【発達障害支援ネットひろしま】発達障害とは?
平成17年4月に施行された「発達障害者支援法」においては、発達障害とは「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」と定義されています。
広汎性発達障害(自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害)
自閉症とは、
- 他人との社会的関係の形成の困難さ(仲間関係が作れない、目と目を合わせないなど)
- コミュニケーションの障害
- 興味や関心が狭く特定のものにこだわる、常同行動
という3つの特徴が認められる障害をいいます。
この3つの特徴のうち「コミュニケーションの障害」において、著しい言葉の発達の遅れを伴わないものをアスペルガー症候群と言います。
広汎性発達障害は、自閉症、アスペルガー症候群のほか、レット障害、小児期崩壊性障害、特定不能の広汎性発達障害を含む総称をいいます。
配慮・工夫の例
例えば、自閉症の方は見たことがないこと、やったことがないことを想像することが苦手なため、急に予定が変わったり、初めての場所に行ったりすると見通しが立たず、不安になって動けなくなったり、不安が高まると突然大声を出したりします。一方では、一度経験したことは順序や場所など細部までよく覚えており、習得したことは確実に実行できます。
初めてのことをする時や初めて行く場所には、順序よく絵や写真で説明したり、本番前にリハーサルをしたりイメージや見通しが持てるようにすることが大事です。
学習障害(LD)
学習障害とは、基本的には全般的な知的な発達の遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算するまたは推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態をいいます。
配慮・工夫の例
例えば、学習障害(LD)の方の中には字を読んで理解できるのに、書字能力に困難があるため、ノートやマスから大きくはみ出したり、ひらがな、カタカナ、漢字が、左右、上下が反転することがあります。
知的な発達の遅れはないことから曲線や直線をなぞって形の構成を意識させたり、マスの中心に線を入れるなど文字の中心を意識させることが必要です。また、得意な面を探し、それを伸ばすことで「やればできる」という気持ちを育てることも大事です。
注意欠陥多動性障害(ADHD)
年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力、衝動性(順番を待てないなど)、多動性(じっとしていられない)を特徴とする行動の障害で、社会的な活動や学業の機能に支障を来たすものをいいます。
配慮・工夫の例
例えば、注意欠陥多動性障害(ADHD)の方の中には注意力や集中力が持続しないため、特に興味のないものに対して、長く注意を向けたり集中したりするのが苦手であり、周囲でちょっとした動きや物音がすると、そちらに意識が向いてしまったりします。そのため、忘れ物や約束を守れないことがあります。
薬による治療が効果的です。もちろん、短時間で達成できる目標を立ててあげたり、忘れ物チェックシートなどを活用するなど、できることを少しずつ増やして自信につなげていくことも大事です。
まとめ
ここに示したのはあくまでも一例であって、どのような障害か、どの程度なのかは人によって様々です。
また、1人の人が2以上の障害を併せもつことも少なくありません。例えば、下の図のように自閉症に知的な遅れを伴っていたり、注意欠陥多動性障害(ADHD)と学習障害(LD)の特徴を併せ持つこともあります。
発達障害は、日常生活を送る上で、客観的に判断されにくいことから、周りに「本人の努力不足、怠け」、「親の愛情不足、育て方の問題」と誤解されることが多くあります。
そのため、本人にとって不利な状況に追い詰められ、不登校、引きこもりなど二次的な障害が発生する場合もあります。
早い時期から周囲の理解が得られ、能力を伸ばすための療育等の必要な支援や環境の調整が行われることが大切です。
発達障害の正しい理解を深めていただくため、啓発パンフレットです。
パンフレットはダウンロード可能です。発達障害のある方やその家族への支援の輪を広げるため御活用ください。
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こども未来局こども青少年支援部 障害児支援担当
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