住宅等管理についてです。
南観音住宅等の指定管理業務について、来年度以降の管理経費に係る債務負担行為を設定いたします。
次に、竹屋児童館の建替えについてです。
当初の想定よりも地盤が軟弱で、追加の杭打ち工事が必要となったことに伴い、工事費の増額及び工事期間の変更を行うため、債務負担行為を設定するなど所要の予算措置を講じます。
このほか、新型コロナウイルス感染症の影響により延期した事業の不用額を減額いたします。
以上の補正措置を行った結果、補正後における全会計の総予算規模は、1兆2,712億3,109万9千円となります。
最後に、予算以外の議案としては、広島市固定資産評価審査委員会条例の一部改正案など条例案12件、その他の議案9件、専決処分承認案2件を提出いたします。
以上が今議会に提出する議案の概要です。私からの説明は以上であります。
記者
1点伺います。ひとり親世帯以外の低所得の特別給付金なんですけれども、確か一年前の補正から、ひとり親世帯への特別給付金というのを設定されていたと思うんですけれども、今回は対象が拡大されるという理解でよろしいのでしょうか。
市長
ひとり親(世帯)以外ということですから。
市職員
それは国の方で措置されたものでございまして、4月にですね、今回、専決処分承認案も出ておりますが、ひとり親世帯についての生活支援特別給付金はすでに(専決処分で)予算措置をしておりますけれども、今回は、ひとり親(世帯)以外の方に対する生活支援特別給付金ということで、これは全額国の方で補助が措置されるということで、国の制度に基づくものでございます。
記者
分かりました。ありがとうございます。
■その他の質問■
【新型コロナウイルスのワクチン接種について】
記者
新型コロナウイルスのワクチン接種についてお伺いします。新型コロナウイルスワクチンの接種体制の強化について、大規模接種会場の設置や現在の検討状況についてお聞かせください。また、高齢者向け接種について先般7月までを目途にということでおっしゃっていたんですけれども、その目標に向けての進捗状況も含めて教えてください。
市長
前回発表したときに新型コロナウイルスワクチン接種体制強化のためにあらゆる手段を検討するということを申し上げまして、やってきた現時点における成果、それを少し発表するということにいたします。まず、第一は身近な医療機関で実施される個別接種のそのものを増やしていくという必要がありました。このために市域の医師会を通じまして個別接種に協力していただける医療機関の追加募集をいたしましたところ、昨日の時点で接種開始当初は465医療機関でありましたけれども130機関増加いたしまして、今約600の医療機関の接種という方向で調整が進んでおります。また、一医療機関あたりの接種回数を増やすということも検討いたしまして、これについては国の制度を活用して時間外とか休日における接種の単価の加算、あるいは、往診にかかる経費の加算というようなことを行うということを前提に接種回数に応じた、さらに接種費用の増額支給といったことも視野に置いておりまして、これが進めばさらに接種体制の強化が図れるというような状況にまで来ております。もう一方、集団接種に関しましては市内の8区全てに接種会場を確保するために、市域の医師会、そして広島市立病院機構等の協力を得まして新たに東区のスポーツセンター・安芸区の総合福祉センター・佐伯区スポーツセンターに会場を設置するということになりましたとともに、大規模接種会場を広島県立総合体育館に設置いたしまして、これはいずれも6月12日から一部の週を除く土日に接種を実施するということになりました。さらに、(広島市立)安佐市民病院で6月5日から土日に集団接種を実施することにいたします。これに加えまして広島大学病院の方が6月12日から広島サンプラザで一部の週を除く土日に1日2,000人規模の集団接種を行っていただくというこということになりまして、まさに本市の接種体制の強化に協力いただけるというふうな状況になっております。こうした集団接種会場の増設に当たりましては、市域の医師会あるいは薬剤師会、さらには県看護協会に協力をいただいております。会場に出務して予診、接種などの業務に従事していただける医療従事者、これをさらに確保するということも課題になっています。このため本市では現在勤務されていない医師を公募するとともに、ワクチンの接種者を確保するために市域の歯科医師会に対しましても出務の協力を求めていると、そんな状況になります。そういった対応ができるようになりましたので、ワクチン接種スケジュールにつきまして、大幅な見直しを行うことにいたしました。すなわち75歳から79歳までの方の接種券、これを6月の4日から発送するというふうにいたします。また、その後も70歳から74歳までの方の接種券、これを6月14日から。65歳から69歳までの方の接種券を6月21日ということで、それまでは6・7・8と月を重ねて出すということにしておりましたが、全てについて6月中に前倒しして発送するということができる状況になりました。さらに65歳未満の方の接種券の発送に関しまして、今申し上げましたように65歳以上の方、6月中には発送できるということになりました。そういった状況がありますので、この発送について様々知見なども獲得いたしましたので、その後の予約状況等のいろいろなやり方も踏まえながら7月上旬には65歳未満の方も発送できるように検討するというふうな状況になっております。
記者
先ほど個別接種、集団接種ともに接種体制が整ってきたというお話がありましたけれども、その集団接種の各会場での接種規模や個別接種600の医療機関が整うということで、その接種できる規模というかそこら辺が分かれば教えていただきたいのと、あと先ほど接種券の発送が6月4日からということで、6月中に高齢者は全て前倒しということですけれども、それぞれその接種券の発送後の予約開始とか接種開始などのスケジュールや終了の見込みあたりも分かれば教えていただければと思います。
市長
まず集団接種の規模ですけれども、だいたい1週間当たりで1日どれくらいかということで、ざっと見積もっております。先ほど申し上げました東区のスポーツセンターに関しては1,000人。それから安芸区の総合福祉センターに関しましては600人。それから佐伯区のスポーツセンターについては1,000人。それからグリーンアリーナ(広島県立総合体育館)、ここでは4,000人。そして(広島市立)安佐市民病院、1,000人ということで、合計で7,600人かな。それくらいの人員規模でやれるんじゃないかというような見込みであります。
そして接種券発送、いずれも6月中に全て前倒しをしてやるということでありますので、これは今までやってきたというようにその接種券が届いたのちに連絡を取っていただいてということで、7月いっぱいで皆さんが接種を行えるようにするという方向性を維持しながら、さらに先ほど申しましたように、注射を打つ方をこういった場所の確保とともに増員を図るということで、なるべく前倒しでやっていくというふうな体制にいたしました。
記者
先ほどの東区の1,000人とかの人数は、1日当たりという意味合いで。
市長
はい。1日当たりの接種人数ですね。
※正しくは、週当たりの接種人数。会見終了後、添付資料を報道機関に提供し、訂正済。
記者
この人数を打てるだけの、今医療従事者などのスタッフの確保は、もうすでにできていらっしゃるんですか。
市長
医療従事者もですね、5月13日の時点では130名だったんですけれども、6月1日現在では219名を超えております。さらにまた、いろいろな形でお願いしていますので、これも逐次、増えていくというふうに思っておりますけれども、そういった前提の中で作業スケジュールを前倒ししたということです。
記者
先ほどの医療従事者は、集団接種会場のということでしょうか。
市長
もちろんこちらの方(集団接種会場)です。あとは医師会、医療機関も先ほど申し上げたように約600に増えましたので、そこはそこでまたやっていただいています。
記者
医師とか看護師を含めてという人数。
市長
そうですね。今申し上げたのは医師数ですよ。医師の(数)。
記者
同じくワクチンの関連なのですけれども、接種率というところで見ますと、(広島)県内各自治体それぞればらつきはあるのですが、広島市の場合ですと現状1割未満程度だとは思うのですが、まず接種率として今、現時点では低い水準になっているというところは、要因についてはどのように見ていらっしゃいますでしょうか。
市長
まだ接種率まではカウントしてない。どうですか。
市職員
接種率についてはですね、まだ10パーセントに満たないぐらいの数字になっております。こちらの方は、集団接種が5月17日から本格的に開始した。個別接種につきましては、5月24日から開始したというようなことで、まだ今のところ個別接種については1週間程度しかたっていないということで、現状はそれぐらいの数字になっているというふうに認識しております。
市長
まだ、接種率、集計して分析するっていう状況にまだ至っていないのですけれども、当初10月までかかるという予定のところで、週当たり3万8,000件は接種する予定でそれぐらいかかるということで。それを倍の接種体制にすれば、前倒し可能だろうということでざっくり見ておりましたので、その体制にだいぶ近づきましたので、30万人、全ての方をやるということを念頭に置きながら、ここまで体制強化できたので、またいずれかの時点で接種率を確認するという行為をいたしますけれども、着実に増えてきているんじゃないかなと、あるいは増えるということになるんじゃないかなと思っています。
記者
ありがとうございます。あと、今後についてなのですが、基礎疾患のある方についての接種というのが、65歳未満の方に当てはまってくると思うのですけれども、ただ、その基礎疾患のある方等に含まれる範囲というのが非常に広いというのと、実際それをどのように自治体として運営して接種をしていくかというところが課題になってくると思うのですが、市長として、現時点でどのようにやっていかれるようなお考えとか御方針はおありでしょうか。
市長
まさに悩ましいところなのですけれども、基本的には、65歳未満の方、一律全て的確に行政の方で把握するということがなかなかできないと思いますので、そういった問題を指摘して、この接種券を発送するという、そういう行為の中で、ご本人が確認をするということを中心に、調整せざるをえないというふうな思いを持っています。
あとは、接種券をいわゆる疾患のある方ない方に分けて発送するということは、多分発送する時点でできないものですからね。やったあとで、それぞれの事情を踏まえながら、適切に接種するようにするために、どういった調整がいるかといったようなことを、これから少し検討を深めなきゃいかんかなというふうには思っています。現場で先生方が、どういう方がやっていくのか来る前に確認してくるのか、実際はですね、当日の問題でしょうからね。そういった事前調査も行われないで来たとしても、的確にやるようにするために、どういった処理体制にするか、そんなことをこれからでいうと担当者、それから専門家を交えて検討するということが必要かなというふうに思います。
記者
ありがとうございます。最後に関連で、今、県内ですと、インド株の感染者が8人程度ですか。今、現時点で確認できる範囲でいると思うのですけれども、実際、インドから帰国した方で、発症されているという方が多いように見受けられるのですが、今の一部の自治体の方でも、国の検疫の方がきちんと機能していたのかというようなところも指摘されていますけれども、市長としては、このインド株の脅威と、そういった検疫体制についてのお考えについていかがでしょうか。
市長
検疫については、やはり国の方でも、しっかりとやるべき体制・対応だということで、やってこられている結果ではないかなと思っていますので、入ってきたこと、そのことで、批判的な言い方をするというのは、こういった事態ですから避けたいと思います。今後、しっかり、引き続き検疫体制をやっていただくということが重要かなと思っています。
それ以上に、実際に出たという状況を捉えますと、どうもいろいろ聞きますと、感染力が強いというのは、例えばマスクをしていてお話ししても、相当近くまで行くと、それが飛沫感染の元になるとかですね。それから、ちょっとした、その行動をしたあとで飛沫が自分の行動エリアのいろいろなところに残っていると、それをまたちょっと油断して接触すると、このウイルスを体内に取り込むというようなことがあるということで。飲食の場面だけではなくて、例えば皆さんが使われるおトイレのようなところでね、ちょっとマスクを外して手洗いしたときに、そういうのが残っていて、次の人が使ったときにうつるとかですね。家庭内でも注意しながらやっているけれども、割と皆が共通して使っているけれども、マスクを外す、あるいは直に手を触れるような、ノブとかドアとかそういったところ。そういう日常生活の細かなとこまで少し配慮して、感染力が強いウイルスが現れたのだから、今までやっていることをもう一回再確認して、より注意深く行動するということを皆さん徹底するということをやることが先決かなと思っております。そういう意味で、改めてウイルスが感染力増しているという中で、お一人お一人の行動態様に気をつけて、自分自身、そして、他の方への感染を防ぐための行動に全力をあげて注意するということの方に今、力を入れていただければというふうに思っております。
記者
ワクチン接種についてお伺いします。集団接種会場を増やすというお話がありましたけれども、これまで集団接種の会場がなかったような区とかに設置をされるということだと思うのですが、これは、その地域に住む市民の方から、そういう要望とか声があって設置になったのかという、その背景がもし分かればお聞きしたいというのと、その体制を強化することによって、7月末を目途にというふうにされていた高齢者のワクチン接種の完了、この時期の変更はあるのかどうかっていうのはいかがでしょうか。
市長
接種会場を増やす、接種手を増やすというのは、今の状況下の中で、いわば、このウィズコロナ、コロナ感染状況の中で、きちっとした生活をしていくためには、感染しない状況をつくるとともに経済活動などもうまくいくように、両立するためにということをずっと求めるということをやってきているんですけれども、実際なかなかそれがうまくいかないという中で、今、最善の措置としてお一人お一人がワクチン接種をすることで、症状が悪化しないようにしていくということが、現時点で最善の策。トータルで見ると次善の策でしょうけど、今の段階で最善の策ということだということが明らかになってきましたので、可能な限り早く接種するということは大念頭にあったところです。ただ、接種するワクチンそのものの配付といいますか、入手状況が必ずしも明確ではなくて、国の方で手だてをしながら、地方に配送するよと言うけれども、どれくらいの分量がどういうスケジュール感か分かんないからということで、とりあえず供給が可能となった量を前提に、どういう手順で配付するかということで実施計画を立てたところ、一番最初に発表したのは、その状況の中で確保できる接種体制などを積み上げていくと、どうしても10月までかかってしまうというようなことを申し上げた。それをやっていく上で、なかなか打ち手が集まらないというんですかね。理由はというと、それぞれ医療活動されていて、このためにだけ活動するとなると、いろいろな問題があるからということで、その問題点をきちっと点検いたしまして、国の方に伝えたところ、そういったことも手当していただける状況ができ、また、ワクチンの供給量も十分なものとなって、配付計画が明らかになってきたという中で、状況が整いましたので、接種体制、倍ぐらいの体制になれば、もっと前倒しができるだろうということでお話ししたら、その方向性の中で具体的な作業を積み上げたところ、こういった個々の医療機関での提供とともに、そこに行かなくても自分たちの便利な時間を使って、集中的にやってくれる会場があれば、もっと接種が進むというふうなお話がありましたので、その状況を市内くまなくつくり上げていくためにはということで、全区にこういった接種会場を設けるということにいたしました。そういたしますと、そういったことに協力しようということで広大(広島大学病院)までも入っていただいて、できる状況だと。つまり、今最初に申し上げた危機意識をこの地域におられる関係者の方々に共有していただいて、できる限りの応援をしようという状況が出来上がったということだというふうに受け止めておりまして、御協力いただけている関係者の皆さんに本当に感謝を申し上げたいと思います。そして、それをやっていく上で具体的なネックになっていた点について、きちっと提示して国の方にお願いしたところ、確実に措置していただいているという状況が、今申し上げたような進展といいますか、スケジュール感、前倒しができるようになったと。こんな受け止めであります。そして、元々10月ぐらいまでかかると言っていたのを今言った状況の中で、7月末目途ということで、なんとか目標維持できそうでありますので、これをやるとともに、元々は65歳以上の方でしたからね。本番は65歳未満の方ですから。この体制強化をした上で、これがここしばらくずっと続くわけですから、この協力体制を引き続き、皆さんにお願いしていくということをきっちりやれるようにするということが今一番重要なポイントじゃないかなというふうに思っています。
記者
65歳未満の方への接種券の発送が7月上旬を目指している、検討しているということだったんですが、具体的に、その方々の接種が始まる時期とかっていうのは、今の段階で分かっていたりするもんでしょうか。
市長
ここも、65歳以上の方が全部終わってからっていうふうになるかどうかですね。つまり、医療機関とかなんかで分布も違いますからね。そうすると65歳以上の方々をやりながら、数がこなせたら、同時並行的にワクチン接種量が確保でき、医療体制でも先生方の、いわゆる接種者の時間が空くようであれば、そこに65歳未満の方を滑り込ませてやるというようなことも可能でしょうけれど。それも、今の65歳以上の方々のワクチンの接種の進捗状況と日々の変化をもうちょっと追ってみて、その中で組み込んでいくということだと思います。いずれにしても、そういうことができますよという案内状といいますか、接種券は7月上旬に発行の予定ですから、接種はそれ以後になるかと思いますけれどもね。ただ、もう一つ国の方でやっています、企業集団でやるとか、学校単位でやるっていうようなことも言われていて、それは接種券の送付抜きでももっと早めにということになるとすれば、そこの部分は先取りしてやっていただけるということなので、あと逆に、こちらの方も接種券の送付と接種を受けた方々の調整をどういうふうにしてやっていくんだと、そんな問題も出てくるかと思います。いずれにしても、事務的な作業でありまして、多くの方になるべく前倒しで接種していただける状況をつくっていくということが、今の一番の狙いだというふうに受け止めていただければと思います。
記者
今回の話を聞いていると、特に集団接種を中心に大幅に前倒しされたわけですけれども、今の市長の心境としてはどういうふうに思われているんでしょうか。
市長
今申し上げましたように、このウィズコロナ禍の中でワクチン接種というもの、本当にワクチン大丈夫なのだろうかと、副作用があるけれども、副反応があるけれども、どうだろうかというような議論もずっと先行して行われてきておりましたけれども、今そういったことを声高に言う議論もなくなりですね。先ほど申し上げたコロナ対策としてワクチン接種ということを、まずやってみようじゃないかという、そういう状況に今なってきているような受け止めなんですね。そしてそれを望む方、やったほうがいいなと思う方に、なるべく早く行き渡らせることがこの感染状況を抑えるということの近道だと。大変だけど一番の近道だということも、専門家の方々の話としてだいぶ明らかになってきた中で、結局、そのワクチンを接種するという行為そのものは、お一人お一人に対する接種行為ですからね。それをやる方、そして、接種してもらおうという方々が足を運んで、どこでどういうふうに打ってもらうかという具体的な作業を考えたときに、皆さんの協力がいるんですね。何もしないでどこかに行っていきなり注射がどんどんできるというわけではなくて、それをやっていく一連の作業について、皆さんの協力がいるということが改めて明らかになっている中で、それをやっていただくために必要な措置をきちんと整理して、国の方で対応するという協力をしていただき、その支援措置をしっかりと活用して、皆が一致協力してこの事態を乗り切ろうという状況が着実にできつつあるというふうに受け止めていいんじゃないかなというふうに思っています。
今回発表させていただいたこの接種体制の強化ということを、この段階での発表で申し上げましたけれども、多分、地域の中でさらに工夫してもっともっと利用しやすい接種方法はないかということをやっていただいているはずでありましてね。そういった取り組みが出てくれば、それを好事例として、また皆さんに一緒になってやっていただくというふうなことも、これからやっていきたいと思っていまして、そういう意味で大変なときこそ共助といいますか、皆で助け合うと。そしてお互い様という意識で物事に取り組むということができているんじゃないかなというふうに思っています。そういう意味では、多くの方に本当に感謝しなきゃいけないなというふうに思っています。
記者
2点お伺いしたいんですけれども、まず1点目がワクチンの関連で国の厚労省(厚生労働省)の検討会が、臨床検査技師や救命救急士も打ち手として担えるという見解を示したんですけれども、広島市としては、今後、高齢者接種やその後の64歳以下の接種に、そういった臨床検査技師や、新しい担い手を拡充するようなお考えはありますでしょうか。まずこの1点で、次は違うテーマなので。
市長
今申し上げましたように、この接種体制を強化していくという上で、国なり県なりでもいろいろやっていただいている、応援体制が出来上がれば、利用できるものは利用させていただくというのが基本であります。それは不要ですというのは、多分ないと思います。いろいろなやり方、そして調整ができるのであれば、可能な限り多くの方の協力を得て接種をしていくということを基本にしたいと思っています。
【NPT再検討会議と核兵器禁止条約締約国会議の延期について】
記者
あと、全く話は変わってしまうんですけれども、先日、今年の夏に予定されていたNPT(核兵器不拡散条約)の再検討会議が年明けに延期がされる見通しだというふうに報じられて、それを受けて1月に予定されていた核禁止条約の締約国会議も少し後ろ倒しになるのではないかというような報道がなされたんですけれども、市長として、2年連続で回数で言えば3回、その大事な核軍縮の会議が延期されることについての受け止めと、あと各国にこの間、核軍縮に向けて要請するようなことがあればお聞かせください。
市長
今言われたようにNPTの再検討会議、今年8月と言っていたのが年明けに再延長というようなことで調整されていますし、またそれを受ける形で来年1月に開催予定になっていた核兵器禁止条約の第1回目の締約国会議、これも延期というようなことで検討が進んでいるという報道がありましたけれども、私自身、このNPTの再検討会議というものと、それから核兵器禁止条約の締約国会議、それぞれ重要な会議でありますけれども、それぞれの第一義的ミッションは、まずNPTの方は、核軍縮ですね。今あるものを、よりいいものにしていくという、軍縮を進展させるための議論をやる場ということ。そしてもう一方の締約国会議は、核兵器廃絶につなげるということをどういうふうに確実にやっていくかということですね。条約の批准国はまだ54ですけれどもね、これをもっともっと増やしていく。国連の加盟国193ですからね。核兵器保有国も含めながら、そういったものが、どうこの条約に賛同していくかと、そういう議論をやっていく、それぞれが重要な会議でありまして、この両会議の開催ということについては、議論の仕方にも影響してくるため、開催の順番がどうなるかというふうなことも含めて、そしてもう一つは、誰もが分かっている今の国際情勢ですね、こういった緊張感が高まっている中で、理性の発露といいますか、それをどういった形で国際情勢に反映させるかという非常に重要な会議でありますので、1日も早く、まず開くと(判断し)、そして、その日程を決定するということをやっていただきたいというふうに思っています。
そして、その日程が決まれば当然、特に国連のNGO(非政府組織)として認められている平和首長会議という立場もありますのでね、そういった場で被爆地の市長として、あるいは(平和首長会議の)会長として、その会議に参加させていただいて、国連あるいは各国の政府関係者に対しまして、ヒロシマの心、被爆者の切なる願いというものをしっかり訴える。核兵器のない世界にもっていく、そのためにまずはNPT6条の核軍縮、実質的な核軍縮を確実にやること、方向性を間違うことのないようにやっていただいた上で、その先を目指す議論をしっかり国際的にやっていただく、そして前進させるようにしていただくということをお願いする。そのことをしっかりと発信してやっていきたいと思います。
【平和推進条例について】
記者
今、広島市議会の方で平和推進条例について検討がされているんですけれども、特にその中で、平和記念式典について「市民の協力と理解の下に厳粛の中で行う」と定める条項について、被爆者団体などが「言論の規制につながる恐れがある」ということで、削除などを求めていらっしゃるんですけれども、この議会の話ではあるのですが、この議論の状況というか、これをこのまま条例として制定される見込みが強いんですが、それについての市長の御見解をまずお聞かせください。
市長
この条例は(平和)記念式典を巡って、様々な議論が起こる中で進んでいる条例制定議論だと思っています。平和記念式典そのものにつきましては、多くの参列者が厳粛な環境の中で挙行されることを望んでおられると思います。本市としては、式典の挙行に適した環境確保ということが要るだろうという判断のもとで、デモを実施されている団体と話い合いをしながらね、言論統制ということではないんだけれども、この厳粛な環境の確保のためにどういったことができるか、どういったことをやりましょうかという議論をまだやっているところです。そんな中で、市議会の方で、この条例というものの制定の検討が進んでいるんですけれども、元々、この条例の制定に入る前に、議会として、「広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式が厳粛の中で挙行されるよう協力を求める決議」というのを議会全体でやって、それをより具体化するための条例制定ということで、今、検討がされていると思っています。それをやる作業の中で、市民の方も様々な御意見を出されて、まさに民主主義ですけどね。市民の意見がどうなっていくかということになるのではなかろうかと受け止めておりまして、私としては、今後の動向をしっかり見定めるということをやりたいと思っていて、実際、やるべき対応としては、引き続き、デモ実施団体としっかり話をして、式典をきちっとできるようなことについての協力といいますかね、やっていただけるように努力していきたいと思っています。
記者
その条例の中身が、どちらかといえば、市民というよりも市の方に、市民の協力を得るように努力をしてほしいという条項になっているんですけれども、どちらかというと、市の方に努力義務を課すような内容になっているんですが、それについては、特に何かありますか。
もし、御意見があればですけれども。
市長
私は、それについては、協力という言葉そのものに関して、ちょっと思い入れがありまして、1949年、被爆から4年後にできた「広島平和記念都市建設法」という憲法第95条に基づいて、国会の全会一致で出来上がった法律がありまして、その法律の6条に、市長に義務が課してあるんですね。「平和記念都市建設に向けて、市長は不断に活動をしなければならない」というふうな一文があるんですけれども、その前段に「市民の協力を得て」と、そして、また「関係機関の支援を受けて」というような、市長に義務を課す前段として、その法律レベルで「市民の皆様の協力も得て」というふうに書いてありますので、そういった広島の、このまちの平和記念都市建設をしていくときの基本的なフレームワークっていいますか、行動じゃないかなと受け止めているんです。「市長がやれ」というふうに当然あるんですけれども、協力も得て、関係機関の支援も得てやりなさいよと、こう書いてありまして、そういった精神構造は、私はある意味で、全会一致でつくられた広島平和記念都市建設法のその精神を受け継ぐものであっていいんじゃないかなという思いは持っておりますけれどもね。協力ということに関してですよ。
【安佐南区八木地区の復興交流拠点施設について】
記者
ありがとうございます。最後1点だけ、梅雨といいましょうか、雨の時期が近づいて1点だけ。八木地区で、復興交流施設を建設する計画があるんですけれども、22年度末の完成を目指して住民団体が特に展開するプログラムっていうのを検討されているんですが、一応、建設主体は市なんで、広島市として、この建設の目的とか運営の形態とかですね、運営主体についてどのように考えていらっしゃるのか、市長のお考えを聞かせてほしいのと、復興交流施設の運営主体とかですね、運営する形態だったりとか、もしくは、どんな中身に、どういう交流施設したいのかっていうことを。あと、当然、展示の内容とかもこれから決まってくるとは思うんですけども、いろいろ外部の(有)識者とかの意見を聞く場とかを、今後設けたりするような考えが今の時点であるのかどうか、その辺も含めて。
市長
私自身、交流施設をつくるという根っこのところにまで戻るんですけれども、梅林学区の話ですよね。ですから、これ自身は平成26年の豪雨災害ののちに、この地域が大変なことになって「もうこの地域に住む人がおらんようになる」と「どうするんだ」というようなことを、地域の方からぶつけられて、まず災害復旧ということで、傷んだ方を助けるということをもちろんやりますけども、住み続けていただくためには、そこをどんなまちにするかということを、みんな大変な時期なので一緒に考えていただいて、夢をまず掲げて、それに向けてみんなで努力するということが、いるんじゃないんでしょうかというようなことを申し上げていたところ、当時は、安佐南区の梅林学区の方では、「梅林学区復興まちづくりプラン」というのを策定していただいて、その中に、「復興交流拠点施設の整備構想」ということをまとめていただいたんですね。それに基づく取り組みとして、今、着実に物事が進んでいるという思いでありまして、こういった取り組みのしかたそのものが、まちづくりをやっていく上で、自分たちのまちを自分たちでつくる。それを続けてやる。つまり、持続可能性を高めるということを同時にやりながら、まちづくりをやるということも、まさに、私からすると、基本に沿ってやっていただいているとそういうものなんですね。そういう意味で象徴的な施設だと捉えています。そして、現段階でこの施設運営に関しましては、それを、しっかりやっていただくためにということで、市では作るんですけれども、指定管理制度ですね、指定管理者を定めて、その方に運営してもらう。そのことも、梅林学区の復興まちづくり協議会の方々自らが具体的な運営できるようにするための手法ということで、指定管理制度もいいんじゃないかなと思っていますし、それから、そういうことをやったときに、「任したんだからね、管理について何もしませんよ」ということはありません。その運営主体の方々をしっかり支援する体制をどうするかということが、やはり根底になきゃいけないと思っていますので、支援体制をしっかりした上で指定管理をちゃんとやっていただく。まずそれが基本ですね。だから、例えば施設が出来上がって、そこで実施する伝承活動なんかも次に出てくるんですけれども、これについては、そこに来られる方、お一人お一人が、防災とか減災、確かに必要だなという意識をしっかり高めていただくようなものにするとか。防災教育もやるとすれば、その座学に加えて、炊き出しの体験など、いわゆる実地体験を踏まえて、災害時に取るべき行動まで身に付くようにするといったところまで、伝承活動を深めていただくようにすることが重要じゃないかと思うんですね。そういたしますと、今言った、指定管理として運営されることですけれども、それを支える新体制を作り上げるというこの流れで、各取り組みに関しても、それが今後長期にわたって一過性のものではない、持続的に成果を発揮していくようにするというために、支援体制を考えなくちゃいけない。その際は、役所の中にも危機管理担当を始め、都市整備局の担当とか、関係局と多岐にわたっていますので、そこがしっかり連携して、それぞれの専門的な役割、知識をいかしてどう支援ができるかということをちゃんと組み立てまして、そして国・県などと共に、例えば専門家の協力もしっかり得ながら、きちっとした支援ができるようにしていくということを、やっていかなきゃいかんと思うんですね。よく行政は縦割りで、なかなか連携がうまくいかないと言われますので、こういったものについて横串を刺して、関係者が一丸となって作り上げたものを運営すると。しかも地元の方と一緒になって、共同して運営するといったものにしていくようにできればなと思っています。
※( )は注釈を加えたものです。