家庭や職場での対応
うつ病の人の療養生活や再発予防については周囲の理解が必要です。うつ病を特別な病気と考えず、今までどおり自然な態度で接するようにしましょう。
また、治療について正しい知識を持つことも大切です。うつ病の治療は、薬物療法を中心に根気強く続ける必要があります。治療を始めると、薬の効果などで一見よくなったように感じられますが、完全に回復するためには時間がかかります。周囲の無理解から治療や服薬を中断し、また無理をすれば、再発につながることもあります。
周囲の人が病気や治療について正しく理解し、適切に対応することが、病状の回復や再発予防への近道です。
うつ病の可能性がある人への対応
時間も場所もゆとりを持ったところで話を聞く。
うつ病の人は自責感や焦りなどを感じています。早口になったり大声になったりしないように気をつけて、ゆっくりと間をとって話すようにしましょう。また、窮屈な狭い場所を避け、座る位置も近すぎず、遠すぎず安心して話せるよう配慮しましょう。
プライバシーには十分配慮する。
精神疾患については、隠したい気持ちが働くことも少なくありません。
「了解なく他の人に伝えることはありません。」「話したくないことは無理に話さなくてもいいですよ」など、プライバシーに配慮していることを伝えましょう。
つらい気持ちに共感しながら、話に耳を傾ける。
「手を差し伸べ、話を聞くこと」は絶望感を減らすための重要なステップです。じっくりと話を聴き、相手の気持ちに寄り添いながら、不安や悩みを受け止めることが大切です。
励まさないで、相手のペースで話を進める。
うつ病の場合、自責感や焦りなどに苦しんでいることがよくあります。このため、「しっかり」、「頑張れ」といった励ましは逆効果。ますます自分を追い詰めていく場合があります。相手の訴えを否定せず気持ちを尊重し、共感しましょう。
相手がいろいろな話ができるような形で質問をする。
「はい」「いいえ」で答えるような質問より、「気分はどうですか。」「食欲はいかがですか。」のような質問の形をとると、自分の気持ちを話しやすくなります。
すぐに返事が返ってこない場合は、焦らず、少し間をとって次の質問に移りましょう。
相手の気持ちを一つ一つ確認しながら、一緒に解決方法を考える。
うつ病には、集中力が低下して考えがまとまらないという症状があります。
そのため、話をしていても、何を伝えたいのかが分かりにくいことがありますが、相手の言葉を言い換えて確認してみるなど、気持ちを一つ一つ受け止めたうえで、これからどうするのが良いのか、一緒に解決方法を考えてみましょう。
受診の勧め方
うつ病は、進行すると治りにくく、再発しやすくなってしまいます。初期の軽症のうちに手当てすれば、長引かずに回復することができます。早めに専門の精神科を受診できるよう、次のことを伝えてください。
決して「気の持ちよう」や「弱さ」、「怠け」ではなく、「病気」である。
うつ病は、特別な病気ではなく、誰でもかかる可能性のある病気である。
(15人に1人がうつ病を経験)
治療で楽になる可能性が高く、つらい症状を取り除くためには、早めに専門の医療機関(精神科、メンタルクリニック、心療内科)を受診した方がよい。
(精神科へ抵抗が強いようなら)受診しやすいかりつけの診療所や総合病院を気軽に受診してみよう。
うつ病治療中の人への対応
心配しすぎない
気を遣い過ぎると、かえってぎこちなくことがあります。今までどおり普通に接するよう心がけましょう。
励まさない
そばで見ている人は、心配のあまり、ついつい励ましてしまいがちです。頑張って、頑張った末にエネルギーが切れかかっている人に、激励は禁物。本人のペースに合わせて話をしましょう。
原因を求めない
うつ病には原因がないことも、わからないこともあります。原因を探そうとすると、人間関係がギクシャクして、かえって問題の解決を難しくしかねません。原因については深く考え込まないようにしましょう。
人生の重大な決定は先延ばしに
落ち込んでいるときは、どうしてもマイナス思考が強くなり、客観的な判断が難しくなります。人生の重大な決定は、症状が良くなるまで先延ばしするよう勧めましょう。
ゆっくり休ませる
うつ病は、心と体が「もう疲れた」「休みたい」と悲鳴をあげている状態です。気分転換を試みて旅行やスポーツをしてみても、ぐったりして結果的に症状が悪化してしまうこともあります。できるだけゆっくり休ませて、心と身体の充電を待ちましょう。
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健康福祉局障害福祉部精神保健福祉課
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