原爆ドーム第5回保存工事
第8回健全度調査(平成26年度実施)で劣化が確認された部分のうち、劣化の程度が比較的大きく、このまま放置すると劣化の進行が著しくなる可能性のある以下の箇所について、補修を行いました。
なお、原爆ドームの保存については、視覚上の外観変更は原則として行わないこと、オリジナル部分には可能な限り保存の手を直接入れないこと、極力、可逆的であることの3点を基本方針としています。
鋼材の塗装
錆転換型下塗り+ふっ素樹脂塗料(弱溶剤形)により全面塗装を行いました。
ケレンはRB種3種ケレンBとしました。
これは、高浸透性の下地処理剤と錆転換型の下塗りにより錆を固定化させ、緻密で安定した黒錆に転換することで、長期にわたり防食性を維持することを目的としています。
ア オリジナル鋼材の塗装
被爆直後に米軍が撮影した写真を基に、色の推定を行い、塗装を行いました。


イ 補強鋼材
オリジナル鋼材と区別するため、暗く目立たない色で塗装を行いました。


煉瓦(れんが)目地の補修
目地のシール材が浮き上がり、躯体から離れた状態となって草の生育が見られるため、浮き上がった目地材を撤去し、草を取り除き、砂漆喰を目地に塗り込むこととしました。
砂漆喰(すなしっくい)は透湿性が高く、比較的自然な材料です。


補強金物の補修
過去の保存工事において、金物により補強された部分に錆汁や表面保護モルタルの浮きが見られたため、金物を同じ形状のステンレス鋼材に置き換え、モルタル等により断面修復しました。


方立のひびわれ補修
ひびわれに対して人の力により、無機系の超微粒子セメント等を流し入れて補修しました。表面は色あわせを行い、目立たない処理を施しました。


関連動画
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原爆ドーム第5回保存工事 施工中動画(ドーム外観)(YouTube)(外部リンク)
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原爆ドーム第5回保存工事 施工中動画(ドーム内部)(YouTube)(外部リンク)
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原爆ドーム第5回保存工事 施工中動画(ドーム上部)(YouTube)(外部リンク)
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