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建物の被害

ページ番号:0000009401 更新日:2022年3月18日更新 印刷ページ表示

 原爆の強烈な爆風と熱線は、爆心地から2キロメートル以内の建物をほとんどすべて破壊し、焼き尽くしました。2キロメートルを超える地域でも、木造の建物は大破以上の被害を受け、当時の広島市内の建物の9割が壊滅的な被害を受けました。昭和21年(1946年)度市勢要覧によると、被爆前の建物7万6,327件のうち、原爆により5万1,787件が全壊または全焼し、「一部損傷以下」の建物は6,180件にすぎませんでした。

 さらに被爆後、使用に耐えない建物が取り除かれ、その後、応急修復してしばらく使用されていた建物も取り壊されていき、復興後も新たに求められる建物機能に応えられなくなった建物が、建て替えなどにより次々と姿を消していくようになりました。

 このため、市民から被爆建物の保存などを求める要望が出され、市議会でも「この歴史的財産を後世の広島市民に伝承すべきである」との決議が行われました。そこで、広島市では平成5年(1993年)に被爆建物等保存・継承実施要綱を定め、爆心地から5キロメートル以内に現存する建物などを被爆建物台帳に登録し、所有者に保存・継承の協力を呼びかけ、保存工事の際に費用助成を行っています。

 現在、爆心地から半径5キロメートル以内には、原爆ドームをはじめ86件(公共所有22件・民間所有64件、令和4年3月1日現在)の被爆建物が残り、被爆の痕跡を今に伝えています。

 また、被爆したとき、広島市内には50を超える橋が架かっていましたが、その多くは爆心地から2.5キロメートル以内に集中しており、多大な被害を受けました。かろうじて焼失や壊滅を免れた橋も、翌9月の枕崎台風や10月の風水害でその多くが流出しました。
 その後も老朽化した橋や新たな交通需要や安全基準に応えられなくなった橋は架け替えられ、現在、爆心地から半径5キロメートル以内に残る被爆橋梁は6橋のみです。

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