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2013年12月04日 「市政車座談義」の開催結果

1 日時

平成25年(2013年)12月4日(水曜日)15時00分~17時20分

2 開催場所

サテライトキャンパスひろしま大講義室(広島県民文化センター5階)

3 参加者

7名(※敬称略)

  1. うらぶくろ商店街振興組合 副理事長 奥原 誠次郎
  2. 横川商店街振興組合 理事長 村上 正
  3. コイン通り商店街振興組合 理事長 廣川 数明
  4. (公財)広島観光コンベンションビューロー 観光振興部長 坂本 一博
  5. 広島市観光ボランティアガイド協会 会長 栗栖 光惠
  6. 「ひろしま通」ホスピタリティグループ 藤原 一
  7. ひろしま市民パブリシスト 有田 武志

4 テーマ

商店街の観光資源化による観光振興と商店街活性化
-広島市のおもてなし力アップ-

5 傍聴者

7名

6 会議次第

  • 市長あいさつ
  • 各商店街の取組紹介(各商店街振興組合)
  • 市の観光施策等紹介(広島市観光企画担当課長)
  • 各商店街の今後の取組と課題(各商店街振興組合)
  • 意見交換

7 会議の要旨

観光企画担当課長(司会)

ただいまから、市政車座談義を開催させていただきます。

私は、経済観光局観光企画担当課長の田村と申します。本日の司会・進行役を務めさせていただきます。あまりこのような経験が無いものですから、ひとつ皆さんのお力添えで、滞りなく終わるようによろしくお願いいたします。

本日は、商店街の活性化と、観光の振興という2つの市政課題を取り上げまして、「商店街の観光資源化による観光振興と商店街活性化」、副題としまして「広島市のおもてなし力アップ」という、このようなテーマで関係団体の方にお集りいただきまして、始めさせていただきたいと思います。

本日は各団体の皆さんと市長と自由闊達に肩の力を抜いて、思いきり議論と意見交換をやっていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

それでは、まず始めに、市長から一言ご挨拶をお願いいたします。

市長あいさつ

市長

こういう形で参加いただきまして、ありがとうございます。

タイトルは商店街の活性化、それから観光ということを絡めて、こういったことについて、我が市の活性化を行政のみならず、地域の皆さんが一緒に考えるということをやりたいというのが元々のねらいです。

ですから、いろんな意味で方向付け、「こういうのがいいのではないか」「ああいうのがいいのではないか」と、みんながいろんな意見を出し合ってもらって、そして、その地域ごとに今の役所のいろんなルール等懸案がありますよね、その中で、いきなり全部は変えられません。ですから、変えられるところ、必要なところをちょっとずつでも変えながら、今までの規則と現状を突合させながら進行していくことをやりたいんです。

そのときに、皆さんが言われる意見と、行政がいろんな掟とか規則を持っています。そこのどこが上手く合うのか、こっちを直すべきか、こっちの方を工夫するのか、そういった双方のやり取りをしながら、物事を一歩ずつ進めるということをやりたいんです。これを一過性ではなくて、こういう形で皆さんと話を始めますけど、やり始めたら行政と地元の皆さんが一緒になってずっと継続するというものにしていきたいんです。

そうしないと事業も継続しませんし、地域は本当に活性化しません。こういう取組が自分たちのものになるという仕掛けまで持って行きたい。そのための方向付けをこういう場でやりたいというのが私の願いであります。

私自身も、もちろん個人でありますから、いつもいつもはできません。ここには、区長が来ています、西区、中区、佐伯区の区長がおります。職員もおります。区長というのは、区長の立場でやっていますから、個人が変わっても区長職でこういうのをやってもらい、局長もおりますから、経済観光局が所管の中心ですけども、その出先の各区長、職員みんなが、地域ごとの取組というのをやっていただくと、そのための仕掛けをどうするかということを中心にぜひやらせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

参加者の紹介

観光企画担当課長(司会)

それでは、まず最初に、本日ご参加の皆さんを簡単に紹介させていただきます。

まず、商店街の皆さまを紹介いたします。うらぶくろ商店街振興組合の奥原副理事長様です。

うらぶくろ商店街振興組合

副理事長の奥原です。どうぞよろしくお願いいたします。

観光企画担当課長(司会)

続きまして、横川商店街振興組合の村上理事長様です。

横川商店街振興組合

村上です。よろしくお願いいたします。

観光企画担当課長(司会)

続きまして、コイン通り商店街振興組合の廣川理事長様です。

コイン通り商店街振興組合

コイン通り商店街の廣川です。よろしくお願いします。

観光企画担当課長(司会)

また、本日は、観光ボランティア団体や、観光振興団体の方々もご参加いただいておりますので、ご紹介いたします。

まずは、広島市観光ボランティアガイド協会の栗栖会長さんです。広島市観光ボランティアガイド協会は、観光ガイドの活動を通じまして、広島市の観光振興に寄与することを目的として設立されている団体です。主に平和公園、広島城、縮景園などを観光案内していただいています。

広島市観光ボランティアガイド協会

栗栖です。よろしくお願いいたします。

観光企画担当課長(司会)

次に、「ひろしま通」ホスピタリティグループの藤原さんです。「ひろしま通」ホスピタリティグループは、「ひろしま通」認定試験の認定者で組織され、原爆記念日やフラワーフェスティバルなど観光客がたくさん訪れる時期に臨時観光案内所を開設いただくなどの活動をしていただいています。

「ひろしま通」ホスピタリティグループ

「ひろしま通」ホスピタリティグループの藤原一と申します。よろしくお願いします。

観光企画担当課長(司会)

次に、ひろしま市民パブリシストの有田さんです。ひろしま市民パブリシストは、広島市と協力して、まちの出来事や風景を自ら取材し、広島の良さを写真や記事でPRするボランティアのレポーターの方々でございまして、さまざまな切り口で広島のとっておきのスポットやお勧め情報を、市のメールマガジン「ひろしまファンクラブ」や文化情報マガジン「to you」などで紹介していただいております。

ひろしま市民パブリシスト

有田です。どうぞよろしくお願いいたします。

観光企画担当課長(司会)

最後に、広島観光コンベンションビューローの坂本観光振興部長です。観光コンベンションビューローは、国内外からの観光客や会議・大会などの誘致、観光情報の発信、観光イベントの実施などの観光振興に取り組んでいます。

広島観光コンベンションビューロー

坂本です。よろしくお願いします。

各商店街の取組紹介

観光企画担当課長(司会)

ありがとうございます。それでは、車座談義を始めさせていただきます。終了時刻は5時としておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

まず、最初に商店街が行っていただいている、観光振興につながる取組について、各商店街様にそれぞれ10分程度でご紹介していただこうと思っております。

最初に、中区のうらぶくろ商店街の奥原副理事長様から説明をお願いしたいと思います。

うらぶくろ商店街振興組合

改めまして、うらぶくろ商店街振興組合の副理事長をやっております、奥原と申します。今日はこのような機会を与えていただきまして、ありがとうございます。

早速ですけれど、我々、うらぶくろ商店街振興組合の概要とこれまでの取組を10分程度駆け足でご紹介させていただきます。

まだ、商店街として産声を上げて1年半、実質は2年なんですけれど、活動を始めて1年半でございます。正式に組合になってからは。約17,8年ぶりに、確か市内では組合として組織が立ち上がりました。

ただ、活動スタートは今から遡ること約10年前になります。この図をご覧になられたことがある人もいっぱいいるとは思うんですが、都心コア500mスクエアなんていうことが、当時の広島市、あるいは商工会議所さんを通じて、学者、関係各省といろいろ考えているなかで、いわゆるトランジットモールであるとか、いわゆる上がそごうとか、福屋があるんですね。下が100m道路ですけど、あの中の500mをいかに有効活用して、都心のコアを充実させるかなんていう発想はあったものの、これを真に受けて活動する人間はいないと。起点はあるけれども、なんかおもしろそうな話だけれども、なかなか中身がないというような状況からスタートしております。

歩行者優先の滞在型のまちづくりについて、いろんなアウトプットが、実は10年前からこういう話があります。当時の本通り、袋町なんですけど、袋町の状況ってじゃあどうだと言うと、ご存じのとおり、本通り商店街、私の事務所も本通り商店街の組合の1人でもあるんですけど、全面通行量5万人から約6万人、中四国最大のアーケード商店街でございます。ちょっとやりすぎな写真ですけれども、そうはいっても、日常、月~金から、土日にかかわらず、全面通行ものすごい大量に人が歩いています。やや単なる通路として歩いている方もいるんですけれども、やはり商店としても、未だに地価が下がるような予想もなく、非常に高い賃料でやっております。

一方で50mちょっと南に下ったところ、この袋町っていう地域は、昔はもう少し人がいたように思うんですけれども、今は全面通行量、少ないところで3千人、多いところでも6千人から7,8千人、休みでピークになっても1万2千人ということで、随分落差があるねと。つまり、動線として線にはなってはいるが、やっぱり都心コア500mスクエア、街の界隈性でいうと、非常に脆弱な人の通過人数になっていました。今もそうです。

簡単に言うと、下のグラフを見ていただくと、その当時の平成16年度の数字なんですけれども、広島市中区の小売商業の動向のグラフです。一番左が平成3年を100とみると、平成16年はどうなっていますかというと、青いグラフが売り場面積、赤いグラフが従業員数、それに対して売上はどうなっているかというと、残念ながら100から73に落ち込んでいます。他の地域はどうですかというと、広島市全域、広域で呉市とか東広島市とか海田とか全部集めて約93まで落ちていますが、これは東京都も一緒です。

一方で広島市中区を見ると、73と非常にダメージが大きい。なぜかというと、当然ですけれど、郊外に小売面積が逃げていって拡大していった。こういうこともございます。

一方で中区の方は、拡大面積はもう無い。元々商業エリアですから、ブルーの絵を見てみると、110くらいにはなっているのですが、なかなか売り場面積、売り場効率は上がらないということで、商業としては非常に落ち込んでいっているという状況でございます。我々も店をそこに出しているんですけど、元々ずっと出しているわけではないので、手ごたえは元々こんなもんだろうと思っていたんですが、やっぱり古い方から見ると、随分人は少なくなったと。こういう状況があります。

そんな中で、元々10年前のプランを真に受けて、じゃあ中区袋町、特にこの袋町というのは、特に横に結束が無いエリアでして、もちろん町内会はありましたけれども、こういったエリアで地権者、商店主、あるいは町内会会長、こういった方々が老若集まって世話人会を立ち上げました。もちろん、みんな最初は嫌々です。商工会議所さんが音頭のもと、嫌々集まってきた仲間たちが、次第になんとなく状況を把握し、自分たちの責任というか、自分たちの役割がここにあるのではないかということで今に至っているのです。

ちなみに、うらぶくろ商店街というのは、赤い上の線の一本上が本通りの筋になります。ちょっと珍しくて、商店街というのは、普通は通り1本を指したりするのですが、8の字型に面を構成しております。全体で約200店舗強ある中で、スタートを切ったのは140店舗でスタートを切らせていただきました。市内では2番目の大きさの組合数になります。

その後、エリアマップを作ってみたりと、後は「スマイルチェーン」といって、ソフト事業ですが、まず隣3軒誰が働いているのか知らない中で、まちづくりもないだろうということで、みんなが表に出て、一回手をつないでみようということで、通りをぐるりと渡しています。「スマイルチェーン」といいます。

あるいは、エコプロジェクトとして「うらぶれら」ということもやりました。継続的になかなか出来ていないんですけれども、これは廃傘を活用して、うらぶくろ商店街のロゴをあしらって、それを無料で貸し出しして、リサイクルするということをしております。

こちらは、「まちなかほこてん」ということで、これは周りの方々の歩行者天国に便乗して、袋町のエリアもホコ天、社会実験をさせていただきました。その際に、広場を使った出店、あるいはそこのパネルを十分に使った、活性化への思いということをつめていったりしています。こんな感じで随分賑わった事業でした。

あるいは、街中でマルシェを展開してみたりとか、もしくは活性化ビジョン作成ということで、我々独自の袋町に端を発した、広島市全域で見たとき、袋町だけが良くなったらいいというわけではなくて、袋町も単なる1エリアでしかないわけで、今日のテーマの観光者も含めて、地元の界隈のお客様も、あるいは住んでいる方々も、うらぶくろ商店街と本通り、境目があるわけではないので、面として、どのように私たちが担えるのかということで、そんな観点で活性化ビジョンを作成し、ここから地域の合意形成と組合の蘇生ということに進んでいきます。

先ほども申し上げたとおり、17年ぶりに設立、140店舗ということなんですが、裏方でいうと、そんな簡単なものではなくて、会費も月額296円、ふくろ(296)にちなんで。そのくらいでないと、本当にみんな我が事のごとく、関心を持たないというか、「だから、組合って何をしてくれるの」という話なんです。

まず、組合を作ろうと、まず組合を結束しようと。定数7割以上を超えるエリアの140店舗集めるのは本当に大変でしたけれど、それを集めるためにも、低予算で、みんなでまずは顔と名前を知ろうということで立ち上げさせていただきました。

その後ごく最近、2013年11月ですけど、まちづくり会社、これは組合と並行して、できれば今後、広島市や地域の行政の方にも出資をいただけるような、いわゆる認定をいただける、歴然としたまちづくり会社を、我々としてはしっかり運営をし、そこの中で建物、店舗周辺の清掃活動もしくは賃貸ビルのテナント、イベント、あるいは公共空間におけるさまざまな事業こういったことが担えるような会社、「コンパス」という名前にしております。株式会社コンパスを立ち上げて、この度スタートさせていきます。

ごく最近ですと、広島市からも後援をいただきまして、2013年11月23,24日、その前この1カ月前には、セトラさんが今日もいらっしゃってますけど、亥の子祭り、つまり袋町公園の利活用、活性化という、公共区間を使った地域の賑わいづくりということを、我々も微力ながらお手伝いさせてもらいました。

トランクマーケットに関しては、我々主体的に、袋町公園を活用した蚤の市ということで開催させていただきました。これはそのときの企画書なんですけれども、中心市街地独自の活用と活性ということで、こういう企画を立ち上げて、我々まともに街中で公園の使い方を考えながら何か公共に資することでかつ地域のつながりもできて、できれば観光者にとって楽しみになるような、あるいは地元の方々の買い物の楽しみになるようなこういった使い方がなんとかできるのではないかなということで、単なるいわゆるフリマではなくて、フリーマーケットなんですけど、もうちょっと洗練された形で出来ないかということで考えたんです。

その事業の目的も5つほど挙げまして、1つ目は地域を回遊するお客様を、つまりは全面通行量をこれで増やす。2つ目は、地域商業、観光資源の振興。3つ目は、工夫ある売り出しによる商業の活性化。4つ目は話題性づくりによる知名度の向上、存在感の向上。5つ目は公園の利活用促進への啓発。まあ、啓発というのは偉そうですけど、公園の利活用ってもっとしようよと。使えるじゃん。余ってるじゃんって。まあ、こんなことです。プラスアルファで、地域に根差した伝統工芸や文化、アートの醸成とか発信、こういったことが出来るんじゃないか。2日間1,000名目標で後援もいただいて、やらさせていただきました。みんな総出で、ショップの定員やその友達とか全部連れ立って開催しました。

これは、県産の間伐材を使った特殊な自家製のテントです。こういったものを自分達で企画して、低予算で組み立てもして、結果としては、本当にたくさんのお客様に来ていただきました。もちろん天候にも恵まれましたけれども、やっぱりたいしたPRと言えば、フェイスブックだけです。そのときのお客さんがやっぱり立ち寄ってくれるわけです。そういったことが、実際お金を掛けずにこんなこともできるんだよということが、1回やってみたかったなと思います。何よりも売ってる方も買ってる方も笑ってた。すごい楽しそうなんです。こういうのが大事だなと思いました。

我々の方では、このような活動を通じて、少しずつ出来るようなことから実績を作って、ソフト事業、できれば今後、後ほどこれからの取組に向かっていくような足場づくりを提案させていただいております。

以上で簡単ですけれど、うらぶくろ商店街の現在の取組の紹介とさせていただきました。ありがとうございました。

観光企画担当課長(司会)

ありがとうございました。次に西区の横川商店街の村上理事長様、お願いいたします。

横川商店街振興組合

横川商店街の村上と申します。お世話になります。

駆け足でまちの概要からご説明させてもらいます。49年前に横川商店街振興組合を設立しました。その2年後に先輩らが大借金をして、国鉄用地の払下げを受け、商業ビルを2棟建てて、借金の返済には相当先輩らが苦労されたと思うんですけど、今はそれが残っているので、他の商店街さんに比べて、多少収益基盤があるということで、売り出しに多少の資金が使えるような状況でございます。

まち的には、かなり忘れられた地域で、常に疎外感を味わってきたんですが、我々商店街にとって一番大きかったのは、アストラムラインが開業したときに、県北からのバス便を3分の1カットされたんです。特に沼田方面からのバスは、アストラムラインにお客さんを乗せるために、全部カットされて、そのときはかなり悲痛な雰囲気になってしまったんですが、翌年広島市さんのほうから、穴埋めだったのかどうかわかりませんけど、予算を付けてやるから地域イベントを起こさないかと、アドバイスをいただきました。

そのときに、今でも感謝しているんですけど、「イベントを起こすのはいいけど、くれぐれも商店街単独ではなくて、地域の人と一緒にやってください」というアドバイスがあったんです。それまでも、他の地区に比べれば、地域の人と連帯はあったんですが、そういうアドバイスがあったので、初めて子ども会とか体協とか、地域のいろんな諸団体と交流が始まりまして、横川ふしぎ市という名前で始めたんですが、今年で18年続いております。その間いろんな人がおもしろがって手伝いに来てくれたり、イベントに参加してくれた人らが、アーティストを目指して東京へ行って、今活躍したりとか、いろんな意味でいろんないい御縁が広がっております。これは広島市さんにアドバイスをいただいたことと共に感謝したいと思います。

それで、そのふしぎ市を始めた翌年に、私どもの商店街として異例のことなんですが、5億もの予算を投入して、街路整備を、国の高度化資金を利用させていただいたので、実質は3分の1負担なんですが、街路整備させていただきました。もう少し、もう3年返済が残っているのですが、がんばって払っています。街路整備をやって、我々もまちが見違えるほど良くなったので、翌日からお客様がどっと押し寄せるかと思ったけど、まったく状況が変わらなかったんです。資金は使い果たしているし、これ以上何をすればいいのかと。だけど、とりあえず金がないから、お金を掛けた再開発ではなくて、イベントで何とか活性化できないだろうかということの取組を始めました。

まあ、略歴をちょっと書いているのですが、ハッピースタンプ事業を始めたり、地域の広報紙で瓦版というのを、これは商店街のエゴをまったく消して、商業活動一切無しで、地域情報を主に発信する瓦版というのを発刊しました。これは横川駅前の再開発事業もそのころ絡んでいたので、その広報も兼ねて、新聞を発刊したんですが、これがかなり地域の連帯感を作るのに効果があったと思います。

それから、空き店舗がだんだん目立ちだして、これはどうなることかという時期もあったんですが、商店街が空き店舗を1店舗借りて、1日3,500円であなたもお店をやってみませんかというチャレンジショップを始めたんです。最初に借りてくれたのが、忘れもしないんですが、そんなに金を掛けていない汚い店舗だったんですが、アーティストが個展を開きたいと言って、10日間借りてくれたんです。我々も心配なので、繁盛してるかなと思って通るけど、人が入っている気配は無いし、気の毒なことをしたなと思って、本人に話を聞いたら、ものすごく喜んでいるんですね。作品が2個売れたと。10日間で。「僕たちが個展を開くときには、市の中心部の2,3本裏通りのビルの2階か3階で10万円以上も掛かるんだと。だから、こんなに安く使わせていただいて、ありがとうございました」と逆に感謝されたんです。そのときに私が気が付いたのが、商売で駄目で嘆いていたけど、我々の町は交通の便がいいので、人によっては喜んでいただける、まだ値打ちのあるまちなんだということが分かりまして、それからちょっとアートに来てもらうことで活性化できるのではないかという手応えをそのとき初めて感じました。

そうしているうちに、広島市さんのほうから、国道のど真ん中に広電の電停の終点がありましたので、それを移設したいという動きが、過去に何回も来ていて、今まで跳ね返してたんですが、とうとう地域の人らから、あんたのエゴだと言われて、皆さんが望むならしょうがないなということで、駅前の電停移設に合意して、今の横川駅前ができたんですが、そのときに、広島市さんが希望がなにかあったら聞いてやるとおっしゃっていただいたんで、広島電鉄が江波行きしか無かったんです。江波だけで、紙屋町や八丁堀の方に行くのに大変不便していたんで、せめて、昔あったように宇品に行く便を復活してくれないかと、もう一つは横川から可部に、日本で最初のバスが走ったという話を聞いてたので、せめてその記念碑ぐらい作ってくれんかと言ったら、まあお安い御用だということで、作ろうということになったんです。

それが、どこでどう話が違ったのか分かりませんが、その広電便はちゃんと復活してくれたんですが、記念碑を作るのが、その頃はよくわからなかったんですけど、とにかく作ることはできないから、あなたたちが作れという話になりまして、予算は付けられない、とにかく地域の力でやれと言われて「かよこバス」を復元しました。これがかよこバスです。

これは広島市立大学芸術学部の吉田先生という方がおられるんですが、その方が1枚の写真を見て惚れこまれて、自分の作品として作りたいと強く思われたんだろうと思うんです。私も協力するから作ろうということで、本当は、後から聞いたら、我々は大学に出入りしたらいけなかったらしいのですが、夜な夜な仕事が終わったら、先生の工房に駆けつけて、ひたすら、この木を磨けと言われたら、分からないままに黙々と磨いて、それがどこかになっているんですけど、応援に来ていただいた市民の方たちとともに、非常に今となってみれば、ありがたい体験をさせていただきました。

これは本当はエンジンが付いているので走ることができますが、ナンバーを取得していないので、道路を走れません。ナンバーを取得するためには、衝突実験をするのと、何度まで傾けたらひっくり返るかとかいろんな過酷な実験をする必要があり、私たちは量産する気はないのでナンバーを取得していません。イベントのたびにキャリアカーに積んで行っては、この間も動物園の記念日で園内を走らせていただき、市長さんにも乗っていただいたと思うんですが、いろいろお呼びが掛かると出かけることにしています。

こういうことをやっていて、一段落したんですけど、そのうち3年前ですかね、横川は最近また静かになったので、また何かやりませんかと。駅前再開発工事で親しくなった市の職員の方たちから声をかけていただいて、じゃあ、横川をもっと元気にする会を作りましょうという勉強会を3年前に、また始めました。

そうしているうちに、会の目的としては、どうやったら地域を活性化できるかということで、我々としては、この「かよこバス」と先ほどもお話しましたように、アーティストといろいろ御縁があったし、横川シネマという非常にコアな独特な映画をやる映画館があって、アートが好きな人が結構集まってくるので、「かよこバス」とアート、それから西風新都線が出来て、西風トンネルが開通して、ビッグアーチに行くバスが横川始発になったんです。だから、サッカーファンが結構、街をうろうろしだしたので、サッカー、スポーツですね。その3本を活性化のネタにして取り組んでいこうということで、3年前に勉強会を始めました。

この勉強会がだんだん発展して、今日も実際に来ていただいている商店街の人ではなくて、勉強会の仲間達も来てくれてるんですけど、NPO法人にして、本気でやろうやということになりまして、岸田先生に理事長になっていただいているんですが、一昨年の12月にNPO法人として正式に認可していただいて、今も活動しております。

サッカーの方なんですが、私たちはちょっと反省するんですが、おもしろさの話にすぐ飛び付いてしまうので、ちょっと仕事が増えすぎて困るんですが、キリンビールさんが来られて、横川商店街はカープを応援しても駄目よと。カープはもう駅前に行ったから、駅前に譲りなさい。横川はサッカーにして、浦和は街が真っ赤な街になった。横川はサンフレッチェを応援して、紫の街にしたらどうかと言われて、おもしろそうな話だと思ってふらふらとやろうということになったのですが、そういう動きを勘違いされたのか、広島県サッカー協会の方が来られて、女子部の担当の方が来られて、女子の方がワールドカップに、世界に近い、ワールドカップを開催するとしたら女子の方がまだ可能性がある。

ついては、岡山県では湯郷という小さな温泉街で住民が支えることによってサッカーチームが成り立っている。横川はどうもサッカーが好きだから受けてくれんかと言われて、さすがに商店街だけでは受けれる話ではないので、公民館に地域の皆さんに集まっていただきまして話していただいたんです。

初めはみんな重苦しい沈黙だったんですが、断る理由がないなということを言い出す人がいて、自然発生的にまちの総意として受けるということになって、昨年の3月3日に「アンジュヴィオレ広島」というチームを立ち上げました。これも、私はサッカーが全く分からんし、ルールもよく知らなかったんですけど、サッカー協会の方は名乗りを上げてくれたらすぐ優秀な選手が、あちこちに散らばっている広島出身の優秀な選手が戻ってきて、すごく強いチームが出来るんだと言われて、真に受けていたんですが、最初はそうじゃなかったですね。

まあ、監督一同、苦労したと思うんですけど、どうにか発足1年目に県リーグで優勝してくれ、今年は中国リーグに入ったんですけど、中国リーグも無失点で完全優勝してくれまして、来年からはなでしこリーグの下のチャレンジリーグ、男子で言えばJ2へ加入して、今度は全国へ出ていかないといけないので、もう横川地域だけで支えられるようなチームではなくなってきているくらい発展してくれています。

それと、アートの方で言いますと、商店街ビルの中に空きスペースがありましたので、2年前に広島市立大学芸術学部の学生らに、「よかったら安く貸すからアトリエとして使わないか」ということで、35坪の空間を与えました。そうしたら彼らが、「横川創荘」という名前を付けて活動を始めて、今3人ほど常駐していろんな活動をしてるんですけど、そうはいっても、それで飯は食べれないので、昼間は働きながら、夜来ては創作活動に取り組むということで、「横川創荘」というのが始まりました。今年、2年経ったので、「そろそろ君たちの作品発表したらどうか」と、僅かな予算を与えて提案したら、結構大丈夫なんかというくらい大きなイベントにしてくれて、明和電機さんというギャラが60万くらいだったらしいんですけど、20万しか渡してなかったので、心配したんですけど、一応チケットの売り上げでちゃんと採算を合わせてくれて、「横川商店街劇場」という名前でこれから毎年秋に4日間ほど打つことになりました。結構いろんな意味で活性化に貢献してくれました。

そういうのが大体今まで駆け足で申し上げましたが、取り組んできた流れです。

観光企画担当課長(司会)

ありがとうございました。

続きまして、佐伯区のコイン通り商店街の廣川理事長さんよろしくお願いします。

コイン通り商店街振興組合

コイン通り商店街の廣川でございます。よろしくお願いします。

10分間の時間制限がありますので、皆さまのお手元の当商店街の封筒の中に、今までのコイン通り商店街の歴史でありますとか、今までの活動状況でありますとか、そういったものを取りまとめて入れておりますので、また後ほど見ていただいたらと思っております。よろしくお願いします。

コイン通り商店街というのは、広島市、広島県の中でも、一番若くって一番歴史のない商店街だと思っています。私が高校時代は、まだ全部畑で、商店は2件ぐらいしかありませんでした。コイン通りは、元々、造幣局がありまして、そこに物資の運び込みをするために、畑の中に貫通した道路ということであります。

私が商売を始めたのは、43年前ですけれども、その頃、開店祝いで「こういうところで商売して、釣り人相手に物を売るんか」と言われたぐらい、まだ何にもない、畑ばっかりで鶏小屋があったくらいの地域でした。

それが、昭和50年前後に西広島バイパスが開通しまして、それから一挙に広島市のベットタウンとして、人口も徐々に増えていきましたし、コイン通りも店が徐々に貼り付き始めまして、昭和52年にイズミが開店したんですけれども、それに合わせて、最初はそのイズミに対抗しないといけないから、30何店舗が集まりまして、最初の商店街を立ち上げたのが、商店街活動の始まりです。非常に歴史の浅い、これから頑張って大きくしていかないといけないという商店街であります。

観光の方ですけれども、商店街の中で皆さん御承知いただいていると思いますが、造幣局広島支局が「花のまわり道」という、構内の八重桜の開放をしています。造幣局のそのときの課長さんにお伺いしますと、大体1週間で、10万人ぐらいの来客があるということで、造幣局の泉友会と言いまして、多くの人たちが大阪の方からいろんなお菓子を持ってきて、構内で物販しておられるので、「課長さん、どのぐらい売れるんですか」とお話を聞きましたところ、1週間で5,000万円も売れるということです。

話半分かなとは思ったんですが、半分にしても、2,000~3,000万円も売れるわけで、せっかく造幣局に行くまでの道すがら、商店街があるのに全然その5,000万どころか、500万も商店街に何の恩恵もないということがあって、そういうせっかく来られる10万人ぐらいの観光客の方に、これはもう何とかその商店街として販売を考えない手はないということが、観光振興を推進しようという始まりなんです。

それで、まず最初に取り組みましたのは、造幣局の前に流れている用水路です。お城の堀的なものである用水路ですが、全く手つかずで、もうヘドロが溜まったような、夏になるともう蚊柱が湧くような汚い水路だったんですけれども、それをまず、商店街の若い子たちとか、私とか、それから、その当時、「まちづくり委員会」、地域の方が一緒になった委員会があるんですけれども、そちらの方に提案させていただいて、その用水路を、綺麗な、そういうときに来られるお客様とか、平生もその地域の方が楽しめるような用水路を作ろうということで、「春の小川復活大作戦」という名前を付けさせていただきまして、用水路をきれいにして、3年ががりで整備して、毎年、仲間が増えて、水辺の植物がたくさん咲き誇るような地域になりました。

もちろん、そのときに、佐伯区役所の方もお手伝いにご協力いただきまして、区民の皆さんが一生懸命頑張って、朝から晩まで綺麗にしているからということで、その道路部分もうちの方で、整備させてもらおうということで、ありがたい話をいただいて、道路部分も「コイン通りポケットパーク」という名前で整備をしていただきました。

それから、先ほどの話ですけれども、何かお土産品として売れるようなものを開発しないといけないということで、「金持ちブランド品」という名前で、コンサルタントなどにお願いしまして、1カ月、ほぼ毎日指導いただきまして、各店で「金持ちブランド用品」を開発しまして、それも売り始めております。

ただ、最初の頃は、14,15件の参加があったんですが、今結果として定着して残っているのは、4,5件しかありませんが、残っている店は、そこそこ、それを売ることによって儲けているような状態であります。

こちらのプロジェクターと私の話が先走りして大変申し訳ないんですけれども、一番最初に金持稲荷大社。「金持ち神に会える街」というキャッチフレーズでまちづくりをしようということで、こういう金持稲荷大社というのを前理事長の清水徳夫さんと言われまして、用品名酒センターというのがあるんですが、そこのビルの屋上にほぼ私費を投じて、何百万かを使われて建てられました。

それから、稲荷大社があるんであれば、地蔵もあっていいんじゃないかと、地蔵も作り、それからまた、稲荷があるんなら、神社もあっていいんじゃないかということで、金持神社も設置しました。

設置して1カ月後に、ロト6に1等が1億6,800万円が当たりまして、しばらく2,3カ月の間は、宝くじ売り場の方は相当儲けられたと思います。

そういう中で、その次に、それだけでは通りを歩いていただけないので、全体に波及しないということで、通りに徐々に、市の方にご無理をお願いしまして、半年掛かりで、交渉させていただきまして、開運金持モニュメントというのを設置開始いたしまして、今現在、いろいろなものを合わせて40何カ所のモニュメントなどを設置しております。

おかげ様で、土日には、よそから来ていただいたんだなという方が、随分散策されて、石像の前で子供さんを立たされて、写真を撮られたりするなど、そういう効果も出ています。

今までずっといろいろなことをやってきまして、その効果は出てるんじゃないかと、私は自負しているですけれども、これから先の希望の計画としまして、五日市港に10万トンバースが完成いたしますね、それに合わせて、この間、県の方のご担当の方にお願いしまして、10人ぐらいで、区役所も一緒に参加していただきまして、説明会を受けたんですが、われわれの希望としては、そこに入る年間を通じて、しょっちゅうというわけにはいかないでしょうけども、入ったときは、できればオプションルートで、平和記念公園に行かれる、宮島へ行かれるとして、地元の商店街の方も、コイン通り商店街というのは、お好み焼き屋がすごく多いんですね、中国新聞社さんが「お好み焼き通り」に名前を変えたらどうですかというほど、お好み焼き屋さんが多い。これも海外からの観光客の方には、広島の食の特色を楽しめる地域として、オプションルートで組み込んでいただけないか、もしくは、造幣局の見学というのは、世界でどこを探しても日本だけしかできないみたいです。

造幣局のコイン鋳造工程の見学もぜひ観光に組み込んでいただいて、もちろん、佐伯区全体で言えば、植物公園もありますし、温泉もありますし、まだまだいろいろたくさんの観光スポット、歴史的資源があるんですけれども、コイン通り商店街としては、とりあえず造幣局の見学をしていただくのと、食のお好み焼きを何とかコイン通り商店街で食べていただけないか。その前に、とにかく、今の10万トンバースが完成した暁には、ぜひ、県の方と一緒になって、そういうのを作っていただくように働きかけていこうと思っております。

それについては、どうしても県と我々民間だけ、ひとっ跳びで話をしても、なかなかうまくはいかないんじゃないかと思いまして、やはり、松井市長さん、市の方で、何とか地域の頑張ってる商店街に対して、経済効果が出るような方策はないかと、ちょっと頭の片隅で考えてもらったらありがたいなと思っております。

時間も参りましたので、以上で終わります。ありがとうございました。

市の観光施策等紹介

観光企画担当課長(司会)

各地域の商店街のエネルギッシュな取組を本当にたくさん紹介していただきましてありがとうございます。

そのエネルギッシュな取組をどう観光振興につなげていくか、というテーマでございますけれども、私の方でも既に時間が10分押しておりますので、非常に簡単に観光振興の取組についてご説明させていただきたいと思います。

まず、広島市の観光の状況ということで、入込観光客数について、ちょっと見ていただきますと、現在、平成24年のデータが一番最新なんですが、1,087万3千人でございます。これは年間観光客数です。毎年、ここ2年続けて、過去最高を更新中です。ここに書いていませんが、宿泊客、観光消費額も、過去最高を更新中でございます。

そのうち外国人観光客なんですが、平成24年、36万3千人で、これも過去最高となっております。外国人観光客については、国が観光地を作って「ビジットジャパンキャンペーン」という格好で本当に力を入れています。

また、広島は、世界最大の口コミサイト「トリップ・アドバイザー」で2年連続、平和記念資料館、原爆ドームが人気第一位となっています。そういうこともありまして、たくさんの外国人が来られております。それで過去最高を更新しています。

外国人観光客について言えば、オールジャパンで言えばアジア系が非常に多くなってきているんですが、広島は欧米系が約6割と、欧米系に強いというのが最大の特徴でございます。

続きまして、修学旅行なんですが、修学旅行生は大体30万人強で推移しております。広島は、被爆の実相を若い世代に伝えるという国際的なミッション、世界的なミションを持っておりますので、観光プロモーションの中に修学旅行の専属チームを持って、各学校に直接訪問してプロモーション活動をやっております。

これは全国でも非常に珍しい取組です。それは、観光客1千万人の中で30万人ですが、それは非常に大きい広島にとって、重みのある数字だということで一生懸命取り組んでいるということです。

ということで、観光客数1千万人強、それから、外国人観光客30数万人、修学旅行生は30万人という数字でございまして、そういうことを施策体系として、私たちは、次の5つの柱で取り組んでおります。

観光は商売と同じでございまして、商品を作って、それをPRして、買っていただいて楽しんでいただく。この循環でございます。

五つの体系を示しておりますけれども、まず、都市のにぎわいづくりの推進ということで、都市の中でにぎわいを作って、そこにお客さんに来ていただいて楽しんでいただこう。

それから、観光プログラムの開発と充実というのは、お客様に来ていただくような観光プログラムを開発していこう。それをさらに、情報発信していこうというのが3番目の柱です。

それから、来ていただいたお客さんに満足感を持ってもらおうというのが、ビジターズの受入環境づくりという柱でございます。

5点目の「水の都ひろしま」づくりの推進というのは、広島は国際平和文化都市という都市のコンセプトを持っておりますけれども、観光的に見たら、水の都というのが、私たちの最大の観光コンセプトでございます。あとで、詳しく申し上げたいのですが、そういうコンセプトで取り組んでおります。

それから、そういう体系の中で、どういうふうに具体的に取り組んでいるかということで、少し話題、トピックスを紹介しますと、まず、都市のにぎわいづくりの推進ということで、四季折々のイベントに取り組んでおります。

「フラワーフェスティバル」「浴衣できん祭(さい)」「広島みなと夢花火大会」四季折々のイベントを作り込むことによって取り組んでおります。

冬のひろしまドリミネーション、今やってますけれども、観光客にとって、旅行業者にとって、定点的な1日、2日のイベントだと、なかなか旅行商品が作りにくいんですが、期間が長いほど旅行商品として作りやすくて、「ひろしまドリミネーション」も、先だって北陸から500人のバスのお客様が来られるという情報をつかんでおりまして、もう既に旅行商品として取り上げていただいております。

次はナイトクルージング、これは観光プログラムの開発の充実ということでございますけれども、広島は、非常に瀬戸内海を新たな観光資源にして取り込むということで、これは夜に着目しているんですが、それは、宿泊を狙うということ、宿泊をしていただくということ、瀬戸内海を活性化していく。その二つの狙いで、広島湾のナイトクルージングに取り組んでいます。

これは、銀河というチャーター便もあるんですけれども、定期航路を活用して、それを観光客の人に楽しんでもらうという取組をしておりまして、島の人口はどんどん減ってきています。だけれども、それが観光振興に、観光航路として我々が取り上げることによって、お客さんが増える、それは生活航路を存続させる突破口になると思っておりまして、そういう取組をしております。

次に、食と温泉というのは旅行の二大ポイントでございまして、そういう意味で、湯来ロッジを平成21年に建て替えまして、温泉を観光の一つのカードとしております。

続きまして、広島情報等の発信というのは、これは最近のトピックスですが、広島県が、例えば香川県がうどん県なんて宣伝してやっているんですけども、私ども広島県は、「おしい広島県」を標榜して、一昨年から、これをキャッチコピーにして取り組んでおります。関西方面では、非常に浸透しております。

次にビジターズの受入環境づくりということで、トピックスなんですが、広島通の認定試験というのをやっておりまして、広島を好きな人を、どんどん増やしていこうということで、認定試験をやっております。

この12月1日も試験を行いまして、560名の方に受けていただきました。

この方たちが、「広島が好きだ」「友達に広島のことを紹介しよう」、さらに転じて、ボランティアとして活動していただけれは、本当にありがたいなと思っております。

次は、ビジターズの受入環境づくりということで、大きなクルーズ船の誘致活動もやっておりまして、来られたクルーズ船の観光客の方に歓迎イベントをやったり、それからインフォメーションを作ったりして、そういう取組をしております。

次に、「水の都ひろしま」づくりの推進ということなんですが、これは、広島ほど、海に接近し、しかも川に恵まれているところはありません。よその悪口を言うわけではありませんが、大阪市も水の都と標榜しております。しかし、大阪は川に蓋をしてきて、高速道路を取り付けてきたという歴史があります。

我が広島市は、川も海も生きている状態、そういう状態、それを観光資源として作り込んでいこうということで、水辺のオープンカフェとか、水辺でのイベント、川を生かした取組をしております。

こうした体系をベースにして、私どもは現在、観光振興に当たっての基本姿勢を広島ならではの「おもてなし」ということで、そこを切り口に来ていただいた人に満足感を与え、持っていただく。

なぜ、「おもてなし」かというと、今後、日本の人口がどんどん減ってきます、ということは、観光客も相応的に減ってくる、その中でリピーターをどう獲得していくか、やはり、行って非常に満足感を得て、もう一度来ていただく、そういう取組が大事だということで、「おもてなし」に着目して取り組んでおります。

4つのまちづくりに取り組んでおりまして、ごみのないまちづくり、花いっぱいのまちづくり、景観の美しいまちづくり、利便性の高いまちづくりに取り組んでおります。

おもてなしの観光ということで取り組んでいるトピックスとしては、コンビニや郵便局などに、簡単な民間が取り組める街角案内所になっていただいて、そこに行けば、簡単にパンフレットを手にすることができるという取組をしまして、外国の方が行っていただけると「トラベルパルインターナショナル」と、普通の「トラベルパル」という街角観光案内所の名称ですが、そういう取組をしております。

おもてなしの観光という意味では、まち歩きは、最近、長崎でも大阪でも、大々的にやっていますけど、我が広島市も、皆さんがボランティアの方がやっていただいているまち歩きの取組を一つにまとめて、「広島とりっ歩」というコンセプトで観光客に楽しんでいただく、そういう取組をしていただいております。

25年度、最近の取組ですが、平和記念公園は年間130万人訪れますけれども、広島城は20万人でございます。

もう一つ二つ、大きなカードを持つ必要があるだろうということで、広島の城下町の歴史を生かして、広島城でこういった武将隊の取組を始めております。

それから、伝統芸能を生かす取組ということで、神楽に注目した取組をやっておりまして、これは、夏場に初めての観光旅行商品として造成をして、結構、関西、和歌山方面からお客さんを頂戴しております。

今後の取組ですが、大型観光イベントとして、「瀬戸内しまのわ2014」がございます。これは、来年、瀬戸内海が国立公園に指定されて80周年を迎えます。それを記念して、愛媛県と広島県、両県で取組をしていこうと、3月から10月までやるんですけれども、基本は、地域の活性化の取組を観光振興につなげていけるようにしていこうということをコンセプトに取り組んでおります。

全体的には、これは広島県側だけのイベントを出しているんですが、島しょ部、沿岸部で、広島県側で16のメインイベントをやりますが、これに加えて、民間の方たちの、海とか川とか水にちなんだ取組をこの「瀬戸内しまのわ2014」の取組に位置付けて、全国にPRしていくという取組でございますので、ぜひご参加いただければと思います。

以上、ちょっと、早口で、申し訳なかったんですが、ご説明させていただきました。

各商店街の今後の取組と課題

観光企画担当課長(司会)

ここから、意見交換に入らせていただきます。

それは、先ほどの商店街の皆さま方のエネルギッシュな取組を紹介していただきました。

重複になるかと思いますが、簡単にご紹介していただきたいんですが、観光振興をキーワードに、今後進めていきたい取組やそれを進めるに当たっての課題などについて、それぞれの商店街の方から、まず簡単にご発言いただければと思います。

まず、奥原様の方から、お願いいたします。

うらぶくろ商店街振興組合

商店街の活性化の本質は、商店そのものの資質向上に尽きると僕は思っていますので、要は行きたい店にするしか、もう答えはないと思っています。当然、モール等のリーシング(賃貸)、大手も、漫然とやっているわけではなく、本当に出退店、改廃に躍起になって本当に命を掛けてやっていますので、それと比べて、路面で戦っている、あるいは商店街で戦っている店舗が果たして漫然とやっていていいかというと、そうではない。

商店街の組合として、横で手を繋いで何ができるのかというと、やはり、我々が横で取組をしっかり認識して、お店の人たちの顔をよく分かって、その地域において、僕たち店舗がどういうことを認知するのかということをしっかり問うということしかないと思っています。

そういう意味では、観光に商店街振興組合なんぞが、一体どんなふうに取り組めるのかというのは非常に尊大で、距離感を正直感じざるを得ないです。

ただ、それぞれの地域性もあるんでしょうけれども、我々うらぶくろ商店街は、幸いにして、近隣に世界的な、本当に有名な世界遺産を2つも抱えて、先ほど申されましたように、入込観光客数が1千万人を超え、そのうち、400万人ちょっとぐらいですか、宿泊客がいるわけでして、その中で、ビジネスマンもいるんで、どこまでが実態か分かりませんけれども、要するに、滞在するお客さんを、いかに僕たちが、いざなうか、増やすかということに尽きると思っています。

そこに、袋町、あるいは近隣、ボーダレス(境界がない)と言いましたけれども、シームレス(継ぎ目がない)なんで、並木通り商店街や金座街商店街や本通り商店街や、中心街においての商店が、他にはなくて、ここに来たら買うものがあったり、食べたり、飲んだり、人と会って話をしたり、情報をもらったり、そういうことができるようなものを組合を通じて、何かファシリティ(施設、設備、便宜、融通、便利さ)だったり、あるいは、環境整備だったり、もしくはコンテンツ(内容、中身)だったり、こういうことを提供しながら、それぞれの個店の資質向上にいかに取り組んでいくかということに尽きると思っています。

そういう大前提を踏まえて、今後の取組、それは大きなテーマの中においての、我々の組合がどう考えているのかということでございます。

基本的には、そもそも、何で裏通りなのか、元々、自虐的に言ってるつもりなんですけれど、裏側にあったんですね、裏側、表か裏かなんてのは、見方によるんですけれども、本通りは表だとすると、僕らは裏だと思っています。だからといって、裏が悪いわけじゃない、裏の方が味がある、そう思って、僕ら裏通りと言っています。

これからも、その種のコンテンツで地域性を生かしていきたい。町の生活、文化、味わい、こんなことでやっていきたい。先ほども出た、大阪なんてのも、御堂筋が表とすると、裏側は、道頓堀やくいだおれの街みたいなところ。裏側の方が、何となく行きたくなるような、通りたくなるのは表かもしれないけど、行きたくなるのは裏側、あるいは、福岡の「シーサイドももち」みたいな整備された表の通りに対して、裏側は西新のリヤカー部隊の市場とか、このような方が、どちらかというと行きたいし、寄りたい、そんな地域性をうらぶくろの方で、非常に道路も狭いんですけれども作っていきたい。

鯉城通りか、中央通りか、100メートル通りを表と呼ぶか分かりませんが、その内側に入っている我々や並木商店街、内側に行きたいものがある、こんなことを考えています。

昔みたいに、やはり新天地、劇場街、座とか市とか、こういったものを中心に、にぎわいづくり、集積があったわけですから、やはり、我々商店主の役割はこういうところにあるんだろうなと思ってます。あくまでも、袋町だけの活性化ではなくて、広島市全体を見たときに、地元の買い物客や観光客に対して、あの辺のエリアで何ができるかという観点です。

僕らは、先ほども申し上げたとおり、都心の500メートルスクエアのおへそみたいなところに空白地帯があったので、袋町公園を中心に、あの道路を界隈を何とか行きたいと思うような、観光客とかあの辺の買物客が寄りたいと思うようなことが何なのかを考えています。

三つの柱があります。ハード、ソフトそれと「広島らしさ」ということでございます。問題なのはこの「広島らしさ」というのがちょっとぼやっとしているんですが、やっぱり福岡にもなくて、仙台にもなくて、当然大阪にも東京にもなくて、三原にも尾道にもなくて山口にもなくて、広島ならではのものが何かここにないかということだと思うんです。他の地域に行ったときにそんなものが何かっていうことをやっぱり想像することが大事だと思います。

それが広島にあるかというと、どうもないんじゃないかと思っています。我々はこのエリアを、これはファシリティの話なんですけれども「街庭ワークショップ」、雑ぱくな絵で恐縮なんですけれど、緑あふれるというか、緑もぐれになったらいいなと思っています。

個性豊かな街をつくるという観念、これは断面で切ったところなんですけれど、線のちょっと左側が本通りのアーケードだと思ってください。それから南側に向けてが、並木小路、要は、駐車場とか通り道とか、面が緑、あの辺が通りに対して庭になっているような、そういう地域構成を何となくイメージしております。

この縦の線に対して、表・裏で分けていいかどうかなんですが、どうも社会従属的な地域づくりに対して、自己充足的、どっちかというと人優先だったり、マーケットイン(売れるものだけを作って提供すること)だったり。こういったニュアンス、感性の地域づくりができるといいなと思っております。

上から見るとこういうことでございまして、街路、さっきのうらぶくろ商店街の通りと袋町公園ですけれど、袋町公園を集客拠点の施設、あそこを基地にしたい。課題があるとしたら、ここはなかなか使えない。老人集会所はあるけれど、商店街では使えないです。公園を簡単に使おうと思っても使えないです。まあそれはみんなのものなので当然なんですけれど。みんなのために使うということでもなかなか使えない。入りにくい、ボラード(車止めの杭)が建っている、チェーンがある、段がある、入るなと言っている形です。もったいないなと思っています。

あわせて、税制の問題もあるんでしょう、コインパーキングがやはり増えています。これからもたぶん増えると思います。経済合理性でいうと、これらには簡単に敵わないと思います。袋町の辺りに行ってみてください。1時間に600円取ります。広島の中で最も取れるところです。しかも駐車場のお客さんがいっぱいいます。「うわ、しまった、3,000円取られた」と言って、また停めます。そういう地域です。なので、あそこは下手をすると、本当に今もそうなんですけれど、コインパーキングのメッカになっています。お店をやるより儲かります。

理想的ですけれど、ああいうところも、本当を言うと買い上げたい。もう空いている土地を全部買い上げたい、何とかして買い上げて整理してそこを商店の街路にしたい。細い街路でいいですけれど商店利用をして空中を何かに使う。近隣の集積施設、こんな発想で今取り組んでいます。もちろん夢物語ですけれど、でもあの公園は今目の前にあるので使えると思います。

「街庭(まちにわ)」についての街路なんですけれど、うらぶくろ商店街の通りを、何となく樹木も植わって、人が歩きやすく。こんなこと言うと、トラックどうするの、工事車両どうするのと、いろんなことが出てきます。消防車どうするの。そんないろんなことを回避しながら、今、一生懸命自費で自分たちだったらこういう道路設計するよと、こういうことで回避できるんじゃないかということを一生懸命考えて、設計に落としています。

本当を言うと、設計に少しでもご協力いただきたいというのが本音です。ですが、それは勝手に僕らが言っているんで、自前でみんなが少しずつお金と時間を使ってこういうものをつくっています。できればこういうことで、雨の日は本通りを歩いていいけれど、晴れてちょっとなんか天気のいい日はこっちを歩きたいなと、そんな街にしていければいいなと思っています。こんなところで個々の商店がそれぞれの資質を研ぎ合う、それぞれの資質を磨き合う、ここに出たいと思っていたら、すごい強いお店に出たい。こんなことを今のところは考えています。

単にもう自分たちでやる。自分たちによってヘルメットをかぶって、伐採もする。公園も、大黒広場と考えていますけれど、あそこの老人集会所を改めて改装して、あそこに冬は今だったら、カキ小屋、夏はビヤガーデン、公園の地域で、ここで観光客の方がここに来るとマルシェ(市場)がいつもやっていて、地域のものが食べれてその場で買えて、そこに働いている人たちが老人集会所改めシニアの方々の働き場でいいじゃないですか。みなさんが「おもてなし」の気持ちで、バイリンガルでそういうものを伝えていく、とりあえずここに発信する。高齢者の方々がここにきたら100円でコーヒーが飲めちゃう。みんなでここで集える、地元の人も観光客も。何となく、こういう拠点づくりをしたらいいんじゃないかと思っています。

公園のところの断面を切ったところです。今のところ、すごく隔たりがありますので、隔たりをちょっと無くした方が入りやすいんじゃないですかと。今あんなボラードとかがわさわさ立っていますけれど、入るなって言っているようなもんですよ。もっと入ってと言った方がいいと思います。全面にやはり芝生とか植えたらいいと思います。鳥取方式でもなんでも、やっぱり低コストで管理することもできると思います。そしてさっき言ったコンパスという会社は、そういう維持、管理、運営して、余ったお金は花にする、余ったお金は地元に資する。そういう循環型の株式会社が運営をやったらいいんじゃないかと思っています。

ここから先はちょっと蛇足なんですけれど、うらぶくろ商店街としてはやっぱり、エンバイロメンタルアイデンティティと言っていますけれども、地域共生型の観光共生時代の新しい都市生活像というのを何となくイメージできている、これが少し広島らしさ、日本らしさということで観光客の方々や地元の方々にも協調、共鳴していただいて、共感していただいて、またいいな、また来たいなと思っていただけるような地域づくりにしたいというふうに思っています。以上です。ありがとうございました。

観光企画担当課長(司会)

ありがとうございました。じゃあ続きまして、横川商店街の今後の取組、課題について、ご紹介いただければと思います。

横川商店街振興組合

横川商店街の場合は、具体的なことが二つと、できたらいいなが一つあるんですが、具体的なことは、先ほどもお話ししました横川シネマという映画館があるんですが、映像機器がデジタル化に対応していないんで、廃館するかどうかという宿命を迎えておるんです。それで、商店街で話したんですけれど、横川シネマは横川の街に絶対必要であるということで、今までのオーナーが「やめさせてください」と言って来られたんですが、商店街で引き受けて、商店街で今後投資して映画館機能を持たせていく。

そのときに、今128席だらだらと狭い椅子があるんですが、ステージを設けて、座席は70席ぐらいにしてゆったりとしたいい空間にして、できれば神楽ですとかライブでも使いたい。もちろん映画館としての機能も残し、なおかつライブ会場としても使い、地域の人とか、学生さんたちが自分たちの映像の試写会をやらせてくれとか、そういうのにも安く利用していただけるようにしようと思います。

それから身体障害者用のトイレも増設して、万が一のときには、帰宅困難者が出るような事態があった場合は、70人までが一晩泊まれますよという形にはしたいと思っています。横川シネマの活用については、具体的に取組を始めています。

それともう一つは、サッカーの関係で広島県北の安芸太田町さん、人口7,300人で広島県で最も小さい町だと言われております。そこが山の中にサッカー場を造っておられまして、よかったら使ってくれないかということで交流が始まりました。実際にアンジュヴィオレの方が合宿に使わせていただいたり、サッカーをする環境に関しては比較的恵まれた環境なので、交流をさせていただいています。

安芸太田町さんの方も、町にやはり広げていきたいということで、横川地域とタイアップして、まだ具体的な話になっていないんですけれど、アンテナショップとか安芸太田町さんの情報発信の場として商店街とタイアップできないかということで、今話し合いを進めております。向こうは土地がたくさんあるのでグラウンドゴルフとかノルディックウオーキングなどの会場も整備されておりまして、山の環境を活用して森林セラピーなどもやっておられるので、横川の方から、要するに広島市から人を送り込んでいただきいたいし、向こうからもこちらに来たいということで、まだ具体にはなっていないんですけれど、今話し合いをしながら連携強化に向けて動いております。

もう一つはあったらいいなという話なんですが、何度も出てくるように水の都構想、確かに広島は水の都ですし、素晴らしいことだと思うんですが、私どもの横川橋の近くから基町方面の景観がすごくいいんですよね。桜が咲く季節は、一週間ほどごみだらけになるほど人が来るんです。この景観を生かして、できれば将来ウッドデッキなんかを並べて、例えば市民がここでフリーマーケットをやるとか、あるいは弁当を広げてのんびり過ごすとか、いろんな活用方法ができるんじゃないかと思うんです。

残念ながら砂が堆積するので、以前は遊覧船みたいなのが来てくれていたんですが、最近見ないので、どうも聞くと、川底に砂が溜まってもう上がってこられないという話なんですが、できれば、ここらに桟橋でもつけて、横川から宮島でも行けるような環境になればいいなと思っているんです。それはちょっと難しいかも分からんのですが、この川岸を活用して、たぶん来ていただければ、いい景観だというのは分かっていただけると思うんですが、何とか地域活性化にもつなげていきたいと思っています。

とりあえず、今後の構想としてはそういうことを思っています。

観光企画担当課長(司会)

続きまして廣川理事長さん、今後の取組、課題等についてご紹介いただきたいと思います。

コイン通り商店街振興組合

先ほど早口で取り急ぎお話しましたけれども、コイン通り商店街を観光地化して、多少なりとも地域の皆さんに愛されながら、プラスアルファで観光客の方にもお金を落としていただきたいという思いでやっておりますけれども、ただコイン通り商店街単体でできることではないわけですね。

取組始めてもう十数年経ちますけれども、最近はもうたくさんの観光資源があります。先ほどの湯来ロッジもあれば、湯来温泉もあれば、植物公園もありますし、古い歴史を持つ「八幡川酒造」という大きな酒造メーカーさんもありますね。それから造幣局もあります。

それらを全部取り込んで一つの観光ルートができないかというのが私の最初からの思いです。まだまだ道半ばでうまくいっておりませんが、区の行政の方もご協力いただきながら、何とかそういったものを結ぶ一つの観光ルートができないだろうかということをお願いしているところです。

ぜひこれからコイン通り商店街の活性化のためにも佐伯区全体で動きたいと、今までコイン通り商店街も「さくらパレード」や、夏の「土曜夜市」とか、年間を通じたイベントを約2カ月に一度やっているわけですけれど、コイン通り商店街だけのイベントとして終わらせたのでは商店街の活性化にもつながらないということで、とにかくすべてのイベントを、佐伯区全体に波及するような大きなイベントに変えていこうということを皆さんにお願いしました。造幣局の春の「花のまわり道」に合わせた「さくらパレード」というのがあるんですが、これも一昨年から行政のご協力をいただきまして、「佐伯さくらまつり」という大きな佐伯区全体を巻き込めるイベントにしていこうということでやっています。

それからまた、秋に「アートフェスタ」という、一昨年前から、コイン通り商店街発信で始めたんですけれど、これもコイン通り商店街とか駅前だけの小さい範囲ではだめだと、とにかく佐伯区全体の秋の一大イベントにしていこうじゃないかということで、若い方にお願いしまして、行政の方もご協力を大いにいただきまして、今これも佐伯区全体の大きなイベントになっております。

コイン通り商店街のイベントで夏の「土曜夜市」というのがありますけれど、これは3日間、土曜、土曜、土曜とやるわけですけれど、地域の大きなイベントとして完璧に根付きまして外部からも(お客さんが)来られるんですが、駐車場がないのが一番の悩みの種なんですけれど、夕方の6時から9時までの3時間ですけれど、1日大体1万人程度の集客がありますね。

そういうことで、とにかくコイン通り商店街ということではなくて、佐伯区全体を巻き込んだ大きな流れの中で、コイン通り商店街も何らかの恩恵を被ることができるんじゃないかという思いで活動しております。

先ほど申しましたが、港の問題もそうですけれど、これも佐伯区全体でやはり動かないとでき得ることではないと思っておりますので、これからも行政のお力を大いに借りながらやっていかないとできることではありませんので、ぜひ区長さん、よろしくお願いしたいと思います。

我々はもちろん「金を出せ」と言っているのではありません。我々がすべて動いてやっていこうと思っておりますので、補助金程度のことでやっていただける部分はお手伝いいただくことができればありがたいとは思います。民間として、これからも頑張っていきますのでぜひよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。

観光企画担当課長(司会)

ありがとうございます。ここらで、各商店街の皆さま方の創意工夫、アイデアに満ちあふれた、エネルギーにあふれた取組を紹介いただきました。ここで市長さんの方から、これまでの取組について感想、ご意見いただければと思うんですが、よろしくお願いします。

市長

お話を聞かせていただいて、すごく、わくわくしておりまして、どういう形でこの皆さんの取組を発展させるのがいいのか、悩みつつあるんですね。今の行政の枠組みを組み替えてでも、皆さんと連携することを考えないと、どうもちょっと行政の支援の仕方が寸足らずかなという気持ちに今なっているんですね。

なぜかというと、すぐに現場の行政システムに響くかどうか分からないですけれど、私がちょっと考えたことを述べますので、聞いていただきたいのですけれど、今までのいろんな、地域に関わる役所の支援とか規制というのは、国にある各役所ごとにいろんな仕掛けができているんですね。例えば商店街の活性化というと、経済産業省という役所が所管していて、その中で、どうしたら商店街がうまくいくかとかね。

今の役所、国のシステムというのは、世の中だんだん右肩上がりで行くことを前提としていますから、世の中で起こる事象の問題をぽこぽこと捉えて、役割分担でここをちょっと刺激したら後はみんながうまいことやってくれるからという、ただ行き過ぎないように規制をかけるとかいうことで、横をつなげて考えるというシステムになっていないんです。

みんなはどんどんうまくやればいいというのが基本でして、その役所のいろんな、国、県ぐらいがやっているのをまとめて市に落としたりして。大体市の組織は国に習ったり、いわゆる実施部隊としてやっているわけですね。そこのところの目的意識に沿って、これがうまくいくかどうかで規制をかけたりとか、支援したりするんですからね。これとよそのところが同じ地域なんかがあって、同じ目的に向けて地元の人がうまいことやろうと思っているのに、一個一個別々にチェックをかけなきゃいかんのです。とても不便なはずですよ。そういうシステムなんです。

それを本当に直さないといかんというのは、右肩上がりから、人口も増えなくなってきてだんだん右肩下がりの経済になってきたときに、みんなが「私も、私も」と、とにかく伸びるんだから、自分に都合のいいように言っている世界から、合成の誤謬(ごうせいのごびゅう:個々人にとって良いことも、全員が同じことをすると、悪い結果を生むこと)ですよね、個人さえよければ世の中どうでもいいんだよというんじゃなくて、むしろ全体が調和するようにするために個々人がどういうふうにしたらいいかと、つまり競争の資産を全部自分に持ち込むんじゃなくて、みんなに分ける、絆というかですね。

それから、人間関係を良くして長くやる。しかも地域で生きている人と、年齢を取ってきて仲良くする。そういう意味で、個々の利益追求でなくて、全体のことを少し考えるようにしなきゃいかんというのが起きていまして、そのための行政の仕掛けは中央じゃなくて地方で、地元でいろいろ言われている需要に応じて行政をコントロールすることをやろうじゃないかというのが地方分権です。そういうふうに見てください。間違いなくこれで行くんです。

もう一つの理由は、世の中、国境を越えて、本当にグローバル化してどんどん競争しなきゃいかんという状態が生じている中で、人間というのは必ず行為に裏と表というのがありまして、どんどん競争するという人が出てきたら、やっぱり休みたい、何となく激しい競争があったら、おっとりした共存するところが欲しいという人も絶対出てくる。

働いた人こそ、どこかのところで疲れたら、そういうのが欲しいと思うんですね。それがグローバル化ということとローカル化というので、要するにグローバル化、国境を越えて競争が激しくなればなるほど、その成果をローカルのエリアでちゃんと自分らがおっとりするような世界が欲しいというように動いている。これは間違いない。

もう一つは、若者という年齢層のいろんな方、都市における若者の満足度を調べると、大都会でもガリガリやるようなところはあんまり行きたくない。かといってど田舎で不便でたまらんところもいやだ。真ん中の、コンパクトシティ、中都市、にぎやかでもあるし、そこそこ人情もあるというようなところに行きたいという人が圧倒的に多いんです。

だけど問題は、そういうところに行ったら収入が少ない。金が稼げない。職場がない。だけどおっとりしている。あんまり結婚しないで親の家族に入って、独身で親と一緒にやるから、アルバイト的な非正規というか、そういうものでも生活できる。それで独身者が増える。こういう構造矛盾に入っているんですよ。

これを地元からどう直すかというのが今一番大きい命題ですよね。そしてそれをやるために、若い人たちがここに根付いて、今のゆったりした共存をしながらちゃんと仕事ができる。そこで、親が死んでも子育てができるようにするという社会を作りたい、これを「ワークライフバランス」というんですね。いろんな価値観を置いています。

そうすると、仕事ができるような環境づくり、だけどその仕事は今までみたいにバリバリやるというようなお稼ぎをしてないんですよ。その仕事の成果が必ず地域に戻るようにする仕事をどう作り上げるかということをやる必要があると思っているんです。

そんなときに、その仕事は、もちろん製造業があるところはそれでもいいんですけれど、これからおっとりした人々が動く、人、物、金をやるときに、小さい地域じゃなくて大きな地域の中でみんなが一年間働いたら、ちょっとずつその間動いていく。十年生きていたらその間みんなで移動しながら稼いだ金をちょっとずつあちこちに落として、お互いに、お互い様で金を落とすという具合に。

これは多分今でいう観光、あっちへ行って、自分の生活圏域で知らないことを経験して「ああ良かったな」という、また行ってみたいな、こういうところへ行ってみたいなと、それを世界規模で起こそうとしているんですね。そうすると、いよいよ地域での観光と地域の振興というのは、自分の地域にある資産というか特徴をうんと磨き上げて、他の人が来たら「わあ、すごいな」と思われるようにやろうということにする。

そのときに、そのやり方を、個々人が「私が金儲け」じゃなくて、この地域の全体のためにやるのが自分の幸せだと思ってやってくれるような意識構造に変えていかなきゃいかん、こういうことなんですね。今までは、どっちかというと民生委員とか児童委員みたいな人が一生懸命「地域のためだ」ということで汗かいてやっていたんですけれど、それじゃもう間に合わないですよ。もうみんなお年を召しているから。若い人たちが自分らの住む町を今みたいなイメージにしていこうと。

そのときの実際の動かし方は、最終的には金が要りますから、その金というものをここにみんなが集めてやるということ、それから行政というのが税金を吸い上げていますからね。この税金の金をうまくここに落として、両方を足してそれを使って自分らのところに回すというふうにしなきゃいかんですね。自分らの金集めの方は、例えばNPO法人とか、振興組合ですよ。自分らで法人という組織を作って、そこにお金を作って、それで、法律を作ったら、未来永劫にいきますから、そこにみんなが参加して、それで一生懸命働く人はちょっと働けるように給料を上げてあげて、自分の仕事を持ちながら、そういうところから給料やって足してあげてね、そういうことを一生懸命やる人も生活できるようにする。我が市の中では、そういう集団のところに金を出していいというルールに変えてね、そこにちょっとお金を出している。

今、産業ごとにしかいろいろ補助がないから、そういったところにボンと出す仕掛けがないんですよ。そういうのを国から来る金の自由度を高めて、行政でボンと出してあげて、両方で抱き合わせにするというようなことがもしできたら、今言われたような、それぞれのところで、皆できるんですよ。ただ今はない。それに向けてやるためには、自力をつけて、そこまでいけるという状況を今作ってもらおうという目で見たら、どれでも行けますよ。うまいこといったら。もう少し行政の方を直していかなければいかん。

今、行政がどういうことをやってるかといえば、担当課長が言いましたようにね、拠点拠点の振興策じゃなくってね、広島市のエリアにとにかくお客さんを呼んでくるという、大エリアに呼び込むことしかやってないでしょ、いろんなイベントをして。このエリアまで、とにかく撒き餌をして取ってくるんですけど、その人らが今特徴のあるエリアに行って、少し滞在して、広島のいろんなエリアのところを2,3カ所回って、そこで2,3日過ごしてというところに結び付いていない。行政で呼んでいるから、あなたたちがやりなさいと。商店街を振興しなさいと。こういうところで、くっついていない。これをつなげるということをやらないといかんのですね。

その仕掛けも、今申し上げた部分、仕掛けを変えたときに皆さまの思いと一体的にいかないといかん。一生懸命やっていても、市のやっている観光業と私らの商業振興はちょっと違うんじゃないかと皆聞いているんじゃないですか。話は分かるけど、どこでどうつながるかということになってくると思いましたよ。これを、つなげなければいけない。このときに、もう一つの草案、統計的に見ると、観光で来た人が、1日、2日滞在するときの、1人当たりのお金を使う金額は5~6千円とか、何千円だそうですよ。ところが、3~4日泊まったときが、一番、金額が大きいんです、1日当たり一万円を超えるそうです。ところが5~6日になると、長いこと滞在するから、ちょっと節約しないといけないというので、また急に1日当たりに使う金額が減るんだそうです。人間、合理的に考えますからね。3~4日泊まるのが、1日当たり一番支出が多いと。そういうことを考えたら、このエリアに寄せておいて、3~4日かかるぐらい、みんな特徴のあるエリアを設定して、そういうところに行政が誘導するようなことをやる。皆さん方がそういうところを、3拠点とか、4拠点とかを案内してもらえる。そうすると、ホスピタリティで、こういうまちの商店街を振興して、「ここはこうこうで、こういう特徴があって行ってみますか」と誘ってあげて、「日本の固有の文化ですよ」とか言って回ってもらうように手を組んでやってもらうとできる。それをちゃんと行政がつないであげて、そこの足らないところを橋渡ししてあげるというような仕組みにしていったら、だいぶ違うんじゃないかなという気がします。

だから今こうやっていることのベクトルをもう少しうまく整えてやる。そのときに自分はちょっとまだよく分かりませんけども、今の国のシステムとかなんかで公園の使い方などは、国有財産は不特定多数の目的だから、特定目的に限定したら、使用制限をかける。そこで営利行為をやったらいかん。だけど、この営利というときには、この金を特定のものに入れるわけですからね。ここで営業活動して出てきた利益が、例えば、その商店街の全体のために使うとかいうのだったら、ちょっと緩めていいじゃないかとか。というようなことをもしできれば、国のルールがあったとして、例えば、その何とか特区とかにして緩めてみてくれてというようなことをやってみたら、できないことはない。

実はそれに近いことで、球場跡地がありますよね。あそこも実は公園なんです。国有地なんですよ。あそこでイベントなどを開催する場合、今までは、販売行為などは有料だったんです。それを、今年、無料にしたんです。それは、臨時にまだ空いているし、にぎわいをやらないといけない。国の方に頼んで、市などが共催や後援とかで、市が関係するということは公共に使うという意味があるということで、共同の主催や後援にすることで無料にしたんです。どんどん手を挙げてくれて、いろんなものが今入っています。

そういった現行の中でもちょっと良い知恵を使えば、そこが無料でできる。そのときに、儲けてもいいけども公益目的にやるんですよと制限を付けています。というようなことがあって、随所にやろうという目標をまず決めて今の制約を、行政の方はどこまで解除してやるか、皆さんとはどこで努力してもらって、どういう組織を作るかとかを発想してもらう。そして、観光ボランティアの皆さんは、市内に誘導された方々に商店街のいいところをよく知ってもらって、もちろん世界遺産もあるけども、平和の心や気持ちを持ちながら、広島の地の風土というか、広島の人たちに触れてみてほしいということをやっていただき、それは今若者が匿名性の世界と別に、大都会と大田舎が嫌だと言いながらでもその街に行くと人情があるとか、活性化があるというのは、その街の中で、商店街の中で、東京みたいに知らない人がレジで買っているよりは、店の顔見知りの人が店員と話しながら買い物しているところに、よその人がふらふらと来たら、「あ、この街は人情のある街だな」とか言って感心して、また来たくなる。そういう演出効果もあるんですよね。そういう風情の街にするというのはどうかなと思うんです。

だから、そういうイメージを作り上げて、そこに向かってみんなで何ができるかということをやるような仕掛けにしてもらえないかなと。そのための行政の対応として、「今までこういう規則がありましてね」と規則たらたらで、「ここは駄目、ここは駄目」というような職員は私が叱りますから。

意見交換

観光企画担当課長(司会)

先ほど奥原副理事長さんから、来ていただいた方をどういうふうにいざなうか、市長もおっしゃったようにつなげるという話がありました。そこで、行政だけでなく、つなげる役割を担っていただいているボランティアガイド協会の栗栖さんに、ここで、つなげる活動をおっしゃっていただけるとありがたいと思いますが。

広島市観光ボランティアガイド協会

私たちも街をご案内するときに、やっぱり広島弁で、しゃべる人がいいってお客様から言われるんですよね。広島の人とお話をしてみたい、地域の暮らしを楽しんでみたい、そういう方がいらっしゃるので、五感で楽しむ、そういうまちづくり、商店街づくりというのがいいんじゃないかなと思います。今、まち歩き観光マップ「広島とりっ歩(ぷ)」のガイドをしていますが、袋町小学校、頼山陽資料館その辺りまでは行くんですよ。まだ、うらぶくろ商店街までは行っていませんので、うらぶくろ商店街にはこんなところがあるんだっていう、何かキャッチフレーズというか、お客様が行きたくなるような言葉のイメージというのがあれば、私たちもお客様を誘導しやすいんじゃないかなと思いました。

私も実際うらぶくろ商店街をちょっと歩いてみて、ちょっと歩きづらいなと思ったとこがあるんですよね。というのはやっぱり車が通りますので、上を見たり下を見たり、きょろきょろお客様がゆっくりと歩けるような状況じゃないなっていうのはちょっと感じました。どうしても駐車場が多いっていうのが、そういうのがあるんじゃないかなと思いました。

それと、横川の街は昨日実は歩かせていただいたんですけれど、夕方だったんで、ちょっと何となく暗いですよね。どっちかって言ったら。

横川商店街振興組合

今、街路灯が故障しているんですよ。

広島市観光ボランティアガイド協会

なんか、すごく暗くて。横川シネマのところも昨日歩いたんですけど、やっぱり女性があそこを一人で歩くのはちょっと危険な感じがしたんで。せっかく映画館を残して、いい映画を見せて。なんか入りたくなるような映画館の玄関だったらいいなと思うんですけど、なんとなく入っても本当にいいのっていうような感じの映画館の雰囲気がしたんで、ちょっとどうかなと思いました。

それと、コイン通り商店街もちょっと歩かせていただいたんですけれど、コイン通り商店街は歩くにはすごく長いんですよね。造幣局にも行きましたけれど。路面電車で行って、バイパスのバスに乗ったんですけど、かなり歩きました。これはパワーがいるなと思って。なんかやっぱりそこは、今度は車の便利さがいるんじゃないかなと思いました。以上です。

観光企画担当課長(司会)

はい、ありがとうございました。「ひろしま通」ホスピタリティグループの藤原さんも、コイン通り商店街でまち歩きを精力的にやっていただいたと聞いてるんですが、今のお話をお伺いしていかがだったでしょうか。

「ひろしま通」ホスピタリティグループ

おかげ様で観光企画担当課の方でご支援いただきまして、今7年目を迎えました。平成19年の11月22日にこのグループができまして、現在7年。当時、私ももっと若かったんですが、年齢を取りまして大変なんですが、それなりに頑張っておる状況でございます。

それで今ご紹介いただきましたように、コイン通り商店街の方なんですが、これは「ふれあいウォーク」ということで、JR西日本の関係で、五日市駅までJRを使いまして、それから歩いていこうと。こういうことでやっておるんですが、やっぱりこれはオンリーワンでございます。もうここにしかございません。皆さんご存じだと思いますが。オンリーワンというのは私が偉そうにいうのもなんですが、製造一貫工程っていうのは東京支局、大阪本社、ここに行ってもありませんので、これは皆さん方のお客さんにもよく言いましてね、ここしかないんだよ、とこういうことでこのコイン通り商店街を歩いております。

だからここにしかないオンリーワンっていうのは大事なことだなと思っております。それから、その途中で、コイン通り商店街だけというわけにはいきません。栗栖会長が長距離だとおっしゃったんですが、確かに長距離なんですね。いろいろ問題もありますが、まず、光禅寺さんですね、ご存じだと思いますが。お寺さんに行きまして、大変いいお話やら、いい場所を見させてもらって、それでコイン通り商店街に行って、先ほどの話のようないろんな置物等を見て、帰るときは神社が3つあります。そこで拝みまして、ちょうど宝くじ売場がありまして、そこで宝くじを買ってもらいます。そうこうするうちに、橋のたもとに行きますと今度は金持本舗と言いまして、一億円の重さを体感するところがあって、そこで体感してもらって、また土産を買ってもらうと。こんなようなことで、それなりにはお客さんも喜んでいただいております。

ですから、五日市というのは情報発信を自信を持って我々が紹介できる場所だな、このように思っております。それから、時間の関係もあるんですが、急いでどういうとこかなと思って、うらぶくろ商店街と横川商店街を歩いてみました。うらぶくろ商店街は、なんて言うんですかね、本通りと違いまして、きょろきょろ見るのは本当に確かにいい通りだと思いました。ですから、この辺のところ、なんか珍しいものとか、あるいはここしかないようなものとか、そういう歴史的なものも取り込んでいただきまして、我々に発信していただければ、私の方も及ばずながら、栗栖さんが言われましたように、私の方も頼山陽の玄関から本通、それから福屋さんをゴールにしておりますので、ちょっと寄り道をして紹介することは可能だと、こういうふうに思っております。

それから横川商店街は、お地蔵さんから三篠神社まで歩きました。コピーのとおりで、神社とか地蔵さんとか、良さそうなところがたくさんございました。特に被爆敷石ですね、広電さんの。三篠神社にあります。あれを私も数えましたね、121個ございました。ああいうものもやっぱりもうちょっとよく宣伝して、宣伝というか、お分かりになるようにしてくだされば。ですから、あるものを何とか使って、可能な範囲で情報発信するということも大事なことで、今、いろいろお聞きしましたけど、すごくたくさんの金も掛かったりするんでしょうから、できるだけ我々もお手伝いしますんで、よろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。

観光企画担当課長(司会)

はい、ありがとうございました。まち歩きの皆さんがやってらっしゃるキーワード、「五感で楽しむ」、それから「オンリーワン」、それから「あるものを使う」。そういったキーワードを出されたと思いますけども、ここで続きまして、広島の魅力の発信役を担っていらっしゃる有田さん、感想をお願いいたしたいと思います。

ひろしま市民パブリシスト

私の場合は、栗栖会長とか藤原さんなんかとは違って、見て歩いた感じを記事にして出させていただくというふうな立場があるので、どっちかと言えば、お二人に比べて随分気楽な立場で参加させてもらってると思うんですが、私も話をするために、まず、とにかくこの3つの商店街を見ておかなくてはいけないと思って、私は生まれも育ちもずっと広島ですので、横川商店街もコイン通り商店街も、それからうらぶくろ商店街も知らないわけじゃなかったんですが、こういう集まりに出るということで、一つは記者的な目で、一つは観光客になったようなつもりで見て回りました。話をいただいたときに、私はこの年齢でも非常にフットワークがいいと自認しているぐらいですので、すぐ3つ、横川商店街、それから、うらぶくろ商店街、コイン通り商店街を回って、写真も撮り、印象を深かったところあたり、忘れてはいけないと思って、こうしてメモにしております。いちいち話をすると随分時間が掛かりますので、もしよろしければ、いろんな方がご覧になっていろんな感想があると思うんですが、私が見て感じたことあたりを忘れないようにメモ書きした程度のものですけども、3つのそれぞれ、商店街さんのものを作っておりますので。1人の旅行者あるいは市民が見た印象というものを、参考にしていただければいいと思います。

私も今のお二方が感じたことなんですが、うらぶくろ商店街ですが、通りに入って思ったのが、電線がむちゃくちゃに通ってるということです。本通りにしても、中央通りにしても、並木通りにしても、電線の地中化が進んだと思うのですが、非常に街の印象がすっきりしとるわけですね。あれは電線というのはもう非常に目障りですね。私も写真が趣味ですので、写真を撮りに行きますけども、もう電線ぐらいわずらわしいものはないです。道が細い、自動車が通る、きょろきょろゆっくり歩けないということをおっしゃいましたけども、観光客にぶらぶらできない思いをさせるというのは、一番考えなくてはいけないところじゃないかと思います。うらぶくろ商店街というのは一番手に負えない状態にあると思ったのが、一番いろいろ考えていらっしゃるというような印象でした。

広島の中央通りにしても並木通りにしても、ここまで来るのにはそれこそ数十年掛かっているんですね。並木通りなんかは私が中学生の頃には川が流れとったんですよ。それが今はあそこはおしゃれな街になりました。中央通りにしても、鯉城通りのことを思えば随分さびれたといいますか、中央部にありながらさみしい街だと思ったけども今はもう随分立派な通りになりました。100メートル道路に向かっていくわけですけども。だからうらぶくろ商店街にしても、時間を掛けていいと思うんです。いつの間にかきれいになったなというのでいいと思うんです。まず、そういう目障りな電線の地中化、ぶらぶら散策できる雰囲気の街を目指していかれて、そうするうちに自然といいお店が集まってくるようになると思うんですね。だから、何が最初に大事かということを一つ整理されて見られたらいいと思います。

次に、横川商店街は、私のうちのお寺が寺町にあるという関係もあって、以前はバスで横川まで出て、それから寺町まで下ったりして通っていたんですが、理事長さんがさっきおっしゃっていた電停が道路の真ん中で停まるようになっていますね。今はちゃんと整備されて、びっくりしたのは、駅前から電停のアーケードですね。あれはかよこバスのイメージを利用されて作られたんじゃないかと思ったんですけども、非常におしゃれな感じになっていまして、ミニ広島駅前という感じがします。

今、栗栖会長は、夕方行かれたというので、随分、物騒な街に感じられたようですけれども、私は逆に、三つの商店街の中では、一番街らしい、よそからお出でになって見られても、面白い街のような気がしました。バラエティに富んでいますね、広島で一番古いアーケードの通りなどは、見上げたら一番古いアーケードとは思えないほど、手入れが行き届いているし、ほどほどの狭さのところに、きれいで、シャッターのしまった店などは全然無くて、人通りも多い。そして、横川駅に停まって、たくさんの人が出入りされているということで、三つの商店街の中で、私とすれば、人に見てもらっても街らしい雰囲気の街だと感じました。

ただ残念なのは、立派なアーケードの広電の停留所に、あそこは駐輪場じゃないと思うんですけども、ものすごい自転車が置いてあるわけですね。あれも電線と似たような感じで、そしてトイレが無いんですね。

駅の出札口を出たところに、トイレがあるんですが、入ったら、それこそ昔のトイレ特有の臭いがぷんぷんとしていまして、あれはいかに言っても観光客に利用してもらうもんじゃないと思うんですね。

やっぱり観光客に好印象を持ってもらうということは、現在はデパート辺りのトイレというのは、素晴らしいトイレになっていますけども、ああいうところに手抜かり無くやって行かなくてはいけないと思います。

細かいことですが、自転車の問題があります。そして、夜になったら、道路に埋め込んである「星のみち」などは、素晴らしいアイデアだと思ったんですが、私が行ったのが、11月2日土曜日の午後2時頃だったんですが、昼間ということであまり目立たなかったんです。これは困ったことだと思ったのが、せっかくそういうアイデアのある星座が埋めてあるところに、無造作に自転車が置いてあるわけですよね。あれも夜はどういうふうになるかは分かりませんけども、それを売りにしたいのであれば、ああいうことがないようにしてもらいたいと思います。ただ、この三つの商店街の中では、一番商店街らしい商店街だと感じました。

最後になりますが、コイン通り商店街、これは11月4日、ちょうど振替休日だったんですが、天気が晴天、少し風が強かったと書いています。随分整理された良い通りが通っていますね。ところが人通りが無いんです。車がたくさん通るけども、商店街に人通りがない。私は暇に任せて、道路を両方、ずっと往復したわけですけども、撫でると御利益があるという石像を、人が少なかったというのもあったと思うんですが、しげしげ眺めたり、あるいは御利益にあずかろうと思って撫でたりする人なんかは一人も見ませんでした。

だから、米子の「水木しげるロード」などは、それを目当てのお客さんがあるということですが、コイン通り商店街もそれを目玉とお考えだったと思うんですけども、効果が上がっていないんじゃないかと思います。

それとお供え物がしてあるんです。饅頭だった思うんです。それも古い饅頭で、あんなものは古くなったらさっそく取り除いた方がいいと思います。もう一つ、いやだったのは、石像が置いてある、すぐそばにゴミが置いてあるんです。ゴミの収集日じゃなかったのかと思うんですが、ゴミ問題というのは、いろいろ問題があると思うんですが、もっとメイン通りですので、目玉とする石像の近くに、ゴミが無造作に置かれているようなことは、何か対策を考えられた方がいいと思います。

11時くらいに行きまして、腹が減りまして、どこかで物を食べなくてはいけないと思いながら、ここはどうだ、ここじゃなんだと思いながら、店に入ることなく歩いているうちに、とうとう跨線橋まで来てしまって、仕方がないから己斐まで帰ったんですが、店も魅力のある店が少ないんじゃないかと思いますね。一応、商店街としての体制は整っていると思いますが、魅力的な店が少ないかと思います。

イズミという大きな核になりそうなお店もあって、そのお店も見せてもらいましたけども、1階は随分のお客さんが入っていましたが、2階の衣料品関係の分野は、ほとんど人がいらっしゃらない。上がった瞬間、これじゃあちょっと、どうかなと思うのと、ただ、ものがやたらに詰め込んであるという売場でして、やはり観光客であるとか、買い物をしたい人などは、なるべく、きれいな雰囲気のいいところで買い物をしたいんじゃないかと思いました。

まあ、店の事情があると思うんですが、この場だけで観光についてディスカッションするんじゃなくて、やはり日頃から、本当にお客さんにその街をひいきにしてもらおうと思うんであれば、細かなこともおろそかにしないで取り組んでいただければと思います。

広島市内にもいろいろ商店街はあるんですけども、今日の集まりのために、見せてもらった私の印象は大体大ざっぱですけども、そういうところです。

観光企画担当課長(司会)

ありがとうございました。それでは、広島の観光素材を首都圏、関西圏の旅行会社などにセールス活動を行っていらっしゃる観光コンベンションビューローの坂本部長、お願いします。

広島観光コンベンションビューロー

最前線の方で、いろいろ広島のPR、観光業者さんに広島をPRしたり、市民の方にPRしたりしております。

ちょっと観点を変えまして、実際に私がいろいろ業者さんに広島をアピールしに行くときに、どのように商店街を紹介しようかという目で見ながら聞いておりました。

あくまでメインは広島で言いますと、平和記念公園なり、広島城、縮景園なんですが、やはり旅行業者さんが求められるのは、それプラスいろんな付加価値、「他にどういったところがあるのか」「食べるのはどういったところがいいのか」、お好み村とかあるんですが、「それ以外にもっとおいしいところはないのか」を必ず聞かれるんですね。

まず話している間に、向こうの業者さんが食いついてくれるような話題をなるべくいっぱい持って行く。そのときに食いついてくれるかなあというようなことをちょっと考えながら、それぞれの商店街についてお聞きしておりました。

まず、うらぶくろ商店街です。私は広島生まれなので、本通りの方も遊び場みたいな感じで回っていたんです。私はああいうごちゃごちゃしたところが結構好きなので、どういうふうにして注目を引こうかなと思ったんですけども、まず、あそこにはユニクロの一号店があった、今はないですけども。創始者の方はユニクロと改名して、あそこが発祥地ですよということを掛けたら、なぜああいうところにという注目は一応浴びると思うんです。さて、それからどうするかといったときに、ちょっと言葉に詰まってしまうという感じを受けました。

いろいろと袋町公園とかを活用されているみたいなんですが、今やっている「ひろしまドリミネーション」、これは12年前、広島市と当団体が立ち上げたんですが、あくまで初めは商店街の振興というところから始まっています。ぜひできれば、来年ぐらいから、この輪に入っていただいて、一緒にうらぶくろ商店街へ人を呼ぶようにできたらなとお願いしたいと思います。

それと横川商店街は、もう10年前なんですが、横川シネマも使って、奥田民夫の映画「ひとり股旅スペシャルカスタムメイド10月30日」、これを撮ったんですね。横川シネマの上がアパートだったんで、非常に面白い映画館だなと、当時、木村カエラさんが主演だったんですが、実はここに平清盛の主役を演じた松山ケンイチさんとか、SPECの加瀬亮さんです。ああいった方もこの映画に出ていたんです。

それで、横川の町並みが非常に出ていたんで、我々もロケ地マップというのを作って、当時は無名だったんですが、今は出られていた方が有名になっているので、これを持って少し旅行者の方にもアピールしようかなと。他に何があるのと言われたら、先ほど、栗栖さんは恐ろしいと言われたんですが、いろんなお店が確かにあるので、非常にミステリアスな店が多いので、ミステリーグルメツアーなどを考えられたらどうかなと。「赤ひげ」とか、何があるのか分からないし、焼き鳥屋でアナゴの刺身が食べれるようなところもあるし、非常にユニークな商店街だと思います。

それと、コイン通り商店街は、我々が旅行業者さんに行くときに、オンリー・ワンというのを使わせていただいております。造幣局広島支局だけがそういった製造の流れが見学できるということを売りにしているんです。それと同時に湯来温泉、そういったこともアピールします。ただ、そういうルートは作れても、造幣支局に行かれたお客さんが表に出て商店街に行かれるかどうか、そういう仕組みを作るのが大変かな、課題かなと思いました。

観光企画担当課長(司会)

ありがとうございました。一通り、ご発言が終わりました。あと20分ぐらいでもっと話を深めていきたいんですが、これまでの話を紹介しますと、私ども、宮島とか、平和記念資料館とか、国際的に機動力のある観光資源を基にたくさんのお客さんをお招きする。それを同地域に誘うか、その橋渡しをしていただいているボランティアガイド協会等の皆さま方にもご発言いただいたわけですが、ここで商店街の方、どなたでも結構ですから、今の発言から、これは面白いとか、何かご意見がございましたら、ぜひご発言いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

うらぶくろ商店街振興組合

冒頭で申し上げたとおり、やはり商店街を観光資源化というのは、並々ならぬことだとは思います。全国で事例を見たときに、確かに先ほどおっしゃっていた、境港であるとか、亀有であるとか、もしくは桜新町であったりとか、アニメであるとかということで、キャラクターを活用して来訪を促すということはいくつか事例はあるものの、本当にあまたにある商店街振興組合の本旨と観光との結び付きというのは、非常に苦慮するべきところだと思います。

ただ、何度も申し上げているとおり、これが他の街、例えば、これが福岡と比べると、福岡も良いところだと思うんですが、世界的に見て、(広島は)観光資源にあふれているところであって、何度も申し上げますけど、滞在をいかに促すかということにつながって、そこに集中するべきであると思います。我々の商店街は景観の整備も正直に言って、縦割り行政の中で言うと、組合で何かできるようなものでなくて、こうしたらいいというんですけど、これは誰がやればいいか、中国電力とか、あるいはNTTだとか、道路行政なのかということになっていったり。有田さんがおっしゃるように、時間を掛けて、僕が死ぬまでには、道がきれいになるようにというぐらい、割と長い目で悠長には考えてはいます。

ただ、コンテンツというのは、作り出せるとは思っています。さっきから申されているのは、キュレーション(収集した情報を分類し、つなぎ合わせて新しい価値を持たせて共有すること)の話で、今ある資源をいかに再構築して見せるか、説明するという観点からと思うんですが、僕らはクリエーションだと思っているんです。もう一つは創造。それは、ある種で言うと、位置的連続性を今一度、喚起するキュレーションなのかもしれない。大黒座なんていっていますけど、袋町のポイントはやっぱりオオクニヌシノミコト、いわゆる大黒天さんが担いでいる袋にちなんで、あの地域は袋町、平田屋惣右衛門さんの出雲からの来訪で広島を作った街づくりの歴史的連続性があるわけですね。

そういったところで糸口をつかんで、何とか考えていきますので、そういうコンテンツを何とか、来訪者の方に興味を持っていただくということと、もう一つは、やはり本通りにないところで、僕らの商店街は食なので、ここで一晩、何かご飯を食べて帰る、もう一声言うと、そこだと思っています。それを何か一つでもいいので、拠点を作り、そこで飲み食いし、買い、そこでもう一晩泊る。そこを目指して、夜に行こうかと言っていただけるようなものを作ることぐらいは整備が進む中で、お得感をうまく活用し、あるいは空き地を使ってできるんじゃないかと思っています。

観光企画担当課長(司会)

私ども、商店街という切り口でいくのもいいんですが、やはり食というのが、観光客に訴求力のある、一番いい方法でございまして、全国のJR6社が共同して行うデスティネーションキャンペーンでは、広島の新しい食として、「汁無し担担麺」と密かに決意しまして取り組みました。

やはり、それを商材として持って行ったときに、非常に新しいものということで、受けが良かったですね。これは、広島お好み焼き、つけ麺、その次ということなんですが、そういうものを時間は掛かりますが、どういうふうに商店街で食べていただくかというもの、そういうことが大切だと思います。例えば、広島を春夏秋冬に分けて、全部の商店街にこのときは、お好み焼きとか、このときはカキとか、そういうキャンペーンでも張ったら、やりやすいかもしれないと思います。勝手なことを言いましてすいません。

コイン通り商店街振興組合

先ほど、有田さんの方から、ご指摘いただきましたゴミの問題、人通りが少ない、それから造幣局の観光客をコイン通り商店街の方に誘導、他にもありましたが、特にこの3点について、まず造幣局とは今現在、話を重ねながら、造幣局に来られる観光バスを最初に造幣局の見学をしていただけるんであれば、構内に停め置きされても構わないと。そしてコイン通り商店街でショッピングなり、何なりをされて、またバスに乗って帰られるのは構いませんが、今度、乗られるときは、コイン通り商店街のイズミさんの前か、どこかから乗るようにしてくださいということで、一応ご了解をいただいているんです。しかし、イズミさんの前に観光バスを停めると、車は1日に何万台も通るくらい、常時渋滞しているような状態なので、そこらの問題をどのようにクリアするか、またイズミさんの中に入っても、停めるスペースが1カ所はあるんですが、イズミさんに話をしましたら、お客さんが観光バスに乗るぐらいの間は、ここに停めていただいて構わないですよというお返事をいただいておるんですが、大型の観光バスを方向転換させるのに、道路が狭くて難しいというご指摘もイズミさんからいただいているんです。いずれにしても、何らかの形で、そこらをクリアしていきたいと思います。

それと、ゴミ問題ですが、2カ所ぐらいあると思うんですが、1カ所は、出されてもすぐ取りに来ていますので、あまり気にならないんですが、1カ所、数十店の社交店が入居しているビルが2つぐらいあるんですが、そこの方が土曜日に出されて、日曜日中置いているわけですよね。そのビルのオーナーの方と私が話をしたんですが、以前はそのビルの中にゴミ捨て場をオーナーの方が自主的に設置しておられて、そこに全部捨てておられたらしいんです。そこに、ビルの入居者でない周辺の人がゴミを捨てに来るそうです。

今の話はもう15年ぐらい前の話なんですが、私有地のゴミ置き場によそからゴミを捨てるのを行政で何とかしてくれと言われても、警察や行政も我々も手の打ちようがないから、持ち主の方でそれは何とか手を打ってくださいと、その頃の市の担当者の方との言葉尻の問題で、へそを曲げられて、手の打ちようがないんだったら、道路に置くという形になった経緯があるようです。もちろん町内会長さん方とか、その頃の方に了解は得られたんだと思いますが、コイン通り商店街も社交・飲食の何十店分のゴミが土曜日の晩に出されて、日曜日1日中ずっとあると、ゴミの業者に話をしに行きまして、何とか日曜日に出て取ってくれないかとお願いすると、申し訳ないんですが、日曜日は社員の云々かんぬんの関係もあってちょっと難しいというお返事だったんですね。その頃の行政の担当の環境局だったですか、そこの部長さんか課長さんにもお話をしに行っていただき、町内会長さんからも言っていただいたんですが、駄目なんです。

それが一番ネックになっているところなんで、申し訳ないんですが、私ができることを手を打ったんですが、前に進まないんで、そのまま、放置状態に今なっているところなんですよね。

今、ご指摘いただいて、それは非常に皆が気にしている部分なんで、またもう一度新たに働き掛けをしてみようと思います。

先ほど、ご指摘いただいたことをちょっと何とかできるように、またもう一度努力してみたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

観光企画担当課長(司会)

それでは、市長に、まとめのお話をいただきたいと思います。

市長

ありがとうございました。私自身は、総論を述べさせていただいた上で、各論を今のように、旅行者の目、第三者目線で見たときの問題点を指摘いただいて、裏から見ると、当事者も分かっている、しかしその問題点をクリアするのは、例えば、施設の管理者であるとか、今までの取り決めの中で、直ちにできる状況にないというようなことも多々あると思います。しかし、外の目で見ていただいた問題点をクリアするということで初めて次のステージに行くということも、皆さんもこういう議論で分かってきたと思いますので、そのためにこそ、行政と皆さんが膝詰めで問題解決の糸口をちゃんと見つけてやるということをやりたいんですね。

どういったものでも管理、所管というものが皆ありますよね。外から見たときは、誰の所管か分からないけど、とにかく問題あるじゃないかと言われると、「これは私の仕事じゃないから」ということにしないで、全体の問題で、グループとして、こうであればこの人にやってもらうとか、皆でどうしようかという発想をとりわけ行政サイドがしっかりやるということをやらないと、いつまで経ってもワンステージアップした進行といいますか、活性化できないと思います。

私の権限の及ぶ範囲、あるいは皆さんの協力が得られる範囲で可能な限り努力するように、基本的に職員に指示いたしますので、区長を中心にしっかりとした議論をしていただきたいと思います。

私とすれば、最初に申し上げた総論である発想の転換は、職員が知ってくれるようになっていると思います。皆さんととにかく話し合い、制約ありきというやり方は私が市政をやる間は必ず変えます。そして、どういうふうに取り組むかという積極姿勢で考えていただきたいと思います。

あと、個別にそういうことで何点か申し上げますと、袋町公園の使い方は、いろんなルールを直ちに変えるということは、なかなか難しいということは分かります。しかし、一歩踏み出すために、オープンカフェの有用性というのはありますから、そういうのをちょっとずつ地ならししてやりながら、それに抵触するルールをどう変えるかということでやるということでどうでしょうね。これはできるんじゃないかと思います。

それから、横川地区は、観光資源がある安芸太田町と交流するということを言われました。これは、お互いに行き来するということで、双方の魅力、街の部分と田舎の景観など、三段峡などがありますよね。そういったところとの仕掛けをしっかりやっていただく。幸い、安芸太田町長さんと仲がいいですから、こういう状況を通じて、ちょっとでも町長さんから向こうの方と私の方から橋渡しをするということはできると思います。

それから、横川シネマの改修計画ですが、これから良くするということを言われているので、その改修計画に向けて皆でいっぱい努力するといいますか、いろんな支援措置も引き出しながら、取組も使いながらやれば、だいぶ雰囲気が違うと思いますね。

それから、雁木を使いたいですね。雁木タクシーがありますからね、ああいうものを使いながらやってみてはどうかと思います。

全然突拍子もないことを考えたのは、「砂持加勢(すなもちかせい)」といって、江戸時代にやっていたお祭りで川底の砂をさらったということで行列を始めたんですね。あそこの横川の所に本当に砂持加勢をちょっと浚渫するというちょっと真似事を国の管理なんですけども、お願いしたりして、仕掛けてみるというのはどうかなと思いました。

お祭り方がた、本当にちょっと砂を取ってもらうということを目掛けて盛り上げていくというのもあるんじゃないかと。また、まち歩きマップ「広島とりっ歩」のコースを設定してもらうということもお願いできないかなと。

コイン通り商店街は、もちろん今言われた部分は、運用上の工夫をしながら、造幣局の方ともだいぶ良い関係になっているから、バスの整理とかができているんでしょうから、我々も国の方にもお願いするときには、一緒に行ってさらに深めるようにしたいと思います。そして、できたら、コースとして、湯来温泉とか植物公園、あの辺も回るくらいのことをやりながら、ここでと。

お好み焼き屋が通りにあるということで、「もんじゃ焼き通り」が東京の方にありますでしょ。あんな感じと思ったけど、先ほど言われたように、店舗を少し工夫しなくては駄目ですよ。例えば、格子を同じようにしてね、ちょっとした作りを、もちろん個人個人が多少店に金を掛けてやるんでしょうけど、街全体をこういう通りにしようじゃないかということをやって、お好み焼き風情を少し醸し出すようなことをやって引き付けて、お店ごとに、特徴のあるお好み焼きなどを考えれば、お腹が空き過ぎて通り過ぎるということはないと思います。絶対に臭いをかぐと食べたくなりますからね。よほど、変な店でない限り入るような気ががします。

大型クルーズの誘因に関しては、可能な限り、コースに設定してもらうように、県の方にも話し掛けるということをやってみたいなと思いました。

それはいずれも職員の労をわずらわせることになりますけども、皆さんのご提案を受けて可能な限りの協力をする、皆さんと一緒にやるという姿勢でこれからもやらせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

観光企画担当課長(司会)

ありがとうございました。本日は、いろいろ貴重なお話をいただきました。私達は今日のテーマにあったように広島に来られたお客さんを、どのように商店街を含めた地域にいざなっていくか、そして宿泊につなげていくか、そういうことを皆さんと一緒になってタッグを組んで取り組んでいきたいと思いますので、これからもよろしくお願いいたします。今日は、どうもありがとうございました。

※( )は注釈を加えたものです。

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