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南区のまちづくりに向けたアクションプラン(全文)

ページ番号:0000176650 更新日:2020年9月1日更新 印刷ページ表示

南区のまちづくりに向けたアクションプランの策定に当たって

南区は、広島駅と広島港という陸と海の二つの玄関を擁するとともに、比治山、黄金山、元宇品、似島及び金輪島といった豊かな自然があり、魅力あるまちづくりを進める上で大変恵まれた環境にあります。
他方で、近年は町内会・自治会への加入率が年々減少し、次世代の担い手の育成が課題になるなど、地域コミュニティの活力低下が懸念されています。
このアクションプランは、地域コミュニティ活動の活性化を図るとともに、区民の皆様や諸団体、企業と協同して、これまで以上に住民主体のまちづくりを進めていくための方向性を取りまとめたものであり、今後は、このアクションプランに添って、南区のまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
最後になりましたが、本アクションプランの策定にあたって、貴重な御意見や御提案をいただきました、南区まちづくり懇談会の委員の皆様を始め、関係者の皆様に、心より感謝を申し上げます。

令和2年(2020年)6月
南区長 漆原 正浩

目次

1 アクションプランの位置付け
 ⑴ アクションプランの位置付け
 ⑵ 計画期間
2 南区の現状や課題
3 南区のまちづくりの方向性
 まちづくりの方向性(1)
 まちづくりの方向性(2)
 まちづくりの方向性(3)
 まちづくりの方向性(4)
4 南区まちづくり懇談会
 ⑴ 南区まちづくり懇談会 委員名簿
 ⑵ 南区まちづくり懇談会 開催状況
5 座長のことば

1 アクションプランの位置付け

⑴ アクションプランの位置付け

第6次広島市基本計画の第2部第3章第2節「区における住民を主体としたまちづくり活動の充実」の中で、南区の基本方針(南区のまちづくりの方向性)を示した。
本アクションプランは、南区が目指す「まちづくり」を実現するための具体的な行動計画として策定するものである。

アクションプランの位置付けイメージ

⑵ 計画期間

令和2年度(2020年度)から令和6年度(2024年度)までの5年間とする。

南区の全景(航空写真)

2 南区の現状や課題

⑴ 南区は、太田川デルタの南東部(京橋川と猿猴川に囲まれた区域)、JR山陽本線沿線の広島駅周辺地区、大州、青崎、向洋地区及び似島や金輪島などの島しょ部を抱え、北部には広島市の陸の玄関である広島駅、南部には海の玄関である広島港を有している。

ア 広島駅南口周辺地区には、商業・業務・住居などの諸機能が集積した再開発ビルや広島東洋カープの本拠地MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島があり、本市の「楕円形の都心づくり」を支える東の核として更なる都市機能の集積・強化を進めている。
また、広島港の宇品地区から出島地区までの臨海部においては、海上交通や物流の拠点としての重要な役割を担いつつ、公園・緑地等の「みなと」の資源を活用した、地区外からのアクセス機能の強化や地区内の回遊性の向上によるにぎわい機能の強化を進めている。

イ 似島は、大小数々の島で構成された内海の多島海景観で知られる瀬戸内海国立公園の一部であり、安芸小富士をはじめとする美しい自然を有している。
また、比治山、黄金山及び元宇品は、市街地や瀬戸内海が一望できるとともに、身近に自然や季節の移ろいを感じることのできる場として、地域住民はもとより多くの市民にも親しまれている。
こうした立地特性や豊かな自然の魅力を活用した美しいまちづくりが期待される。

ウ さらに、区内の各地域には、古くからの歴史や文化(邇保姫神社、旧国鉄宇品線及び現代美術館等)や地域の伝統(河童猿猴伝説及び天女姫伝説等)が残っている。とりわけ、似島では、数多くの戦争の遺構が残っているほか、日本で初めて、バウムクーヘンが作られ、またサッカーの国際親善試合が行われた地である。
区内には広島東洋カープやJTサンダーズ広島をはじめとするトップスポーツチームの拠点施設を有しているほか、地域における様々なスポーツ活動も活発である。
こうした歴史や文化を通じた地域のつながりや、スポーツを通じた住民の一体感を生かし、地域に愛着を持って心豊かに暮らせるまちづくりを一層推進していく。

⑵ 近年、平成30年(2018年)7月豪雨をはじめとして、各地で大規模な自然災害が発生しており、改めて地域における人と人のつながりの重要性が認識されている。しかしながら、マンション等の集合住宅の増加や都市再開発等の進展等によりコミュニティを形成する住民構成が変化したことから、近所づき合いが希薄化するとともに、町内会・自治会への加入率が年々減少している。加えて、長年続けていた地域行事等の継続が危ぶまれるなど、地域を支える人材である次世代の担い手の育成や地域のつながりの強化が課題となっている。
こうした現状を踏まえ、地域コミュニティの再生や地域を支える人材の育成を図り、みんなで支え合い見守り合う安全・安心なまちづくりを推進していく必要がある。

町内会・自治会加入世帯数と加入率の推移のグラフ

3 南区のまちづくりの方向性

地域の魅力と活力の向上や地域の課題解決に資する住民による主体的かつ継続的な活動の支援に取り組むことにより、地域特性を生かしたまちづくりを推進する。
ここでは、南区の現状や課題、区のまちづくり懇談会での意見を踏まえ、四つの柱で構成するまちづくりの方向性に沿って、その実現に向けた主な取組や新たな取組に向けた視点を掲げる。
また、ここで掲げた取組以外でも住民自ら行うまちづくり活動への支援を行う。
なお、まちづくりの推進にあたっては、地域の提案が施策に反映できる体制づくりを検討していく。

(1) 陸と海の玄関の特色を生かした多くの人が訪れるにぎわいのあるまちづくり

広島駅南口周辺の写真今後も更なる機能強化が見込まれる広島駅南口や広島港の周辺地区において、広島市の陸と海の玄関としての特色を生かし、住民、企業及び区役所等が協働して魅力を発信し、多くの人が訪れるにぎわいのあるまちづくりを進める。
(写真:広島駅南口周辺)

 

(2) 人と人のつながりを大切にしたみんなが支え合う安全・安心なまちづくり

地域行事(宇品西とんど祭り)の写真地域活動の担い手の育成や地域の防災・防犯力の強化など地域課題の解決に向け、住民の主体的なコミュニティづくりの取組に対する支援などにより、みんなが見守り支え合う安全・安心なまちづくりを進める。
(写真:地域行事(宇品西とんど祭り)/宇品西地区社会福祉協議会提供)

 

(3) 歴史を生かす、文化やスポーツを楽しむ地域に愛着を持って心豊かに暮らせるまちづくり

MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島の写真歴史的・文化的資源を保存・活用する取組やスポーツ活動など、子どもから高齢者、障害者など多様な住民が参加する様々な行事を通じて、みんなが地域に愛着を持って楽しく心豊かに暮らせるまちづくりを進める。
(写真:MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)

 

(4) 山や島などの豊かな自然の魅力を活用した美しいまちづくり

似島の写真山や島などの豊かな自然の魅力に触れ、その大切さを学ぶことのできる環境づくりに取り組むとともに、それらの魅力を次世代へ継承していく、自然の魅力を活用した美しいまちづくりを進める。特に似島については、人口減少等の課題解決に向けて、その地域資源を生かした取組を重点的に進める。
(写真:似島)

まちづくりの方向性(1)

陸と海の玄関の特色を生かした多くの人が訪れるにぎわいのあるまちづくり

概要

今後も更なる機能強化が見込まれる広島駅南口や広島港の周辺地区において、広島市の陸と海の玄関としての特色を生かし、住民、企業及び区役所等が協働して魅力を発信し、多くの人が訪れるにぎわいのあるまちづくりを進める。

主な取組

〇 広島駅南口周辺地区におけるにぎわいのあるまちづくり
広島駅南口市街地再開発事業に伴い、新たなコミュニティの形成及び住民主体や地域の企業等による地域活動により、陸の玄関にふさわしいおもてなしとにぎわいのあるまちづくりが促進されるよう支援する。
・ 広島駅周辺のまちづくりの取組(エリアマネジメント等)の促進とそれら活動との連携(写真:広島駅周辺地区まちづくり協議会おもてなし一斉清掃)
【写真1】広島駅周辺のまちづくりの取組(エリアマネジメント等)の促進とそれら活動との連携(広島駅周辺地区まちづくり協議会おもてなし一斉清掃)
〇 広島港周辺地区における海と島の魅力を活用したまちづくり
海の玄関である広島港周辺地区において、地域住民や立地企業等と協働して地域の魅力づくり事業を通じたにぎわいづくりを進める。
・ 広島みなとフェスタの開催と一層の参加促進
 【写真2】広島みなとフェスタの開催と一層の参加促進(1枚目) 【写真2】広島みなとフェスタの開催と一層の参加促進(2枚目)
・ 広島港の宇品地区から出島地区までの臨海部におけるにぎわいづくりの取組の促進とそれら活動との連携

今後5年間で検討・実施する事業(懇談会の発言を踏まえた取組に向けた視点)

〇 地域で取り組む国内外からの来訪者へのおもてなし(写真:例 宇品外貿ふ頭(通称1万トンバース)に入港する大型客船へのおもてなし)
【写真3】地域で取り組む国内外からの来訪者へのおもてなし(例:宇品外貿ふ頭(通称1万トンバース)に入港する大型客船へのおもてなし)
〇 訪れ住みたくなる魅力あるまちづくり
・ ライトアップ、モニュメント、歩道のカラー化
〇 プロスポーツ等を活用したにぎわいづくり

まちづくりの方向性(2)

人と人のつながりを大切にしたみんなが支え合う安全・安心なまちづくり

概要

地域活動の担い手の育成や地域の防災・防犯力の強化など地域課題の解決に向け、住民の主体的なコミュニティづくりの取組に対する支援などにより、みんなが見守り支え合う安全・安心なまちづくりを進める。

主な取組

〇 地域の担い手育成の推進
地域の担い手育成のため、住民の主体的なコミュニティづくりの活動を支援する。
・ 南区わくわくお花サロンの開催
・ 旧国鉄宇品線跡地(国有地)の活用(写真:菜園づくり)
【写真4】旧国鉄宇品線跡地(国有地)の活用(菜園づくり)
・ 花と緑のまちづくり地域活動促進事業の推進
【写真5】花と緑のまちづくり地域活動促進事業の推進
〇 安全・安心なまちづくりの推進
地域の防災・防犯力を強化するため、地域における自主防災組織や自主防犯組織等の活動を支援する。
・ 防災まちづくり事業の推進(写真:防災訓練)
【写真6】防災まちづくり事業の推進(防災訓練)
・ 「減らそう犯罪」事業の推進
〇 交通安全対策の推進
自転車による交通事故が他区に比べて多いことから、区内の高等学校、警察等と連動した啓発活動を行う。
・ 南区高等学校自転車事故等総合対策連絡会議の開催
・ 交通安全運動街頭キャンペーン等の開催
【写真7】交通安全運動街頭キャンペーン等の開催
〇 広島駅南口周辺地区におけるにぎわいのあるまちづくり[再掲]
・ 広島駅周辺のまちづくりの取組(エリアマネジメント等)の促進とそれら活動との連携

今後5年間で検討・実施する事業(懇談会の発言を踏まえた取組に向けた視点)

〇 地域の担い手として若い世代が地域活動に参加できる仕組みづくり
〇 多様な世代や背景の異なる人ごとの意見を吸い上げることのできる仕組みづくり
〇 様々な世代にとって活動の拠点となる地域資源の把握と活動拠点づくり
〇 SNS(※1)等の新たな手法の活用による町内会等の地域活動の活性化や情報共有等
・ 「ご近所の底力掲示板」活動(まちづくり活動の課題解決成功事例を掲示し、南区の他地区の参考にする)
〇 地域づくりの繋ぎ手同士が顔を合わせてまちづくりの課題を協議するネットワークの構築
・ 地域での積極的な声かけ運動による顔と顔が見える関係づくり
〇 IoT(※2)を活用した地域における要支援者の見守り体制の構築

※1 Social Networking Service(ソーシャルネットワーキングサービス)の略で、登録された利用者同士が交流できるWebサイトの会員制サービスのこと。
※2 Internet of Things(インターネットオブシングス)の略で、モノのインターネットと訳され、家電製品やスマートフォンといったIT端末などのモノがインターネット経由で通信すること。

まちづくりの方向性(3)

歴史を生かす、文化やスポーツを楽しむ地域に愛着を持って心豊かに暮らせるまちづくり

概要

歴史的・文化的資源を保存・活用する取組やスポーツ活動など、子どもから高齢者、障害者など多様な住民が参加する様々な行事を通じて、みんなが地域に愛着を持って楽しく心豊かに暮らせるまちづくりを進める。

主な取組

〇 地域資源の発掘による魅力づくり
地域に埋もれた自然や歴史等の資源を掘り起こし、魅力づくりにつながる情報を発信するとともに、魅力ある地域資源を生み出そうとする活動を支援する。
・ ニノシマボタルを育てる里人の会の支援[再掲]
〇 地域資源の活用・発信による地域愛の醸成
地域資源や特性を生かしたイベント等の実施により、幅広く住民や地域企業の参画を促すほか、印刷物や各種媒体の作成等により南区の魅力を区内外に発信する。
・ 南区トップスポーツ応援隊による区民応援デーの開催(広島東洋カープ及びJTサンダーズ広島)
【写真8】南区トップスポーツ応援隊による区民応援デーの開催
・ 南区民スポーツ大会及び広島市スポーツ・レクリエーションフェスティバルへの参加
・ 南区お宝スイーツの開発(写真:南区スイーツフェアの開催)
【写真9】南区お宝スイーツの開発(南区スイーツフェアの開催)
・ みなみ区まち探検の開催
・ 自転車さんぽの開催
・ 元宇品の自然保護と活用(写真:自然観察会「地域さんぽ」の開催)
【写真10】元宇品の自然保護と活用(自然観察会「地球さんぽ」の開催)
・ 南区散策ガイドの更新
・ 南区の動画コンテンツの上映
・ 似島の魅力発信の強化[再掲]

今後5年間で検討・実施する事業(懇談会の発言を踏まえた取組に向けた視点)

〇 スポーツや文化活動を通した子どもから高齢者、障害者など多様な住民の交流の推進
〇 ニュースポーツの普及と参加促進(写真:例 フラバールバレーボール)
【写真11】ニュースポーツの普及と参加促進(例:フラバールバレーボール)
〇 Iターンを希望する人等に馴染みやすい環境づくり
〇 各地域における伝統行事等を通じた地域間交流の促進
・ 上記4つの視点のニーズを踏まえた多様な媒体(マップ、フリーペーパー、CATV、ラジオ等)による地域情報の発信強化

まちづくりの方向性(4)

山や島などの豊かな自然の魅力を活用した美しいまちづくり

概要

山や島などの豊かな自然の魅力に触れ、その大切さを学ぶことのできる環境づくりに取り組むとともに、それらの魅力を次世代へ継承していく、自然の魅力を活用した美しいまちづくりを進める。特に似島については、人口減少等の課題解決に向けて、その地域資源を生かした取組を重点的に進める。

主な取組

〇 似島の魅力を活用したまちづくり
観光資源としても潜在的な可能性を秘めている似島において、島民の主体的な魅力づくり活動を支援するとともに、地域おこし協力隊や島内施設、事業者等と連携して魅力づくり事業を進める。
・ 似島の魅力発信の強化(写真:バウムクーヘン焼き体験)
【写真12】似島の魅力発信の強化(バウムクーヘン焼き体験)
・ ニノシマボタルを育てる里人の会の支援(写真:ビオトープづくり)
 【写真13】ニノシマボタルを育てる里人の会の支援(ビオトープづくり)
・ 島民による地域活性化の取組に向けた支援(写真:島民によるみなとフェスタへの出店支援)
【写真14】島民による地域活性化の取組に向けた支援(島民による広島みなとフェスタへの出店支援)
・ 似島臨海少年自然の家との連携
〇 地域資源の活用・発信による地域愛の醸成[再掲]
・ 南区お宝スイーツの開発
・ みなみ区まち探検の開催
・ 自転車さんぽの開催
・ 元宇品の自然保護と活用
・ 南区散策ガイドの更新
〇 新たな魅力とにぎわいを創出するための黄金山山頂エリアの再整備(写真:北展望ゾーンの整備)
 【写真15】新たな魅力とにぎわいを創出するための黄金山山頂エリアの再整備(北展望ゾーンの整備)

今後5年間で検討・実施する事業(懇談会の発言を踏まえた取組に向けた視点)

〇 自然の魅力を感じられる憩いの空間の整備

4 南区まちづくり懇談会

⑴ 南区まちづくり懇談会 委員名簿

南区まちづくり懇談会 委員名簿 (順不同、敬称略)
区分 氏名 所属等
座長 松田 智仁 元 広島大学大学院社会科学研究科教授
現 広島市江波山気象館館長
副座長 田丸 尚美 広島都市学園大学子ども教育学部子ども教育学科教授
委員 秋田 正洋 段原地区町内会連絡協議会会長
沖本 啓子 南区スポーツ推進委員協議会会長
越智 正紀 南区自主防災会連合会会長
門 隆興 元宇品地区社会福祉協議会会長
加藤 健夫 楠那学区社会福祉協議会会長
神出 恭子 大河子育て広場「ぴよぴよ」代表
角田 洋子 広島南交通安全運動推進隊副隊長
高(※)橋 直嗣 南区青少年健全育成連絡協議会会長
日浦 章裕 学区体育団体南区連合会会長
平岡 果代子 南地区更生保護女性会会長
丸山 義一 南区PTA連合会会長
向江 清 南区社会福祉協議会会長
山口 厚司 比治山学区社会福祉協議会副会長

注:委員の役職は、令和2年(2020年)3月時点のものである。
※ 「高」の字は、正しくは「はしごだか」です。

⑵ 南区まちづくり懇談会 開催状況

南区まちづくり懇談会 開催状況
区分 開催日 議事
第1回 平成31年(2019年)2月15日 ・座長・副座長の選出
・広島市総合計画審議会の審議状況について
・南区まちづくり懇談会について
第2回 令和元年(2019年)6月27日 ・南区のまちづくりの方向性(案)について
第3回 令和元年(2019年)12月19日 ・南区のまちづくりに向けたアクションプラン(案)について
第4回 令和2年(2020年)3月(※3) ・全体取りまとめ

※3 第4回南区まちづくり懇談会においては、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から書面のやりとりで意見交換を行った。

5 座長のことば

虫の眼の視点から区民一人ひとりがまちづくりを担う

「まちづくり」は、かつては市街地の整備のことのように言われましたが、今では地域を舞台として主人公である住民自身が、まちに生きる様と言われるようになりました。暮らしや経済活動すべてであり、企業などの法人も主人公の一人となります。舞台は、時代時代のストックであり、その更新は行政や企業、住民も分担します。住民は健康で文化的な生活を続け、また求めながら地域を愛し、地域に誇りを持ち、営みを続け、まちづくりを実践していきます。住まうことをはじめ、あいさつ、そして清掃、花の世話、助け合い、声掛け、スポーツ、音楽・・祭りと続きます。それらはみんなのためでもあり、自己実現でもあります。まさに虫の眼の視点からのまちづくりです。これらの活動はその一つ一つが互いに作用し、合わさって地域の価値創造、地域風土の創出へと繋がっていきます。
今回の懇談会ではそれぞれの委員さんからたくさんの思いをお聞きし、それらをまちづくりの方針やアクションプランに反映することができました。この手法は、住民主体のまちづくりの原点です。こうした手法が一部とはいえ叶ったことは素晴らしいことと思います。委員の皆様をはじめ、事務局に感謝いたします。
アクションプランの計画期間である令和2年度(2020年度)から令和6年度(2024年度)では、広島駅南口周辺の建物の更新や路面電車のルート変更などが進むなど舞台の更新が見込まれる一方で、地域コミュニティの深化や、暮らしの安全・安心の確保、似島の魅力資源の活用などが課題となります。

これからの令和時代の南区のまちづくりに期待することとしては、「まちづくりはひとづくり」と言われますように、まずは人材の育成や活用が必要と考えます。地域風土は歴史が示すように、外部からの「風の人」と、地の「土の人」の融合によって創りだされます。まちづくり活動の主体が風の人か土の人かは活動内容によりますが、団塊の世代や南区内の大学生、さらには南区居住者に限らず関心を寄せる人たちに、まちづくり活動にどしどしご参画いただき、新たなコミュニティビジネスも伴いながら活動しましょう。
新時代では、(1)個人情報保護の枠組みを越えた防災コミュニティの形成、(2)法人町内会とも言えるエリアマネジメントの普及、(3)自治振興区制度の展開(地域への権限移譲)、(4)地域資源を生かした地域経営プロジェクトの協働による展開、(5)市民レベルの地球温暖化対策、の5点のテーマが重要なものと考えています。まちづくり活動においても注目していきたいと思います。

地域には既に歴史や文化、そして暮らしや産業の物語があり、時には新しい物語も加わります。生活の場としてのまちがあり続けるためには、舞台をよく観察し、主役であるみなさん、私たち自身は、話し合ってシナリオを描き、進んで活動していくことが大切です。地域資源を生かしながら、安心安全のために時には英断を下し、自慢でき、誇りと愛着をもてる「まち」を共に手を取り合って育てていきましょう。

南区まちづくり懇談会の様子

令和2年(2020年)6月
南区まちづくり懇談会座長 松田 智仁