本文
一昨年来、新型コロナウイルス感染症が市民生活に大きな影響を与えている中、本市においては、累次の補正予算措置を講じ、感染拡大の防止と経済活動の活性化を両立させながら、市民の生活を守るための取組を国・県との適切な役割分担の下で進めてきました。
しかしながら、本年に入り、オミクロン株の影響により、全国的に第5波までとは比較にならないスピードで感染が拡大し、本市では社会経済活動が制約される状況になりました。
こうした状況下において、本市としては、市民の方々に感染防止の取組を行っていただきながら、引き続き、切れ目なく万全の対策を講じることとし、国の「16か月予算」で措置される財源を活用して、令和3年度2月補正予算と令和4年度当初予算を一体的に編成しました。
新年度予算編成に当たっては、感染症対策など直面する課題に最優先で取り組みつつ、「平和文化の振興」や「地域コミュニティの活性化」などの重要課題に、前向きで強い信念を持って取り組むことで、世界に誇れる「まち」広島の実現が図られるよう意を用いました。
このような考え方の下で編成した新年度予算に基づき、広島市総合計画に掲げた「世界に輝く平和のまち」、「国際的に開かれた活力あるまち」、「文化が息づき豊かな人間性を育むまち」という3つの柱に沿ったまちづくりを進めます。
「世界に輝く平和のまち」に関しては、昨年、平和首長会議の「持続可能な世界に向けた平和的な変革のためのビジョン」(PXビジョン)において目標の一つとして位置付けた「平和文化の振興」に取り組むことにより、日本中に更には世界中に平和への思いを広め、為政者が核抑止力に依拠しない政策へと転換するための環境づくりを目指します。
具体的には、「平和文化の振興」に関する冊子の作成やワークショップなどの開催に取り組むとともに、引き続き、11月を平和文化月間と定め、平和文化をテーマにしたコンサートの開催など様々な取組を集中的に実施し、市民一人一人が幸せに暮らすために大切となるものへの思いを共有し、自分にできることを日常生活の中で実践できるようにしていきます。
また、平和首長会議総会を開催し、核兵器のない平和な未来の創造に向け、加盟都市が今後の取組について議論するとともに、平和首長会議設立40周年を記念する行事を行います。
「国際的に開かれた活力あるまち」に関しては、広島内外の人が集い交流し、にぎわうまちを目指し、広島駅周辺地区において、南口広場の再整備等に向けて工事を進めるとともに、中央公園においては、サッカースタジアムや旧広島市民球場跡地イベント広場の整備に取り組みます。
また、新たに延伸に取り組む広島高速4号線のほか、広島高速5号線や新交通西風新都線などの交通ネットワークの整備、西広島駅北口地区や西風新都におけるまちづくり、東部地区連続立体交差事業などを着実に進めます。
さらに、中山間地・島しょ部について、引き続き、似島臨海少年自然の家の整備や戸山地域・湯来地域の活性化プランを推進するとともに、空き家に関する相談から活用までを一体的に支援する取組を開始します。
「文化が息づき豊かな人間性を育むまち」に関しては、市民や国内外の観光客が本市における文化芸術に触れる機会の拡充を図るため、音楽とメディア芸術を柱とした「第1回ひろしま国際平和文化祭」を8月に開催するとともに、広島城の魅力向上を図るため、広島城三の丸歴史館の設計などに取り組みます。
また、住民同士が支え合い、安全・安心に暮らすことができる地域を創り、持続可能な地域社会の実現を図ることを目的とした「広島市地域コミュニティ活性化ビジョン」に掲げる取組を着実に実施するとともに、地域における多様な課題に応じた取組を行う「協同労働」を一層推進します。
さらに、未来を担う子どもに関する新たな取組として、小児がんの治療のための造血細胞移植後等の予防接種の再接種費用を助成するほか、学校教育において「伝統文化」などのテーマに沿って地域人材等を活用した授業を実施するとともに、中学校における選択制のデリバリー給食の解消を進めます。
このように、限られた財源の中、引き続き事務・事業の見直しに取り組むとともに、社会経済情勢の変化にデジタル技術を活用して的確に対応するために、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を推し進めるなど、効果・効率性の高い持続可能な行政体制の構築に意を用いながら、真に求められる施策について、重点的に予算配分しました。
(単位:%)
区分 |
令和4年度 当初予算額(A) |
令和3年度 当初予算額(B) |
差引(A)-(B) |
伸率 |
---|---|---|---|---|
一般会計 |
6,588億8,140万9千円 |
6,837億2,457万1千円 |
▲248億4,316万2千円 |
▲3.6 |
特別会計 |
4,149億952万5千円 |
4,369億627万円 |
▲219億9,674万5千円 |
▲5.0 |
企業会計 |
1,476億2,347万7千円 |
1,474億7,682万5千円 |
1億4,665万2千円 |
0.1 |
全会計 |
1兆2,214億1,441万1千円 |
1兆2,681億766万6千円 |
▲466億9,325万5千円 |
▲3.7 |
※一般会計の令和3年度当初予算額には、参議院議員選挙の実施に係る補正予算額 3億6,429万9千円を含む。
(単位:%)
区分 |
R4 |
R3 |
R2 |
R元 |
H30 |
H29 |
H28 |
H27 |
H26 |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
広島市 |
一般会計 |
▲3.6 |
4.2 |
▲2.0 |
2.9 |
0.8 |
7.8 |
▲1.3 |
3.6 |
2.8 |
全会計 |
▲3.7 |
3.2 |
▲1.1 |
2.4 |
▲0.6 |
3.7 |
▲0.4 |
3.2 |
▲0.1 |
|
国 |
一般会計 |
0.9 |
3.8 |
1.2 |
3.8 |
0.3 |
0.8 |
0.4 |
0.5 |
3.5 |
うち一般歳出 |
0.7 |
5.4 |
2.5 |
5.2 |
0.9 |
0.9 |
0.8 |
1.6 |
4.6 |
|
地方財政計画 |
0.9 |
▲1.0 |
1.3 |
2.7 |
0.3 |
1.0 |
0.6 |
2.3 |
1.8 |
(単位:%)
区分 |
令和4年度 当初予算額(A) |
令和3年度 当初予算額(B) |
差引(A)-(B) |
伸率 |
---|---|---|---|---|
個人市民税 |
1,018億8,222万3千円 |
984億151万8千円 |
34億8,070万5千円 |
3.5 |
法人市民税 |
189億3,044万3千円 |
143億898万円 |
46億2,146万3千円 |
32.3 |
固定資産税 |
859億496万2千円 |
836億3,694万3千円 |
22億6,801万9千円 |
2.7 |
その他 |
344億9,165万2千円 |
338億6,221万2千円 |
6億2,944万円 |
1.9 |
計 |
2,412億928万円 |
2,302億965万3千円 |
109億9,962万7千円 |
4.8 |
市税収入は、法人市民税の増収等により、対前年度4.8%の増となる見込み。
(単位:%)
区分 |
令和4年度 当初予算額(A) |
令和3年度 当初予算額(B) |
差引(A)-(B) |
伸率 |
---|---|---|---|---|
普通交付税 |
(770億円) 545億円 |
(880億円) 400億円 |
(▲110億円) 145億円 |
(▲12.5) 36.3 |
特別交付税 |
15億円 |
15億円 |
0 |
- |
計 |
(785億円) 560億円 |
(895億円) 415億円 |
(▲110億円) 145億円 |
(▲12.3) 34.9 |
※ ( )は、「臨時財政対策債」を含んだ場合の金額
国の地方財政対策、令和3年度の地方交付税の収入見込額等を勘案し、560億円を見込む。
令和4年度の地方財政対策においては、令和3年度に引き続き、従来、地方交付税で補塡されていた地方の財源不足の一部が「臨時財政対策債」(市債)で補塡されることとなっている。ただし、この「臨時財政対策債」については、元利償還金相当額が普通交付税の基準財政需要額に算入される。
(単位:%)
区分 |
令和4年度 当初予算額(A) |
令和3年度 当初予算額(B) |
差引(A)-(B) |
伸率 |
---|---|---|---|---|
一般事業債 |
465億8,420万円 |
525億5,850万円 |
▲59億7,430万円 |
▲11.4 |
臨時財政対策債 |
225億円 |
480億円 |
▲255億円 |
▲53.1 |
計 |
690億8,420万円 |
1,005億5,850万円 |
▲314億7,430万円 |
▲31.3 |
(単位:%)
区分 |
令和4年度末残高(a) |
令和3年度末残高(b) |
差引(a)-(b) |
伸率 |
|
---|---|---|---|---|---|
一般会計債 |
1兆1,985億5,373万2千円 |
1兆1,648億1,198万8千円 |
337億4,174万4千円 |
2.9 |
|
|
臨時財政対策債残高等控除後残高 |
6,849億9,317万5千円 |
6,858億9,810万3千円 |
▲9億492万8千円 |
▲0.1 |
(注)臨時財政対策債残高等控除後残高とは、市債残高の総額から、臨時財政対策債残高と、将来の返済に備えて減債基金に積み立てている額を除いた額である。
財源調整のための基金
財政調整基金繰入金 20億円(令和3年度当初予算 -)
区分 |
令和4年度末残高(A) |
令和3年度末残高(B) |
差引(A)-(B) |
---|---|---|---|
財政調整基金 |
98億2,300万円 |
118億2,000万円 |
▲19億9,700万円 |
区分 |
財政調整基金 |
||
---|---|---|---|
令和2年度末残高(出納整理期間を含む) |
49億200万円 |
||
令和3年度中増減 |
積立 |
12月補正予算(剰余金等積立) |
12億1,600万円 |
2月補正予算 |
57億円 |
||
運用益 |
200万円 |
||
計 |
69億1,800万円 |
||
取崩し |
補正予算の専決処分 |
1億4,400万円 |
|
9月補正予算 |
2億2,900万円 | ||
12月補正予算(取崩しの減) |
▲3億7,300万円 |
||
計 |
0 |
||
令和3年度末残高(出納整理期間を含む) |
118億2,000万円 |
||
令和4年度中増減 |
運用益積立 |
300万円 |
|
取崩し |
▲20億円 |
||
令和4年度末残高(出納整理期間を含む) |
98億2,300万円 |
予算の概要等、詳細については下のダウンロードファイルをご覧ください。