平和文化の振興

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ページ番号1015116  更新日 2025年4月1日

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広島市では、核兵器の廃絶に向け、為政者の政策転換を促す環境づくりを進めていくためには、市民一人一人が日常生活の中で、平和について考え行動する「平和文化」を市民社会に根付かせ、平和意識を醸成していくこと、すなわち「平和文化の振興」を図っていく必要があると考えています。
そのため、広島市では、広島市総合計画(広島市基本構想/第6次広島市基本計画)にこの取組を推進することを掲げ、市民に最も身近な存在である自治体の首長により構成される平和首長会議においても、2021年(令和3年)7月に策定した行動指針である「持続可能な世界に向けた平和的な変革のためのビジョン(PXビジョン)」に「平和文化の振興」を目標の一つに掲げて、世界の加盟都市と共に取り組むこととしています。

「平和文化」を根付かせる活動とは?

「平和文化」を根付かせる活動とは、例えば、音楽や美術などの芸術文化活動、言葉や文化の違いを超えて感動を分かち合えるスポーツ活動、花や緑により安らげる景観をつくる活動など、その形は様々ですが、日常生活の中で「平和」への思いを込めて行う活動や、平和を感じ、平和が続いてほしいという思いにつながる活動であると考えています。

平和文化を振興する意義

核兵器の廃絶を実現するためには、市民社会において、核兵器のない世界を目指すという総意を形成し、その総意を受け止める為政者を選出することにより、世界規模で核抑止論からの政策転換を押し進めるような大きな潮流をつくり出していく必要があります。

その際、より根源的に重要となるのは、市民一人一人が日常生活の中で平和について考え行動する平和文化が、広く市民社会に根付いていることであり、そのための環境づくりは、市民に最も身近な存在である都市の役割です。

広島市は、核兵器のない真に平和な世界の実現に向かうためには、世界平和の創造に向けた思いを国際社会の総意にまで高めることが必要であり、都市が平和文化を振興するならば、各国の為政者は、核兵器に頼らない人類のための安全保障を目指すようになると考えています。このように、平和文化を振興することは、為政者の政策転換を確実かつ着実に促すことにつながると考えています。

平和文化の振興が目指す究極の目標

平和文化を振興するための取組

平和文化の振興に資するまちづくりの例


平和文化を広く市民に根付かせるための環境づくりとして、具体的な取組事例を紹介します。

1つ目の「文化芸術活動・スポーツ交流により平和を実感できるまちづくり」では、文化やスポーツのイベント等を実施し、参加者が平和であることに思いを馳せることができる機会をつくる取組が挙げられます。

2つ目の「平和の思いを共有する学習や活動の機会に恵まれたまちづくり」では、次代を担う青少年への平和教育や、市民が平和について学ぶことができる生涯学習の場の提供などが考えられます。

3つ目の「まちの姿を通して平和の願いを発信するまちづくり」では、花により安らげる景観をつくるといったソフト事業や、平和を象徴する建築物の整備などのハード事業も事例として考えられます。

4つ目の「被爆の実相を自分のこととして受け止めることができるまちづくり」では、被爆建物の保存活動や、被爆体験の伝承活動などの取組が挙げられます。

5つ目の「平和都市として国際的に認知されるまちづくり」では、国際的な交流イベントの実施や、国内外に向けて平和のメッセージを発信する取組などが、平和文化の振興に資するといえます。

平和文化の振興に資する取組事例

広島市及びその外郭団体等では、市民団体や企業等が主体となって行う平和文化の振興に資する取組について後援等の支援をしています。これまでの取組事例をいくつか紹介します。

文化芸術活動・スポーツ交流により平和を実感できるまちづくり

第30回広島県5大学吹奏楽の夕べ

事業概要

演奏会を通じて広島県の文化活動の発展への貢献を目的として開催するもので、広島県内の大学の吹奏楽活動を行う5つの団体(広島大学吹奏楽団・尾道市立大学吹奏楽団・県立広島大学吹奏楽部・県立広島大学ウインドオーケストラ・広島国際大学吹奏楽部)が、単独演奏と合同演奏を行います。

主催者

広島県大学吹奏楽の夕べ実行委員会

広島市等の支援

後援(広島市・広島市教育委員会)

豊稔ひろしま和太鼓フェスティバルの開催

事業概要

性別や年齢を問わず、来場者へ幅広く和太鼓の演奏を楽しんでもらう場を提供し、日本の伝統文化を継承するため、広島みなと公園において和太鼓の演奏を行います。

また、当日は「ひろしまみなとマルシェ」を同時開催し、広島県産の農水産物等の販売やステージイベントを行います。

豊稔ひろしま和太鼓フェスティバルの様子

主催者

豊稔ひろしま和太鼓フェスティバル実行委員会

広島市等の支援

後援(広島市)

平和への思いを共有する学習や活動の機会に恵まれたまちづくり

中国新聞みんなの新聞コンクール

事業概要

中国地方の小・中・高等学校や特別支援学校の児童生徒及びその家族を対象に、新聞感想文、新聞切り抜き作品、ジュニア新聞、ファミリー新聞の4つの部門で、新聞感想文やオリジナル新聞などの作品を募集しています。

平和学習や身近な問題をテーマにした様々な作品の中から選ばれた入賞作品は、中国新聞朝刊で発表します。特別賞作品は、広島市や福山市などで展示しています。

主催者

株式会社中国新聞社

広島市等の支援

後援(広島市教育委員会)

緑の伝言プロジェクト

事業概要

被爆樹木の保全・保護活動の支援を目的としたプロジェクトで、広島市の登録する被爆樹木を8月6日付け中国新聞紙面で紹介するほか、新聞以外にも、特設Webサイトや中国新聞「アシタノ」での情報発信、紹介、ポスター配布、広島市各所案内所A4チラシ設置、一般参加者を募っての被爆樹木めぐりイベント等も企画、実施しています。毎年、収益の一部を広島市(平和推進課)に対し、被爆樹木の保存に役立ててもらうために寄付しています。

主催者

株式会社中国四国博報堂

広島市等の支援

後援(広島市)

まちの姿を通して平和への願いを発信するまちづくり

RiverDo!ひろしま川祭り

事業概要

市内を流れる川や雁木、河岸緑地を活用して、SUP(Stand Up Paddleboard:ボードの上に立ち、パドルを漕いで水面を進むスポーツ)の国際大会を行うとともに、様々なアクティビティやステージイベント等を実施することで、広島が国内外からより多くの来訪者を引き付け、活気に満ちた都市であり続けるために必要な、平和と自然と健康が融合した新しい都市の魅力を創出します。

RiverDo!ひろしま川祭りの様子

RiverDo!ひろしま川祭りの様子

主催者

RiverDo!ひろしま川祭り実行委員会

広島市等の支援

後援(広島市)

JICA中国 高校生国際協力体験プログラム

事業概要

中国5県の高校生を対象に、国際協力に関する合宿セミナーを実施し、国際協力、JICA事業への理解と関心を深めるとともに、「知る」「理解する」「行動する」、への学びの過程をとおして、持続可能な地域づくりへの参加者の主体的参加を促進するとともに、国際協力人材育成の一助となることを目的としています。

主催者

JICA中国

広島市等の支援

後援(広島市教育委員会)

被爆の実相を自分のこととして受け止めることができるまちづくり

被爆体験伝承講話

事業概要

平和文化の振興を図るため、地域で生まれ育った被爆体験伝承者が、地域の子どもや若い世代に向け被爆の実相を語り継ぎ、「平和への願い」を共有します。

主催者

大塚・伴南学区社会福祉協議会

広島市等の支援

後援(広島市)

企画展「いま、ここにあるヒロシマ」

事業概要

原爆の惨禍を繰り返さないために、戦火の広がるいま、何を伝え、何をすべきか。原爆ドームとゆかりのある人たちの紹介、平和ガイド、資料展示、ワークショップ、映像上映とトーク、アート展などを通し、国を超えた平和を願う広島の理念を伝えるイベントを行います。

企画展「いま、ここにあるヒロシマ」の様子

企画展「いま、ここにあるヒロシマ」の様子

主催者

「原爆ドームとヒロシマ」実行委員会

広島市等の支援

後援(広島市)

平和都市として国際的に認知されるまちづくり

サッカーピースマッチ・ピースアクティビティ

事業概要

サンフレッチェ広島は、被爆地で活動するクラブチームとして、2018シーズンから8月6日直近のホームゲームを“ピースマッチ“として位置づけ、サッカーを通じて核兵器の廃絶と世界恒久平和の実現を願うメッセージを発信しています。

具体的には、スタジアムのライトアップを始め、市長(登壇)や被爆者代表(映像)からのメッセージを紹介し平和をアピールするほか、両チームキャプテンによる平和宣言・黙とう、来広チームの平和学習の模様の紹介などを行っています。

サッカーピースマッチ・ピースアクティビティの様子

サッカーピースマッチ・ピースアクティビティの様子

サッカーピースマッチ・ピースアクティビティの様子

主催者

株式会社サンフレッチェ広島

広島市等の支援

後援(広島市、広島市教育委員会、公益財団法人広島平和文化センター、平和首長会議)

広島ワールド ピース フラッグ セレモニー

事業概要

世界194か国の国旗を一国一国掲げながら「○○国が平和でありますように」と祈るフラッグセレモニーを開催し、世界各地から広島を訪れた人々が、国や人種、宗教などの違いを超え、英語、母国語などで世界各国の平和を一緒に祈ります。なお、セレモニーの状況は、後援団体である国連NGO May Peace Prevail On Earth Internationalによりインターネットで同時中継されます。

広島ワールド ピース フラッグ セレモニーの様子

主催者

ワールド ピース フラッグ セレモニー ヒロシマ

広島市の支援等

後援(広島市、広島平和文化センター)

平和文化月間の取組

広島市では、平和文化を市民社会に根付かせるための環境づくりとして、2021年(令和3年)から、毎年11月を平和文化月間と定め、民間企業や市民団体等の協力を得て、平和文化をテーマにした様々なイベントを集中的に実施しており、その取組の輪は周辺の市町にも広がっています。また、広島市は、平和首長会議の会長都市として、こうした取組を先行して実施し、成功事例として世界中の加盟都市に示すことで、市民社会に「平和文化」を根付かせるための取組を世界中に波及させていきたいと考えています。

写真:平和文化月間におけるイベント開催の様子


平和文化月間の取組について、詳しくは以下のリンクをご覧ください。

平和文化ロゴマークについて

広島市及び広島平和文化センターでは、平和文化の振興に資する様々な取組を広く周知するため、「平和文化ロゴマーク」を定めています。このロゴマークは、市民の皆様が実施する平和文化の振興に資する取組(平和文化月間イベントとして期間中に実施されるイベントを含みます。)で、広島市が後援等を行うものについて、チラシやホームページなどで広報等を行う場合に使用していただけます。

平和文化ロゴマーク

使用に当たっては、「平和文化ロゴマーク取扱要綱」や「平和文化ロゴマークデザインマニュアル」を確認してください。

冊子「平和文化の振興」について

このページで紹介した、広島市が取り組む「平和文化の振興」についてまとめた冊子を作成しています。

このページに関するお問い合わせ

市民局国際平和推進部 平和推進課
〒730-8586 広島市中区国泰寺町一丁目6番34号
電話:082-504-2898(代表) ファクス:082-504-2986
[email protected]