DV(ドメスティック・バイオレンス)被害者を守る法律があります
「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(以下「DV防止法」といいます。)」は、配偶者からの暴力に係る相談、保護、自立支援等の体制を整備することにより、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図るための法律です。
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(DV防止法)前文
我が国においては、日本国憲法に個人の尊重と法の下の平等がうたわれ、人権の擁護と男女平等の実現に向けた取組が行われている。
ところが、配偶者からの暴力は、犯罪となる行為をも含む重大な人権侵害であるにもかかわらず、被害者の救済が必ずしも十分に行われてこなかった。また、配偶者からの暴力の被害者は、多くの場合女性であり、経済的自立が困難である女性に対して配偶者が暴力を加えることは、個人の尊厳を害し、男女平等の実現の妨げとなっている。
このような状況を改善し、人権の擁護と男女平等の実現を図るためには、配偶者からの暴力を防止し、被害者を保護するための施策を講ずることが必要である。このことは、女性に対する暴力を根絶しようと努めている国際社会における取組にも沿うものである。
ここに、配偶者からの暴力に係る通報、相談、保護、自立支援等の体制を整備することにより、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図るため、この法律を制定する。
「配偶者からの暴力」の定義
DV防止法の対象となる「配偶者からの暴力」の定義は次のようになっています。
「配偶者」には、婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者(いわゆる「事実婚」)を含みます。男性、女性の別を問いません。また、離婚後(事実上離婚したと同様の事情に入ることを含みます。)に引き続き暴力を受ける場合を含みます。
このほか、平成26年1月3日から、生活の本拠を共にする交際相手からの暴力及びその被害者についても、配偶者からの暴力及びその被害者に準じて、法の適用対象となりました。
「暴力」は、身体に対する暴力又はこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動を指します。
保護命令とは
配偶者や生活の本拠を共にする交際相手からの身体に対する暴力等を防ぐため、被害者の申立てにより、裁判所が加害者に対し、被害者へのつきまといをしてはならないこと等を命ずる命令です。
- 被害者への接近禁止命令
- 被害者への電話等禁止命令
- 被害者の子への接近禁止命令及び電話等禁止命令
- 被害者の親族等への接近禁止命令
- 被害者と共に生活の本拠としている住居からの退去等命令、の5つの類型があります。
保護命令に違反した者は、2年以下の懲役又は200万円以下の罰金に処せられます。
1 被害者への接近禁止命令
被害者へのつきまといと被害者の住居、勤務先等の近くをはいかいすることを禁止する命令です。
期間は1年間です。
2 被害者への電話等禁止命令
被害者に対し次に掲げるいずれの行為もしてはならないことを命ずるものです。被害者からの申立てにより、被害者への接近禁止命令と同時に又はその発令後に発令されます。
(1)面会を要求すること。
(2)その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
(3)著しく粗野又は乱暴な言動をすること。
(4)電話をかけて何も告げず、又は緊急やむを得ない場合を除き、連続して、電話をかけ、文書を送付し、通信文その他の情報をファクシミリ装置を用いて送信し、若しくは電子メールの送信等をすること。
(5)緊急やむを得ない場合を除き、午後十時から午前六時までの間に、電話をかけ、通信文等をファクシミリ装置を用いて送信し、又は電子メールの送信等をすること。
(6)汚物、動物の死体その他著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し、又はその知り得る状態に置くこと。
(7)その名誉を害する事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
(8)その性的羞恥心を害する事項を告げ、若しくはその知り得る状態に置き、その性的羞恥心を害する文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を送付し、若しくはその知り得る状態に置き、又はその性的羞恥心を害する電磁的記録その他の記録を送信し、若しくはその知り得る状態に置くこと。
(9)その承諾を得ないで、その所持する位置情報記録・送信装置により記録され、又は送信される当該位置情報記録・送信装置の位置に係る位置情報を政令で定める方法により取得すること。
(10)その承諾を得ないで、その所持する物に位置情報記録・送信装置を取り付けること、位置情報記録・送信装置を取り付けた物を交付することその他その移動に伴い位置情報記録・送信装置を移動し得る状態にする行為として政令で定める行為をすること。
3 被害者の子への接近禁止命令及び電話等禁止命令
(1)子への接近禁止命令
被害者への接近禁止命令の期間中、被害者の同居している子の身辺につきまとい、又はその通常所在する場所の付近をはいかいしてはならないことを命ずる保護命令
(2)子への電話等禁止命令
被害者への接近禁止命令の期間中、上記「2 被害者への電話等禁止命令」記載の(2)から(10)までの各行為(ただし(5)に掲げる行為にあっては、電話をかけること及び通信文等をファクシミリ装置を用いて送信することに限る。)を禁止する保護命令
※子が15歳以上の場合は、子の同意がある場合に限ります。
4 被害者の親族等への接近禁止命令
被害者の親族その他被害者と社会生活において密接な関係を有する者(親族等)へのつきまといや住居、勤務先等の近くをはいかいすることを禁止する命令です。被害者からの申立てにより、被害者がその親族等に関して配偶者と面会することを余儀なくされることを防止するため必要があると認める場合に、被害者への接近禁止命令と同時に又はその後に発令されます。
※その親族等の同意がある場合に限り、申立てをすることができます。
5 被害者と共に生活の本拠としている住居からの退去等命令
被害者と配偶者が生活の本拠を共にする場合、配偶者にその住居からの退去及び住居の付近のはいかいの禁止を命ずる命令です。
期間は2か月(※)です。
※生活の本拠として使用する建物の所有者又は賃借人が被害者のみである場合は6か月
通報
- DVを受けている人を発見した人は、その旨を配偶者暴力相談支援センター、警察官に通報するよう努めることとなっています。
- 医師その他の医療関係者が、DVによるケガなどを発見したときは、配偶者暴力相談支援センター、警察官に通報できることとなっています。(ただし、被害者本人の意思は尊重されます。)
このページに関するお問い合わせ先
市民局 人権啓発部 男女共同参画課
電話:082-504-2108/ファクス:082-504-2609
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