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ゴルフ場では、芝・樹木の病害虫や雑草の防除などのために、殺虫剤、除草剤、殺菌剤など、様々な農薬が使われています。
広島市では、ゴルフ場からの排出水に含まれる農薬の実態把握のため、市内8か所のゴルフ場の排出水の農薬調査を実施しています。
平成2年に、全国的に見て主要な農薬について、ゴルフ場からの排出水の農薬の濃度が超えてはいけない値として、指針値が定められました。
平成25年には、農薬取締法に基づく水質汚濁の農薬登録基準(一般的に使用された場合に、公共用水域の水質の汚濁が生じたり、その汚濁に係る水の利用が原因となって人畜に被害を生じたりするおそれがあるかどうか)において基準値が定められている農薬についても、指針値が定められました。
さらに、平成29年には、水産動植物に被害が発生するおそれがある農薬を規制するため、農薬取締法に基づく水域の生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準において基準値が定められている農薬についても、指針値が定められました。
このように、対象農薬の種類は近年大幅に増加しています。
ゴルフ場農薬の指針値には、「水濁指針値」、「水濁基準値が設定されていない農薬のうち、別途排水中の水濁指針値が設定されているもの」、「水産指針値」の3種類があります。
【指針値】 http://www.env.go.jp/water/dojo/noyaku/golf_guideline.html<外部リンク>
搬入された排出水は、まず固相抽出・濃縮などの前処理を行います。これを物性に応じてガスクロマトグラフ質量分析装置と高速液体クロマトグラフ質量分析装置の2つの機器を使い分けて分析を行っています。
当所では、平成30年度には51物質の分析を行っていましたが、分析手法の一部を見直し、平成31年度は96物質を分析しました。平成31年度の結果では、指針値を超えたものはありませんでした。今後も引き続きゴルフ場農薬の実態把握を行っていきます。