LRT都市サミット広島2009の結果概要
首長歓迎セレモニー 10月30日(金曜日)13時00分~
- 首長会議に先駆けて広島駅南口地下広場において、参加都市の市長、副市長をお迎えする首長歓迎セレモニーを開催しました。北から札幌市の中田副市長、富山市の森市長、豊橋市の佐原市長、京都市の由木副市長、岡山市の村手副市長、松山市の稲葉副市長、高知市の安藤副市長、長崎市の田上市長、熊本市の幸山市長、鹿児島市の森市長、そして広島市の秋葉市長を含めた11名をはじめ、共催者である広島電鉄株式会社の大田代表取締役社長、国土交通省の関係者、交通事業者の代表、各県県人会、報道関係者など多くの方々に参加していただきました。
- 広島市長の主催者挨拶、広島電鉄株式会社代表取締役社長の共催者挨拶、富山市長の参加都市挨拶の後、一行には広島電鉄株式会社が誇る国産初の完全超低床車両「グリーンムーバーマックス」で、LRT都市サミットの会場となる広島国際会議場に近い、原爆ドーム前電停まで移動していただきました。電車の車内は、県内外からの多くの報道関係者で一杯になり、路面電車やLRT化に関する世間の関心の高さがうかがえました。
- 原爆ドーム前電停で下車した後、広島市長が説明を行いながら、原爆ドームや原爆の子の像、折り鶴台などを見学されるとともに、参加都市の市長、副市長が一人ずつ、広島平和都市記念碑に参拝・献花されました。

グリーンムーバーマックスでの移動




首長会議 10月30日(金曜日)14時30分~
- 冒頭で国土交通省大臣官房技術審議官の松谷春敏氏から来賓挨拶をしていただき、「国土交通省では、歩いて暮らせてコンパクトな集約型のまちづくりを提唱しているところであり、人と環境に優しいLRTがまちづくりの中心的な公共交通軸になってほしい。」「今回のLRT都市サミットが、これからのLRTの新しい地平を切り拓く第一歩となることを願う。」と述べられました。
- 首長会議では、広島市長が議長を務め、約800名の参加者が熱心に聞き入る中で、参加11都市の市長、副市長が、各都市における路面電車・LRT化の現状やまちづくりの視点も含めた様々な取組の説明を行われました。
- 各都市からの内容の濃い説明により、予定時刻を大きくオーバーしたため、予定していたテーマごとの意見交換は割愛され、LRT都市サミットの継続開催が議論された。富山市長からは「単発で終わらせるのではなく、継続開催が望ましいと考えている。次回は2年後に富山市で開催したい。」と提案され、参加都市の了解を得ました。また、首長会議の最後に、広島市長からサミット宣言の案が提案され、参加都市の了解を得ました。
サミット宣言のポイント
人や環境にやさしい路面電車のLRT化を中心とし、鉄道やバス、自転車との連携を図りながら、公共交通を軸とした都市構造への転換を目指し、次のことを宣言する。
- 活力と魅力のある都市づくりに向けた路面電車のLRT化によるまちづくりの推進。(LRT化によるバリアフリーの促進、路面電車が都市景観と調和するための配慮及び観光振興への活用、市民と協働した路面電車に愛着を持ってもらえる様々な取組の実施)
- 環境にやさしい路面電車のLRT化による公共交通を中心とした社会の実現。
- 全国の路面軌道事業者の運営改善、技術力の向上に必要な支援の実施。
- LRT化に向けた新しい取組の情報共有による連携した情報発信。
- 次回のLRT都市サミットは2年後に富山市で開催。
※サミット宣言の全文は、以下のファイルをご覧ください。
各都市の説明資料
札幌市
富山市
豊橋市
京都市
岡山市
松山市
高知市
長崎市
熊本市
鹿児島市
広島市

俳優 関口知宏氏の記念講演 10月30日(金曜日)17時00分~
- 映画やドラマなど幅広い分野で活躍されている俳優の関口知宏氏を講師に迎えて、「旅~ふれあい~」と題した記念講演をしていただきました。
- NHK番組「列島縦断 鉄道12000km 最長片道切符の旅」や海外の鉄道の旅などを通じて感じたことや、日本あるいは日本人の素晴らしさを親しみのある口調で語られました。

共同記者会見 10月30日(金曜日)18時30分~、歓迎レセプション 10月30日(金曜日)19時00分~
- 首長会議及び記念講演終了後、参加都市の市長、副市長が、今後のLRT化によるまちづくりの方向性を取りまとめた「サミット宣言」に関する記者会見を行いました。
- 報道関係者からは、「11都市で集まった力を今後どう活かしていくのか。」「本日の会議で一番印象に残っている成果は。」「LRTの利点がある中で、なおかつ民意を得られなければ、LRTは普及しないと思うが、何がカギになるか。」といった質問が寄せられました。
- これに対して、「都市の力、連携によって新しい交通のシステムをさらに全国的に広げていきたい。」「首長会議により、各都市が市民とともに歩んでいる道筋や姿勢がよく分かった。都市間の連携により今後新しい方向性が出てくる可能性がある。」「都市に相応しい将来像を示し、市民に説明することがLRT化には大切。」などと答えました。
- また、共同記者会見の後、鈴峯女子中・高等学校(広島電鉄株式会社の前身となる会社が設立)の吹奏楽部による歓迎演奏をスタートに、参加都市の市長、副市長、交通事業者、関係機関の代表者相互の懇親を図るための歓迎レセプションを開催しました。


国内外のLRT化に関する事例及び制度紹介 10月31日(土曜日)9時30分~
- 冒頭で国土交通省国土交通大臣政務官の三日月大造氏から来賓挨拶をしていただき、「JR西日本で鉄道員をしていた経験がある。」「超党派の新交通システム推進議員連盟の事務局長の立場からも路面電車をもっと使いやすく、また導入の下支えをするにはどうすればよいかを常々考えている。」と述べられました。
- 国内外のLRT化に関する事例及び制度紹介では、まず、国土交通省鉄道局財務課長の松本年弘氏から「LRTプロジェクトと地域公共交通活性化・再生法」について講演をしていただき、「これまでの荒波に耐えつつ路面電車を残して来られたので、社会全体の貴重な財産として、関係者の総力を結集して後世に残していくことが重要と認識している。」と述べられました。
- 次に、都市・地域整備局街路交通施設課街路事業調整官の神田昌幸氏から「戦略的な都市交通施策の実施とLRT整備事業」について講演をしていただき、路面電車を存続した都市と廃止した都市の二酸化炭素排出量の関係を示す興味深いデータの説明がありました。また「LRTと都市のあり方が密接に関係することによって新しい日本の交通、あるいは都市のあり方が実現できるのではないかと考えている。」と述べられました。
各講師の説明資料
国土交通省鉄道局財務課長 松本年弘氏
国土交通省都市・地域整備局街路交通施設課
街路事業調整官 神田昌幸氏
パネルディスカッション 10月31日(土曜日)10時25分~
- 特徴あるLRT化の取組を進めている富山市、豊橋市、鹿児島市、広島市の4都市の市長、広島電鉄株式会社代表取締役社長の大田哲哉氏、映画美術監督の部谷京子氏、路面電車を考える会の山根政則氏といった各方面で活躍されている7名の方々に参加をしていただき、広島大学大学院教授の藤原章正氏のコーディネートによりパネルディスカッションを行いました。
- LRTとの関わりやその魅力をはじめ、初日のサミット宣言の内容を踏まえた、人と環境にやさしい乗り物としてのLRT、まちの賑わいを創出するLRT、LRTを推進するための都市間の連携などをテーマとした意見交換が行われました。
- 各都市の市長からは特徴的なLRT化の取組が、大田哲哉氏からは、都心部での短絡ルートや信用乗車方式など広島のLRTの将来イメージがそれぞれ紹介されました。また、部谷京子氏からは、幼少時代に迷子になり路面電車の線路を頼りに歩いて帰宅したエピソードから今でも路面電車に愛着を感じていることや、LRTが進んでいくことで撮影の現場として魅力的な街が増えると思うと述べられました。山根政則氏からは、日本はヨーロッパに比べ人の移動の権利(交通権)の思想が遅れていることや、路面電車の新線計画などについて熱く語っていただきました。
- 藤原章正氏からは、LRTは、人に近い、人間スケールの乗り物であり、“チンチン電車”から“LRT”という愛称に置き換わる日もそう遠くないだろうというまとめがありました。
各パネリストの説明資料・配付資料
パネリスト名(PDF)
※部谷様よりご提供いただき、サミットの参加者全員へ配付した路面電車のポストカード
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路面電車を考える会 山根 政則 氏 (PDF 990.6KB)
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富山市長 森 雅志 氏 (PDF 768.9KB)
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豊橋市長 佐原 光一 氏 (PDF 589.4KB)
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鹿児島市 森 博幸 氏 (PDF 419.6KB)
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広島市長 秋葉 忠利 氏 (PDF 540.2KB)
パネルディスカッション
関連イベント
10月30日(金曜日)から11月1日(日曜日)までの3日間、「LRT都市サミット広島2009」の開催に合わせて、市民や来訪者が路面電車を満喫できるよう、国内外のLRT化に関するパネル・写真展、小学生による未来の路面電車絵画展、広電電車に乗って市内を巡るスタンプラリー、アリスガーデンでの市民応援団と連携したイベント、路面電車まつりなど様々な関連イベントを実施しました。
※関連イベントの結果概要は、下記の関連情報「LRT都市サミット広島2009 関連イベントの結果概要」をご覧ください。


関連情報
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このページに関するお問い合わせ
道路交通局公共交通政策部 鉄軌道担当
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