本文
土地に対する税負担の調整措置(負担調整措置)
平成9年度の評価替え以降、課税の公平の観点から、地域や土地によりばらつきのある負担水準を均衡化させることを重視した税負担の調整措置(負担調整措置)が講じられています。この措置は、令和3年度の税制改正により、令和3年度から令和5年度までの間、継続されることとなりました。
負担水準とは、個々の土地の前年度課税標準額が今年度の価格に対してどの程度まで達しているかを示すものであり、次の算式によって求められます。
負担水準 = 前年度課税標準額(※1) ÷ 今年度の価格(※2) ※1 前年の1月2日から今年の1月1日までの間に分筆、合筆、地目の変換などがあった土地は、当該土地に類似する土地に比準して求めた額となります。 |
また、この措置により、税負担は段階的に上昇することとなります(商業地等では、負担水準が0.6以上の場合、税負担は引き下げまたは据え置きとなります。)。具体的には、次のような仕組みとなっており、令和3年度と令和4年度・令和5年度で異なります。
負担調整措置の仕組み(計算方法)
1 令和3年度
課税標準額は、次の(1)または(2)のいずれか小さい方の額となります。
(1) 本来の課税標準額
当該年度の価格
ただし、住宅用地・市街化区域農地に対する課税標準の特例措置の適用がある土地については、課税標準の特例措置を適用した後の額となります。
(2) 負担調整措置を適用した課税標準額
区 分 | 令和3年度固定資産税課税標準額 | |
---|---|---|
商業地等 (※1) |
負担水準(※2)が0.7を超える場合 | 令和3年度価格(※3)×0.7 |
負担水準(※2)が0.6以上0.7以下の場合 | 令和2年度固定資産税課税標準額(※4)を据え置きます。 | |
負担水準(※2)が0.6未満の場合 |
令和2年度固定資産税課税標準額(※4)を据え置きます。 |
|
住宅用地 または 農地 |
※1 事務所・店舗・工場の敷地等の非住宅用地のほか、駐車場等、宅地に比準して価格を求める雑種地等をいいます。
※2 負担水準=前年度課税標準額(※4)÷当該年度の価格(※3)
※3 課税標準の特例の適用がある場合は、特例適用後の額となります。
※4 令和2年1月2日から令和3年1月1日までの間に分筆、合筆、地目の変換などがあった土地は、当該土地に類似する土地に比準して求めた額となります。
令和3年度の評価替えでは、多くの土地において価格が上昇しており、本来であれば税負担が段階的に上昇するところですが、新型コロナウイルス感染症により、社会経済活動や国民生活全般が大きく変化したことを踏まえ、令和3年度に限っては、令和3年度の課税標準額を令和2年度の課税標準額に据え置く特別な措置が講じられています。
ただし、住宅用地の認定が変わった土地や分筆、合筆、地目の変換などがあった土地の場合は、令和3年度の課税標準額が令和2年度の課税標準額と異なっていることがあります。 |
2 令和4年度・令和5年度
課税標準額は、次の(1)または(2)のいずれか小さい方の額となります。
(1) 本来の課税標準額
当該年度の価格
ただし、住宅用地・市街化区域農地に対する課税標準の特例措置の適用がある土地については、課税標準の特例措置を適用した後の額となります。
(2) 負担調整措置を適用した課税標準額
- 商業地等(※1)
負担水準(※2) | 令和4年度(令和5年度)固定資産税課税標準額 |
---|---|
0.7超 | 当該年度の価格(※3)×0.7 |
0.6以上0.7以下 | 前年度課税標準額(※4)を据え置きます。 |
0.6未満 | 前年度課税標準額(※4)+当該年度の価格(※3)×5%(※5) ただし、上記により計算した課税標準額が、 ・当該年度の価格(※3)の60%を上回る場合には、当該価格の60%となります。 ・当該年度の価格(※3)の20%を下回る場合には、当該価格の20%となります。 |
※5 令和4年度に限り、2.5%とする特別な負担調整措置が講じられています。
- 住宅用地
令和4年度(令和5年度)固定資産税課税標準額 |
---|
前年度課税標準額(※4)+当該年度の価格(※3)×5%
ただし、上記により計算した課税標準額が、当該年度の価格(※3)の20%を下回る場合には、当該価格の20%となります。 |
- 農地
前年度課税標準額(※4)×負担調整率
負担水準(※2) | 負担調整率 |
---|---|
0.9以上 | 1.025 |
0.8以上0.9未満 | 1.05 |
0.7以上0.8未満 | 1.075 |
0.7未満 | 1.1 |
ただし、勧告遊休農地(耕作されていない農地で、農業委員会からの農地中間管理機構との協議勧告を受けたもの)には適用されません。
※1 事務所・店舗・工場の敷地等の非住宅用地のほか、駐車場等、宅地に比準して価格を求める雑種地等をいいます。
※2 負担水準=前年度課税標準額(※4)÷当該年度の価格(※3)
※3 課税標準の特例の適用がある場合は、特例適用後の額となります。
※4 令和3年(令和4年)1月2日から令和4年(令和5年)1月1日までの間に分筆、合筆、地目の変換などがあった土地は、当該土地に類似する土地に比準して求めた額となります。
【負担調整措置のイメージ】
- 商業地等の固定資産税課税標準額の変動例
※ 上記例の場合、負担水準が60%になるまで、段階的に課税標準額が引き上げられることになります。
- 小規模住宅用地の固定資産税課税標準額の変動例
※ 部分は、本来の課税標準額と比べて各年度の課税標準額が低いことを表しています。このため、本来の課税標準額になるまで、段階的に課税標準額が引き上げられることになります。