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ページ番号:0000110055更新日:2019年10月21日更新印刷ページ表示

2019年10月31日「市政車座談義」の開催結果

概要

2019年10月31日に開催された市政車座談義の様子平成31年4月に新たな在留資格が創設され、外国人労働者の増加が見込まれる中、外国人労働者が生活者でもある「外国人市民」として地域コミュニティに受け入れられ、また、地域住民の一員として地域の活動に参画してもらうことで、地域コミュニティの活性化につなげていくには何ができるか、外国人材受入団体(監理団体)、企業、地域コミュニティ、外国人市民の方々に御参加いただき、市政車座談義を開催しました。

市長は、多文化共生は少子高齢化の進展に伴う地域衰退の流れをとめて、地域コミュニティを活性化する大きな取組の一つになると考えている、生活と労働は不可分であり、文化や生活習慣が異なる国で育ってきた方に、日本でしっかり働いていただくためには、本人の努力とともに、受け入れる側がしっかり支えるシステムが必要だと考えていると述べ、参加者と積極的な意見交換を行いました。

結果

1 日時

令和元年(2019年)10月31日(木曜日)10時30分~12時00分

2 開催場所

合人社ウェンディひと・まちプラザ マルチメディアスタジオ(北棟6階)

3 参加者

6名(※敬称略)

  • 広島大学大学院総合科学研究科准教授 河本 尚枝(かわもと なおえ) ※進行役
  • 公益財団法人国際人材育成機構会長 柳澤 共榮(やなぎさわ きょうえい)
  • 株式会社東洋シート総務部長 小林 直樹(こばやし なおき)
  • 横川商店街振興組合理事長 村上 正(むらかみ ただし)
  • NPO法人広島横川スポーツ・カルチャークラブ、横川エリアマネジメント連絡協議会事務局長 三谷 光司(みたに みつし)
  • 公益財団法人広島平和文化センター外国人市民相談員 邢 梅珍(けい ばいちん)

4 テーマ

多文化共生と地域コミュニティ

5 傍聴者

19名

6 会議次第

  • 開会
  • 市長挨拶
  • 自己紹介
  • 話題提供「外国人材受入に関する制度と実態について」
    (公益財団法人国際人材育成機構 柳澤会長)
  • 意見交換
  • 閉会

7 発言内容

政策企画課長
皆さん、こんにちは。大変お待たせいたしました。ただいまから「市政車座談義」を開催いたします。皆さん方には御多忙の中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。
私は広島市企画総務局企画調整部政策企画課長の末政と申します。本日の司会を務めさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
本日は「多文化共生と地域コミュニティ」というテーマで、外国人市民との接点をお持ちの方々と市長の意見交換を行っていただきます。
お手元に次第、配席図及び資料「技能実習制度と特定技能制度の比較」をお配りしておりますので、御確認ください。
それでは、開会に当たりまして市長から一言、御挨拶を申し上げます。

市長
御挨拶させていただきます。本日はお忙しい中、車座談義に御参加いただきましてありがとうございます。私自身も市長三期目ですが、市長をやっている間、この車座談義という手法を使って市内のいろいろな課題についてお話を聞きながら、自分としてこんなことを考えてみたいということを紹介する、そんな運用をしてまいりましたが、今回は我が国で少子高齢化の進展に伴い深刻な労働力不足があると。それを背景に必要な制度改正が行われるということが起こっています。これをどう捉えるかといった視点で今回、この談義をさせていただきたいと思っております。
すなわち、今年の4月に出入国管理法が改正されました。この法律改正の主な内容、新たな在留資格を創設することに象徴されるのですが、こういった制度ができることで、今でも外国人労働者、民間さんあたりで増加している中でその傾向がますます加速することは間違いないと思うのですが、さて、こういった文化の違う方を受け入れるといったときに地域コミュニティでどう受けとめていくかが問題になろうかと思います。
これまで日本に来てこの広島という地で、その地域に溶け込んで、いわば多文化共生をするという視点から見ると、その一翼を担ってきていただいている方々がおられまして、今後こういった新しい制度になると、こういった担い手がどういうふうになるのだろうということになろうかと思いますし、新しい制度の下で外国人の労働者が来られると、外国人の方は単に労働の担い手としてだけではなく、地域における生活者として、いわゆる外国人市民という性格を持っていますが、あくまで市民として企業、あるいは地域コミュニティの中でしっかりと受け入れられる、逆にそういったものを支える人材になっていくことになると思うのですが、そういったことがうまくいくだろうかと、そういう問題意識を持っております。
そして、こういった多文化を受け入れてうまくやっていかなければいけないという問題の解決に当たりしましては、まず、これまで多文化共生をうまくやっている事例、好事例、こういったことをしっかりと頭に置きながら、互いに良好な関係を築いて共に暮らしていく。それとともに、外国人の方が市民として地域住民の一員となって、できたら、コミュニティが衰退している中でそのコミュニティ、地域活動をしっかり支えていただく参加要員にもなっていただきたいと思うんですね。そうすることで、これから少子高齢化といわれる、地域が衰退する、そういったものをはねのけて、流れをとめて地域コミュニティを活性化するための大きな取組の一つになるんじゃないかと思います。まさに正念場であると考えています。
このため、今日は「多文化共生と地域コミュニティ」というテーマ設定をいたしておりますが、まずはそれぞれの立場で感じておられる課題をしっかりと聞かせていただいて共有し、その上で企業と地域、そして行政、これがそれぞれの役割、立場で何をどのように取り組むことができるのかについて議論をさせていただき、その内容を多文化共生社会の実現のための今後の施策展開にうまくつなげていきたいと思っております。スタートを切りたいなという思いでおります。
そういう意味では、今日の談義をきっかけとしてスタートするとともに、こういう形で御縁をいただいたことで外国人の市民との共生、そしてもう一つ、地域コミュニティの活性化に向けた皆さん方のそれぞれの取組、今までの取組がさらに一層いいものになっていくことを期待いたしまして、御挨拶にさせていただきます。よろしくお願いします。

政策企画課長
ありがとうございました。
では続きまして、本日御参加の皆さんを御紹介いたします。お名前をお呼びいたしますので、それぞれの自己紹介を簡単に1分程度でお願いいたします。
まず、本日のコーディネーターを務めていただきます広島大学、河本尚枝先生です。

広島大学准教授(河本氏)
広島大学の河本と申します。
私は福祉社会学をやっておりまして、表現を変えて言いますと、子どもであっても、病気になってけがをして働けなくなっても、年をとっても、昨日やってきて日本語が分からない外国人でも幸せに生きていけるような世の中ってどんなものだろうということを考えています。それにはどんな整備が必要なのか、あるいはどんな人と人のつながりが必要なのかという観点から研究しております。
今日は外国人に関わるようなお仕事をされている方、あるいは日常で関わっておられる方から、様々な観点からの御意見を伺うことができるということで、上手に整理できたらなと思っております。よろしくお願いいたします。

政策企画課長
次に、外国人材受入団体、監理団体として公益財団法人国際人材育成機構の柳澤共榮様です。

国際人材育成機構(柳澤氏)
御紹介いただきました柳澤でございます。
1993年4月に技能実習制度が創設されましたが、その当時から私はこの仕事に携わって、四半世紀以上この仕事をやっています。この仕事を通じて今感じていることは、将来の日本は外国人とどのように共生できるか、あるいは本当に移民を受け入れていいのかどうか。7月3日に国立人口問題研究所が日本の100年後の人口が5,055万人になるという推定を発表したのは皆さん、御存じだろうと思います。50年後には8,800万人になると言われています。それから、2030年には今の産業の52%がAIに取ってかわられるとも言われています。そのとおり。しかし、今は人手不足ですと。ではどうやって日本が人手不足を乗り越えて、そしてまた将来の省労働力化といいますか、そういう時代に立ち向かっていけばいいのかを真剣に考えていくべき時代ではないかと思いまして、今日の市政車座談義に名前を連ねさせていただきました。参加させていただき大変光栄だと思っております。よろしくどうぞお願いいたします。

政策企画課長
次に、企業の立場で御参加いただく株式会社東洋シートの小林直樹さんです。

東洋シート(小林氏)
御紹介いただきました小林です。本日はよろしくお願いいたします。
私どもの会社ですが、社名のごとく車の、マツダ様のシートを造っている会社でございます。1947年にできた会社で、創立72年目を迎えております。本社は海田町にあります。それ以外には山口県美祢市の秋芳町、広島県尾道市の上の世羅町甲山、あとは兵庫県伊丹市、伊丹工場ということで国内に4つの工場を持っております。その4つの工場でマツダ様のマツダ3、CX-8、CX-3、この度出ましたCX-30、デミオ等のシートを造っております。
それと、あとはロードスターのホロ、オープンの屋根ですね。やわらかい、ソフトトップの屋根の部分を初代からずっと造り続けております。海外にもアメリカ、ハンガリー、フィリピン、中国、インド、メキシコに出ておりまして、そちらでも車関係のお仕事をさせてもらっています。先ほどの4つの国内工場全体に派遣社員の方を含めまして1,350名が今、在籍しておりまして、そのうちの390名が外国人の方です。国別では約18カ国の方々が一緒になって働いております。
私ごとですが、私自身も2013年から17年まで中国、広東省でお仕事をさせてもらっていますので、受け入れる側と、実際に私が行った側の気持ちを今日はお話しさせてもらえればと思いますので、本日はよろしくお願いいたします。

政策企画課長
次に、地域コミュニティの立場で御参加いただく横川商店街振興組合の村上正さんです。

横川商店街振興組合(村上氏)
御紹介いただきました横川商店街振興組合の村上と申します。
当商店街振興組合は五十数年前に国鉄用地の払下げを受けて、我々の先輩が借金を重ねて、ささやかな土地とビル2棟を造っていただいて、その遺産で他の商店街さんと違って多少の資金があるということで、いろいろと各方面のお力を借りながら活動しております。
当地区は比較的住民同士の仲が良くて、三篠地区社会福祉協議会という団体に属しておりますが、16町内会長さんの集まりです。横川駅のガードの工事が昨年から始まって、今は半分が終わったところですが、ちょっと危ない状況になってきたので、町内会長さんたちと去年の5月から勉強会を重ねてきました。横川の街はどうあったらいいんだろうかという勉強会を重ねてきました。
この間の新聞にも出たのですが、西区が一番外国人の方が多いと。恐らく交通の便利がいい横川駅周辺が多いんだろうと町内会長さんたちともお話ししたんですが、やはり地域に住んでおられる外国の方と交流がうまくできない、言葉の問題もあるし、交流する接点がないということで、何とか外国の方々に街に溶け込んでいただいて我々と同じ住民として活動していただけないか、いろいろと模索してまいりました。
先般、横川ゾンビナイトというイベントをやったのですが、その場にベトナムの方のためのブースを設けまして、本来は出店料をいただかねばならないのですが、特別にチャレンジということで無料で提供して、ベトナム料理を振る舞っていただいたんですが、大変たくさんの集客もあったし、それをきっかけにベトナムの方もイベントを見に来てくれたり参加してくれたりしていただいたので、今後もこの方向で何とか外国の人を地域で受け入れたいと思い、活動するつもりでおります。よろしくお願いいたします。

政策企画課長
同じく、地域コミュニティの立場で御参加いただく、NPO法人広島横川スポーツ・カルチャークラブ、横川エリアマネジメント連絡協議会の三谷光司様です。

横川エリアマネジメント連絡協議会(三谷氏)
この度はこのような場所に呼んでいただきましてありがとうございます。御紹介いただきました三谷と申します。
私はもともと横川の人間ではなくて、13、4年ぐらい前に横川にはまった一人で、その頃は「横川をもっと元気にする会」という任意団体を立ち上げて、街の活性化をしようという話で、横川に入らせていただきました。
その後、NPO法人広島横川スポーツ・カルチャークラブを立ち上げて女子サッカーチームのアンジュヴィオレ広島、それから北別府さんと一緒に農業をやったりして、北別府ファームとか、レンタルギャラリーの横川創苑とか、それと2軒のゲストハウスもやっております。その後、昨年ぐらいから先ほど村上理事長がおっしゃった、「横川地区を考える会」という形で、横川を安心・安全で住みやすい街にしようということで、またこれも任意団体で始まったんですけれども、今年の初めに「横川エリアマネジメント連絡協議会」という形で発展的にしております。
先ほど村上さんがおっしゃったように、横川は本当に地域の人たちがすごく仲良くて、何か行事をやる、イベントをやるとなると皆さんが寄って、「どうやったらいい」、「こうやったらいい」と、マイナスの発想が全然出てこないんです。「これは大変だけどどういうふうにやったらいいか」というところで、話がどんどん進んでいくような街ですので、今回もこの外国人のことに関しても、こういう外国人の問題があるという話が出たのは何か月か前ですが、あっという間にゾンビナイトでブースを出したり、もう本当にすぐ活動するエリアです。僕も非常に学ばせていただいておりますので、今日はよろしくお願いいたします。

政策企画課長
次に、外国人市民相談員として日頃から外国人市民の相談対応をしておられて、御自身も外国人市民でいらっしゃいます、公益財団法人広島平和文化センターの邢梅珍さん。

外国人市民相談員(邢氏)
皆さん、こんにちは。私は邢梅珍と申します。
広島平和文化センター外国人市民相談員、中国語を担当しています。前職は自動車用プレス部品を製造している工場で中国の実習生に関わる仕事を約2年間していました。前職の主な仕事は、現場通訳と実習生の生活面を見ていました。今の相談員の仕事は、今年4月から始めました。まだ経験は浅いのですが、今日のこの車座談義で皆さんのお話と貴重な御意見を聞くことで、これからの外国人市民相談員の仕事に役立てたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

政策企画課長
どうもありがとうございました。
本日は、まず公益財団法人国際人材育成機構の柳澤様に、外国人材受入に関する制度とその実態について10分程度御紹介いただきます。その上で、河本先生による進行の下、外国人との共生社会の実現に向けて企業、地域、行政のそれぞれが担うべき役割について意見交換をしていただきます。
それでは柳澤様、よろしくお願いいたします。

国際人材育成機構(柳澤氏)
それでは、司会からお話がございましたので私から10分程度申し上げたいと思います。最近一番話題になっていますのが、市長からも御紹介がありました特定技能制度、今年の4月から発足した、いわば外国人出稼ぎ労働者の制度でございます。26、7年前の93年にできて、本来の姿とは違って、余り評判の良くない制度として知られております技能実習制度という二つの制度がありますが、基本的にはこの技能実習制度を適正に運営していけば特定技能制度がはらむような問題はないと私は思っておりますが、この話をし始めますと1時間以上かかってしまいますので、結論だけを申し上げまして、後ほど御質問があったらお答えいたします。
技能実習生を受け入れるに当たって、アイム・ジャパン((公財)国際人材育成機構)がどのような留意をしているかを中心に、まずお話をさせていただきたいと思います。
一つは、私どもの技能実習生を受け入れている企業さんは北海道から沖縄まで全国約1,700社、在留実習生は1万1,000人を超えております。そういう方々を迎え入れるに当たっては、まず日本という国をよく理解してもらう。全国2,600ぐらいある私どものような監理団体のうち、私どもだけがただ一つ、外国政府と直接協定をして、政府派遣の技能実習生を受け入れているところに最大の特徴がございまして、お配りしてあるパンフレットを御覧いただければ分かりますが、各国の労働大臣と僕らが直接、英語で協定書を結んで、そして政府派遣の技能実習生を受け入れております。
その際に政府へ要望しておりますのは、日本に来るのだから、やっぱり日本のことを十分勉強させてくれないと困りますよと。日本語もある程度はできなければ困りますよということで、政府直轄の職業訓練校で、私どもの職員も応援をして派遣しておりますが、まず日本の文化、それから日本の宗教とか日本人の風習、時間をきちんと守る、正しい規律を持っている。それからごみの分別収集も、これは非常に難しいのですが、教えています。そういうことで、まず日本を知ってもらうということで日本語教育をやりながら、長いところでは8か月、これはバングラデシュ政府ですが、政府のお金で8か月、やってくれています。最低でも5か月、政府の職業訓練校で日本に来るための準備教育をしてくれています。それは、日本を知ってもらうと。もちろん私どもの職員も行って、日本人が直接話したほうがいいと思うこともあるものですから、お話をします。一番よく覚えさせるのは、郷に入ったら郷に従えと、こういう言葉を教えています。つまり、日本へ行ったら日本の風俗・習慣に従ってくださいと、そういうことをよく教えます。
それから一方、迎える側の日本でも、今お配りしていますような「受入企業オリエンテーションの手引」という本を私どもは独自で作りまして、これに、技能実習生を迎えるに当たっては、これ、今日お持ちしたのはインドネシアの実習生を受け入れるに当たっての本ですが、インドネシア用、ベトナム用、タイ用、スリランカ用、バングラデシュ用とそれぞれ書いてあるんですが、その国の準備ですね、実習生を受け入れるための。もちろん寮とかそういうものもそうですが、安全衛生も含めて、まずコンプライアンスを守ってくださいということを一番先に教えています。外国人ですからいろいろな、市役所へ行ったり、あるいは宿舎の問題ですとか、いろいろな問題が出てきますから、そういうことをすべて、一応必要なことを書いてあります。そして、どういうものかを理解していただいた上で、実習生を迎え入れていただくと。まずお互いがお互いを、双方を知ることを日本へ来る前にしていただきます。
どんな企業さんがうちの実習生を受け入れていただいているかですが、最近は金融機関の御紹介が非常に多いんです。それからもう一つは、私どもの実習生を受け入れていただいている企業さんの御紹介が非常に多い。アイム・ジャパンの言うことは非常に口うるさくて、もう監督署が言うように厳しく言うけれども、アイム・ジャパンの言うことさえ聞いておけば、監督署が来ても、外国人技能実習の監査があっても枕を高くして眠れるから、どうせ受け入れるんだったらアイム・ジャパンがいいよと企業さんが紹介をしていただきまして、そういう金融機関の紹介と、それから受入企業の知り合いの社長さんから御紹介いただけるということで、新規の企業さんもどうやって何とかするか、なんていう苦労もしないでだんだん大きくなっておりまして、おかげさまで先ほど申し上げましたように全国で1万1,000人を数える、最大の実習生の受入団体になりました。
問題なのは、地域とどういうふうに仲よくしていただけるかということが実は一番大事です。それからもう一つは、日本へ来てからの実習も1か月、集合講習といいまして学校的に授業をやりますけれども、その中で自分たちが持っている権利、例えば残業をしたら残業手当をもらえますよとか、年次有給休暇をもらえますよとか、そういう自分たちが持っている権利を十分に教えます。企業が知っていて、自分たちも知っている。お互いが知らなきゃいけませんので、そういう法的保護。それから、幸いなことに警察の御協力を非常にいっぱいいただけているものですから、必ず警察署から一日来て、日本の交通安全ルールはこうだとか、どういうことが犯罪になるとか、先ほどもちょっとお話が出ましたが、駅で自転車は乗り捨てちゃいけませんよとか、そういう警察の御協力もいただいて、交通マナーも含めて教えております。
企業へ行ったら、できるだけ地域に共生するように、先ほどお話がありましたように、町内会のお祭りに参加させていただく。おみこし、最近は、あるところによっては若い人がいなくなったので実習生がいないとおみこしを担ぐ人がいないから参加させてくれという御依頼ももちろんありますが、それはとてもありがたいことでございまして、そういう地域のお祭りに参加する。
それから、なるべく土曜日や日曜日に、公園あたりへ行って、できれば地域サービスをする。公園が汚れていたら公園のお掃除をするとか、あるいは、せめて自分たちの宿舎の近くの道路のお掃除をして清潔にするとか、日本へ溶け込むなら自分たちが様々な溶け込む努力をしなきゃだめですよと。そうすると日本人にもあの子たちはいい子だなと思ってもらって、親切にしてくれると。そうするとお互いが相乗効果で良くなりますというような教育をしておりまして、企業さんにもそういうお願いをできるだけ、地域の方と接することが大事ですと。それから、日本の文化にも接することが大事ですと。西日本の人には、会社の費用で必ず原爆ドームを見せてやってくださいというようなお願いをしております。
やっぱり監理団体がきちんとそういう指導をしていけば、技能実習制度はとてもいい制度だと僕は思っています。結果として、うちは基本的には社長づくりを目的にしているんですが、この26年間でインドネシアでは7,000人の社長が誕生しました、うちの卒業生で。そして多い子は、労働者600人を雇用している地場のゼネコンになりまして、この3月に地下鉄が初めてジャカルタにできましたけれども、13の駅のうち11を単独受注して、地下鉄の駅を建設すると。そういう大会社にも発展しましたし、しかしみんながそういう大きな会社ではありませんので、平均100人の従業員だとしてもアイム・ジャパンの帰国実習生の中で70万人の雇用がインドネシアにできたことになります。インドネシアは大家族ですから、平均5人とすると350万人の生活がこの技能実習制度の卒業生によって保たれていることになりまして、ちょうどこれは日本で人口が10番目の静岡県、360万人に匹敵するような人口がアイム・ジャパンの帰国実習生によって支えられていると。インドネシアでは、イカペクシ(IKAPEKSI)というアイム・ジャパンの社長の会があり、タイでもアイム・ジャパンの社長の会があります。来年度はベトナムでもアイム・ジャパンの社長会を作るべく、今、ベトナム政府と協力しております。
そういう意味で、この技能実習制度を正しく運用すれば人材の安定的な確保、それから日本が果たすべき国際協力、途上国の発展のために役立つような、そういう一つの政策であると私は思っておりまして、ただ、甚だ残念ながら多くは、新聞に出るのはネガティブキャンペーン。広島でも中国の実習生が殺人事件を起こしたと。これは実習生だけが悪いのではなくて、いろいろな原因があったと僕は思います。そういう悲惨な事件を起こさないように、あるいは世の中のひんしゅくを買うような事件を起こさないように、きちんとした制度の運用を強く願っております。そのために技能実習校を作ってもらったんですが、なかなか実効が上がらず困っております。皆さん方から今日はいろいろなお知恵をいただきながら、勉強しながら、このシステムをより一層改善していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

政策企画課長
どうもありがとうございました。
では、ここからは河本先生に進行をお願いしたいと思います。先生、よろしくお願いいたします。

広島大学准教授(河本氏)
それでは、ここから私が進行させていただきます。よろしくお願いいたします。
本日は、まず今の柳澤様のお話を踏まえまして、今日お越しになった皆さんが考えておられる外国人市民との共生に向けた課題、日々の生活の中で検討しておられる、実際に相談として受けておられるような課題をお話しいただいて、それぞれの立場から見えているものをお互いに共有することができればと思っております。その後に外国人との共生社会の実現に向けて企業、地域、行政、それぞれがどのような役割を担うことができるのか、意見交換をしたいと思っております。終了時刻は11時50分を予定しておりますので、よろしくお願いいたします。
まず、それぞれにお話をお願いしたいのですが、柳澤さんから人材受入に関するお話が出ましたので、順番としまして企業、地域コミュニティの皆さん、そして外国人市民の生活に関わる方という順序でお願いしようかと思います。
そうしましたら小林様、お願いできますか。

東洋シート(小林氏)
冒頭、自己紹介のときにもお話ししましたが、私どもは今、国内で約390名の外国人の方に来ていただいて、一緒に働いております。そのうち、柳澤会長のお話にもありました実習生につきましては27名を受け入れております。フィリピンは自社の社員の方、あとはインドネシアの方ということで、1年で入れ替わるような感じで、今、会長もおっしゃったように、実習生につきましては送出機関とか、受入の最初の1カ月の座学で習慣とかいろいろ学ばれて、大きなトラブルもなくやっております。
あとは、雇用の社員と派遣社員の方が300名ほどいるのですが、仕事の話になりますが、やはりどうしても言葉の壁で非常に苦労している、特にものづくりの現場の方が苦労しているのが現状でございます。それぞれ定期的に通訳の方に入ってもらったり、翻訳機を配付したりして日常業務を教えているのですが、翻訳機も一般的な言葉はあるんですが、やはり我々の自動車の専門用語とかは当然入っていないのでそこはどうしても伝わらないとか、あとは品質とか安全とかのレベル、決して彼らが悪いのではなくて、やはり我々が求めるレベルと、外国人の方々が実際に自国で車に携わってきたレベルが違うんです。口とか写真とか、動画で見てもらうんですが、そこでは分かりますが、実際に物を作るところになるとその辺の品質のレベル感が違うので、そこでやはり苦労するとかが現状あります。
そういう苦労もありますが、現場でも実際に海外に出向へ行ったり出張した者も多くいますので、他社に比べまして比較的外国人の方々にそういった、言葉は悪いですが、アレルギーは余りないのも現実でございます。中には、すごく真面目な方もたくさんいらっしゃいます。外国人だからというのではなく、十数年前に外国人の方を受け入れるとき、最初は正直、抵抗がありましたが、今となってはもう別に抵抗はない。表示物もいろいろな言語で書くとか、そういった工夫を受け入れる側が、当然日本の習慣に慣れてもらうとか、物づくりにはどうしても曲げられないところがあるんですが、そうでないところはやっぱりお互いを尊重し合ってというふうなことを意識しながら、今は外国人の方々と比較的うまくやっているのが現状でございます。
これからも、どうしても新規雇用が、なかなか思いどおりにいかない現状があります。それと、生産の大きな変動もございます。そういうところで計画どおり正規雇用も採用できないところは派遣社員の方を雇用する、その中で多くの外国人の方がいらっしゃるので、これからも外国人の方を受け入れていくという考えは変わっておりませんし、むしろそういった抵抗も、先ほど言ったようにどんどんなくなってきているという現状でございます。

広島大学准教授(河本氏)
ありがとうございます。実習生の方も、あるいは派遣で来ておられる方もいるということで、言葉の壁が一つ、出てまいりました。それから、労働現場では品質・安全のレベルという問題も出てまいりまして、あとは社員の方は多言語であったり異文化であったりを受け入れながら対応しておられるということで、そうしましたら職場の部分、後ほどまた小林様に御質問することも出てくるかと思いますが、コミュニティで、地域で暮らしている中でということで、三谷さんからお願いしてもよろしいですか。

横川エリアマネジメント連絡協議会(三谷氏)
外国人の方が増えたなとは思っていたんです。いろいろな資料を見て、こんなに増えていて、横川駅に違法駐輪とかがたくさんあって、これらは国によって考え方が当然違っていて、先ほども柳澤さんがおっしゃったように、日本の常識が向こうでは常識ではなかったり、そういうところが分かっていないというところをどうやって分かってもらえればいいかなと、村上さんたちと話をしながら、イベントですよね、多分村上さんからも出ると思うのですが、町内会がやるイベントとかに参画してもらうことで、やっぱりコミュニケーションが一番大事だと思うんですよ。
先ほどもおっしゃったように、言葉の壁があってコミュニケーションがとれないということもあると思うのですが、日本に留学して来てくれている学生たちや、働きに来ている人たちは、そうは言ってもそこそこ教育レベルが高い人たちが来ているのかなと。であれば、そういう学生さんをイベントのときであれば呼んで、通訳の役割みたいなことをしてもらったりはできると思うんです。そういうところになってくると、町内会の人たちも言葉の壁がそんなに高くないイメージを持てると思うので。
それともう一つはお金の問題で、やはり祖国にお金をたくさん送らなければいけないということになってくると、自分たちが生活するのにもいっぱいいっぱいで、余分なお金は恐らくないだろうということであれば、雇っていただいている企業さんに町内会費であったり、ちょっとしたイベントで参画するときのスポンサーというか、協賛というか、そういうことをしていただくことでかなりそのあたりがクリアーになって参画してきてくれると、その子どもたちとかがいろいろな世代とコミュニケーションがとれるような場面ができて、どんどん日本を好きになってくれると思います。僕もちょっともれ聞いた話ですが、一生懸命やっている外国人の方々が家族を呼ぶこともできるんですよね、何かハードルが高いらしいですが。でも、その高いハードルを乗り越えて家族を呼べるぐらいの能力を持った外国人というと、やっぱり企業にとってもすごくメリットがある人材だと思うんですよね。となると、どんどん相乗効果が生まれてくると思うんです。イベントなんか特に子どもはすごく喜ぶので、そういうのでやっていければいいなと思っております。
それと一つ、東洋シートさんにお聞きしたいのですが、住まいはどういうふうな、例えばアパートを借りるとか、寮とか社宅みたいなのがあるのかどうか、そういうのはどうですか。

東洋シート(小林氏)
実習生につきましては、自社の寮に入ってもらっています。あと山口の工場におきましては、受入機関さんで借り上げてもらったところに入ってもらっているのが現状です。当然、会社が家賃を払っている。本社につきましては自社の寮に入ってもらっています。

横川エリアマネジメント連絡協議会(三谷氏)
そういう手厚くされているところは町内会費というか、町内と関わる場面がどういう形になるかはまた考えていかねばならないかなとは思うのですが、そういうところも含めて。

広島大学准教授(河本氏)
ありがとうございます。柳澤さんの話から地域に溶け込むというところ、それから東洋シートさんで受け入れておられますよというところ、そこから地域の中で町内会に入ってもらえないでしょうかねというお話が出てまいりました。
その町内会の話も含めて、生活の中で違法駐輪というお話が出てましたのでもちろん交通ルールも含めて、恐らくそのほかにも課題は、地域で認識されていることがあると思いますので、そうしましたら村上さんから課題と、町内会のあたりの話も含めてお願いできますか。

横川商店街振興組合(村上氏)
今、西区は外国人がたくさん住む町になっているということで、当地区の楠木町というところに広島ベトナム協会という交流組織がありまして、そこをお訪ねしたら、今、日本に来て働いているベトナムの人は優秀な人ばかり来ていると、日本語もある程度話せて。だけど優秀な人が家族を呼べることになった場合に、その子どもたちや家族は日本語を学ばずに来ると。そのときにかなりトラブルが起きるんじゃないかと心配しておられました。
我々、日ごろイベントをやっている側からすると、やっぱりお祭りに来ていただくのはすごく垣根を取り払うことができるので、特に日本語が分からない外国の子どもたちが来たときに、まずは町内会に入っていただいて、町内会の場合、我々の町ですと月額一世帯が300円です。それを納めていただければ町内会の行事はほぼ無料ですべて参加できるので、例えば公園でやる夏祭りとか、そういう日にどうしても子どもたちは寄ってくると思うんです、外国の子どもも。そのときに町の側でちゃんと受け入れてやって、日本の子どもたちと仲良く暮らすルールができればやがて日本のルールも浸透するでしょうし、そういうことで我々町の側としては、一体化するために何とか外国の人々と一緒の時間を過ごせるようなシステムをつくりたいと思います。
私の地区には16町あるのですが、町内会長さんがどなたも悩まれるのは、町内会の入り手が減ってきていると。だから、別に町内会を補充するためではないですが、町内会にも受け入れる素地はあると思うので、さっきお話ししたように、雇われる企業さんが従業員さんの住んでいる町の町内会費の面倒を見ていただくだけでも、随分お互いの生活環境が違ってくるかと思うんですよね。
我々としても、ここにデメリットとして書いてありますが、治安悪化の懸念とかがありますので、町の側としても治安は守りたいので、なるべく我々と文化を共有していただいて、仲よく暮らせる町にしたいと考えております。

広島大学准教授(河本氏)
ありがとうございます。町内会の人が少ないからというだけではなくて、地域に暮らしている人たちを地域の住民として受け入れるための一つの方法として町内会に入っていただきたいと。
横川、特に専門学校なんかも多いですし、学生さんもたくさん住んでいるので、外国人の労働者の方も交通の便がいいということでたくさん、横川を選ばれる方が最近増えていると伺っていますが、そういう方たちがこれから増えていったときに、長いスパンで考えたときに、後々家族が来たときにトラブルが増えるのではないか、それを避けるためにも地域コミュニティの一員になっていただきたいという課題の認識ということで、ありがとうございます。
そうしましたら、外国人市民であり相談を受ける立場ということで、邢さんから今の問題、この話にかかわらずありましたらお願いいたします。
外国人市民相談員(邢氏)
実は技能実習生が広島平和文化センターの相談コーナーへ相談に来ることは少ないです。監理団体とその企業がしっかり受けとめていると思いますが、企業と監理団体に相談しても解決できない場合は、来るときがたまにあります。
私は今の相談員になる前にマツダの下請会社で実習生を見ていました。そのときの実習生からの相談で、職場で悩んでいる一番多いことは残業問題です。実習生はせっかく日本に来て、もちろん技術も学びたいが、お金もいっぱい稼いで持って帰りたい、それで残業をしたいのです。残業が多い職場に変えてほしいとか、ほかのところは残業が多いが私のところは少ない、これは不公平ではないですかとか、そういう相談がありました。
あとは、職場の人たちは早口の方言で話したり、仕事の指示をしたりするので実習生がその言葉を理解できない。でも企業から見ると、実習生が全く言うことを聞かないとか、何度注意しても、怒っても直らない、そういうトラブルがありましたが、実際に実習生へ聞いてみると、何故怒っているかが分からない、怖いと。これはやはり言葉の壁だと思います。ほかにもいろいろ言葉の壁で誤解があると思います。それは実習生が悪いとか現場が悪いとか、そういうことではなく、言葉の壁から来た誤解や問題かと思います。
あとは、実習生は仕事中、手順やルールを、もちろん守らねばならないですが、最初は守るのですが、慣れてくるとちょっと気持ちが緩んで守らないときがあります。それによってけがをしたとか、そういうこともありました。
また、大家さんからごみの分類で苦情の電話もありました。そのほかにも、例えば燃えるごみの日は火曜日と金曜日ですね。でも火曜日が祝日のときにごみの収集はありませんが、実習生はそれが分からなくてごみを出したり、そういう大家さんからの苦情がありました。
交通ルールのトラブルもありました。中国は駐輪場に自転車をとめる文化はなくて、街に行くとき、みんな、本通によく行くようですが、自転車をとめられると思ってその辺にとめて、後で戻ってきたら自転車がない。撤去されて、私が一緒に自転車を取りに行ったこともありました。
自転車の事故もありました。交通ルールが違うのです。例えば自転車は、中国は右通行で日本は左通行ですが、実習生は右通行に慣れていて、接触事故を起こしたことがあります。それで言葉が分からなくて、自分が悪かったけれども謝らずそのまま去っていて、それでその相手の日本人の方が「待ちなさい。」と言っても本人に伝わっていなくて、そのまま仕事に行ったらしいのです。その後、警察から「こういう事故がありました。相手が怒って、ちゃんと実習生と話したい、謝ってほしいと言っている。」と連絡があって、私が立ち会って、一緒に謝りに行ったこともありました。
現場から実習生に対して、気になったことももちろんあります。現場で実習生に質問しても、実習生は、「はい。」「分かりました。」「大丈夫。」そんな返事ばかりです。実は分かっていないんです。その後はまたトラブルが発生する。あとは実習生は小さなことで、例えば体調不良とか頭が痛いとか、そういうことで仕事をよく休むことがあります。生産が忙しいときに穴を埋められなくて現場が困っていることもよくあります。
仕事が円滑に、うまくいくために現場も相手国の生活スタイル、習慣とか考え方とかもある程度知ったほうがいいと思います。実習生も言葉の壁で、やっぱり言葉を勉強しなければならない。よくボランティア団体がやっている日本語教室がありますが、よく見ると、その日本語教室は平日とか土曜日の時間帯が多いんですね。実習生の都合は、多分日曜日のほうがいいと思います。日曜日のこういう日本語教室が増えたらいいなと思います。
あと、地域との交流でイベントに参加したり、実習生の日本での生活がもっと楽しくなるために、企業が観光に連れていったり、自分で行けるイベントは自分で行けるよう、いろいろな情報を案内したらいいと思います。

広島大学准教授(河本氏)
ありがとうございます。邢さん、主に実習生の生活の部分を今お話しいただいたんですが、実習生以外の外国人の方で、窓口相談で何かこういった問題が特徴的にありますということがあれば教えていただけますか。

外国人市民相談員(邢氏)
中国人以外の話でもいいですか。

広島大学准教授(河本氏)
はい。

外国人市民相談員(邢氏)
例えば南米の相談者がよく窓口に来る問題は年金の問題とか保険の問題とか、仕事のトラブルもあります。多分そういう方は派遣会社に所属していると思います。あと病院や子どもの学校のこととか、ほとんどが、日本の制度や言葉、情報が分からない、こういうトラブルがあったときはどうしたらいいか分からない、そういうことが多いです。

広島大学准教授(河本氏)
ありがとうございます。邢さん自身のこと、お仕事、それから経験も踏まえて、実習生がどういう問題を抱えているのかというお話と、それ以外の外国人の方がどういう問題を抱えておられるのかというお話をしていただきました。
課題として、技能実習の場合は、恐らく短期のスパンで私たちも見ているかもしれないし、来ている本人もそういうふうに考えているかもしれない。一方で南米の方がとおっしゃっていましたが、恐らくもう20年ぐらい住んでおられたり、もうこちらに永住しますということを考えておられる方も多い。だからこそ年金であったり保険であったり、あるいは子どもを産み育てている中で学校や子どもの問題、あるいは言葉が分からないから制度が分からなくて制度につながらない、じゃあ私はどうすればいいですかと窓口へ相談に行くというのが出てまいりました。
一巡、皆さん方から課題をそれぞれ出していただいたんですが、最後に松井市長から一言、今の課題に関連してお話しいただければと思います。

市長
今それぞれのお立場で、いわゆる外国人という国籍の違う方々が日本国内に住まわれて、地球上での人間生活と見ると一緒のことですが、働く上で統治システムが違う地域で暮らしていくときの問題が出てくると思うんですね。私自身は、人間は有機的な動態ですから、生活の場面での問題と職場での問題を切り離してこちらだけやればいいというふうなやり方は間違っていると思うんですね。トータルで見てあげねばならない。だけど、それぞれ国の統治システムが縦割りになっていて、生活の場面はこういう役所がやっているのでそちらに任せる。職場はこれだと縦割りで、本当に横串をつないで、適用される方についての立場で、またそういう方々と接点を持つ方々の気持ちに即した対応ができてないということだと思うんですね。
もっとざっくり言いますと、いずれも地球上に住んでいる人間ですから、統治システムの違うほかの国であっても、今は我々、この国で働いていますけれども、この国に生まれ、小さい頃から教育を受けて、その地域で働けるようにいろいろな意味でお金をかけて、トレーニングをしてようやく働けるようになったんですね。それが違う地域でほかの働き方、ほかの生活をするためにお勉強して習得してきた方が、あるときこちらにぽっと来て働くなり、生活なりをするのも本当は不思議ですよね。物であれば、造られる物、同じような品質の物をどこで造ったって一緒だから、ここで造った物を組み立てれば一つの車ができるとかいうことができますが、人間ってそうはいかないんですよね、生きながら、働きながら。そうすると外国人を受け入れたときには、自国の国民だということにした上で、一生懸命に小さい頃から生活を考え、勉強し、その地域の文化になじんで働いてもらう、その投資があって初めて動いているのに、外国の方についてはそれ抜きでいいとこどりをしようなんて、それだけ利用できるシステムさえ作ればいいという発想をしていると、今までの帝国主義とか、いろいろな国同士の争いをやってきた歴史の繰り返しになるんですね。
だから、今の問題をやるのは同じ人間で、もし情報が提供できていなければ、即席でもいいからとにかくトータルでそういう方々に習得、勉強していただく、文化を分かっていただくような仕掛けをしながら、足りないところをどう補強しながらなじんでいただくようにするかという目線で、今ある制度をちょっとずつ直すし、そして今おられる方も、今言ったような考え方をしっかり持っていただいた上で対応することをしないと、外国人は別物だから、ここは問題があるからという対処療法ではなく、もっと根っこのところを考えることをやれないかなと思うんです。同じ人間ですよね。しかも文化の違いの中で、育て方が違うだけで、言語だって、習得するのはその国で生まれてしまえばその国の言葉を覚えるんですからね。その追いついていない部分をお互いに理解して、足らざるところを補う努力をする、そして補強してあげる努力をするという。多文化共生のためには違う文化圏の人について、その地域で同化していただくためには、同族以上に別の形でのお世話をしっかりしてあげるシステムを組んだ上でお迎えするというぐらいの発想で考えていきたいです。手間はかかります。だから、安上がりでいいとこどりをしようというふうなことで物事を考えようとすると、人間は機械じゃありません。そこのところがどうも適していないんじゃないかなという思いをしながら聞いていました。

広島大学准教授(河本氏)
ありがとうございます。生活と労働は不可分ということで、恐らくそれは企業の側から考えたときには、しっかり働いてもらおうと思うと生活の部分が安定していなければいけないことになってくるんだろうと思います。今のお話をしていただいたところで、例えば生活面でも足りない部分はたくさんあると思います。言葉が分かりませんというお話も出てまいりました。じゃあそのあたりをどういうふうに補うかが、松井市長からの今、投げ掛けだったかと思うんですけれども、皆さん方で何かこういった意見がありますとか、例えば今、このような取組をやっていますなどあれば。
では柳澤さん、お願いします。

国際人材育成機構(柳澤氏)
一番大事なことは、市長がおっしゃった同じ人間だという意識を強くする。特に日本人は、白人やアングロ・サクソンに対しては大勢来ても余り問題にはしませんけれども、アジア人が来ると何だか騒ぎますよね。僕は、ちょっと1センチ、アジア人を格下に見ているのではないかという気がしてしょうがないんです。白人をこき使ったという話は余り聞きませんが、アジア人をこき使った、あるいは虐待をしたという話は本当に聞きますよ。そうじゃなくて、我々も同じアジア人ですよね。それと同時に、中国の人でもベトナムの人でも、インドネシアの人でも、どこの国でも悲しいときには涙が出る、けがをすれば赤い血が出る、同じ人間ですよ。それがね、何千キロも離れた遠い異国へ来て、方言が分からない、その会社特有のルールが分からない、人並み以上の苦労をしている、そういう心を分かってほしいと僕はいつもお願いしています。
そして、非常に実習生にはかわいそうですが、ここは日本人が多い国なんだから、日本の国なんだから、あなた方が溶け込む努力をしなきゃだめだよと言って、宿舎の周りのお掃除をさせているんですよ。そして町内会の人に目を向けてもらうようにしているんですよ。ある意味、かわいそうですよ。まさに市長がおっしゃった同じ人間だと。アジア人、同じアジア人で悲しいときには涙を流す、けがをしたら赤い血が出る、しかも人一倍苦労している人間だということを十分地域の方にも理解してほしいと僕は思います。会社の人にはいつも、技能実習生は自分の娘、孫、息子だと思ってくれと、こういうふうにお願いしています。それが一番大事じゃないかなと思っています。

広島大学准教授(河本氏)
ありがとうございます。地域の人に、外国人から溶け込む努力があるのを理解していただきたいというお話でしたが、お二人はいかがでしょうか。それに関連して何か、横川でこんなことがありましたとか。

横川商店街振興組合(村上氏)
今から私がお話しすることは、当地区の16町内会長さんが了承している話ではないのですが、町内会に入っていただくことによって、言葉の問題なんかもボランティアで、定年でリタイアして我が町に帰ってこられた方にビジネス英語のできる方がおられて、町のためなら何でもするとおっしゃっていただいているので、言葉の問題もそういう人たちに間に入っていただいて、時間はかかるとは思うのですが、我が町内会長たちにも受け入れていただけるのではないかと思っておりますし、そういう方向にぜひしたいと思っております。

広島大学准教授(河本氏)
三谷さんもお願いします。

横川エリアマネジメント連絡協議会(三谷氏)
ちょっと違うところがあるかもしれないですが、市長も柳澤さんもおっしゃった、人間というところですが、実は2015年にアンジュヴィオレ広島というチームでアフガニスタンの代表選手を呼んで、ユニタール(UNITAR)さんが当然中に入っていただいて、ユニタールさんは人材育成をされているところで、1週間ぐらい広島へ来て、最後にアンジュと親善試合をするという形で呼ばれた。
ユニタールさんが呼ばれるので、僕たちとしては人材育成をされるんだろうな、教育されるんだろうなと思っていたのですが、逆に教えられることがたくさんあって、これはぜひトップチームも含め、高校生、中学生のチームがあるのですが、それらに交流をさせてやりたいと思って、次の2回目のとき、2017年のときに高校生の代表が来たんですよ。
18歳の子が質疑応答のときに、何でサッカーをやっているんですかという質問になったときに、うちの選手は当然点が取りたいとか、なでしこに入りたいとか、サッカーが楽しいとかそういう話ですが、逆に聞いたときに国を背負っていると言ったんです。すごいなと思って、何でですかねと言ったら、アフガニスタンはもう男尊女卑で、女性がすごく虐げられている。サッカーをやるなんてとんでもないと言われているらしくて、迫害も受けるらしいんです。だから、自分たちが迫害を受けても頑張っている姿を見せることでほかの女性たちの元気につながって、原爆ドームとかいろいろ見せていただいて、たった70年そこそこでこんなすごい街ができて、女性が肌を露出して夜に一人で歩ける、そんな街が作れるのはすごく勇気をもらいましたという言葉を聞いて、すごいなと。
先ほどの話ではありませんが、ちょっと下に見ていたようなところがあったのですが、やっぱり人ってすごいなと。しかも女の子ですが、そういう思いを持っていることが、そういう子たちもいることは、帰ったときに平和の種であったり、先ほど柳澤さんが言われたように起業する種であったり、そういう種を広島というか、日本からまいていける、そういうことができればいいなと思っています。

広島大学准教授(河本氏)
ありがとうございます。地域の人、それは企業の人もそうだとは思うんですけれども、人と交流することが単にお金を稼ぐということではなくて、さらに次のステップへ行くような、それを国が発見するということかもしれませんし、御本人のキャリアにとってかもしれませんが、そういう形になればというお話をいただきました。
そうしましたら時間の都合もありますので、次の課題といいますか、二つ目、外国人との共生社会の実現に向けて、企業、地域、行政のそれぞれが担うべき役割について考えましょうとしておりました。これまで話していたところで、様々にこういう課題がありますというのがあって、これはできますよであったり、先ほど町内会では町内会費をという話が出ていたんですけれども、ほかに何か、私たちはこういうことをしたほうがいいんじゃないか、あるいはこの人たちがこういうことをしてくれたらいいんじゃないかというのを、また少しずつお話しいただければと思いますが、手短にお願いできたらと思います。今回は生活に近いところからということで邢さんにお願いして、その後に柳澤さん、三谷さん、小林さんという形でお願いしようかなと思います。お願いいたします。

外国人市民相談員(邢氏)
行政の役割としては、外国人市民にとっては、行政からの納付書とか、いろいろな申請書類が多言語化されたらありがたいと思います。災害や教育、医療などやることはたくさんありますが、優先順位をつけて少しずつやっていったほうがいいなと思います。
あとは、特に行政の日本語は難しい。私もいつもそう思っています。外国人市民向けだと「やさしい日本語」を使ったほうがいいと思います。
あとは学校ですね、教育。ほかの国にはPTAとか参観日とか給食制度がないため、そういう制度自体が分かる多言語ガイドブック、これもできたら外国人市民にとっては役立つと思います。
今は実習制度に対する抵抗は企業とか現場にはほとんどないと思いますが、やっぱり実習生に無関心な人や関わろうとしない方がいると思います。現場の日本人の方も仕事とか家庭のことなど、いろいろと大変で余裕がないと思いますが、もっと関心を持ってもらう必要があると思います。
あと実習生ですね、会社と寮、あと買い物、こういう三点の往復で、仕事は単調。最初は大丈夫ですが、何か月か日本でこういう生活をしたら、毎日そんな生活ではもうおもしろくないんですね。日本で楽しく生活できる、仕事ができるために週末、休みの日とか、企業もできるだけ実習生と一緒に出かけるとか、イベントを実施するとか、そういう実習生との距離を近づける努力をしたほうがいいと思います。

広島大学准教授(河本氏)
ありがとうございました。今邢さんのお話の中で「やさしい日本語」と出てまいりました。この「やさしい日本語」とは、もともと災害対応のときに避難所なんかで、日本語ができないけれども英語だけがみんなできるわけでもないので、かなり簡略化した日本語、敬語は使いませんであったり、漢語を使わずにもっと平易な言葉で言いかえるという形で、例えば「危険、高台に逃げてください」ではなくて、「危ないです、高いところに逃げてください」みたいな言いかえをして、分かりやすくしましょうというものです。そういった形で、行政窓口でも対応していっていただけたらということですね。後ほどまた松井市長に、これを伺っていいのかしら。そのあたりはどんな感じですかとお伺いできればと思います。
企業さんについては関心を持っていただきたいということや、休みの日に交流をしたりできないでしょうかということだったんですが、そのあたりを柳澤さん、小林さんの順でお願いして、最後に生活関係ということで地域でどういうことができるかをまたお願いしたいと思います。順番としては三谷さん、村上さんでお願いします。
そうしましたら柳澤さん、お願いいたします。

国際人材育成機構(柳澤氏)
私ども実習生を受け入れていただいている企業さんには、休日、あるいは年次有給休暇等を利用して従業員の方と一緒に、例えば日本にはすばらしい世界遺産だとか富士山だとか、いろいろな自然遺産があります。そういうところもできるだけ見学をさせて、日本にはこういういいところがあるんだと、日本を知ってもらう努力をお願いしています。
それから、生活指導員も必ず置いていますから、生活指導員に対して日頃の日常生活、ごみの分別・収集がちゃんとできているかどうか、例えばベトナム人もお酒を飲みますが、お酒を飲んで騒いでないかとか、そういう指導もしていただいています。
そういう意味では、日本を知る努力は企業さんと、我々もやっていますし、特に先ほどけがの話も出ましたが、私どもは毎年7月が安全衛生週間といいまして労働災害をなくす月間になっているんですが、7月に実習生を各地域で全部集めまして、安全衛生大会をやっています。そして、災害にはどういうものが多いか、どういうことに気をつけなければいけないかという安全衛生教育と、それからもう一つは、くどいようですが1回では忘れてしまいますから必ず地域の警察官、交通課とか、あるいは刑事課の方、2人おいでになることが多いですが、どういうことをすれば犯罪になるとか、交通ルールはこうだとかというふうな、自転車の事故をなくすように教育をしていただいています。
日常的には先ほど申し上げましたように、毎週土日に会社が旅行へ連れていくなんてことはできませんから土日は自由に過ごしているのですが、できるだけ地域の方に会ったらおはようございます、こんにちはの挨拶をしなさいという教育を必ずしています。見知らぬ人でも。そうすると、似たような人が、挨拶すればまたこんにちはと言ってくれるんですよね。それで何となく雑談ができたり、そういう地域の方々との共生というのか友達になるというのか、仲良くなるような指導をしておりまして、地域の方々も最初はけげんな顔で見ていますけれども、あの子かということで、挨拶をする元気な子だなというので友達になったり、あるいはおばさんにかわいがってもらって、うちに遊びに来ないかとかいうような形で、非常にうまくいっています。
ただ、これは技能実習生だからうまくいっていると僕は思います。そうでなくて、そういう監理者がいなくなったら、例えば移民問題が出てきたときにはそういうケアをする人がいなくなります。先ほど来、外国人が増えてきていると言いましたが、日本でも外国人が住む地区、例えば静岡県の浜松とか、群馬県の伊勢崎とか、地域のすみ分けができています。これは世界中のどこでもそうですね、移民をやったときには。そういうふうになったときに我々日本がどう対応するか。移民を認めていいのか悪いのかという、長期的な面で。特に技能実習制度の場合は生活指導員と、それから実習指導員が必ずついています。その人たちが生活指導をしなければならないことになっています。そういうケアをする人がいれば大丈夫だと思いますが、いなくなったときにどうなるかと、今から懸念をしています。

広島大学准教授(河本氏)
ありがとうございます。小林さんからお願いできますか。

東洋シート(小林氏)
この問題につきましては、やはり定着だと思うんですよね。地域への定着、我々企業からすると会社への定着。やはり日本の方に比べると都合で辞められることが割合としては多いです。
これはやはり、彼ら、彼女たちの情報網がすごいんだと思うのですが、どこかで給料が高いとか、先ほど言った残業が多いところがあればもう他県へも行かれるとかいうケースがありますので、そういったところを我々としても慣れてもらって、仲間として一緒にずっと長くしていただきたいので、いかに我々もそういった方々に長くいてもらうかに大きく力を入れておりまして、当然社員化、正社員化、多くの外国人の方も社員にしてきております。そういった方が今度また同じ国の方に教育をしていたり、そういったことは今やっておりますし、親睦会とか、これからインフルエンザの予防接種、病気に向けたり、そういったところも関係なく平等に対応して、賃金だけじゃないんだよと、そういったところにも力を入れて、少しですがそういうふうにやって、会社にも地域にも定着して、逆に仲間を呼んでいただくような善循環になればなとは感じております。
それもすべて、やっぱりコミュニケーションだと思います。彼ら、彼女たちもたくさんいいところがあるんですね。先ほど言った寮なんかも、日本人だけの寮と外国人ばかりのもありますが、むしろ日本人よりも外国人の方のほうが、ごみの分別もちゃんとやっているとか、先ほどから言う挨拶も、すごく元気に挨拶をしている。ちょっと重たい物を持っていたら持ってあげるよという感じで、お互いにフレンドリーな感じも多かったりするので。やっぱりそういったところの偏見をなくして、同じように休んでも外国人の人が休んだらよく休むとか、一部そういったこともあったりはしたのですが、お互いにそういった偏見をなくしていく、当然企業も地域の方々も、何度もコミュニケーションを繰り返して、先ほどもありましたが、大丈夫かと言ったら向こうはすぐオーケーと言いますよね、理解していなくても。だから、もう少し踏み込んで、なぜなのか説明する、当然、法律とか就業規則とか安全のルールとか曲げられないものもありますが、それ以外のものについては彼らのオリジナリティーも生かしてあげるとかいうことをやりながら、地域の定着、企業への定着を今後も進めていったらと思います。

広島大学准教授(河本氏)
ありがとうございます。そうしましたら、地域のお立場からお願いできますでしょうか。三谷さんからお願いいたします。

横川エリアマネジメント連絡協議会(三谷氏)
いろいろとお願いしたいということもあって、エリアマネジメントの会議をやっているときに、村上さんが町内会に外国人の就労者の方が多いので、町内会に入れるという話をしたときに横で聞いていて、何か反応があるんじゃないかと。そんなことはしたくないという反応のほうが大きいかなと思ったのですが、そこが横川のすごいところなのかどうか分からないですが、みんな、それはいいことだねと言われるんですよ。その辺もまたすごいところだと思って。
企業さんもそうですが、働いている方がどこに住まわれているとか、そういう情報がいろいろなことがあってなかなか開示できないと思うのですが、そういうのが分からないとこちらとしてもお願いしたりできないこともあるので、その辺のルール的なところを緩和していただくか、教えてもらえる、何かそういうことがあれば非常にいいかなと思います。
それと、アイム・ジャパンさんみたいにすごく徹底してなさっているところはいいですが、そうではないところもたくさんあるじゃないですか。それの対策も必要ではないかなと。だけど地域とすれば、この人はアイム・ジャパンさんだから、この人は違うところだからというわけにもいかないし、すべてを受け入れるとなると、地域は地域でできることからやっていくしかないと思っていますので、そういうところで、横川が成功事例みたいな形で、今からやっていくのでできるかできないかも分からないですし、失敗するかもしれませんが、もしうまくいったらこういうやり方をしたらうまくいったよと拡散してもらう、ほかの街にも広げていただけるようなことができれば、もっともっと壁が低くなるんじゃないかなと思います。

広島大学准教授(河本氏)
ありがとうございます。村上さん、お願いいたします。

横川商店街振興組合(村上氏)
今お話にあったように、町内会の集まりで私がそういう話をして反論が出なかったのは、まだぴんときていないと思うんです、正直に言って。実際に始まるといろいろな問題が出てくると思うんですが、今の段階でそんなことができるかというのはなかったので、時間がかかるか分かりませんが、何とかこなせるのではないかと思っています。
もともと商店街の役割は、交流の場が商店街ではないかと私は思っております。我が商店街としては、いろいろな人の交流の拠点になりたいと。実際にイベントをやるときも、商店街の人より外から来てくれた人のほうが、横川に全く関係ない人のほうがたくさん集まっていろいろなイベントをやっていただいているので、その輪の中に外国の方にもぜひ入っていただきたいし、外国の方が町の人と触れ合うきっかけづくりになれるのは、商店街が一番チャンスがあるんじゃないかと思いますので、今後も我々のやるイベントになるべくたくさんの人を受け入れるつもりで交流のきっかけを増やしていきたいと思っております。

広島大学准教授(河本氏)
最後に松井市長、お願いできますか。

市長
ありがとうございました。本当にいい話を聞かせていただいて、もう一回皆さんにこの問題を解決するための方法をそれぞれの立場で考えていただきたいなと思いましたし、それをまとめる役として行政に何ができるかを今から必ず考える、考えないといけないと思います。
その部分を少しモデル的にというか、ざっくり、いろいろと問題意識も違いますが、最初に申し上げたように、人は地球上で生活する、どの国によっても同じ生を受けて死ぬまでいい生活ができたらと、どなたもしたいわけですね。そこは別です。
そしてもう一つ、生活は人間にとって生産活動、物を作ったりしてお金を稼ぐという生活と、そして生活者として消費するとか、それがぐるぐると回って人間は生活を営んでいるのですが、その生活するゾーンを設定して、国家という中で生活をする領域を決めたときに、行政とか政府とかがそこで平等な営みができるようにいろいろなルールを決めるとかをやっていますよね。
そして、外国人にぐっと問題を引き寄せますと、移民を受け入れるか受け入れないかという問題は、今のモデルからいくとどういうレベルの問題と思われるかですね。つまり、この地域に生まれて日本語を話してやっている方は当然日本人だけれども、ほかの地域に生まれた方、日本に行って生活したいと言ったら、どうぞ、日本に住んでいいですよと認めてあげるとするのが移民を受け入れるということですね。日本はそれをしているか。アメリカは原則、それをしているんですね。皆さん、それを知って、アメリカに行ったわけですから。日本の場合はこの部分は大事だから、原則はよっぽどここに受け入れてよいだけの条件をつけたときだけ入っていただくようにしましょうとしているから移民を受け入れないとみんな思っています。
ところがこの国は貿易立国でありまして、企業活動、いろいろな物を売ったり買ったりすることをやるときの企業活動については、日本国民でないと企業で使っちゃいけないなんてルールはないのですよ。だから、会社なんかが日本人を雇う、外国人を雇うといったときにはほとんど差がないのです。日本国民を雇ったときにはお世話をしないといけないから、その方の保険制度、けがをしたら国として助けてあげる、失業したら助けてあげる、病気をしたら保険がおりる。だけど企業が外国人を雇うときは日本国民ではないから、面倒を見るかどうか、ほったらかしですよ。
そうすると、日本の国内の労働者の方を雇おうとするといろいろな費用、給料以外にそれがかかるのですね。外国人を雇うとなると、外国の方は日本人ほど給料を払わなくてもいい上に、今言ったようにいろいろな費用も伴わないから外国人を勝手に雇う。一定期間で切ると、派遣とか、その間だけ使うと。すると安く使えると、この基本構造です。
そして実習生などは、それでは余りひどいから、ちゃんと実習して勉強してもらうためにと対策を打って、企業が勝手に雇うんじゃなくてちゃんと丁寧にしましょうということでこの制度を作ったんです。作ったけれども今言った精神をきちっとやらない人がいる。柳澤さんのところは真面目にやっています。
さらにひどいのは、ひどいというか、法が許しているからですよ。日本の企業は海外に出て、海外で活動して海外で人を雇ったら、その従業員を出張や派遣などで(日本に)送り込んで、会社同士でやるから、それは文句を言われないで日本国で働かせるようになった。だけど、一定期間が来たら帰っていく。その間、日本国民扱いをしなくても企業は使えるからですよ。人件費が安くて費用がかからないからこれをやり続けているんですよ。だから本当はそこを何とかしたい。もっと企業に我慢してもらいたい。でも企業は生産性があるからということで、それは黙っているんですよ。ここですよ。
だから本当に、さっき申し上げた、人と人だったら現場でいろいろな苦労をされているけれども、企業活動のところで日本人と同じように、多少いろいろな形で差をつけても必要なことは企業としてやる。勉強ができていなければ地域で生活していけるための勉強をするためのお手伝いをする。それがだめなら行政が、外国人の方が言語を習得するための措置をする。地域で生きるために町内会費が要るのであれば企業も給料を出して、その分だけでも増やしてあげて町内会に入れるようにすると今おっしゃった問題、ほとんど解決するのです。
そこのところは、民間は知って知らないふりをしているというか、恐らく知らないのですね。そういう意味では言わないのですよ。それだけ無理をしているから、いろいろなところに弊害が出ていると思います。
今言ったように、企業群の理解を得て、もう少し手厚くこの環境で働けるようにしていく、協力していただく。地域の町内会もそれを分かった上で親切にする。来る方もその地域の文化になじむために一生懸命に学ぶし、そして習熟度の低い方がいるのであれば行政用語もやさしいものを使う。お年寄りだってお子さんだって分かるようにするという、それと同じレベルで外国人の方にやさしい言葉を使うべきであって、特別なことではないですよ。それが今、できていない。そこのところをもっとしっかり包括してもらって、そういった仕組みを関係者が一緒になってちょっとずつ直して、やろうということです。これは最初の問題意識です。今お聞きした中でますますその思いが強くなって、国自体が動かないとしても、地域の関係者の中で今言った部分がちょっとずつできるはずです。そう思います。

広島大学准教授(河本氏)
どうもありがとうございました。それぞれのお立場からの意見がある中で、松井市長もこの思いを受けとめてくださったということで、恐らくこれからまた何かの形でコラボであったり、一緒に何かをやりましょうと出てくるかもしれません。ありがとうございました。
それでは、事務局にお返しいたします。

政策企画課長
皆さん、本日はどうもありがとうございました。活発に御議論いただいて、またこれを持ち帰っていきたいと思いますし、皆さんもぜひお役立ていただきたいと思います。今後、いただきました御意見や御提案を市の施策に生かしていければと思います。また、皆さんの取組もより活発になって、またこれを御縁にいろいろとつながっていけたらと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
それでは、これをもちまして市政車座談義を終了いたします。本日は誠にありがとうございました。

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