本文
本市の本年1月以降の感染状況をみると、年末年始に親戚や友人等が集まり、マスクを外して会食をすることなどで感染し、感染した方から更に家庭内などで感染が広がっている状況となっています。
オミクロン株は、風邪のような症状で済む方が多いとされる一方で、デルタ株よりも3倍感染力が強いと言われています。本市でも軽症の方がほとんどであり、また、第5波までとは比較にならないスピードで感染が拡大していることから、今回の感染はオミクロン株によるものと考えています。
感染者が急増する中、本市としては、新規感染者を早期に発見し、的確な医療へつなげるため、保健所や区保健センターの職員を150名余り増員し、感染者の積極的疫学調査や患者の搬送、自宅療養者への日々の健康観察などに全力を尽くしているところです。
ところで、これからの感染症対策としては、予防措置としてのワクチンの追加接種と治療としての中和抗体療法や「飲める治療薬」の投与が重要であると考えています。
具体的には、予防措置としてのワクチンの追加接種については、国の方針に基づいて、前倒して実施することとし、医療従事者や高齢者施設の入所者・従事者、介護・障害福祉の通所サービスの利用者・従事者、入院されている方については、初回接種の完了から6か月の間隔をおいて、昨年12月末から実施しています。
その他の高齢者についても、2月から実施することにしていたものを、更に前倒しして、今月から接種が開始できるように調整しているところです。
また、治療としては、重症化リスクの高い方の体内に点滴で抗体を注入する中和抗体療法が既に医療機関で実施されています。また、「飲める治療薬」については、先月、国内で初めて承認され、さらに政府は2月中に新たな飲み薬の実用化を目指すとしており、感染の予防から治療までの流れが確立してくるものと考えています。
こうした状況にあることから、市民や事業者の皆様には、今しばらくは社会経済活動が制約されることになりますが、その際、過度に恐れることなく、冷静に対処していただくという中で、感染拡大の防止と経済活動の活性化を両立させ、安心して市民生活が送れるよう、改めて感染防止の取組をしっかり行っていただきながら、今しばらく凌いでいただきたいと思います。
引き続き、市民、事業者の皆様の御協力をお願いいたします。
令和4年(2022年)1月13日
広島市長 松井 一實