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ページ番号:0000006271更新日:2019年10月21日更新印刷ページ表示

広島市市営住宅審議会のこれまでの諮問事項と答申内容

平成9年度

諮問の趣旨

 新たな公営住宅制度のもとにおける市営住宅の家賃制度は、従来の原価に基づく法定限度額方式から、立地・規模等の住宅の条件を勘案し、入居者の収入で支払える額の家賃を決定する方式、いわゆる応能応益方式に変更されたところであり、今後、市営住宅の家賃は、毎年度、入居者からの申告に基づく収入及び住宅の立地条件、規模、建設時からの経過年数等に応じて決定することとなる。
 公営住宅法第16条で定める家賃の設定方法のうち、利便性係数については、市営住宅の存する区域及びその周辺の地域の状況、市営住宅の設備等を勘案して、0.7から1.0の範囲内で事業主体が設定することとされており、地域の実情等を適切に反映した率が設定されるよう、十分に配慮する必要があることから、市営住宅家賃算定における利便性係数の設定について諮問したい。

答申の内容

 新たな公営住宅制度のもとにおける市営住宅の家賃制度では、立地・規模等の「住宅の便益」と「入居者の収入」に応じて家賃を決定するが、ここにいう「住宅の便益」は、国が定めた算定式により、住宅の古さ、規模及び住宅の有する利便性により決定するものである。このうち住宅の有する利便性については、広島市が市域及び市営住宅の実情を勘案し、「利便性係数」としてその設定方法を決定する。
 係数算定式の枠組みについては、「建物条件に係る調整係数」と「土地条件に係る調整係数」をそれぞれ算出し、1から各調整係数を減ずる形で1を最高値とし0.7まで下げることが可能な係数として設定する。
 各調整係数の設定については、市域の実情等を適切に反映させるとともに、公平性、客観性及び運用上の容易性を確保するため、下記によることが妥当であると考える。

(1)建物条件に係る調整係数

 建物条件に係る利便性の格差を端的に表すものとしては、住宅設備を比較することが適切であり、住宅設備の中でも、設置の有無により入居者の費用負担等に大きな影響がある浴槽・給湯設備の設置の有無を指標として用いることとし、当該設備設置投資額の家賃への反映度を勘案して0.05の範囲で設定する。

(2)土地条件に係る調整係数

 土地条件に係る利便性の格差については、各市営住宅の最寄り駅・商業施設との距離、都心への所要時間、公共施設の配置状況、接道状況、日照通風条件等の住環境などが考えられる。
 これらの項目は、不動産鑑定評価基準(平成2年10月26日土地鑑定委員会答申)における個別的要因に列挙されており、一般的には、公的土地評価との相関性が高いものとみられる。さらに、公的土地評価は、法令に基づいて、土地の持つ価値を全市的な中で評価し価格として表現した客観的数値でもあり、その中でも固定資産税評価は、市税務部門への評価依頼により比較的容易に全市営住宅の状況を捕捉できるなど、運用上の容易性も確保されるものである。
 これらのことから、土地条件に係る調整係数の設定にあたっては、固定資産税評価を土地条件に係る利便性を表す指標として用いるものである。
 また、市営住宅が、居住を目的としている住宅であることから、土地に関する利便性が市域内の普通住宅地において最高及び最低に位置するものについては、最高及び最低の係数値となり、平均に位置するものについては、中間地に近い値となるよう、市営住宅敷地の固定資産税評価と市域の普通住宅地固定資産税評価の最高値との比較により0.25の範囲で設定する。

諮問の趣旨

 市営住宅募集の際に、入居申込者数が募集戸数を超える場合の入居者の選考については、広島市市営住宅等条例第10条の規定に基づき、公開抽選の方法により行うこととし、世帯区分、申込回数、特定目的世帯への優遇等を考慮した当選率の設定により住宅困窮度に配慮した入居者の決定を行うこととしている。
 従前より、当該当選率の設定に関して、公営住宅入居者を住宅困窮度が低いものとして優遇対象から除外していること、申込回数の区分を見直すこと等の問題点が指摘されていることから、現行制度との整合性を図りながら当選率の見直しを行う必要があるため、公開抽選会における当選率の設定について諮問したい。

答申の内容

 現行の当選率は、昭和56年度広島市市営住宅入居者選考審議会(単身者向け住宅については昭和55年度)【注】で審議、答申されたものであり、これに基づき現在まで運用されてきたものであるが、

  1. 公営住宅入居名義人を優遇対象から除外していることは公平性にかけるため、今後は公営住宅入居名義人についても、それ以外の者と同等に取扱う必要があると考えられる。
  2. 家族向け住宅において申込回数での優遇を1種4回(2種3回)で上限としているが、多数回にわたり落選している者の救済をする必要があり、過去の申込状況などを総合的に勘案し、申込回数4回を一つの区切りとして、申込回数による優遇制度を見直す必要があると考えられる。
  3. 単身者向け住宅の応募倍率が常に高いことから、家族向け住宅と同様に申込回数による優遇制度を設けるとともに「小家族向け及び単身者向け住宅」の募集区分を新たに設け募集戸数を増やす必要があると考えられる。

【注】広島市市営住宅入居者選考審議会とは、市営住宅の入居者の選考に関する重要事項について、市長の諮問に応じて審議していた機関ですが、広島市市営住宅審議会の設置に併せて廃止しました。

組分け及びそれぞれの当選率は、下表のとおりとする。

抽選区分 申込回数に応じた当選率
1~4回 5~8回 9回以上
家族向け住宅 一般世帯 1回 2回 3回
特定目的世帯 2回 4回 6回
単身者向け住宅 50歳以上60歳未満の
者、生活保護受給者、
海外からの引揚者
1回 2回 3回
60歳以上の者、身体
障害者、原爆被爆者、
戦傷病者
2回 4回 6回
小家族及び単身者向け住宅 一般世帯(家族) 1回 2回 3回
特定目的世帯(家族) 2回 4回 6回
50歳以上60歳未満の
者、生活保護受給者、
海外からの引揚者
1回 2回 3回
60歳以上の者、身体
障害者、原爆被爆者、
戦傷病者
2回 4回 6回

* 当選率とは、抽選器に入れる持玉数である。

平成13年度

諮問の趣旨

 市営住宅募集の際に、入居申込者数が募集戸数を超える場合の入居者の選考については、広島市市営住宅等条例第10条の規定に基づき、公開抽選の方法により行うこととし、世帯区分、申込回数、特定目的世帯への優遇等を考慮した当選率の設定により住宅困窮度に配慮した入居者の決定を行うこととしている。
 当該当選率の設定に関して、重度心身障害者がいる世帯、特定目的世帯に2種類以上該当する世帯及び多数回落選世帯については、当選率を更に優遇する必要があることから、現行制度との整合性を図りながら当選率の見直しを行うにあたり、公開抽選会における当選率の設定について諮問したい。

答申の内容

 現行の当選率は、平成9年度広島市市営住宅審議会で審議、答申されたものであり、これに基づき現在まで運用されてきたものであるが、

  1. 重度心身障害者がいる世帯については、住宅困窮度が高い特定目的世帯の中でも、更にその困窮度が高いことから、公開抽選における当選率を更に優遇する必要がある。
  2. 特定目的世帯に2種類以上該当する世帯については、1種類の特定目的世帯に該当する世帯より住宅困窮度が高いことから、公開抽選における当選率を更に優遇する必要がある。
  3. 多数回落選世帯については、長期にわたる住宅困窮世帯であることから、公開抽選における当選率を更に優遇する必要がある。

組分け及びそれぞれの当選率は、下表のとおりとする。

抽選区分 申込回数に応じた持玉数
1~4回 5~8回 9~12回 13回以上
家族向け住宅 一般世帯(特定目的世帯以外の世帯) 1回 2回 3回 4回
特定目的世帯に1種類該当する世帯(重度心身障害者がいる世帯を除く。) 2回 4回 6回 8回
  • 特定目的世帯に2種類以上該当する世帯
  • 重度心身障害者がいる世帯
3回 6回 9回 12回
単身者向け住宅
  • 50歳以上60歳未満の者
  • 生活保護受給者
  • 海外からの引揚者
1回 2回 3回 4回
  • 60歳以上の者
  • 身体障害者(重度身体障害者を除く。)
  • 戦傷病者
  • 原爆被爆者
2回 4回 6回 8回
  • 60歳以上の者、身体障害者、戦傷病者及び原爆被爆者のうち2種類以上に該当するもの
  • 重度身体障害者
3回 6回 9回 12回
小家族及び単身者向け住宅 小家族 家族向け住宅に同じ。
単身者 単身者向け住宅に同じ。

*「特定目的世帯」とは、母子世帯、父子世帯、老人世帯、心身障害者世帯、原爆被爆者世帯、多子世帯をいう。
*心身障害者のうち「重度心身障害者」とは、次のいずれかに該当するものをいう。

  • 身体障害者手帳(1級又は2級)の交付を受けている者
  • 療育手帳(最重度又は重度)の交付を受けている者
  • 精神障害者保健福祉手帳(1級)の交付を受けている者
  • 障害基礎年金(1級)又は障害厚生年金(1級)を受給している者

諮問の趣旨

 市営住宅入居申込者のうち、特別の事由のある者の優先的入居については、広島市市営住宅等条例第10条の規定に基づき、母子世帯、老人世帯、心身障害者世帯、原爆被爆者世帯、多子世帯(以下「特定目的世帯」という。)に属する者については、優先的な選考を行うよう配慮するものとしている。
 当該特定目的世帯に関して、父子世帯については、ひとり親で児童の療育と就労の責任を一手に引き受けなければならないという意味において、その社会的境遇は母子世帯と同様であることから、父子世帯の優先的入居について諮問したい。

答申の内容

 父子世帯については、ひとり親で児童の療育と就労の責任を一手に引き受けなければならないという意味において、その社会的境遇は母子世帯と同様であることから、父子世帯の優先的入居を図るため、母子世帯と同様、住宅困窮度が高い特定目的世帯とする。
 また、父子世帯の要件については、母子世帯に準じ、次のすべてに該当する世帯とする。

  1. 申込者が配偶者(内縁関係を含む。以下同じ。)と死別した男子又はこれに準ずる次のいずれかに掲げる男子であること。
    1. 離婚し、現に婚姻していない者
    2. 配偶者の生死が明らかでない者
    3. 配偶者から遺棄されている者
    4. 前各号に掲げるものに準ずる者
  2. 申込日現在の年齢が20歳未満の児童を扶養し、その児童と現に同居又は同居しようとする男子であること

平成16年度

諮問の趣旨

 暴力的不法行為の抑制を図るため、市営住宅の入居者資格、市営店舗及び市営住宅等附設駐車場の申込者資格に「暴力団員・暴力団でないこと」という要件を付加し、市営住宅等の明渡しを請求することができる場合に「暴力団員・暴力団と判明したとき」という該当事由を付加するなど、暴力団員に対する市営住宅等の使用制限を行うことについて意見を求めたい。

答申の内容

 諮問事項について同意する。
 なお、実施にあたっては、個人情報の保護に十分配慮すること。

平成20年度

諮問の趣旨

 市営住宅募集の際に、入居申込者数が募集戸数を超える場合の入居者の選考については、広島市市営住宅等条例第10条の規定に基づき、公開抽選の方法により行うこととし、世帯区分、申込回数、特定目的世帯への優遇等を考慮した持ち玉数の設定により住宅困窮度に配慮した入居者の決定を行うこととしている。
 しかしながら、入居申込みを多数回行っても当選しない世帯が増加している現状を踏まえ、申込回数の多い世帯ほど当選する確率をより増加させるよう、持ち玉数を増やすことによって、長期間入居できない世帯をできるだけ減らすように、更に優遇する必要があることから、現行制度との整合性を図りながら持ち玉数の見直しを行なうにあたり、公開抽選会における持ち玉数の設定について諮問したい。

答申の内容

 現行の持ち玉数は、平成13年度広島市市営住宅審議会で審議、答申されたものであり、これに基づき現在まで運用されてきたものであるが、入居申込みを多数回行っても、当選しない世帯が増加している実態を踏まえ、申込回数の多い世帯については、持ち玉数を更に優遇する必要があり、組分け及びそれぞれの持ち玉数は、次のとおり改正する。

  1. これまでの4回申込みするごとに持ち玉を1個ずつ増やす(等差)考え方から、2倍ずつ増やす(等比)考え方に改正する。
  2. 特定目的世帯に1種類該当する世帯、また特定目的世帯に2種類以上該当する世帯の区分による持ち玉数は、これまでと同様、一般世帯に対して、それぞれ2倍、3倍とする。

 組分け及び持ち玉数は、下表のとおりとする。

世帯区分等 申込回数に応じた持ち玉数
1~4回 5~8回 9~12回 13回以上

家族向け住宅・

多家族向け住宅

一般世帯(特定目的世帯以外の世帯) 1回 2回 4回 8回
特定目的世帯*1に1種類該当する世帯(重度心身障害者がいる世帯を除く。) 2回 4回 8回 16回
  • 特定目的世帯*1に2種類以上該当する世帯
  • 重度心身障害者*3がいる世帯
3回 6回 12回 24回
単身者向け住宅

特定目的単身者に該当しない者

1回 2回 4回 8回
特定目的単身者*2に1種類該当する者(重度身体障害者を除く。) 2回 4回 8回 16回
  • 特定目的単身者に2種類以上該当する者
  • 重度身体障害者*4
3回 6回 12回 24回
小家族及び単身者向け住宅 小家族 家族向け住宅・多家族向け住宅に同じ。
単身者 単身者向け住宅に同じ。

*1 「特定目的世帯」とは、ひとり親世帯、老人世帯、心身障害者世帯、原爆被爆者世帯、多子世帯をいう。
*2 「特定目的単身者」とは、年齢60歳以上の者、身体障害者、戦傷病者、原爆被爆者をいう。
*3 「重度心身障害者」とは、次のいずれかに該当する者をいう。

  • 身体障害者手帳(1級又は2級)の交付を受けている者
  • 療育手帳(マルA又はA)の交付を受けている者
  • 精神障害者保健福祉手帳(1級)の交付を受けている者
  • 障害基礎年金(1級)又は障害厚生年金(1級)を受給している者

*4 「重度身体障害者」とは、次のいずれかに該当する者をいう。

  • 身体障害者手帳(1級又は2級)の交付を受けている者
  • 身体障害により、障害基礎年金(1級)又は障害厚生年金(1級)を受給している者

平成21年度

諮問の趣旨

 市営住宅では、広島市市営住宅等条例第10条第3項の規定に基づき、特に居住の安定を図る必要のある世帯(以下「特定目的世帯」という。)や申込回数が多い世帯を対象に、入居抽選時の優遇(持ち玉数の優遇)を行っている。
 特定目的世帯については、平成13年度広島市市営住宅審議会の審議・答申を経て改正(父子世帯の追加)し、現在まで運用している(現在の特定目的世帯は、母子・父子世帯、老人世帯、心身障害者世帯、原爆被爆者世帯、多子世帯である。)。
 こうした中、本市では、広島市配偶者からの暴力の防止及び被害者支援基本計画の策定を進めており、その中の具体的施策のひとつに「住宅の確保に向けた支援」を掲げ、市営住宅への入居の優遇について検討することにしている。
 また、社会経済情勢の変化により、国が示す優先入居の対象世帯も当時より拡大していることから、これを機に、現行の特定目的世帯の見直しを行うにあたり、市営住宅抽選時における世帯区分に応じた優遇制度(特定目的世帯)の改正について諮問したい。

答申の内容

 特定目的世帯については、平成13年度広島市市営住宅審議会の審議・答申を経て改正(父子世帯の追加)し、現在まで運用しているが、社会経済情勢の変化等を考慮し、次の世帯を特定目的世帯に加える。

  1. 精神障害・知的障害者
     精神障害者保健福祉手帳(1級、2級)又は療育手帳(Ⓐ、A、Ⓑ)の交付を受けている単身者
  2. DV被害者
     配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(平成13年法律第31号。以下「配偶者暴力防止等法」という。)第1条第2項に規定する被害者で、次のいずれかに該当する者がいる世帯又は単身者
    1. 配偶者暴力防止等法第3条第3項第3号の規定による婦人相談所(当該相談所から委託を受けた施設を含む。)における一時保護又は同法第5条の規定による婦人保護施設における保護終了後5年を経過していない者
    2. 配偶者暴力防止等法第10条第1項の規定により、裁判所へ保護命令を申し立てた者で、その保護命令の効力発生日から5年を経過していない者
  3. 犯罪被害者(DV被害者を除く。)
     犯罪被害者等基本法(平成16年法律第161号)第2条に規定する犯罪被害者で、次のいずれかに該当する世帯
    1. 犯罪により収入が減少し生計維持が困難になった世帯
    2. 現在居住している住宅又はその付近において犯罪等が行われたために当該住宅に居住することが困難となった世帯
  4. 引揚者
    終戦に伴って発生した事態に基づき、海外から本邦に永住を目的として帰国した者で、本邦に引き揚げた日から5年を経過していない者がいる世帯又は単身者
  5. ハンセン病療養所入所者等
    ハンセン病療養所入所者等に対する補償金の支給等に関する法律第2条に規定する者がいる世帯又は単身者

平成23年度

諮問の趣旨

 従来、公営住宅の入居の申込にあたっては、同居する親族があることなどの必要最低限の要件が公営住宅法(以下「法」という。)に定められていた。
 しかしながら、「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律」の制定により、法の中で必要最小限の入居資格要件として定められているもの(※)のうち、同居親族要件が廃止され、各地方公共団体が、地域の実情を踏まえ、引き続き同要件を必要とする場合は、条例で定めることになった。
 ついては、法の一部改正の施行日(平成24年4月1日)を控え、その要件の取扱いについて諮問したい。

(※) 三要件あり、同居親族要件のほか、入居収入基準、住宅困窮要件がある。

答申の内容

 同居親族要件の廃止に伴い、高齢者、身体障害者その他の特に居住の安定を図る必要がある者(※)(以下、「高齢者等」という。)に当たらない単身者や親族関係にない知人同士の世帯も、公営住宅法上は、入居申込みが可能になったが、最近5年間の抽選倍率が、単身者向け住宅では平均29.4倍、家族向け住宅では平均22.3倍に達し、入居しにくい状況が続いている。
 こういったなかで、高齢者等以外の単身者や知人同士の世帯の入居申込が可能になれば、抽選倍率をさらに引き上げ、住宅に困窮する高齢者等や家族の入居が一層困難になる。
 また、広島市内の民間賃貸住宅市場において、単身者用や複数人用の住宅は大量の戸数が供給されており、知人同士の入居も可能である。公営住宅は民間賃貸住宅市場を補完すると位置づけられるが、高齢者等以外の単身者や知人同士の世帯の入居について補完する必要は低いものと考えられる。
 以上の問題等を踏まえ、現在の広島市市営住宅等条例の「同居親族要件」を存置する。

(※) 高齢者(公営住宅法で60歳以上となるが、経過措置により昭和31年4月1日以前に生まれた者(55歳以上の者))、身体障害者(1級から4級まで)、精神保健福祉手帳あるいは療育手帳の交付を受けている者、被爆者で医療特別手当又は特別手当を受給している者、生活保護受給者、DV被害者等が該当する。これらの者は、民間賃貸住宅市場において、円滑な入居が難しいとの実態から、入居資格要件が緩和されている。

平成24年度

諮問の趣旨

 従来、公営住宅及び改良住宅においては、入居収入基準(本来階層及び裁量階層)及び裁量階層の対象範囲が公営住宅法及び住宅地区改良法(以下「法」という。)に定められていた。
 平成23年5月、「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律」の制定により、法の中で入居収入基準(本来階層世帯、裁量階層世帯)の上限額及び参酌基準額が示され、裁量階層の対象範囲が廃止されることより、各地方公共団体が、地域の実情を踏まえ条例で定めることになった。
 ついては、法の一部改正の施行日(平成25年4月1日)を控え、その基準等の取扱いについて諮問したい。

※1 「公営住宅」とは、公営住宅法により、住宅に困窮する低額所得者向けに設置された住宅
※2 「改良住宅」とは、住宅地区改良法により、不良住宅が密集する地区の環境の整備改善を目的とし、事業により居住住宅を失う者のために設置された住宅
※3 「本来階層」とは、一般世帯(裁量階層に該当しない世帯)のこと
※4 「裁量階層」とは、特に居住の安定を図る必要がある世帯のこと。障害者、高齢者、小学校就学前の子育て世帯などは、民間賃貸住宅に入居できる収入がある場合であっても、病気や騒音苦情などの不安から民間賃貸住宅の家主が貸すことに躊躇する等の実情があることを考慮し、入居収入基準を緩和できる。

答申の内容

⑴ 入居収入基準

 改正された公営住宅法等においても、住宅に困窮する低額所得者を対象にするという考え方に変更がない。また、市営住宅の応募倍率が高い中で、基準額の引上げは、入居申込可能者の増加により応募倍率の一層の上昇を招き、真に入居が必要な世帯の入居機会の減少につながる等の理由等から、公営住宅・改良住宅とも現行基準どおりとする。

⑵ 裁量階層の対象範囲

 抽選時の持ち玉優遇制度などの適用を受けている世帯(例:ひとり親世帯、多子世帯など。)への拡充については、民間賃貸住宅に入居できる収入がある場合、家主が入居を敬遠する実情は聞かれない。不動産業界における入居者の実情についても、近年、民間賃貸住宅には空き部屋が十分にあることから、家主は昔ほど入居者を選ばない傾向にある。また、裁量階層の対象範囲を拡充した場合、応募倍率の上昇を招くおそれがある。
 以上の理由等に基づき、現行の対象範囲どおりとする。

平成25年度

諮問の趣旨

 公営住宅法において、入居当初の同居親族以外の者を中途同居させる場合、また入居者の死亡時等に同居者へ入居承継させる場合においては、事業主体の承認が必要である旨規定されており、広島市では、全ての市営住宅において、中途同居は入居者の親族(血族六親等、姻族三親等)を、入居承継は全ての同居者を対象として、収入等の条件を満たす場合に承認している。
 しかしながら、公営住宅制度においては、住宅困窮者の入居機会の公平性を確保することが必要であるが、入居を希望する市民が多数ある中で、入居承継によって長年にわたり同一親族が居住し続け、入居者・非入居者間の公平性を損なっているという実態がみられる。
 国においても入居者・非入居者間の公平性を確保し、真に住宅に困窮する低所得者に対して的確に公営住宅が供給できるよう、中途同居や入居承継の対象者を限定することについて、運用指針を示している。
 このため、本市としての対応を見直すこととし、市営住宅の中途同居及び入居承継の承認基準の見直しについて諮問したい。

答申の内容

 国の運用指針に基づき、入居者・非入居者間の公平性を確保し、真に住宅に困窮する低所得者に対して的確に公営住宅が供給できるよう、次のとおり基準を見直す。

1 中途同居承認基準

 中途同居を承認する範囲を、公営住宅・改良住宅等とも、三親等以内の親族に限定する。

2 入居承継承認基準

 公営住宅については、入居者の死亡等による入居承継の承認をする範囲を、同居する配偶者及び高齢者、障害者等特に居住の安定を図る必要がある者に限定する。
 なお、改良住宅等に事業の実施により入居されている方については、その設置目的に照らし、現行どおり、全ての同居者を入居承継の対象とする。

※1 「公営住宅」とは、公営住宅法により、住宅に困窮する低額所得者向けに設置された住宅
※2 「改良住宅等」とは、住宅地区改良法等により、住環境整備事業等の実施により居住する住宅を失う者のために設置された住宅

平成30年度

諮問の趣旨

 住宅に困窮する低額所得者への住宅の提供を目的とする市営住宅にあっては、高齢者の需要が高く、また、既存入居者の高齢化が進行し、65歳以上の高齢化率が全市平均の約2倍となっている。
 こうした中、特に、大規模な市営住宅群のみをもって街が形成されている基町地区については、地域全体が高齢化し、自治活動や地域コミュニティの維持が困難になりつつあり、地域の活性化が急務となっている。
 この課題に対応するため、現在、基町地区にあっては、地域再生計画を策定し、地域活動に参加、協力する若年世帯や学生の特例的入居を進めているところであるが、この取組に併せ、若年・子育て世帯を対象とした限定公募を実施し、基町地区の世代構成の年齢を引き下げ、地区の活性化を図るとともに、若年・子育て世帯の暮らしを支援することについて諮問したい。

答申の内容

 以下のとおり、若年世帯や子育て世帯に限定した公募を実施する。

  1. 限定公募の対象世帯
     次の(1)又は(2)に該当する世帯
    1. 若年世帯
       夫婦の満年齢の合計が80歳未満(母子・父子世帯にあっては、親の満年齢が40歳未満)の世帯
    2. 子育て世帯
       同居予定者に18歳未満の子どもがいる世帯
  2. 限定公募の実施住宅
     当面、大規模な市営住宅群のみをもって街が形成され、地域の活性化が急務となっている基町アパートにおいて実施する。
     (他の住宅団地については、立地している地域の特性や基町アパートでの実施状況等を検証したうえで、その実施を検討する。)
  3. 限定公募の実施戸数
     若年・子育て世帯以外の高齢者世帯等の一般公募への影響等を考慮し、実施戸数を決定する。
  4. その他
     現に市営住宅や県営住宅に入居している若年・子育て世帯が基町アパートに応募し、入居することは、それらの住宅の高齢化につながるため、限定公募の対象世帯から除く。

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