バイデン米国大統領へ被爆地訪問を呼び掛ける書簡(2021年1月21日)

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ページ番号1008773  更新日 2025年2月16日

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アメリカ合衆国大統領 ジョー・バイデン 閣下

謹啓 寒風の候、貴台にはますますご清祥のことと心からお喜び申し上げます。

まずはこの度、貴台が大統領に就任されたことに対し、核兵器のない平和な世界の実現を願う被爆地広島、長崎の市長として、心からお祝い申し上げます。

貴台は、オバマ大統領の副大統領として核兵器の問題に積極的に取り組んでこられ、大統領選挙戦においても「核兵器のない世界にさらに近づけるよう取り組む」と明言されました。この言葉に被爆地市民は大いに勇気づけられ、核軍縮を巡る現下の厳しい状況を打破していただけるという希望を抱いております。

被爆地の願いはただひとつ、「核兵器のない世界」の実現にほかなりません。

貴台には、「核兵器のない世界」への決意を改めて強固にし、国際社会をけん引していただくためにも、ぜひ被爆地広島、長崎を訪問していただきますよう切にお願いいたします。直接、被爆の実相に触れ、核戦争に勝者はないことを改めて認識していただくとともに、「こんな思いを他の誰にもさせてはならない」という被爆者の思いを受け止めていただきたいと存じます。そのうえで、貴台の決意を被爆地から世界へ発信していただきたいと思っております。

被爆地市民は、貴台の訪問を心から歓迎いたします。

また、期限が目前に迫っている新戦略兵器削減条約は、貴台が副大統領在任時にその締結に尽力された核軍縮における重要な条約であり、ロシアとの交渉を円滑に進め継続していただくことを大いに期待しています。

さらに、この度発効する核兵器禁止条約は、NPT第6条に定める核軍縮の誠実交渉義務を遂行するための重要な手段であり、この義務を果たしていくためにも、核兵器禁止条約の締約国会議に参加していただくことを願っております。

末筆ながら、貴台のますますのご活躍とご健勝を心からお祈りいたします。

謹白

2021年1月21日

広島市長 松井 一實
長崎市長 田上 富久

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