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ページ番号:0000008402更新日:2019年10月21日更新印刷ページ表示

2012年01月19日 東区「市政車座談義」の開催結果

1 日時

平成24年(2012年)1月19日(木)15時00分~16時45分

2 開催場所

早稲田集会所

3 参加団体等

早稲田学区社会福祉協議会 12名

4 テーマ

地域のネットワークで紡ぐまちづくり

5 傍聴者

5名

6 主な話題

  • 一人暮らし高齢者の緊急時対応として緊急連絡先などを記載した紙を入れたケース(緊急医療情報キット)を家庭の冷蔵庫に保管する取組について
  • 早稲田学区の児童館の早期整備について
  • 広島市を花いっぱいの町にするための取組について
  • 早稲田地区で取り組んでいる門前点灯運動の広島市全域での推進について
  • 学校における避難訓練や防災教育の充実について

7 会議要旨

市長挨拶
本日はお忙しい中談義にお集りいただき感謝します。
私自身が、この車座談義を思いつきましたのは、これから市長としてやっていく市政については地方分権を何とか形にしたいという思いからです。40年近く東京で国の役人として働いてきましたが、東京で生活していますと、地域がどうかということを直接聞く機会があまりないんです。間接的に情報を集めて読み込んで分析してこうだろうという感じで、世の中がこんな状況だからここにこういう政策を出しましょうということをやるんですね。これが厚生労働省とか経済産業省の仕事の性格なんです。総務省とか警察なんかは、地域の実情と関係なく、ある意味で全国統一でやっていいような仕事なんですけれども、そうでない仕事というのはこういうやり方です。そうするとそんなに外れてはいないんですけれども、標準サイズになってしまいます。地方に行けば九州と北海道が同じかと言われれば同じではないですよね。政策を作って予算をつけて自治体で使えますよと下ろすんですけれども、いざ使う時には地元に合うように繕い直さないといけないんです。それを地方の行政はやりきらないんです。何でかと言ったらだんだん役人臭くなって、上から言ってきているからこういうルールです。これに合わせてやってみてください。ダメならあげませんなんて、えらく威張っているわけですよね。実際に地元の人がどういうふうにすると使い勝手がいいかということで作り直してお金を配らないと意味がないんです。国の言う通りじゃないとあげませんといったら何のために金を作ったか分かりません。

そんなことが戦後60年の間に段々できなくなってきているから、地方分権とかそのお金を一括交付金として地方にあげなさいという声が大きくなってきました。そのお金のあり方も「コンクリートから人へ」と言ったのは、コンクリートだったら規格を決めてそれに合うものにお金を出せばいいから分かりやすいのですが、人はそうはいきません。「もっともっと地元密着型で使えるようなお金に。」という気持ちを込めてやったら政争の具というふうになって勘違いされて、そういうことのないようにするというのが地方分権だと思っていますから、皆さんと対話して、どんなことが今求められていて、「自分たちはここまでやっているんだ、あとちょっと、行政が他の人から集めたお金を自分たちに回してくれたらもっとよくして、このいいことをみんなに広めてあげられます。」という話を伺って、そこにお金を出すと。そういうときには誰も文句を言わないわけです。それを抜きにしてこの人にあげたいからってあげてたら得て勝手になります。そうしないためにこういう車座談義をやろうと思ったわけです。私が一回話を聞かせていただいたら、後は区の職員とよく話をしていただいて工夫をしてもらって、それを続けていくことで、広島の町、牛田の町をよくしていくためのきっかけの会議にしてもらいたいと思っています。

会長挨拶
松井市長さんにはようこそ早稲田のまちへおいでいただきましてありがとうございました。早稲田のまちづくりの件で早稲田の地域の声を聞いていただけるというのは、地域住民にとっては非常に励みになります。
早稲田のまちは緑が多いと言われていますが、一方では坂道の多い厳しいまちです。この自然と調和したまちづくりを行っています。地域のことは地域で考えてみよう、地域でできないことは行政の皆さんと一緒になって考えてみようじゃないかという方針でこれまでやってきています。その表れとしまして、現在、年1回でありますが、「東区長と語る会」を開催しています。

今日は早稲田のまちづくりに参加している皆さん方から、我々は地域のために広島市のために一生懸命やらせていただいていますが、ここから先はできませんので一つ行政の力をお借りして、我々が安心して住みやすいまちづくりへの取組をやらせていただきたいということをぜひ市長さんにお聞きいただいて、今後の参考にしていただけたらと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。

取組の説明と意見交換

Aさん
私から早稲田学区社会福祉協議会がこれまで取り組んできた状況についてお話をさせていただいて、具体的な各グループの活動については各担当から話をさせていただきます。
福祉のまちづくりプランについて、早稲田学区社会福祉協議会に話をいただいたのが平成16年の秋です。広島市東区の中でもまちづくりプランの策定に取り組んだのは早い方だったと思いますが、策定委員のメンバーを決めるということで、社会福祉協議会を構成する団体、体育協会、女性会、子ども会、老人会、小学校、中学校のPTAなどから代表者を選びましてまちづくりプランの策定委員を選考しました。当時11名のメンバーが選考されて、広島市社会福祉協議会や東区社会福祉協議会の皆さんにいろいろとご指導をいただきながら、福祉のまちづくりプランをつくっていこうということになりました。
はじめは何をどうしたらいいのか全く分からない状況だったんですが、とにかく、早稲田地区の中でいろんな団体がそれぞれいろんなイベントをやってきている中で、そもそも誰がどんなことをやっているのか調べてみようというのがスタートでした。実際に町内のイベントを調べてみてびっくりしたのは、最終的に22の団体がありまして、年間で言うと67件のいろんな行事を実施していたことです。でも、それぞれの横の連絡がとれてないというのが実態でした。

もう一つは、住民の方がどういう考えでお住まいになっているのか知ろうじゃないかということで、全住民を対象としたアンケートをやることにしました。社会福祉協議会を構成するほぼ全世帯に近い2,388世帯にアンケートを配付しまして、回収できたのが1,489ということで、ほぼ62~3%の回収率だったんですが、住民の皆さんの日常生活における良いところ悪いところ課題になるところなどを聞きました。もう一つ現状分析ということでやったのは、社会福祉協議会を構成している22の団体に集まっていただき、ワークショップということで、各団体ごとにディスカッションしていただき、その中でどういった課題があるかということをいろいろと聞いていったわけです。

そうした現状分析をして集めたいろいろなデータを分析した結果、取組分野を大きく7つのグループに分類しました。この福祉のまちづくりプランはもともと5年間の長期の活動計画ということで、5年間それぞれのグループでどんなことをしたら町民の皆さんが安心して暮らせるまちになるかということを計画していったわけです。そのときは、「分からんけど、まあやってみようやぁ。とにかく何かあったらそのときに直せばいいじゃないか。まあ走りながらやってみようや。」ということでスタートしたんですが、そのときのキーワードは、一つは「あいさつのゆきかうやさしいまちづくり」を目指す。もう一つは、町内は坂道ばかりで特にお年寄りにとって大変なんですが、「その坂道を逆手に取ってなんとか元気のでるまちにしたい」ということが2番目、「もったいない心を大切にして特にゴミの削減とか資源を大切にするまちにしようじゃないか」というのが3番目。もう一つ、早稲田の「想い」という歌をちょうどつくったときだったんで、「その歌を中心にして住民のコミュニティがとれるような元気の出るまちになんとかしていこうや」というのが4番目。この4つの大きな目標を掲げてまちづくりプランを策定しました。

このプランは策定委員の11名のメンバーでストーリーを考えて、社会福祉協議会の役員や皆さんに聞いていただいて承認をいただいたわけですが、プランを絵にかいた餅に終わらせないためにどうやって実行していくかというところが、早稲田学区の特徴になってくるわけです。そのために、分類したグループごとに各団体から関係するメンバーの方に集まっていただいて、老人会とか、子ども会などのこれまでの縦割りの組織じゃなくて、いろいろな組織から関係する人が集まる串刺しのような組織をつくって実行していこうということにしました。これをネットワークと呼んでいるわけですが、こういった形で実際にプランを実行していきました。

昨年、5年間たって1次プランが終わったわけですけれども、継続して2次プランをしていこうということになり、2次プランの策定メンバーを選考しました。またそれぞれの団体から集まってもらって12名のメンバーを選考しました。1次プランの反省を踏まえ、新たな考え方も入れて策定したのが「紡ぐ」という2次プランの冊子です。このときも住民の方にいろいろ意見を聞いてみようということでアンケートを行ったんですが、今回は全住民というわけにはいかなくて、代表の方という形で300名近くの皆さんから意見をいただきました。さらに、今後の早稲田を担っていく中学校の生徒会の方にもアンケートを実施し、それらも反映させた形で2次のプランを策定しました。この第2次プランは「紡ぐ」という言葉がキーワードになっていますけれども、「人のつながりを紡いで、絆を深めていくようなまちにしたい」という思いで現在実行しているところです。

Bさん
7つのネットワーク組織について説明します。
町内会やコミュニティのことをするのが「わが町ネット」、高齢者の支援をするところが「シルバーネット」、子育て支援を行う「子どもネット」、防災を考える「防災ねっと」、安心・安全なまちづくりのための「わせだねっとパト」、美化活動の「クリーンねっと」、広報や情報交換を行う「じょうほうネット」の7つの分野に分かれて活動をしています。
組織としては、社会福祉協議会を構成している各団体からおおむね1名程度、それぞれの組織に入っていただいています。また、小学校の校長先生や教頭先生、公民館の館長さんや職員の方にも入っていただくことにしています。これで5年間進めてきましたが、団体のメンバーも変わるので毎年各団体から推薦していただきながら進めており、ネットごとに毎年代表、副代表、庶務を決めて活動しています。
通常はそれぞれのネットワークで連絡会というものを持ちながら課題解決やまちづくりに向けた話し合いをしています。

この方式になってよかったと思うのは、それぞれの活動の情報交換ができたことと、お互いの顔が見えてきたこと、また、一つのことをみんなで頑張るので一体感がでてきたことです。それから若い人も入っていただいていることで活動が多岐にわたっているし新しい独創性のある活動も増えてきたこともあります。入ってきた人を一本釣りしながら若い人材を見つけて育てるというよい組織になったかなと感じています。

Cさん
それでは、「わが町ネット」から順番にそれぞれの取組内容とそれを踏まえた意見についてお話します。
「わが町ネット」のこれまでの主な取組は2つありまして、一つ目は早稲田学区内の9つの通りのネーミング、二つ目はウォーキングコースの設定です。ここに住んでいる方がもっと地域に愛着をもっていただいたり、防犯意識を高められたらという思いから、わが町の通りに名前をつけようと題しまして、学区内の9つの通りを選びネーミングを募集しました。期間は平成19年7月から10月までの3か月間、応募用紙203通、約1000あまりの候補名が挙がりました。20年3月に晴れて名前が決まり、道標の設置も5月に完了しました。バス会社の協力もいただき、バス通りの「わせだいろは坂」の車内放送も始まりました。また、名前の付いた9つの通りを基に、10月には健康増進を目的としてウォーキングコースを設定しました。マラソンコース2つも含めまして6つのコースが決まりました。楽しんでできるようにとマップと手帳もできあがりました。21年3月には第1回わせだ健康ウォーキング大会も開催いたしまして、スタッフと合わせて約90人の参加者とともに楽しく開催しました。その後のウォーキング大会も早稲田体協の指導の下で続けています。

第2次プラン策定時に「わが町ネット」は課題の範囲が漠然としていて広かったので、ゴミ置場の問題は「クリーンねっと」の方に、門灯点灯運動は「ねっとパト」の方にその活動の中心を移してもらいまして、より的を絞り易くいたしました。これもネット間の細やかな繋がりがあってこそのことだと思っています。

これからの課題ですが、ボランティア活動や2年に1度の町民運動会などの地域行事への新しい参加者が増えるようにこれからの時代を担う若い人のアイデアを取り入れたコミュニティの場づくりに少しずつ取り組んでいきたいと考えています。最後になりますが、これまで東区役所にも相談をし御協力もいただいてまいりました街の整備なんですが、小学校付近ではフェンスが途切れてしまっていて、側溝がむき出しになっているところが数か所あります。豪雨のときなどはここの流水が激しいものですから、落ちると子どもが支えられないなという危険性もあり、1日でも早く安全な形になるように切に願っています。

Dさん
「シルバーねっと」では、第1次まちづくりプランで健康づくりと憩いの場の提供に力をいれてまいりました。健康づくりの方では、東区スポーツセンターの協力で、わせだ元気体操というものができあがりました。その後、東区健康長寿課の助成でDVDも作成しました。現在では町民運動会や町内行事でこの体操を行っています。これからも普及促進に努めていきたいと思っています。このほか、健康講演会とか体力測定会を定期的に開催しています。

次に憩いの場の提供ですが、ふれあいいきいきサロンというのがあります。平成12年度に早稲田社会福祉協議会主催の「よりみち」が始まって、その後、順次増えてまいりました。各町内で老人会や町内会の方が中心になって小さなサロンが開かれるようになり、ご近所さんで情報交換して交流を深めておられます。
高齢者支援の取組ということで平成16年度に始まった「電話で声かけ事業」というのがあります。これは1人暮らしの高齢者の方にボランティアが週2回ほど、「お元気ですか。どうされていますか。」と電話をかけて安否確認をしています。もし、少し様子がおかしかったり何度かけても電話がつながらないようなときには民生委員の方に連絡をしています。

いろんな団体と協力して第1次まちづくりプランを5年間してきたんですが、やはりその中で課題も見つかって、第2次プランの策定を行いました。
まず、憩いの場の提供ですが、現在できているサロンの存在を多くの方に知っていただいて、誘いあって一人でも多くの方に気軽に参加してもらえるよう宣伝していくことと、高齢者や子育て中の方などが年齢に関係なく、いつでも自由に集まれるようなフリースペースがつくれたらいいなと思っています。もう一つ高齢者の安全対策なんですが、高齢者の一人暮らしが増えてきていますし、また体の不自由な方などが緊急時や災害時の連絡をどのようにするのかということが問題です。今、現在、広島市では支え合いマップであるとか、お助けネットとか考えられていますし、広島市あんしん電話設置事業というのがあるということを聞きましたので、そういった情報を発信していくことも必要かなと思っています。

それと、以前テレビで見たのですが、地域単位の取組として緊急連絡先とか通っている病院などの個人情報を書いた紙を入れ物に入れて、それを冷蔵庫の中に保管しておいて、何かのときにはそこを開ければ、その人のそういった情報が得られるということでした。冷蔵庫はたいていの家にあって、タンスの中に入れられると、どのタンスかどの引き出しか分からないんですが、そういったケースを広島市で統一したものをつくり、それを冷蔵庫に入れてしまっておけばいざというときに役に立つと思います。これからもプラン達成が少しでも進んで高齢者の方が早稲田の町でいつまでも安心していきいきと生活できるようなまちづくりをしていきたいと思っています。

Eさん
「子どもネット」では子育て支援、子どもたちの居場所づくりということで活動しています。子育て支援については「子育てオープンスペース『にこにこ広場わせだ』」を開催しています。これに年1回、早稲田中学校の3年生がボランティアで参加してくれているのですが、小さい子どもたちと交流することで命の大切さを実感したり、子育て真っ最中のお母さんと交流することで、自分たちも大切に育ててきてもらったんだなということが反抗期の子どもたちに分かってもらえるとても良い機会になっているようなので、これからも中学校に協力いただきながら続けていければと思っています。

子どもたちの居場所づくりにつきましては、「友楽タイム」というのを行っています。これは、学校の週5日制とか働く親の現状を踏まえまして、子どもたちの居場所づくりとして、月に2回から3回、土曜日の午前中にいろんな行事を実施しています。中でも一番盛大に行われますのが「友楽タイムマラソン大会」で、今年は来週の土曜日の21日に第7回大会を実施します。1キロメートルと3キロメートルのコースに分かれて、毎年400人前後の方に参加していただいています。
例年同じ行事ばかりでもいけないということで、今年は何か新しいものをというので、先週の土曜日に「早稲田とんどまつり」というのを初めて実施しました。こちらも200人ぐらいの方が参加してくださって、楽しかったという感想もいただけたので、これも来年再来年と続けていけたらなと思っています。もう一つ「子どもサポーターズサミット」というのを3月の初めに実施するよう準備を進めています。これは、早稲田にある子どもたちが所属する各種団体、サッカークラブやソフトボールクラブのお世話をしていただいている保護者の方に来ていただいて、各団体の情報交換や意見交換をする場にしたいと思っています。そこで顔見知りになったお父さん、お母さんが早稲田の子どもたちのために何か新しい行事をやりたいねというところまで、何年かかかっても持っていきたいと考えているところなので、まず今年は顔見知りになることから始めようと思っています。

市の方にお願いしたいことといたしましては、子どもたちの居場所づくりとか一生懸命やっているんですけれども、さらに子どもたちが安心して集える場所ですとか、「友楽タイム」のさらなる充実のためにも、長年陳情を続けさせていただいています児童館の設置を早期に実施していただけたらなと思っているところです。

Fさん
「クリーンねっと」は緑化・美化をテーマに第1次まちづくりプランでは主に3つの活動に力を入れてきました。1つ目は犬猫のフン問題対策で、「ペットの正しい飼い方教室」を開催したり、フンの持ち帰りを促す看板を公園に設置したりしてきました。
2つ目はゴミ問題で、年2回の町内の一斉清掃への参加促進ポスターを小中学生に書いてもらって町内に掲示したり、ダンボールコンポストによる生ゴミリサイクル講習会を開催したりしました。
3番目は花いっぱい活動ですが、東区役所の事業の「花いっぱいのキャンパスin東区」に参加させてもらって、種から花を植え育てる研修を受けて、町の公園や通学路に花を飾ったりしました。昨年度からは、地域の花づくりに関わっている団体と協力して「花の町わせだ研修会」を実施して、手作りの看板を作成したりして活動を広げてきました。第1次まちづくりプランを終え、これら3つの活動を引き続き継続させる努力をしていくことと、より多くの方に参加してもらうことが課題だということを確認しました。

これらを踏まえて、第2次まちづくりプランにおいては、犬猫フン問題対策では、実際に飼っているペットの写真を募集してポスターを作成し掲示する準備をしています。ゴミ問題の方では、町内一斉清掃への子どもの参加を小中学校にお願いして呼びかけてもらったり、親子でゴミ拾いをして歩く企画を検討中です。花いっぱい活動の方では、子どもたちと一緒に花を植える企画を今年度2回実施しました。子どもたちを含めて、まちのみんなが自分たちの美しい早稲田のまちの景色を広めていけたらと思っています。

最後に、今後も早稲田のまちが花いっぱいになるために、市の植物公園さんとかに「まちの特性を生かした花づくり」というのを学びたいと思っています。それと余談ですが、100メートル道路沿いにいつもきれいに花が植えられていますよね。それがある日突然植え替えられていて、「昨日まできれいだったのに、あの花はどうなるのかな。」と思っていて、もしそれがゴミとなっているのならちょっともったいないかなという声も聞かれたりします。それから、広島市独自のプランターっていうのを作っていただけたらいいとも思います。

Gさん
「ねっとパト」は、7つのネットができる前の平成17年にいち早く設置した防犯のネットワークです。地域まるごと、1日24時間365日の見守り活動ができるようにということで犬の散歩とかウォーキングとかこういう会合に来るときなどで、町を歩くときは、手作りのプレートを付けて気楽に気長にということをモットーに無理なく活動しています。会員は今約350名いて、小学校1年生のお母さんから会員になってもらい、我が子の安全は地域で見守っているということを意識してもらっています。先日、脱走犯が出たときも、小学校は集団下校になったんですが、地域の方にもいち早くそういう連絡があって、パトロールを一緒にしてもらいました。第1次プランで取り組んだのは、安全マップの作成です。平成18年の小学校3年生と一緒に街探検を行い、危険なところや人目につきにくいところの情報を集めて作りました。

青色回転灯、通称青パトですが、これも3台ありますので、それでのパトロールもしています。一家一点灯運動というのもやっているんですが、アンケートで、危険なところはどこですかと聞いたときに、夜間、街灯が少なくて暗い通りがあるという回答があったので、各家庭の門灯を点けてもらって、まち全体を明るくしようという取組を行いました。昨年の10月に門灯運動のプレートを800枚作って、戸建ての家には配付しました。賛同していただいた家では門灯を点けていただいていますので、まちが明るくなっていると思います。
今取り組んでいるのは、作ってから5年がたった安全マップの見直しです。昨年の10月に早稲田小学校3年生と地域のボランティアと一緒に街探検をして、また、新たに危険なところはないかというのを点検してみました。今年度の3月を目標に新しいマップを作っているところです。

最後に、一家一点灯運動で早稲田のまちが明るくなって効果がでていますし、地域の防犯意識も高くなったんじゃないかと思うので、広島市全体にこの取組をもっと広げられたらなと思います。節電は必要だとは思うんですけれども、明るくすることで防犯意識が高くなると思いますので、ぜひお願いします。

Hさん
「防災ネット」は3本の柱を立てて活動しています。まず、災害時のネットワークづくりなんですけれども、いざというときに本当に力になるのは、日頃からのご近所付き合いであったり、人と人とのつながりということで、平成21年度から毎年、「支え合いマップづくり」の研修を進めています。今年度からは、「シルバーねっと」の「いきいきサロン」を利用して、一人暮らしの方を対象に「やさしさ発見講座助けられ上手なまちづくり」という研修を進めておりまして、今年度で、早稲田学区5町内で一通り全部こういう研修をしたことになります。今年度はそれとは別に、平成11年に起きた「6・29災害から学ぶ」と題して、佐伯区河内地区での近隣ミニネットワーク事業についての研修を予定しています。

次に、防災避難訓練なんですけれども、平成20年8月に早稲田中学校で一泊二日の宿泊体験をしました。武道場や体育館に夜、電気も点けずに寝て、また、アルファ米を炊いて食べてという体験もしました。平成21年には災害用備蓄倉庫を、小学校から広域避難場所でもある女学院大学のグラウンドと隣接している中学校に移転していただき、中学校を生活避難場所にも指定していただきました。
災害時非常持ち出しセットとして、紙にこういうものが要りますよと書いただけでなく、実際に道具を集めて揃えて展示して、こういうものを準備したらどうですかという啓発活動も続けています。
3つ目の柱である救急救命講習も平成18年から年2回実施しています。

「防災ねっと」の課題としましては、地域全体での避難訓練というのがなかなか実施されていないことです。大がかりな避難訓練というのが難しいようであれば、今後はテーマを絞ったりしての避難訓練を続けていきたいと考えています。小中学校の避難訓練というのは、先日、両教頭先生に話を伺う機会があったんですが、火災と地震と不審者を対象に年2~3回実施しているそうなんですけれども、早稲田学区では土砂災害の危険地域が多いので、どこに逃げるとか、何を持って逃げるとかを各家庭で話し合う機会をもってもらえたらなと考えています。自分たちのまちは自分たちで守るという原点に返って、災害意識が非常に高まっていますので、今後も頑張って啓発活動を続けていきたいと考えています。

Bさん
私は阪神大震災を宝塚で体験したんですけれども、3.11のときに、とっても上手に非難を行った釜石市のことを知りました。その中で、釜石市の小中学校では2008年からの取組として、専門家から地域のここはこうあぶないという話を聞いて、学校にいるときはこう避難しましょう、家にいるときはこうしましょう、登校や下校途中であればこうしましょうということを具体的に考えさせていると聞いています。家族にも自分も逃げるからお母さんも勝手に逃げてくれと伝えていたんだそうです。それがあったおかげで、遊んでいた子どもも家に帰らずに友達と逃げた。親も子どもが気になったけれども、子どもが逃げていることを信じて自分が逃げた。また、小学生が小学校の屋上に逃げていたら、中学生がもっと上に行っていたので、小学生は自分で判断して中学生についてもっと上の施設に逃げたんです。元々小学生のいた小学校の屋上も想定では安全なところだったんですが、自分たちで判断して中学生のいる一つ上の施設に逃げたら、そこも崖が崩れてきたらしくて、ここもあぶないんじゃないかと思って、さらに上のグループホームかなんかの施設に逃げたらしいんです。その逃げた施設のお年寄りの車椅子を押し、小さい子どもたちの手を取り逃げたんだそうです。
このように小学生、中学生が自分で判断してそのように逃げたということが素晴らしいことだと思って、そういう教育を小学校、中学校でやっているというのを聞いて、広島市でもやっていただけないかと思いました。

この間、脱走犯の事件が起こったときに思ったんですが、吉島では想定外だったかも知れませんが、そのことが起こったときの避難訓練というか状況把握が必要だったと思います。早稲田地区は津波の心配はないと思いますが、土砂災害の危険はあるかもしれません。私は関西出身なんで、ここはどんなふうにどこがあぶないということがよく分からないので、子どもが学校で学んできて、親子でああしましょう、こうしましょうということを勉強しています。釜石市の例では、そのような取組をしていると、それが10年経てば小学校で学んだ子どもたちが成人になります。さらに10年経てば、30代、親になります。そして町全体が防災意識をもったまちになります。素晴らしいことだと思いませんか。
自分たちの判断で生き残ることのできるような教育を、釜石市では教育委員会が先導して専門家を呼んで行ったらしいのですが、そのような取組を市が先導して実施していただければと感じています。

Iさん
「じょうほうネット」では、第1次まちづくりプランから継続して、「社協だより」の発行と、広島市の地域ポータルサイト「こむねっとひろしま」を利用したホームページの開設を行っています。また、携帯電話を使った情報伝達システム「メルポコ」を利用した情報伝達を行っています。「社協だより」では、行事予定表が最初で、以前誰がどんなことをやっているか調べてみようというときに、どの団体がどんなことをやっているのか一覧のようなものがあればいいねということから始まったそうです。それまで、「社協だより」は年4回発行していたのですが、裏面にこの行事予定表を入れて毎月発行することにしました。毎月、中国新聞にお願いをして早稲田学区で中国新聞をとっている家庭には月1回配ってもらっています。そのほか、早稲田公民館、早稲田集会所、デイリーストアにも置かせていただいています。ホームページにも同じものを掲載していますのでそちらでも見ることができます。小中学校にも配付しており、学区に住まれていない先生方に早稲田の状況を届ける手段にもなっています。

また、早稲田では、「メルポコ」を使って確実に情報が届くようにしているのですが、昨日、他地区の団体との会合で、脱走犯が逃げたときに、その情報が自分のところには届かなかったという声を聞きました。早稲田学区は、地域のボランティアや団体のところにもちゃんと届くようになっているのでいいなと思います。

課題としては、世代間の情報収集手段の相違ということがあります。パソコンや携帯電話にあまり馴染みのない世代の方については、ホームページのアクセスも少ないですし、「メルポコ」は一斉送信ができたり便利なんですが、「シルバーねっと」に関してはいまだに電話連絡になっています。使える世代と使えない世代があるということです。

もう一つは、新聞をとらない世代があるということです。スマートフォンとかパソコンとが携帯電話で情報を収集する世代とは情報入手の仕方が違うので、そこをみんな網羅するということはなかなか難しいなと思います。また、発信するだけなく意見も聞けるような開かれた「じょうほうネット」でありたいなと思います。

市長
全体の御説明を聞かせていただきまして、ある意味では私の理想とする地域に近いまちになっていると思いました。正に、皆さんが自分たちのまちを大切にして、ここで自分の生活をいかに充実させるかという気持ちがなければこうしたものはでてこないですよね。それぐらいまちを愛して、本当にまちに愛着を感じているということが大前提にあるということを強く感じます。まちというのはこれが原動力なんですよね。自分自身、40年以上前ここにすんでいましたけれども、典型的な転勤族です。地の人と転勤族が融合しないままに水と油みたいにしながら、なんとなく喧嘩しないようにあいさつしながらやるというのが普通のまちの姿です。大体、地の人と新しい人がいざこざを起こすというのがごく普通のまちの生業なんですけれども、ここは、水と油の間に良く洗剤が入って、両方がくっついている。ある意味で皆さんが洗剤役だと思いますが、常に両方の融和を保っていると、この潤滑油というか洗剤をいかに切らさないようにするかというのが重要ですよね。いろんな人の生業が活力があるっていうのは、「ヒト・モノ・カネ」が常に動いてないといけない。いったん止まっちゃうと止まった瞬間はいいですけれども、それが切れたとたんにガタガタってなっちゃうんですよ。例えばこういう形で皆さんがいろんなネットに参加しながら、常に次の若い世代にどう繋ぐかということを忘れちゃだめですよね。ヒトの循環が要りますよね。ツールというかモノも1回作って20年もほっとくと駄目ですよね。ツールの循環も必要ですよね。基本は継続です。そしてカネは欠かせません。人間の体で言うと血液ですから、これがないと息ができません。このお金、血液を最後にどんどん回さないと駄目ですよ。それを同時に上手くやっていくためにどうするか。まちの中で人々が入れ替わっていくシステムをずっと維持し続けないと意味がありません。

そしてそういうことを恒常化できるのが行政なんです。行政はこの地域だけでなく他のところからも税金を取っていますでしょ。こっちの方にちょっとちょうだいということができるわけですよ。そしてそのお金をここに回す。他のところから了解を得て、こんなにいいんですから回させてくださいということを上手く伝えながらやっていくということがまちづくりの基本だと思うんですね。そのどこかが欠けても一時はいいかもしれませんが、必ず駄目になるんです。昔は良かったけど今は駄目だというようなまちはいっぱいあるんですよ。継続させるためということをずっと仕掛けて、仕込んでおいてください。それを行政が助ける。そういうときには、一番最先端は区です。区にいる職員だって同じじゃないですよ。職員が変わってもその仕事をするセクションのところと常に連携を取って、継続的にやっていくということをやってください。そういう意味では、仲良くしながら、もちろん金をくれ、やらんという緊張感があっていいんですよ。良識を持っていろんなことをきちんと話し合える環境をつくるということをやり続けてもらったら、ここのシステムは最高のシステムですよ。これをいろんな形で市内の至るところにやっていったら、とてもいいまちになるということを実感しました。あとは、どう広げるかだと思います。

Jさん
広島県の共同募金会のテーマ募金として地域がこんなことで困っているのなら、それに対して補助しましょうというシステムがあります。それに応募して、この度、広島県で12団体が選定された中で早稲田学区が選ばれました。

私たちが今困っていることとして応募したテーマは、太鼓の団体が使用している太鼓の修理、災害時などに電源がなくても使えるような放送設備の充実、また、ここら辺はイノシシが結構出るので、それを駆除するための設備、それと、早稲田で一番自慢の宮島まで見通せる高台があるんですが、その場所への案内板の設置という4テーマです。総額120万円ぐらいの予算なんですけれども、我々が熱意を込めて60万円集めたら、残り60万円を補助してくれて、120万円の事業ができるんです。このようにお金の面でも我々ができることはこうして取り組んでいるということを分かっていただきたいと思います。

それから、先ほど、児童館の話が出たと思うんですが、早稲田小学校ができて32年になりますが、今だに児童館がないんです。実は早稲田小学校は坂の上の方にあるので児童が学校が終わって家に帰って、またそこに行くというのは結構大変だと思うんです。そのため、市長にぜひお願いしたいのは、早稲田学区の中心地にあり中国財務局が所有している9号棟広場を市で借地してもらって、児童館だけでなく複合型で年寄りも児童も集えるような施設を造っていただきたい。早稲田学区には空き地がほとんどなく、地域のとんどまつりや盆踊りなどでもそこを使用しています。中国財務局とぜひ話をつけていただいてよろしくお願いしたいと思います。

時間もなくなりましたので、全体を通して、市長から総括的なコメントをいただければと思います。

市長
高齢者の緊急時連絡先のことですけれども、確かにいいことだと思います。今話を聞いていて、入れるケースの規格を統一することよりも、むしろ、どういう情報を整理して入れておくのかということとか、情報が変わったときに最新情報をどうするのかということもある程度マニュアル化したりすることが大事だと思います。そういう先進事例について、皆さんに「お勧めのやり方ですよ。」ということでソフトタッチで紹介できればいいんじゃないかという気がしました。そういう意味では高齢者地域見守り活動の事例集をつくって市民の皆さんに配付するという取組がありますので、その中に取り込んで紹介するということをしていければなと思いました。

それから、児童館の話は、早稲田小学校の生徒数が減っていて空き教室があるから、児童館の本来必要なスペースから見ると狭小かもしれませんが、それでもいいので有効活用するというのだったら、そういう方法が一番早く児童館ができると思います。公務員宿舎がなくなって跡地に大規模マンションが建てば今後生徒数が増えるという話があるとのことですが、今の建物がなくなってもそこに新しい建物が建つまでは相当の期間が必要です。先の話をして、今後増える可能性があるんで使えませんとは言えないと思います。今空いているものをどう有効に使うかということを考えることが重要だと思います。
また、財務局の広場の土地については、財務局長にはお会いして話は聞いてみようと思います。相手方の事情もあるのでここで気安く返事はできませんが、話は聞いてみます。

花の活動についてですが、市として、プランターを公的な施設に置いていきたいと考えています。また、プライベートな建物でもなるべく公的な使い方をしているところには頼み込んで花を飾るようにしてもらうということを今一生懸命やっています。その一環で、広島市独自のプランターというのは大いにありです。しかし、そのためにあまり高いプランターをつくるのはどうかと思うので、広島のものであるということが分かるレベルでマークとか何か工夫して、それをまた各区でアレンジしてっていうのはありだと思うんでちょっと考えます。
植物公園の話も非常にいい話ですから、おっしゃっていただいたら連絡が取れるようにします。

もう一つは、パンジーなどまだ生き生きしているのに、植え替えの際に捨てられてしまうのはもったいないということだと思うんですが、業者に選別させてまた持ってこさせるということになると契約とかがややこしいことになる可能性があるので工夫がいりますよね。植え替えの時期がわかっているんだったら事前調整して欲しい人が事前にとるとか業者が取るときに調整するとかいうシステムというか手順を工夫できないか検討してみます。

防犯では、これまで言ってきた「ゴミ・花・自転車」にもう一つスローガンを入れることにしました。「門灯点灯」です。「ゴミ・花・自転車、門灯点灯」で明るくて安全なまち、ゴミのない花のきれいなまちでもてなし、自転車で気楽に乗り回せるまち、安全なまちということで宣伝しますよ。

防災の話では、間違いなく言われたような取組は必要ですよね。非常時には「こうやりなさい。」という命令は全然意味がないんですよ。自分が生き延びないといけない、自分を安全にするためにどうすればいいかという判断能力ですよ。判断能力を養うことが一番です。いろんな選択肢がある中でベストを選ぶ思考方法を身につけておくということは非常に重要なことです。一番駄目なのは、誰かに相談して逃げましょうということです。自らが判断するという癖を日頃から身につけておくということが基本だと思います。

全体として、この早稲田学区の取組は、どれも全市でやってもらってもいいような取組だと思います。良いお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

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