ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 分類でさがす > 市政 > 市の概要 > 市長の部屋 > ようこそ市長室へ > 市長記者会見 > 令和3年度 > 2022年1月31日記者会見「令和4年第2回広島市議会定例会提出案件について」

本文

ページ番号:0000262674更新日:2022年2月8日更新印刷ページ表示

2022年1月31日記者会見「令和4年第2回広島市議会定例会提出案件について」

動画は下記からご覧ください。

(「広島市公式チャンネル(YouTube)(市長記者会見)」のページへジャンプします<外部リンク>

日時 令和4年(2022年)1月31日(月)午前10時13分~11時31分

場所 市役所本庁舎2階講堂

 

■市からの発表案件■

【令和4年第2回広島市議会定例会提出案件について】

市長

本日、令和4年の第2回市議会定例会の招集告示を行いました。開会は2月7日、月曜日であります。

今回の定例会には、全会計で総額1兆2,214億円余りの新年度当初予算案を提出いたします。それでは、私の方から、予算編成の基本的な考え方と新規・拡充事業など注目していただきたい重点施策について説明をさせていただきます。

お手元に用意しております。資料1「令和4年度広島市当初予算の概要」の10ページ「令和4年度当初予算のポイント」を御覧ください。まず、令和4年度予算編成の基本的な考え方についてであります。

一昨年来、新型コロナウイルス感染症が市民生活に大きな影響を与えている中、本市におきましては、累次の補正予算措置を講じ、感染拡大の防止と経済活動の活性化を両立させながら、市民の生活を守るための取組を国・県との適切な役割分担の下で進めてまいりました。

しかしながら、本年に入り、オミクロン株の影響により、全国的に第5波までとは比較にならないスピードで感染が拡大し、本市では社会経済活動が制約される状況となりました。

こうした状況下において、本市としては、市民の方々に感染防止の取組を行っていただきながら、引き続き、切れ目なく万全の対策を講じることとし、国の「16か月予算」で措置される財源を活用して、令和3年度2月補正予算と令和4年度当初予算を一体的に編成しました。

新年度予算編成に当たっては、感染症対策など直面する課題に最優先で取り組みつつ、「平和文化の振興」や「地域コミュニティの活性化」などの重要課題に、前向きで強い信念を持って取り組むことで、世界に誇れる「まち」広島の実現が図られるよう意を用いました。

このような考え方の下で編成した新年度予算に基づき、広島市総合計画に掲げた「世界に輝く平和のまち」、「国際的に開かれた活力あるまち」、「文化が息づき豊かな人間性を育むまち」という3つの柱に沿ったまちづくりを進めてまいります。

また、次のページの文末のところですけれども、このように、限られた財源の中、引き続き事務・事業の見直しに取り組むとともに、社会経済情勢の変化にデジタル技術を活用して的確に対応するために、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を推し進めるなど、効果・効率性の高い持続可能な行政体制の構築に意を用いながら、真に求められる施策について、重点的に予算配分しました。

それでは、新年度の予算において、注目していただきたい重点施策について、資料の12ページ以降にあるとおり、広島市総合計画に掲げた三つの柱に沿って、順次説明をいたします。

第一の柱である「世界に輝く平和のまち」の実現に向けては、昨年、平和首長会議の「持続可能な世界に向けた平和的な変革のためのビジョン(PXビジョン)」において目標の一つとして位置付けた「平和文化の振興」に取り組むことにより、日本中に更には世界中に平和への思いを広め、為政者が核抑止力に依拠しない政策へと転換するための環境づくりを目指します。

まず、1番目の「核兵器廃絶と世界恒久平和の実現」については、第10回平和首長会議総会を開催し、今後の取組について議論するとともに、会議設立40周年を記念する行事を行います。

また、平和文化月間と定めた11月に、平和文化をテーマとしたコンサートや講演などを実施するとともに、市民生活に平和文化が根付くよう、新たに、「平和文化の振興」に関する冊子の作成やワークショップなどの開催に取り組みます。

次に、2番目の「『ヒロシマの心』の共有の推進」については、幅広い被爆体験を伝承するため、家族である被爆者から被爆体験を受け継ぎ、伝承する「家族伝承者」を新たに養成するとともに、国外に向けて被爆の実相を伝えるため、平和記念資料館のホームページの多言語化を進めます。

第二の柱は、「国際的に開かれた活力あるまち」の実現に向けた取組です。

まず、「活力の創出と都市の個性の確立を目指したまちづくり」のうち、「都市機能の充実強化」についてです。

「楕円形の都心づくりの推進」については、広島駅周辺地区の更なる活力とにぎわいの創出に向け、広島駅南口地下広場の改修に向けた基本計画を策定いたします。

また、紙屋町・八丁堀地区においては、基町相生通地区市街地再開発事業への新たな補助に加え、旧広島市民球場跡地イベント広場の令和4年度末の供用開始に向けた整備に着手するとともに、サッカースタジアムの令和6年の開業に向け建設工事を進めるほか、基町地区の活性化に引き続き取り組みます。

「拠点地区等におけるまちづくりの推進」については、安佐市民病院跡地への施設整備に向け、南館の解体工事や整備予定施設の配置などを取りまとめた基本計画を策定するほか、西広島駅北口地区において引き続き土地区画整理事業に取り組み、まちづくりの推進を図るとともに、西風新都の都市づくりを推進するため、西風新都環状線の梶毛南工区及び善當寺工区の整備を進めます。

「公共交通の充実強化」については、新交通西風新都線の整備に向け地質調査や駅舎等の基本設計を行うとともに、広島駅南口広場の再整備等を進めるほか、西広島駅周辺地区交通結節点整備では、令和4年度末の完成に向け、南口駅前広場の再整備に取り組みます。

 「自転車を生かしたまちづくりの推進」については、民間駐輪場整備費補助において、本市が指定する道路用地への整備を補助対象に追加いたします。

「体系的な道路網の整備」については、広島高速5号線の工事等の進捗にあわせて、事業を行う広島高速道路公社に対し出資及び貸付けを行うとともに、関連道路の整備を進めます。

また、広島広域都市圏における交流・連携を一層強化していくため、広島高速4号線の山陽自動車道への延伸に向け、環境影響評価などを実施するほか、東部地区連続立体交差事業について、鉄道の仮線路工事を行うなど、着実に事業を推進します。

次に2番目の「産業の振興」についてです。

「産業の集積・強化」については、広島広域都市圏内の自動車関連企業の経営者による脱炭素化・電動化などに対応するための協議体制を構築するほか、ものづくり企業を対象とする研修会を開催します。

また、次のページの上段のとおり、特産品の商品改良等に取り組む圏域内の中小企業者等に対し、必要となる経費を新たに補助します。

「中小企業・商店街の活性化」については、商店街と地域団体が連携した地域のにぎわい創出等に資する事業や、商店街によるDX(デジタル・トランスフォーメーション)技術を活用した消費動向等の調査・分析や新たな機能の導入に要する経費を新たに補助します。

「農林水産業の振興」については、「ひろしま活力農業」経営者育成事業を引き続き実施し、農業経営者を育成するとともに、共助の取組で農地の利活用を図ろうとする地域団体に対し、農業機械の購入経費などを補助します。

また、次のページの上段のとおり、新中央市場については、民間活力を活用した建設に向け、事業者の公募などを行います。

次に、3番目の「観光の振興」についてです。

「広域周遊観光の取組の推進」については、芸備線の沿線市等が一体となって行う観光列車等による沿線回遊ツアーの実施回数を拡充し、芸備線を活用した観光振興を図ります。

「誘客拡大と観光消費額の増大に向けた取組の推進」については、引き続き、ピースツーリズム推進事業や圏域市町と連携した「食」をテーマとした周遊キャンペーンを展開いたします。

次に、「地域特性に応じた個性的な魅力を生かしたまちづくり」のうち、「デルタ市街地やその周辺部、中山間地・島しょ部のまちづくり」についてです。

「地域資源を生かしたまちづくりの推進」については、比治山公園「平和の丘」に係る取組や、似島臨海少年自然の家の整備を進めるとともに、戸山地域・湯来地域活性化プランを推進するために必要なコーディネーターの派遣などを行います。

また、広島駅南口の水辺空間において、民間主導による新たなにぎわい創出につながる取組を行うとともに、平和大通りの利活用に向け、具体的な整備内容等を検討するワークショップの開催などを行います。さらに、「花と緑の広島づくり」を推進するため、小学校等への切り花等の資材提供などの新たな取組を実施し、花を愛でる市民意識の醸成を図ります。

「定住者受入れのための環境整備等」については、新たな取組として、中山間地域の空き家に関する相談対応や活用希望者とのマッチング等を行うプラットフォームの設置やリフォームに対する支援など、相談から活用までを一体的に支援する事業を実施します。

「魅力ある里山づくりの促進」については、捕獲した有害鳥獣を民間事業者が焼却施設まで運搬等するモデル事業を新たに実施いたします。

「広島広域都市圏の発展への貢献」については、広島広域都市圏協議会に、圏域の地域資源である西国街道をテーマにした新たなまち起こし協議会を設けます。

また、広島大学が広島の地で躍動するための環境の構築を目指して行う法学部等の東千田キャンパスへの移転やリカレント教育の拠点づくり等を支援するため、同大学が設置している「広島大学が躍動し広島の地を活性化させる基金」に出捐いたします。

第三の柱は、「文化が息づき豊かな人間性を育むまち」の実現に向けた取組であります。

まず、「多様な市民が生き生きと暮らせるまちづくり」のうち、「高齢者や女性を始め全ての市民の意欲と能力が発揮できる環境づくりの推進」についてであります。

「若い世代の人材確保」については、次のページの上段のとおり、「有給長期インターンシップ」事業に企業や学生が参加しやすくなるよう、夏休み期間に加え春休み期間にも事業を実施いたします。

「高齢者が活躍できる環境づくり」については、地域における多様な課題に応じた取組を行う「協同労働」をより一層推進するため、地区社会福祉協議会等を対象とした勉強会を新たに開催するとともに、支援対象団体に係る年齢要件を撤廃いたします。

「生涯にわたり学習し活躍できる環境づくりの推進」については、中央図書館等をエールエールA館内に移転・集約し、「誰もが学び、憩う『平和文化』の情報拠点」として整備するため、基本・実施設計等を行います。

次に、「文化・スポーツの振興」についてであります。

「文化の振興」については、市民や国内外の観光客が本市における文化芸術に触れる機会の拡充を図るため、音楽とメディア芸術を柱とした「第1回ひろしま国際平和文化祭」を開催するほか、現代美術館の改修工事を進め、令和5年3月にリニューアルオープンいたします。

また、長期にわたり更新されていないこども文化科学館の展示内容のリニューアルに着手することとし、展示に係る基本構想を策定いたします。

上から4つ目になりますが、被爆の実相を国内外により一層普及・継承していくため、原爆ドームの特別史跡指定に向けた取組を新たに行います。

また、広島城の魅力向上を図るため、広島城三の丸歴史館の整備に向けた基本・実施設計に着手するとともに、三の丸にぎわい施設の整備等を行う民間事業者の選定を行います。

「スポーツの振興」については、広島西飛行場跡地に少年野球やソフトボール等のスポーツ施設の整備を進めるほか、湯来地域においてスポーツと温泉を連携させた新たな取組を行うため、クアハウス湯の山や湯来運動広場等の活用に向けた整備に係る基本設計を行います。

「地域コミュニティや多様な市民活動の活性化」については、持続可能な地域社会の実現を図ることを目的とした「広島市地域コミュニティ活性化ビジョン」に基づく取組として、地域団体とNPOなどが連携する新たな協力体制の設立に向けた議論等を円滑に進めるためのコーディネーター等の派遣や、地域貢献活動に積極的な企業等の認定などを行います。

また、集会所にAEDを設置する集会所管理運営委員会に対し、必要額を新たに補助いたします。

次に、「保健・医療・福祉、子どもの育成環境の充実を目指したまちづくり」についてです。

「地域共生社会の実現」については、地区社会福祉協議会が行う各種地域団体との連携活動への多年度にわたる支援等を行うための基金を設置している市社会福祉協議会に対しその原資を出捐するとともに、民生委員・児童委員の負担軽減などのために配置している民生委員協力員の配置拡充に向け、活動費の増額などを行います。

次に、「保健・医療・福祉の充実」についてであります。

「健康づくりの推進と医療提供体制等の充実」については、子宮頸がんワクチン接種の積極的勧奨を控えていたことで接種機会を逃した年代の女性を無料接種の対象に加えるとともに、小児がんの治療のための造血細胞移植等により、各種予防接種による抗体を消失した者が再接種する場合の費用を新たに助成します。

また、歯周病を予防し、歯と口の健康増進を図るため、節目年齢歯科健診の対象年齢を拡大するとともに、うつ病・自殺、自死に係る相談体制のさらなる充実を図るため、専門家へのメール相談等が可能な相談窓口を設置し、その連絡先を表示したインターネット広告を掲載いたします。

さらに、施設の老朽化が進んでいる安芸市民病院の病棟等の建替えに向け、実施設計等を行うとともに、現在の安佐市民病院北館に、日常的に地域住民が受診できる医療機能等を備えた病院等の整備を進め、本年(令和4年)12月末の開設を目指します。

「高齢者が安心して暮らせる社会の形成」については、次のページの上段のとおり、高齢者の社会参加の促進などに資する高齢者いきいき活動ポイント事業を引き続き実施するほか、地域包括支援センターに経験豊富な職員が配置されるよう、職員定着及び産休取得職員に係る委託料の加算制度を設けるとともに、ページ中段になりますけれども、共助の精神に基づく取組である認知症カフェの運営が継続的に行えるよう、支援内容を見直します。

「障害者の自立した生活の支援」については、障害者の就労支援施設に対する仕事の受注拡大等を支援する就労支援センターに営業担当職員を新たに2人配置するとともに、次のページの上段のとおり、重度精神障害者通院医療費助成の対象者が介護保険サービスを円滑に利用できる環境を整えるため、サービス利用に係る自己負担額の一部を新たに助成します。

次に、3「未来を担う子どもの育成と教育」についてです。

「全ての子どもが健やかに育つための環境づくり」のうち、「多様で良質な切れ目のない支援」については、待機児童対策として、保育園等の整備費補助を行い、令和5年度当初における受入枠を255人分拡充するとともに、現役の保育士や園長からの労働条件や職場環境等に関する相談に対し、適切な指導・助言を行う相談窓口を新たに設置いたします。

また、放課後児童クラブのサービスの充実等として、保護者が注文した昼食やおやつについて、市が配送料を負担して提供するサービス向上策を各区1クラブで先行実施するための経費や、令和5年度からの基本時間部分への受益者負担措置の導入に必要となるシステム改修費を計上しております。

「社会的支援の必要性が高い子どもへの支援」については、新たな取組として、医療機関との連絡調整を行う看護師などを雇用する児童養護施設等に対し必要経費を補助するとともに、経済的困窮や障害を有するなど困難を抱える特定妊婦の産前・産後を支援するため、母子生活支援施設等に、相談支援員や看護師を配置するほか、受入れのための専用居室を設置します。

また、児童相談所及びこども療育センターの建替えを引き続き進めるとともに、各区こども家庭相談コーナーや児童相談所の補完的機能を担う児童家庭支援センターを設置・運営する社会福祉法人等に対し、必要経費を新たに補助いたします。

「地域における子育て環境の充実」については、地域の子育て支援拠点であるオープンスペースや、ひとり親家庭等の子どもに学習支援や食事の提供等を行う居場所づくりの実施箇所数をそれぞれ拡充します。

次に、「一人一人を大切にする教育の実現」のうち、「個に応じたきめ細かな質の高い教育の推進」については、新たな取組として、地域社会を支える人材を育成するため、小・中学校等において、伝統文化などのテーマに沿った地域人材等を活用した授業を実施するとともに、中学校における選択制デリバリー給食の解消に向け、老朽化している可部地区学校給食センターの建替えなどを行います。

また、令和4年度から、学校給食費の公会計化をいたします。

「いじめ・不登校対策と持続可能な学校教育体制の構築に向けた取組の推進」については、福祉の専門家であるスクールソーシャルワーカーの配置人数を拡充するとともに、学校運営への地域住民や保護者等の参画を一層推進するため、「学校運営協議会」の設置校数を拡充するほか、学校における働き方改革を推進するため、高等学校等へのインターネット出願システムの導入などを行います。

次に、「安全で安心して生活でき、豊かな自然を将来に引き継ぐまちづくり」のうち、「安全・安心に暮らせる生活基盤の整備」についてであります。

「災害に強いまちづくりの推進」については、平成26年8月豪雨、平成30年7月豪雨、令和3年8月の大雨に係る災害被災地の復旧・復興に引き続き取り組むとともに、次のページになりますが、住宅の防災・減災推進事業として、住宅の基礎となる崖地の所有者等が擁壁の耐震性を向上させるなどの工事を行う場合に、必要となる経費を新たに補助します。

また、消防団を中核とした地域防災力の充実強化を図る新たな取組として、消防団活動を通じて若い世代に消防団への理解を深めてもらう消防団サポーター制度を創設するとともに、原則として平日日中のみ活動する機能別団員を導入します。

「日常生活の安全・安心の確保」については、犯罪被害者等への支援を拡充させるため、犯罪被害者等支援条例に基づき、家事・介護サービス利用費等を新たに助成いたします。

「生活環境の維持・改善」については、新たな取組として、市営住宅マネジメント計画に基づき、老朽化した基町第17アパートの更新に向けた基本設計等に着手するほか、老朽空き家対策として、危険空家の除却に対する補助制度を設けるとともに、高経年マンション対策として、本市が適切な管理計画を有するマンションを認定する際の基準などを定めたマンション管理適正化推進計画を策定いたします。

次に、2の「環境と調和した循環型社会の形成」についてです。

「地球温暖化対策の推進」については、脱炭素社会の構築に向け、温室効果ガス排出量の削減を着実に進めていくため、広島市地球温暖化対策実行計画を改定するとともに、高効率の断熱材の使用や再生可能エネルギーの活用など温室効果ガスの排出削減に資するゼッチ・マンションの建築に要する経費を新たに補助します。

「ゼロエミッションシティ広島の推進」については、安定的なごみ処理体制を確保するため、老朽化した南工場の建替え及び運営に係る事業者の選定などを行います。

次に、「効果的・効率的な行政の推進」についてです。

まず、窓口業務の効率化を推進するため、戸籍・住民票に係る事務のうち、窓口現場で行う必要のないものを集約し、それらの事務を一括処理する戸籍・住民票事務センターを設置するとともに、出生に関連する複数の手続を市民課のワンストップ窓口で対応することができるよう、関連する手続きの申請書を発行するための専用システムを導入いたします。

また、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進として、マイナンバーカード所有者が、マイナポータルから子育てや介護等に関する手続きを行えるよう、必要なシステムの改修を行うとともに、人流データを活用した地域の活性化の実証など地域のデジタル化を進めます。

以上が新年度予算で注目していただきたい重点施策の概要であります。

次に、令和3年度2月補正予算について説明いたします。

資料7「令和3年度2月補正予算の内訳」を御覧ください。

まず、国の補正予算等に伴う補正のうち、一般会計における新型コロナウイルス感染症対策関連について、主な項目を説明いたします。

まず、(1)のとおり、社会経済活動の再開に向けて、中長期的な視点に立ち、地域の魅力を高める新たな取組や、(2)のスポーツ活動、次のページの(3)の文化芸術活動を支援いたします。

また、(4)のとおり、国の方針に基づき、新型コロナウイルスワクチンの追加接種を実施するとともに、(5)のPCR検査に要する経費や(6)の入院に要する自己負担額を本市が負担いたします。

そのほか、次のページの下段の(16)のとおり、販売促進・販路拡大に取り組む市内中小企業者等に応援金を支給する広島市販路拡大等チャレンジ応援実行委員会に対し、また、次のページの(17)のとおり、アフターコロナにおける売上回復や販売促進に取り組む商店街に対し、その取組を支援します。

次に、(19)と(20)については、観光需要の回復を促進するため、夜間・早期の時間帯を生かした新たなイベント開催等に要する経費の補助や、広島広域都市圏内の体験型観光プログラムに利用可能な割引クーポンの発行等を行うものであります。

また、㉑のとおり、引き続き、バス、路面電車などの交通事業者への支援を行います。

国の補正予算等に伴う補正のうち、一般会計における新型コロナウイルス感染症対策関連以外の補正について、主な項目を説明いたします。

まず、(1)のとおり、転出届や転入予約がマイナポータルから行えるよう、住民記録システムを改修します。

次に、(3)のとおり、令和4年度からの不妊治療の保険適用の円滑な実施に向け、年度をまたぐ一連の治療について、経過措置として助成金を支給するとともに、(5)のとおり、職員の賃金を3%程度改善する私立保育園等や、9ページに記載しております㉑の民間放課後児童クラブに対し、賃金改善に必要となる経費の補助等を行います。

また、少し戻りまして、(2)の安佐市民病院北館整備のほか、次の7ページの(8)から9ページの(19)までに掲げている各事業については、国の補正予算等に伴う国庫補助金の追加内示を受け、施設整備等に係る補正予算を計上しているものであります。

そのうち、7ページの(13)のサッカースタジアムの建設については、国庫補助の追加内示に伴う歳出の補正予算のほか、既計上予算に係る県市負担額の調整に伴う歳入の補正予算を計上しております。

そのほか、9ページの(20)のとおり、耐震化対策や老朽化対策等が課題となっている青少年野外活動センター・こども村、三滝少年自然の家・グリーンスポーツセンターについて、更新のあり方を定める基本計画の策定等を行います。

次に、10ページの一般補正について、主な項目を説明いたします。

(1)のとおり、市税の増収額等を財政調整基金に、(6)のとおり、民間からの寄附金相当額をサッカースタジアム建設基金に、それぞれ積み立てます。

また、(7)のとおり、昨年8月の災害に関連して災害対策本部などに従事した職員の人件費を計上しております。

次に、組織・職員数等について説明をいたします。

お配りしている資料の「令和4年度組織改正及び職員配置について」を御覧ください。

まず、組織については、区役所窓口における市民サービスのより一層の充実に向けた施策の企画立案等に取り組むため、企画総務局に区政課を設置するほか、住民票の写し等の郵便請求に係る証明書交付事務について、さらなる効率化を図るため、戸籍・住民票事務センターを設置するなど、効果的・効率的な執行体制の整備を行います。

また、動物の愛護等について市民の関心及び理解を深めていくため、動物管理センターを動物愛護センターに改称いたします。

次に、職員数については、「地域コミュニティ活性化ビジョン」に基づき、地域の新たな協力体制の設立・運営に係る支援に取り組むとともに、住民記録、市税、福祉情報等システムの更新業務などに取り組むため、職員の増員を行う一方、正規職員と非正規職員との役割分担を踏まえた執行体制の見直しなどにより、職員の削減を行います。

また、各種施策を着実に推進していくためには、全ての職員にその能力を存分に発揮してもらうことが重要であります。そのため、職員一人一人が「ワーク・ライフ・バランス」を実現できるよう、時間外勤務の縮減はもとより、柔軟な働き方を可能とするテレワークの推進、メンタルヘルス対策やハラスメント対策の充実など職場環境の整備に取り組むとともに、女性や若手職員の育成に力を入れていきます。

以上が予算編成等に関しての私のコメントであります。よろしくお願いいたします。

 

記者

 2点ありまして、まず1点目は予算全体のちょっとコンセプトといいましょうか、補足でお願いしたいんですけど、今回の予算は、市長、3期目の総仕上げともいうべきような年度になると思うんですけれども、大型事業にいろいろ道筋をつけられる中で、コミュニティの再生だったり、ソフト事業の方に軸足を移すようなって考えてらっしゃるのか、それとも、攻めの予算に含まれたのか、堅実路線なのか、それの名前をつけてほしいとまで言わないんですけれども、全体のコンセプトといいましょうか、考え方をちょっと、もうちょっと詳しく教えていただきたいというのが1点あります。

それともう一つ、中央図書館についてなんですけれども、設計費等が挙がっているんですが、エールエールA館でどこの部分を使うであるとか、具体的なところは、まだ現段階では明らかになってない中での当初予算に含まれたということだと思うんですけれども、今回、補正ではなくて、この時期に当初予算に含まれたっていうところの理由と、改めて、狙いといいましょうか、その辺をお伺い願えればと思います。お願いします。

 

市長

 最初の質問は、予算全体の考え方でありますけど、今言われた部分、もうすでに触れられておりますけど、我が市政として、まちづくりをやっていく上では、ハード、ソフトという両面をしっかりやっていくという大きな課題があります。それから、(まちづくりを)やっていくにあたりましては、まちの構造を考えてデルタ地、その周辺地、さらには中山間地という土地柄を考えると。それから、さらにはそこにお住まいの方々、少子化、高齢化していくということ。それから、それぞれの地域ごとに商業地であるとか、住宅地であるとか、工業集積地であるとか様々な特色があります。そういったまちの、あるいは地域の特性を踏まえて、そこにふさわしいハード、ソフトの施策を展開することで、まちづくりというのは具体化していくわけでありますけれども、ハード部分というのは、いわば物理的な環境、ヒト・モノ・カネが循環しやすい環境作りを、ということを考えながらやってきていて、いろいろなところの施策に、皆様の目に触れるような形で物事が動き始めたということで、一定程度、方向性が分かるようになってきたと思いますが、ソフト面については、そういった施設を活用して地域の方々がどのように暮らしていくんだろうか、自分たちの個々の生活、暮らす地域ごとの皆さんの取組はどうなっていくんだろうかということ、ある意味で皆さん、期待を持ちながら、一方でまた不安を感じながら、いろいろな生活をしているという現状があります。その点について、まずは活性化というか、自分たちで元気を出すんだぞということ。それから、そういった活動は自分たちが思いを込めて、自分たちの住む地域を自分たち共同体のものとして、どう運用していくか、あるいはどういったことが必要かということを、それぞれ意見をお持ちだと思うんです。それをうまく集約して、それが実現できるような体制を作り上げていく。そのためには、自分たちが何を考え、どういったことをそれぞれ思っているかを認識し、確認していくという。そういう意味では、自分たちの暮らす地域についての自分たちの思いを再確認し、その中でまちづくりを進める上で不可欠な対応を始めていこうじゃないかと。そういったことができる、それをするための、言わば準備を整えるといいますか、スタートしますよという、そういう体制を作るということに、今回、重きを置きました。それに必要な手立てを随所に施すと。そしてそれを皆さんに知っていただき、それを利活用してまちづくりを始めるという。そういったソフト面についての本格的な取組に着手するための予算というふうな思いで、今回の予算を作ったということであると思っています。

それから、中央図書館に関しましては、今回の事業費は移転ということを基本計画策定に向けてやっておりますので、そういった作業は必要になりますけれども、それとしてどれくらい予算がかかりますかといったようなことを分かっていただくということ。それから、ここで考えたことをどんな考え方に基づいてやろうとしているかを知っていただくためのものというふうになっていまして、現時点では、移転整備にかかる事業費、全体で100億弱、96億ぐらいかな、かかるかなというふうなことを想定しながらやっておりますが、こういったものは、ハード面での施設の移転ということと同時に、元々目指しておりました市の(広島)駅前周辺とか、紙屋町・八丁堀地区、2つの地域をそれぞれ地域の特性を生かしてまちの発展を推進するための、いわば重要な拠点にしていくということを考えておる中で、今回、具体的な(広島)駅前の大きな構造が変わるということが、皆さんにお分かりいただき、動き始めましたので、その地域について商業施設のみならず、文化的な営みもあの地域でやっていく必要があるんじゃないかと。そのために中央公園での施設検討と絡めながら両方の地域をバランスとって文化に貢献する機能を上手く配置していこうということをしっかりと議論していただく、そういう方向でいいでしょうか、具体的にこういったことでやりたいと思っていますがどうでしょうかということを問いかけるための予算というふうに捉えていただければというふうに思います。

 

記者

 最初、御説明のあった産業の集積強化についてなんですが、そこで自動車関連産業の脱炭素化、電動化に関する支援に取り組むというふうにあったんですが、それはどういった理由で取り組まれるのでしょうか。

 

市長

 何の集積。

 

記者

 自動車関連産業の脱炭素化、電動化支援というふうに伺ったんですが。

 

市長

 自動車産業に関しましては、今地球温暖化対策というようなことが言われてきている中で、自動車産業に関わる今後の経営体制の変化・変容が不可避だというふうに受け止めます。お分かりのように、排ガス規制が直接的な根拠にはなろうかと思いますけれども、産業そのものの変容を余儀なくされる。その際、変容を余儀なくされるということは、実は広島市にその事態を引きつけて、この自動車産業で我が市にどういった影響があるかということを企業活動でざっと見てまいりますと、例えば広島市は製造業がしっかりしたまちだと言われていますけれども、その製造業の占める製造品の出荷額の値といいますか、どれくらいかというと大体1兆9千億、2兆円近い規模なんですね。そして、それの額自体は広島の製造業全体の6割、つまり、この自動車関連産業が6割を抱えているというか占めている現状ですね。さらにそこで働く方々を見ても、直接的には約1万6千人ぐらいの方が働いているんですけれども、それは製造業全体で働く方の3割に相当いたします。そして、そこでの処遇などは製造業全体の平均給与月額を10%、1割上回るというような関係であります。そして家族構成などを考えるとそれの2倍、3倍の方がおられる。それくらいの地域経済の中で大きなウエートを占めるこの産業が、転換せざるをえなくなるんじゃないかと。やっぱり今の製造工程では済まない。そうすると、ここに関連する多くの中小企業が、例えば脱炭素化に向けて事業転換をしないといけなくなったとか、あるいは新しい分野での事業を再構築しなきゃいけないんじゃないか。誰が考えても分かるようなことが起こってくるんですね。従いまして、外からでも分かるんですからまずはこの関連事業者が一緒になって、マツダも加わって、この現状についての課題をどう捉え、どう対処するかということ、なぜチャレンジするかということをお互いに認識し、そして具体的な方向性を考えていく。その支援をするということで、第1弾は講習会とか講演会などの場を提供して、そして協議体を作り上げて、地域全体で個々の問題と全体の問題を考えるという場を提供するということで、来年度の当面の予算を付けております。そうした中で、そういった環境の中で中小企業自らが、例えば自分達の製造能力であるとか雇用能力等々、経営基盤に関わる諸条件を自分達のものとして捉えて、それから先ほど申し上げた課題に向けてどう取り組むかということを、先進事例などを見てやりこんでいく。そうすると具体的な対応策というのが次に出てくるんですけれども、多分その対応策を実施していく上では技術力の問題であるとか、特に工程ですね、あるいは、その経営基盤の確保であるとか、そして、すでにそこで従事している従業員の方々の取扱いの問題、こういった個別具体の課題が出てまいります。それらについて、お一人お一人個別では多分対処しきれないでしょうから、それらを具体化するに当たっての支援策、何があるかということに次になってきます。そうしたときに、こういったいわば産業革命に等しい大きな転換ですから、これに合わせて多分国・県のレベルでも関連対策というのは必ず打たれると思いますから、それらを上手く連動させながら、的確な協力支援をしていくと。かつ、この実施に当たって最初に作り上げた協議体にも加わっていただいて、どういった丁寧な支援策がいるかということを考えると。それが多分次年度以降の取組になると、そんなことを思いながら第1弾の対策として今申し上げた協議体を作って、そこで問題認識と解決の方向性についての議論をする中で具体化の方策を探っていくというふうな予算にしたところであります。

 

記者

 2点ほどお伺いしたいんですが、まず1点目として、ちょっとお答えするのが難しいかもしれませんが、市長として今回の予算の目玉事業あるいは思いが強い事業といいますか、力を入れたい事業、1つが難しければいくつか2~3個でも挙げていただけるとありがたいんですけれども。よろしくお願いいたします。

 

市長

 その点は先ほど御説明で申し上げましたとおり、ソフトの方をあえて強調したいと思っています。そういう意味では2つ、「平和文化の振興」と「地域コミュニティの活性化」この2つを取り上げていきたいと思っています。

「地域コミュニティの活性化」は先ほどから申し上げているとおり、地域に住んでいる方々が少子高齢化という直近する問題の中で、自分たちの生活領域の全般にわたる取組をどういった方向でまちづくり進めていくかということについて、すでに取り組んでいる好事例など、地域ごとに十分情報が行き渡っていませんので、お互い知りながら、いいところをまねしようじゃないかと、そのためには何がいるんだろうかというふうなことを考えられますので、それに必要となる準備措置を施すということを予算で明らかにし、それを使ってやっていただきますよということを今回お示しする中で、それこそ市民同士の対話を開始することで、この活性化の具体化を図っていくというのが今年の目玉になると思います。  

それからもう一つは、「平和文化の振興」は国際情勢を越えた暗雲漂う中で、いずれにしろ自分たちの生活・コミュニティ活性化というのを議論する上では、平和文化というもの、平和の状況がなければできないということはもう明白な状況であります。そのためには市民それぞれが日常生活の中で、音楽であるとかスポーツであるとか、文化芸術活動をやる・やれる状況設定をして、それをお互いに自覚しながら、皆がこの地域におれば、これがしっかりできるんだよということが分かる、そして外にも見ていただくと、そんなことをしっかりやっていくということを新たな年度としてやっていきたい。そのために、12か月のうち2か月、8月と11月という2つの月をこの平和文化関連の月に設定していくということ、そして、そこでの活動の中で世界の都市ともつなぐということもやって、国家ではない、国家という裃を着なくても国同士でいろいろな連携をすれば、こういった取組ができますよということを、平和の取組である平和首長会議でも、こういった取組をしっかりやっていこうと、こんな命題を持っておりました。あえて言えば、この2つ、まさに新年度の目玉にしていければというふうに思っているところです。

 

記者

 ソフトが目玉というふうなお話だったと思うんですけれども、一方で大型事業、サッカースタジアムをはじめとする大型事業が控えています。「楕円形のまちづくり」というのをコンセプトにして進めていらっしゃると思います。かなり市民の中に期待がある一方で、大型事業ということで財政負担等を心配するような市民の方もいらっしゃると思いますけれども、こうしたハード面での大型事業を、予算的なことも含めて、市民の方にどういうふうに説明をして、どのような形で事業を進めていきたいというふうにお考えなのかを教えてください。

 

市長

 ハード事業についても、一緒になって縷々個別に、こういった施設を皆さんお望みじゃないでしょうかと、あるいはヒト・モノ・カネを循環させるための基本構造がいりますということで市内にある従来からの課題を全部、いわば議論の俎上にあげて方向性を打ち出し、どういう作業を進めていくかということを、進行管理なども皆さんに分かっていただけるようにお示ししてきているつもりです。ですから、この施設はこれから議論して、こういうふうにして何年先ぐらいを目指しますと、こういうことまでも言っているつもりですけど、こういった形で物事を示すというのは、それに関わる総予算と各年度ごと逐次どれくらいの必要予算がかかるかということも理解していけば、こういった状況が分かるような情報提供をしているつもりです。そうすると、それらを組み合わせて単年度ごとに、こういった公共事業にどれくらいの予算を使うんだろうということを計量できるようにしているつもりです。我が市のいわゆる公共事業にかかる予算、大型のものだけ考えますと、高度成長期の景気の良かったころは、年間の予算はそれらに2,000億(円)近く投入するということをやりつつ、そこでその原資確保のために発行した市債の償還などがだいぶ大変だったということがあったんですけれども、私が市長になってこの10年以上やってくる中で、この公共投資は大体800億(円)から900億(円)ぐらいの枠に設定して、その中でまず運用し、各事業の作業進捗を、状況を整えながらその枠に収めるということ。さらには、いわば市の税金といいますか、市民からいただく税金の投入額と、そして国税といいますか、国が多くの国民からいただいた税金を使って、各地域における総合的な計画、一定目的があれば、国としても支援しますよという形で出していただく補助金、そういったものをうまく利用しながら国の財政支援も必ずかませて、そして、それらを利用できる枠組みにして事業を進行するということをやってきておりますので、それらについてのやり方は、私から言えば、おおむね基本部分を理解できるようになったからという思いがあります。そして、個々のこういった事業展開についての注文・御意見なども、しっかりと対話というか、議論しながら処理してきたということもありますので、それを踏まえての今度、ソフトに力を入れます。こういう説明だと理解していただければどうでしょうかと思っています。

 

記者

 サッカースタジアムについてお伺いをしたいのですけれども、今回、予算に77億円という大きな金額が入っているということと、間もなく着工というふうに伺っているのですが、市長のスタジアムに対する思いとか考えというのを改めて教えていただきたいというふうに思います。

 

市長

 今度計上した77億円は、次なるステージに向けて具体的な施設建設に必要な、それから、施設を整えるためには地盤整備といいますか、いろいろな史跡なども出ましたので、その調査費なども計上するということをやりました。こういった新しい施設をこの市内のどこかに造るとなれば、全然人々が生活したことのない地域に、場所にということであればこういったこともないのでしょうけど、市内の中心地、とりわけ、人の生活がいろいろな形で展開されているところに施設を造るとなれば、過去の生活、営みがどうだったか、そういったものを大切にしようという御意見、あるいは、それを乗り越えて新しい方向、こういったことも予想されるわけですけれども、そういった議論をしっかりしていただきながら、残すべきもの、残せるもの、そして、新しい施設をどういった考え方で整理してやるかということの議論をやった典型例が、サッカースタジアムの建設だというふうに受け止めています。それと同時に、これを市単独ではなく、元々、国の補助もうまく活用しながら、ということに加えて、県の方からも支援を頂くと、そういう意味ではこの建物は市民のみならず県民にも有効に使っていただけるようにする。そのための議論を重ねるということをやってきて、ようやく今、この事業に着手ということになったというふうな思いでありまして、ぜひとも、この事業を完成させることで最初申し上げたまちづくりなり、紙屋町・八丁堀地区という地域特性を生かしたまちづくりの核をしっかりしたものにすることと、もう一つ負けず劣らずで、広島駅周辺、そちらの方もデルタ地の都市の中心部をうまく活性化していくということを良いバランスをとってやらなければいけないなというふうな思いであります。そして、スポーツ施設ということでありますので、ここはいわゆる商業施設的なものも周りに配置してビジネスを展開いたしますけれども、一つ、スポーツを通じた文化というものをこの地から発信するということも、重要な役割が求められるということになりますので、(広島)駅の方は今度は文化系の中でも図書とか、広島の文化、伝統といったものに触れるものをもう少し、今までなかったわけですから、それを配置して両方がそれぞれ違った特色を持った都心になっていくということが、ようやく皆さんにもお示しできたと思うのですね。ですから、個々の施設についても御注文ありましょうけれども、今申し上げたバランスを取りながら都心をつくっていくというこの考え方についてもしっかりと確認していただきながら、皆でそういった思いを共有できればなというふうに思っています。その共有のための具体化をするその予算が、今言われた来年度の77億というふうに見ていただければと思います。

 

記者

 もう一点、県の方が、2月の補正(予算)でサッカースタジアムの予算をようやくというか、入れるというような話、方針を示されているのですが、これまでずっと、予算の配分、何対何で出すかというのは決まらなかった中で、少し方向性が見えてきたのかなという気がするのですけれども、これに関して市長の受け止めを教えていただきたいのですけれども。

 

市長

これに関しては、県の方が元々、県政を担っております。例えば、県の西部の開発と県の東部の開発のバランスとか、いろいろな御意見もありましょう。そして、県民から頂く多くの税金を(広島)市に投入するということになれば、県民の立場でその費用対効果も十分分かるようにという御意見を終始言われておりました。それについては、間違いなく、広島市が繁栄することは県域全般あるいは広域都市圏全般のためになるということは明白だと私自身思っておりましたので、そういったことについての御理解が深まり、ようやく負担していただけるということになったと思います。そして、具体的な負担にあたっても、国費をうまく使いながら、そして、地域の財源を組み込むという整理ができたのではないかと思います。ざっくりとした費用負担分の中から個別具体的な費用額を計上して、それをどのように見るかということについての作業を通じて、お互いに理解が深まったというふうに捉えていいと思うのです。その他、県・市が連携していろいろな費用負担をしながらやるべき施策、事業は多々ありますので、こういった経験を積み重ねる中で双方の立場を理解し、お互いに譲歩できるものは譲歩していくということをこれからもっともっといろいろな場面でできればなというふうに思います。

 

記者

 (広島市立)中央図書館の件で聞きたいのですけれども、今回、基本設計、実施設計とともに不動産鑑定の予算を計上されているということで、こういう予算が議会で通れば移転の方向で進むのではないかなという思いもするのですが、その中で、今この移転について反対の署名運動なども起きている中で、先ほど市長の議論を深めてもらうようなきっかけにもなればというお考えを示しましたけれども、これはまだ移転とか他の検討も含めて、また、いろいろ検討の余地があるというふうな考えでいらっしゃるのか、そこら辺の確認ができればなと思います。

 

市長

ここで移転・整備計画というのをお出ししておりますので、ぜひこの方向で皆さんに理解、納得していただきたいというのが基本であります。それは先ほど来申し上げておりますけれども、中央公園を、施設を、これから十分に整備していかなきゃいけないといったときに、中央公園を中心に紙屋町・八丁堀地区に集積していた施設群をうまく活用する中で、(広島)駅周辺にもそういった効果をもたらすということの中で、可能性があるものとして図書館が出てきただけでありまして、それはぜひとも完成させたい。そして、そういったことについての多々御意見ありましょうけれども、それらは多分、絶対にダメだというものではないというふうに受け止めたいんですね。というのは、あの地に中央図書館ができたのも、戦後70数年の歴史の中にあると思うんですね。過去からではないんですね。戦後、この加古町と、今の平和公園のあった少し南の辺りに市役所があって、その辺りに図書館があった時期もあり、そしてそれが焼けて、しばらくは今の市役所がある辺りに図書館があり、そして道路交通事情などで(国道)2号線、新しいのができたりして、図書館の環境としてどうかということで、移転してあの地に来たということであります。そしてそういった中で、あの地を中央公園として整備するという一環として、今、木に囲まれた図書館というものになっていますけれども。ただその移転した当時と違うのは、そこに来る方々の社会行動も違っているんじゃないかと。実際、来る方々の様子も違ってきたりして、あの地にあるということで、その図書館の機能を十分に享受されている方もおりましょうけれども、足を運びにくいというふうな方々も実際出てきているという現状があって、そちらの方をしっかりと捉えて、先ほど申し上げた大きなまちづくりの中で、移転させながら多くの方の利便性享受、そして、そこでの文化機能の発揮ということを中心に考えようということを提案しているわけであります。その考え方の中で、御意見、お困りになっていることも何とかすべきではないかということを取り込みながらやっていくということをしたいなと思っています。基本は、ですから移転ということは、ぜひ皆さんに理解していただきたいというふうに思っています。

 

記者

 反対の方にもこういう移転ということで理解してほしいということなんですけれども、例えば現地での建て替えとか、そういうことに関して費用がどれくらいなのかとか、そういうところの比較などがあった上で、こっちに利点があるから移転とかなれば、理解が得られるような気がするんですけれども、そこら辺のその具体的な説明について、どういうふうにお考えかというところをお聞かせください。

 

市長

 費用の点については、厳密に言えば、その移転設計をするのに現地建替えのための予算がどれくらいかかるか、それを計算するための予算をかけてやるということも、もちろん理念的にあります。しかし、どう考えても、機能を残しながらそこの場所で建て替えをしようとすると、単純に建て替えるより予算かかるっていうのは自明の理だと思うんですよね。それを、額を出さないから計算できませんっていうのは、ちょっと次元が違う話だというふうに受け止めています。そして、その考え方の概略をちゃんと説明、議会でもしておりますけれども、あの場で中央図書館という名前にしていますけれども、浅野さんの図書館は市の機能にするということにしたと同時に、市内にある各区の図書館の中央図書館といいますか、その集配機能などもあそこに集めて、全体をコントロールする機能もあり、単にあそこで読書だけというふうなものにしてない。そういたしますと、そういった全体をコントロールするための営みを、あそこの建替えをすると、別途その間、どこかに設置しなきゃいかんから、新たに建て替えるもの以前に、その機能停止期間と別途の予算がいるわけであります。それがいくらかかるかどうか別として、そういったことを考えていただければ明らかということ。そしてさらに、こういった中央公園全体にある施設の整備をどうするかといったときに、最初、公共事業の話で申し上げました。全体800から900(億円)の中で、国の補助を使いながらやるということも言っていますけれども、これもその中に入っておりまして、物事を市単独の予算で整備するかというと、それはなかなか大変なことでありまして。例えば、今まで施設群を3つ4つ構えておったら、それを逆に1つ2つ減らして機能特化して効率的な形でやるとなれば、国から有利な形で、その市債といいますか、発行が認められるんですね。そして、返済なども国の方のお金を充てるという費用も十分見込めるということもあります。そうするとそういった財源についても、有効活用の道も開けるというふうなことも考慮して、総合的な判断のもとに移転をするということをやっているということ。これは議会等で資料見ていただければ説明しているんですけれども、「それはいいけれども、とにかく置いてくれ」とこういう御意見ですから、今言ったように全体構造を考えながら、その中で御希望をどう生かすかといった議論を十分したいと。で、理解が深まるんじゃないかなというふうに思っています。その辺は十分説明してきていますが、もっと分かりやすく説明するということ、必要であればやっていきたいと思っています。

 

記者

 ありがとうございます。

 

記者

 広島大学本部跡地の活用についてお伺いします。新年度予算に久しぶりの懇談会の開催と補修方法の検討という2項目が入っているんですけれども。まず、前回に懇談会が開かれてから、恐らく3年以上は経過しているかと思うんですが、この懇談会においてまず、いつ開催されるのかということと、どういう議論をされるのを想定しているのか。例えば基本計画を定めたうえで、これを開催して意見を聞くのか、あるいは基本計画に向けた意見を聞くのか、その点を伺えますでしょうか。

 

市長

 今の御質問は、広島大学旧理学部1号館、この扱いなんですけども。これも先ほどから言っているとおり、「ハード・ソフト」両面を整えていくということがとても重要な課題だと思うんですね。被爆建物として残すということ。単に残す以上に、あれがある地が、実は市の議論では、知の拠点にしていこうということで取り組んでいて、一部公園になり、そして一部に大きな居住施設ができ、また一部に引き続き大学機能を残して、今度は文化系、法学部を戻してくるということで。知の拠点という当初のスローガンといいますか、標語、それに向けての動きがだいぶ加速してきています。そうすると、建物そのものをどうするかということと、知の拠点としてしかも被爆建物を、今言い始めた言葉で言うと「平和文化的なものとどう絡めるか」ということをやっていただくために、実際、市大の平和研究所と、それから、広大の方ですね、平和センター。それに市大の場合、平和研究のための研究科、(大学)院の方の。こういった方々に、実際この3つの機能といいますか、これをどう統合するかと議論していただいています。ですけど、平和の学術的な取り組みというのは、それぞれいろいろな視点で、別々の視点で今まで研究してこられていますからね、1つにまとめるといってもなかなか難しいです、実際ね。やろうとすることを単に並べるだけでは。箱物集めて。別々の研究機関なもんですから。そうすると一体的なものにするための議論をし、さらに、他の学校群なども、どういう形で取り込むか、それに必要な関連施設の配置を、あそこの場だけなのか、それとも市内別々に構えるのか、あるいは集約するのか。市大の今の場所からどのように、そういうことも含めて議論していただいておってですね、実は、まだまだ協議調整が続かざるを得ないという状況にあるということは、お分かりいただきたいと思います。決して、サボっているわけではないんですね。確かに劣化が進んでおるので急がなきゃいけないんですけども、中身について十分な議論を必要としている。そんな状況でありまして、基本計画の策定というのも、今申し上げた、基本的な関係者の納得が得られるというふうな、もうしばらく時間がいると思います。それを整理できたことを踏まえて次に基本設計と。こういったことまでは考えていますけども。今、「いついつ、ここまで行く」と、「何日にこうなる」と、例えば、どれくらいでこうなるということは、申し訳ないが今の段階では、ちょっと申し上げられないということです。ただ、今まで出している資料を見ていただければ、建物についての選択肢も、大きく3種類、4種類出てきていますし、大学群の設置の方法もだいぶ変わってきています。そして、広大全体が法学部を移していただいて、あの地でまたリカレント教育も広大の方でやろうと言われて。そうすると、そのリカレント教育とね、平和学習みたいなのをどういうふうに絡めていくのかというふうなことも、実は大変重要な問題だと思っています。そういったことも、きちんと未来構想、将来構想をかためていきたいと思います。実際、比較の問題ではありませんけども、被服支廠の議論なんか見ていただいても分かりますように、それ自身、この形で残すか、その、ものを残しながらどうするかということについて、皆さんの納得度を高めるためには、もう少し時間かかっても致し方ないかなというふうに思っています。

 

記者

 確かに、その3つの組織というか、3つの機能を統合するにあたって簡単な議論ではないだろうということは想像はつくんですけれども。そこで、まあ今年の予算に懇談会の開催というのが計上されていますので、この場では、どういう議論なり、何をテーマに意見を聞くという想定をなさっていたんでしょうか。

 

市長

 この予算措置とすれば、補修方法等ということで、等にいろいろな思いがあるということで2,000万ほど計上していまして、今申し上げたようなことをやっていただきながら、実際、そこに出てくる以前に申し上げたですね、研究機関構想とかも、どういうふうにするかというようなことも同時並行でやっていただくと。そして、それを踏まえて施設をどういう形にするかということになると思うんですね。自分たちのスペースの取り分であるとか、どう利用するかということも、各研究機関の方々の思いもありましょうからね。それは、反映できるようなものにしていきたいということになると。

 

記者

 なので、今時間がかかっているということなので、実際には建物の補修みたいなものが、いつ頃動きだすかとかですね、あるいは、この新しい研究拠点というものが、大体いつ頃をめどに動きだしたいということも含めて、まだ現段階では見通せない状況ですか。

 

市長

 もうしばらくと思います。もう一つ好材料は、今申しましたように、広大の法学部、文化系を移すと、そちらの方は予算がもういって、向こうの基金に入れれば、きちっとした設計図が出てまいります。そうすると、それらの使い方とかも具体化すると思うんですね。ですから、それぞれの研究機関の利用の仕方ということについての具体的なイメージといいますか、考え方がもう少し明らかになるんじゃないかと思いますけどね。もうしばらく。

 

記者

 今出たんですけれど、ちょうど広大の法学部がまた戻ってくるという中で、そこが戻ってきて社会人とか一般の方も含めたリカレント教育とも、この平和研究拠点、平和教育研究拠点というものが絡んでくるという想定は、今、じゃあ描かれていると。

 

市長

 そこは私自身の思いかも分かりませんけれども、実際に法学部の方が法律的ないろいろ議論をして、自らの実利にふさわしい学習をするときに、あの知の拠点で研究される、勉強される。すぐそばに、平和研究組織がですね。そこでも市民に向けてそういった平和についてのお勉強をしていただく講座とかスペースを多分作ると思います。そうすると、そういった方々を優先的に、あるいは必ず行ってもらうようにすると、そこの施設の運営としての運営基盤も固まってまいりますよね。そういったことになれば、その施設群をどういうふうにするかとか、どちらの学校群が、そういった教育を面倒見るかとかってなことにも必ずなると思います。平和の拠点、知の拠点でありますから、そういった利便性をうまく使いながら実利と平和について学んでいただける地点に、拠点になればなというふうに思っています。

 

記者

 すみません、あと一点だけ。それと関連すると思うんですけれども、この広島大学の基金への出捐金10億円というのが予算計上されているんですけれども、それはそういうことも描いての出捐ということはあると思うんですが、この10億円という額は小さくない額で、この積算根拠といいますか、何をもってこの10億円という額を、しかもその用途、基金なのでかなり用途を相手に委ねる形になると思うんですけれども、この辺りの積算根拠などをお願いいたします。

 

市長

 こちらの方は、元々、すでに広島大学の方で実際の取組をするための原資ということで、基金残高が今19億円あるというふうに令和(※)2年度末、聞いていまして。累計では最高23億円ぐらいですね。積み立てていると。そこで出捐をというふうに言われて、いろいろ検討した中で、本市としてこれだけのオーダーを打ち出す、基本的効果というのを4点ほどあるというふうに整理しております。

 まず1点目が、法学部などが移転することで、そこの学部等の学生さん、約600人だそうであります。それプラス、教職員の方が本市に回帰してこられて、そこで市域内の社会経済活動に参画していただけると。そうすれば、千田地区はもとより、市全域の活性化ということが間違いなくあるというのが一つですね。

 2点目は、先ほど申し上げたように、あそこを知の拠点にすると言っておりましたので、まさに知の拠点にふさわしい施設群がいて、そしてさっき申し上げた、当初の目的に沿うからいいじゃないかというのが2点目ですね。

 3つ目が、第6次の基本計画(第6次広島市基本計画)、「世界に輝く平和のまち」、「国際的に開かれた活力あるまち」、「文化が息づく(豊かな人間性を育む)まち」というようなことで、今申し上げた平和との関連性を持たせた運営というのを、拡充した本体がきますからね。(本市のまちづくりの)後押しになるんじゃないかと。

 それから4点目が、圏域全体、200万(人)広域都市圏を目指している中で、中心的な存在をあそこに置くことになるということで基金を出そうということなんですけれども。そういったことを踏まえながら金目の方は、経済波及効果を試算したところですね、具体的に移転すると学生さんとか教職員などの消費支出があるということ。市内でも経済活動もあるということで、そういったことがですね、ざっくりなんですけれども、毎年継続して10億円ぐらい見込めるだろうという計算をいたしました。それと同時に、新たな施設が整備されるとともに、学生さんあたりは、多分バイトで、あるいは卒業して市内での就職、家庭生活を持つ人も出るかも分からない。あるいは住宅取得というようなこともあるとすれば、この地で御縁を持って経済活動をされる方が増えてくるということだろうということもありまた継続して経済波及効果がこれぐらいあるから、来ていただくのはありがたいということで、10億円でどうだろうかということで出したわけであります。この基金への拠出は、隣の東広島の対応も参考にして、それと同等のものもいるんじゃないかということも考えたりして、(毎年継続して経済波及効果が)約10億円という中で10億円を計上したということであります。

 

※音声では平成と発言しているが、会見終了直後、会場において令和であると訂正済

 

記者

 ありがとうございます。

 

※(  )は注釈を加えたものです。

※上記内の(1)等の資料番号は、実際には○(丸)数字だが、アクセシビリティの観点で()(カッコ)数字の記載としています。

Adobe Reader<外部リンク>

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)

<外部リンク>