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ページ番号:0000000213更新日:2015年2月17日更新印刷ページ表示

衛研ニュース/飲料水検査の紹介

飲料水検査の紹介 -安全な水を飲もう-

 衛生研究所生活科学部では、飲料水、プール水や公共浴場水、地下水など、様々な水の検査を行っています。今回はその中でも、普段私たちが一番接する機会の多い、飲料水の検査について紹介します。

 水道水は、水道法4条に基づく「水質基準に関する省令」で規定される51項目の水質基準に適合することが必要とされています。井戸水や小規模水道水などもそれに準ずる基準に適合することが必要となります。水質基準には、シアンや水銀など人の健康を害する項目はもちろん、鉄など味や色に影響を及ぼすおそれのある項目も定められています。

 当所で行っている試験は、主に「一般項目試験」と呼ばれる水の基本的要素に関する11項目の試験や、希望される項目、全51項目の試験など様々ですが、地質、工場などの地理的な問題がない場合には、まず一般項目試験を検査されることを勧めています。

一般項目試験 -水の基本的要素に関するもの-

検査項目 基準値 何が原因なの?
体にはどんな影響があるの?
一般細菌 100個/mL以下 自然界から入ってくるものや、生活排水の混入の疑い。
大部分は無害だが、注意が必要。
大腸菌 検出されないこと し尿や糞便が混入した時に出やすい。
病原性大腸菌による汚染もあるため、要注意。
亜硝酸態窒素*1 0.04mg/L以下 土壌や肥料、生活排水の混入の疑い。
血液中のヘモグロビンと反応し、酸素を運べなくする作用有。
硝酸態窒素及び
亜硝酸態窒素
10mg/L以下 土壌や肥料、生活排水の混入の疑い。
乳幼児メトヘモグロビン血症誘発。
塩化物イオン 200mg/L以下 海水や生活排水の混入の疑い。
塩分取り過ぎとなる可能性有。
有機物
(全有機炭素(TOC)量)
3mg/L以下 下水、し尿、工場排水有機物などを多量に含む水の混入の疑い。
健康影響というよりも、汚染の指標となる。
pH値 5.8以上8.6以下 生活排水や工場排水の混入の疑い。
強酸、強アルカリ性の場合、飲用により粘膜に支障。
異常でないこと 地質の影響、微生物の繁殖、薬品・排水の混入の疑い。
健康影響というよりも、汚染の指標となる。
臭気 異常でないこと 地質の影響、微生物の繁殖、薬品・排水の混入の疑い。
健康影響というよりも、汚染の指標となる。
色度 5度以下 各種排水の混入や鉄マンガンなどの影響、微生物の繁殖を示す。
病原菌や有害物質を含んでいることもあるため注意。
濁度 2度以下 土砂、薬品の混入、管内メッキの溶出などの疑い。
病原菌や有害物質を含む場合もあるので注意が必要。

※水質基準値:一日に飲用する水の量を2リットルと仮定し、生涯にわたり連続的に摂取し続けても人の健康に影響を及ぼさない水準
を基に設定されています。
*1 平成26年4月1日施行 水質基準を追加

  • 浄水処理の方式や、地質、工場など特定発生源等の懸念がある場合は、必要に応じて一般項目以外の項目の試験も行います。(下記、全項目試験を参照してください。)
    1. 消毒副生成物
    2. 金属類
    3. 揮発性有機化合物
    4. その他の項目
  • 飲料水の水質基準については、水道局のホームページ(水質基準項目(51項目)<外部リンク>)にも掲載されています。

一般項目試験の方法

一般細菌 標準寒天培地に検査する水を加え、24時間培養した後、細菌の集落を数えます。

一般細菌の試験(1)  一般細菌の試験(2)

大腸菌 MMO-MUG培地に検査する水を加え、24時間培養後、紫外線ランプを当てて蛍光の有無をみます。大腸菌が存在すれば、青色の蛍光を示します。

大腸菌の試験(1)  大腸菌の試験(2)

塩化物イオン、亜硝酸態窒素、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素 イオンクロマトグラフ装置を用いて測定します。

塩化物イオン、亜硝酸態窒素、硝酸態窒素、亜硝酸態窒素の試験(1)  イオンクロマトグラフ装置を用いた測定

有機物(全有機炭素(TOC)量) TOC計を用いて測定します。

有機物(全有機炭素(TOC)量)の測定

pH値 pHメーターを用いて測定します。

pHメーターを用いた測定(1)  pHメーターを用いた測定(2)

色度、濁度 濁度計を用いて測定します。

濁度計を用いた測定  色度、濁度の試験

臭気、味 官能試験により測定します。

全項目試験(一般項目試験+40項目)

1.消毒副生成物 -塩素消毒等、消毒によってできる副産物-

検査項目 基準値 何が原因なの?
体にはどんな影響があるの?
クロロ酢酸 0.02mg/L以下 水の浄水過程において、消毒剤と原水中の有機物との反応で生成される。
肝臓、腎臓、脾臓への障害を起こす。発がん性の恐れ。
クロロホルム 0.06mg/L以下 クロロ酢酸に同じ。
麻酔作用、中枢神経の抑制、肝障害などを起こす。発がん性の恐れ。
ジクロロ酢酸 0.04mg/L以下 クロロ酢酸に同じ。肝障害などを起こす。発がん性の恐れ。
トリクロロ酢酸 0.2mg/L以下 クロロ酢酸に同じ。肝障害などを起こす。発がん性の恐れ。
ブロモホルム 0.09mg/L以下 クロロ酢酸に同じ。催涙作用、肝障害などを起こす。発がん性の恐れ。
ジブロモクロロメタン 0.1mg/L以下 クロロ酢酸に同じ。肝障害などを起こす。発がん性の恐れ。
ブロモジクロロメタン 0.03mg/L以下 クロロ酢酸に同じ。
中枢神経の抑制、頭痛、吐き気などを起こす。発がん性の恐れ。
ホルムアルデヒド 0.08mg/L以下 クロロ酢酸に同じ。胃障害、過角化症などを起こす。発がん性の恐れ。
臭素酸 0.01mg/L以下 水のオゾン処理の過程で、臭素と消毒剤の反応によって生成される。
嘔吐、腹痛、中枢神経系の機能低下などを起こす。発がん性の恐れ。
塩素酸 0.6mg/L以下 水の浄水過程において、消毒剤の分解副生成物として生成される。
メトヘモグロビン血症、無尿、腹痛、腎臓衰弱などが起こる。
総トリハロメタン 0.1mg/L以下 クロロホルム、ジブロモクロロメタン、ブロモジクロロメタン、ブロモホルムの総和のこと。

2.金属類

検査項目 基準値 何が原因なの?
体にはどんな影響があるの?
カドミウム及び
その化合物*2
カドミウムの量に関して
0.003mg/L以下
鉱山、工場排水の混入の疑い。
腎臓障害、悪心、嘔吐、異常疲労。連続摂取でイタイイタイ病に。
セレン及び
その化合物
セレンの量に関して
0.01mg/L以下
鉱山、工場排水、殺虫剤の混入の疑い。
胃腸障害、皮膚の黄疸様変色。
鉛及び
その化合物
鉛の量に関して
0.01mg/L以下
鉱山、工場排水の混入、地質の影響、鉛配水管からの溶出の疑い。
骨沈着、血管を侵す、消化管障害、神経障害。体内蓄積する。
ヒ素及び
その化合物
ヒ素の量に関して
0.01mg/L以下
主に地質の影響。他に鉱山、工場排水、農薬の混入の疑い。
知覚麻痺、肝硬変、粘膜炎症、爪や毛髪委縮、筋肉弱化を起こす。
ホウ素及び
その化合物
ホウ素の量に関して
1.0mg/L以下
地下水、温泉からの混入や、工場排水の混入の疑い。
長期の飲食により雄生殖器に毒性。食欲減退、吐き気を起こす。
亜鉛及び
その化合物
亜鉛の量に関して
1.0mg/L以下
工場排水の混入、亜鉛メッキ鋼管からの溶出の疑い。
人間の必須元素なので毒性は低いが、多量摂取で腹痛などを起こす。
アルミニウム及び
その化合物
アルミニウムの量に関して0.2mg/L以下 鉱山、工場排水の混入、浄水過程で使用する薬品の残留の疑い。
アルツハイマー病などとの関わりが指摘されている。
鉄及び
その化合物
鉄の量に関して
0.3mg/L以下
地質の影響、配管の腐食、工場排水の混入の疑い。
毒性は低く、通常の摂取では致死量に至ることはない。
銅及び
その化合物
銅の量に関して
1.0mg/L以下
鉱山、工場排水の混入、給水装置の銅管などからの溶出の疑い。
毒性は低いが、銅塩を摂取すると急性中毒を起こす。
マンガン及び
その化合物
マンガンの量に関して
0.05mg/L以下
主に地質の影響。他に鉱山、工場排水の混入の疑い。
高濃度であれば言語障害を起こす。
六価クロム化合物 六価クロムの量に関して0.05mg/L以下 鉱山、金属メッキ系工場排水の混入の疑い。
嘔吐、下痢、胃腸障害を起こす。
水銀及び
その化合物
水銀の量に関して
0.0005mg/L以下
鉱山、工場排水の混入の疑い。
口腔障害、言語障害、神経障害を起こす。水俣病の原因物質。
ナトリウム及び
その化合物
ナトリウムの量に関して
200mg/L以下
自然界に広く存在する。海水、工場排水、消毒剤の混入の疑い。
多量に摂取し痙攣、筋硬直、脳腫瘍、肺浮腫を起こした例がある。
カルシウム、
マグネシウム等
(硬度)
300mg/L以下 地質の影響、海水、工場排水の混入の疑い。
高濃度で胃腸障害を起こす場合がある。

*2 平成22年4月1日施行 基準強化0.01→0.003mg/L

3.揮発性有機化合物 -大気中で揮発しやすい有機化合物-

検査項目 基準値 何が原因なの?
体にはどんな影響があるの?
四塩化炭素 0.002mg/L以下 工場排水の混入、貯蔵タンクからの漏出などの疑い。
頭痛、めまい、肝臓、腎臓、肺の障害、昏睡状態を起こす。
1,4‐ジオキサン 0.05mg/L以下 工場排水の混入、貯蔵タンクからの漏出などの疑い。
発がん性の恐れ。
シス‐1,2-ジクロロエチレン及び
トランス1,2‐ジクロロエチレン
0.04mg/L以下 工場排水の混入、貯蔵タンクからの漏出などの疑い。
麻酔作用、吐き気、眠気、疲労感、肝障害を起こす。
ジクロロメタン 0.02mg/L以下 工場排水の混入、貯蔵タンクからの漏出などの疑い。
麻酔作用、肝障害、中枢神経系抑制、知覚運動機能喪失。
テトラクロロエチレン 0.01mg/L以下 工場排水の混入、貯蔵タンクからの漏出などの疑い。
嘔吐、腹痛、めまい、意識喪失、肝障害を起こす。
トリクロロエチレン*3 0.01mg/L以下 工場排水の混入、貯蔵タンクからの漏出などの疑い。
麻酔作用、嘔吐、腹痛、食欲減退を起こす。
ベンゼン 0.01mg/L以下 工場排水の混入、石油製品からの漏出などの疑い。
めまい、頭痛、嘔吐、造血系への影響大。

*3 平成23年4月1日施行 基準強化0.03→0.01mg/L

4.その他の項目

検査項目 基準値 何が原因なの?
体にはどんな影響があるの?
シアン化物イオン
及び塩化シアン
シアンの量に関して
0.01mg/L以下
化学工場、金属メッキなどの工場排水の混入の疑い。
多量に経口摂取すると、数分でめまい、頭痛、痙攣、失神を起こし死亡する。
フッ素及び
その化合物
フッ素の量に関して
0.8mg/L以下
主に地質の影響による。他には工場排水の混入の疑い。適量なら虫歯予防に効果があるが、多量摂取で歯、骨の形成障害を起こす。
蒸発残留物 500mg/L以下 水中へ溶けているいろいろな不純物の度合を示す。
清澄な水はこの値が小さい。値が大きいと、健康被害はないが味が悪くなる。
フェノール類 0.005mg/L以下 塗装、ライニング剤からの溶出や、工場排水の混入の疑い。
中枢神経系に麻痺症。高濃度であれば嘔吐、チアノーゼ血圧降下を起こす。
ジェオスミン 0.00001mg/L以下 藍藻類と放線菌により産出される。
人に対する毒性よりも、カビ臭が問題となる。
2‐メチルイソボルネオール 0.00001mg/L以下 藍藻類と放線菌により産出される。
人に対する毒性よりも、カビ臭が問題となる。
非イオン界面活性剤 0.02mg/L以下 生活系排水の混入、工場排水の混入の疑い。
少量ならば影響は少ないが、泡立ちが問題となる。
陰イオン界面活性剤 0.2mg/L以下 生活系排水の混入、工場排水の混入の疑い。
健康被害は定かでない。0.5mg/L以上で泡立ちが始まる。

水道水に対するよくある問い合わせ(水道水に関することは広島市水道局ホームページへ<外部リンク>)

赤い水 原因 配水管、給水管内の鉄さび。
対策 水をしばらく流して改善されなければ老朽化部分の取り換えが必要です。
鉄分は必須栄養元素なので他の元素に比べて毒性が低く、通常の摂取量では、赤水を飲んでも有害ということはありません。
黒い水 原因 配水管内に付着したマンガン。
対策 水をしばらく流して改善されなければ、管の洗浄が必要です。
高濃度のマンガンは言語障害を起こす恐れがあります。
白い水 原因 水をコップに汲んだとき、下の方から除々に透明になれば空気。
煮沸して水表面に油膜ができれば亜鉛。
対策 水をしばらく流して改善されなければ、給水管を他の管種へ取り換える必要があります。
亜鉛は必須元素なので毒性は低いですが、多量摂取で腹痛を起こすことがあります。
カルキ臭 原因 消毒のための塩素。
対策 水が病原菌等の汚染から守られている証ですが、気になる場合は煮沸後冷やすことで解消されます。
金気臭 原因 鉄、銅、亜鉛などの金属類を多く含むことで起こります。
対策 水をしばらく流して改善されなければ、給水管の取り換えが必要です。
かび臭 原因 藍藻類や放線菌が産生する物質。
対策 かび臭は腐敗臭や病原菌のような不衛生なものでなく、河川や湖にいる微生物が細胞内で産生した物質なので、安全性には問題はありませんが、かび臭がひどくなると、水源を変えるなどの対策が必要となります。
苦味・渋味 原因 配水管、給水管などから溶出した金属。
対策 水をしばらく流して改善がみられないときには、管の取り換えが必要です。