比治山公園の概要
比治山公園の概要

(1) 立地・周辺環境
都心に位置し、陸の玄関である広島駅から約1.5km、世界中から多くの人々が訪れる平和記念公園から約2kmの距離にあります。また、平和記念資料館本館、原爆死没者慰霊碑及び原爆ドームを結ぶ南北の軸線に直交し、景観上重要な東西軸である平和大通りの東端の延長線上に位置しています。都心には、比治山公園を始め、平和記念公園や中央公園、縮景園といった緑地を有する施設が環状に立地しており、それらが豊かな緑地空間を有する平和大通りと河岸緑地でつながり、都心を囲んでいます。
(2) 歴史

1903年に広島市で最初の公園として開設され、桜の名所として親しまれるとともに、1909年には、広島大本営の明治天皇の休憩所(御便殿)が移築(その後、原子爆弾により倒壊)されたほか、様々な記念碑が建立された歴史的な場所です。戦後、1952年には、都市計画法上の公園に位置付けられ、1980年には、広島市の政令指定都市移行を記念して、現代美術館や青空図書館(現在のまんが図書館)を含む北側区域及び南側区域の富士見台展望台が整備され、現在の比治山公園が形成されました。
(3) 平和

(William E. Jones撮影、アメリカ国立空軍博物館調査課所蔵)
公園内とその隣接地には、陸軍墓地や戦没者の慰霊碑があります。また、被爆建物の頼山陽文徳殿、被爆樹木のソメイヨシノやクスノキなどがあり、被爆の実相に触れられる場所です。原子爆弾が投下された1945年には、多くの被爆者が市街地に燃え広がる炎を逃れ、爆心地から約2kmの距離に位置するこの公園に避難したため、園路や木陰などに死傷者があふれたと言われています。主要な展望箇所には、広島を訪れた世界の為政者や著名人が残した「平和へのメッセージ」を記す碑を設置しています。
(4) 文化

公園内には、現代美術館やまんが図書館といった文化施設があります。現代美術館は、全国で初めての現代美術を専門とする公立美術館であり、ヒロシマとの関連を示す作品を中心に国内外の現代美術作品を収集し、多種多様な展示を行っています。美術館周辺には、彫刻等の野外芸術作品が設置されています。また、まんが図書館は、公立で初めての漫画専門の図書館であり、漫画の閲覧・貸出、資料の展示や講座の開催などを行っています。平和や原子爆弾にまつわる漫画などを集めたコーナーも設けています。
(5) 自然

(写真)上:オオルリ〔若鳥〕、左:メジロ、右:コゲラ
都心にありながらも、緑豊かな自然環境に恵まれており、自然に触れられる希少な場所です。公園内の樹林は、常緑広葉樹の生い茂るシイ・カシの二次林(原生林が伐採や火事などによって破壊された後、自然又は人為的に再生した林)が大部分を占めており、一部に落葉広葉樹の広がるコナラ・アベマキの二次林が見られます。樹林の中には、美しい花の咲く植物や食べられる実のなる植物など、見て触れて楽しめる植物もあります。また、公園内には、たくさんの野鳥が生息し、野鳥観察を楽しむことができます。
(6) 眺望・景観

都心に残る自然の山であり、その標高を生かして、戦災復興のシンボルである平和大通りを始め、原子爆弾の惨禍から復興したデルタ市街地の街並みや、似島を始め瀬戸内海に浮かぶ島々を眺望できる多くの視点場を有しています。視点場からは、市街地の夜景も楽しむこともできます。平和大通りから東を見たときに視線が注がれる対象として、また、デルタ市街地を流れる6本の川と水辺空間が織り成す「水の都ひろしま」の象徴的な景観を構成する要素の一つとして、大きな役割を担っています。
関連情報
このページに関するお問い合わせ
企画総務局政策企画部 政策企画課政策企画係平和の丘担当
〒730-8586 広島市中区国泰寺町一丁目6番34号11階
電話:082-504-2945(政策企画係 平和の丘担当) ファクス:082-504-2029
[email protected]