広島平和記念資料館 学習ハンドブック 資料館によく寄せられる質問Q&A
Q1 被爆した人に水を飲ませると死んでしまうというのは本当なの?
A
火傷をすると体内の水分が失われ脱水状態を引き起こすので、通常は飲みすぎなければ水を飲んでも構いません。しかし、原爆での被災により起こる火傷は直接、命の危機につながるものが多く、今にも死にそうな状態で水を飲んだ被災者は、ほっと安心し、緊張が解け、亡くなっていったのではないかと言われています
Q2 原爆ドームは、原爆が投下される前は何だったのか。また、爆心地にとても近いのに、どうして崩れずに残ったのか?
A
現在、原爆ドームと呼ばれている建物は、1915年(大正4年)に広島県の物産品の販売促進を図る拠点とすることを目的として建てられた、「広島県物産陳列館」という名称でした。その後、「広島県立商品陳列所」、「広島県産業奨励館」と改称されました。チェコ人建築家ヤン・レツルが設計した大胆なヨーロッパ風の建物は、広島の名所の1つとなり、シンボルともなりました。この建物は、県の物産品の展示・販売を行うほか、美術展や博覧会など各種催し物の会場として親しまれました。しかし、戦争が激しくなった1944年(昭和19年)3月には産業奨励館としての業務が廃止され、その後は内務省中国・四国土木出張所や広島県地方木材・日本木材広島支社などの統制会社の事務所として使用されていました。
原爆の炸裂による熱線と爆風によって、建物は大破・全焼し、中にいた人は全員亡くなりました。しかし、爆心地にとても近く、爆風をほぼ真上から受けたため、側面の厚い壁など、建物の構造上、垂直方向からの圧力に対する耐力が強かった部分の一部は残りました。
Q3 どうしてヒロシマとカタカナで書くのですか?
A
広島を「ヒロシマ」と書きあらわすことについて、使い方がはっきりと決まっているわけではありません。新聞では、たとえば、「ヒロシマの記憶」のように、平和や原爆に関連する記事では、普通の地名の広島と区別する意味で使っているそうです。広島市役所では、被爆都市として世界恒久平和の実現をめざす都市であることを示す場合に、「ヒロシマ」を使っています
Q4 放射線と放射能ってどう違うの?
A
放射線を出すものを「放射性物質」と呼びます。これを電球に例えてみると、放射線が電球の光、そして放射能は光を出す力(能力)です。
放射線は、植物や岩石など自然のものや、エックス線を出す装置などの人工物から、ごく少ない量が出ています。自然の状態でも、いろいろな物質の原子核が分裂して放射線を出していますが、ごく少ない量なので人の体への影響はほとんどありません。
しかし、たくさん浴びると人の体に悪影響があります。
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