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ページ番号:0000302636更新日:2022年10月19日更新印刷ページ表示

2022年10月12日記者会見「第10回平和首長会議総会の開催について外3件」

動画は下記からご覧ください。

(「広島市公式チャンネル(YouTube)(市長記者会見)」のページへジャンプします<外部リンク>

日時 令和4年(2022年)10月12日(水)午前10時15分~午前11時01分

場所 市役所本庁舎11階第1会議室

 

市からの発表案件■

【第10回平和首長会議総会の開催について】

市長

 この度、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等によって、令和2年8月から延期しておりました第10回平和首長会議総会を開催いたします。そのポイントについてお話ししたいと思います。詳しくはお手元の資料を後ほど御覧いただければと思います。

 まず、この度の総会では、「核兵器のない平和な未来を創造するために、市民社会に『平和文化』を根付かせよう」ということを基調テーマにいたしまして、加盟都市が今後の取組について議論するとともに、平和首長会議設立40周年を記念する行事を行うことにしております。

 会期は10月19日(水)と20日(木)この2日間であります。広島国際会議場をメイン会場にいたしまして、対面出席とオンライン出席のハイブリッド形式で実施いたします。10月11日現在における出席の申し込み状況を見てまいりますと、国内が97都市で169人、海外がオンライン出席を含めて26か国45都市86人、合わせまして27か国142都市255人となっています。また、役員都市からは、田上長崎市長のほか、先月ポルトガルのリーダー都市と理事都市に就任していただきましたエヴォラ市を含む海外5都市の代表が対面で出席される予定になっています。

 総会の主なプログラムとしては、19日13時30分から、広島国際会議場「ヒマワリ」において、開会行事を開催し、平和首長会議の40年の歩みを振り返る記念動画やアントニオ・グテーレス国連事務総長によりますビデオメッセージの上映などを行います。15時15分からは、「役員都市の選任」及び「『平和首長会議のサポーター制度』の創設」の二つの議案を審議・決定する会議Ⅰ、それに続いて、「加盟都市の役割」をテーマに加盟都市が事例発表などを行う会議Ⅱを開催します。

 翌20日の10時からは、国連(国際連合)における「平和の文化」の提唱者でありますアンワルル・チョウドリー元国連事務次長による講演に続きまして、田上市長と私を加えた3人でパネルディスカッションを行います。その後、「被爆者の思いを受け継ぐ青少年の役割」をテーマに平和活動に取り組む若者や加盟都市が事例発表などを行う会議Ⅲを開催いたします。14時からは、会議Ⅳとして、こちらも第10回となります国内の加盟都市の総会を開催し、その後の閉会行事におきまして、平和首長会議設立40周年を記念するヒロシマアピールを採択することにしております。

 核兵器を巡る世界情勢を見ますと、ウクライナ情勢が緊迫化し、核兵器使用のリスクが懸念される中、6月に核兵器禁止条約の初の締約国会議が開催され、その最終文書において、核兵器禁止条約とNPT(核兵器不拡散条約)が補完する関係にあることが再確認されております。しかしその一方で、8月に開催された第10回NPT再検討会議では、前回に続いて交渉が決裂し、核兵器使用の非人道的結末への認識が核軍縮に向けたアプローチを下支えしなければならないと明記された最終文書案が採択されませんでした。これは、核軍縮・不拡散措置を確実に進展させようということに反するだけではなく、核兵器廃絶に向けた被爆者の願いを断ち切るものになっているというふうに受け止めています。

 まずは、現下のこうした動きを押しとどめ、核軍縮・不拡散措置を確実に進展させるために、核兵器の非人道性の認識を世界中に広めるとともに、そのことの重要性や必要性を理解して、次の世代の平和活動を担うことになる青少年の育成などを通して、「平和文化」を市民社会に根付かせることに一層注力していく必要があると考えています。

 この度の総会では、その具体策として、先ほどの議案の一つとして紹介しましたように、平和首長会議の理念や取組に賛同する個人あるいは団体(サポーター)を増やすことによって、為政者の政策転換を促す市民社会の総意形成に向けた環境づくりを行うために「平和首長会議サポーター制度」を創設することについて議論したいと考えています。この制度の実施に当たりましては、青少年の育成を併せて推進するために、SNSを使って若い世代に重点的にアプローチして、サポーターの獲得を図るとともに、サポーターを巻き込んだ情報の拡散を行って、平和文化振興の好循環を構築していきたいと考えています。

 また、ヒロシマアピールでは、先ほど述べましたような世界情勢を踏まえながら、設立から40年で166か国・地域の8,213都市が加盟する国際的なネットワークに成長した平和首長会議が、昨年7月に策定した「持続可能な世界に向けた平和的な変革のためのビジョン」略称でPXビジョンと言っていますが、この三つの目標の下で、併せて策定した2025年までの行動計画に掲げる取組を進めて、平和を構築していくという決意を改めて示したいと考えています。

 この度の総会は、平和首長会議設立40周年を記念するものでもあり、多くの市民の皆様にも傍聴していただき、市民社会に「平和文化」を根付かせるために何ができるか、一緒に考えていただきたいと思っております。

 以上が第10回平和首長会議総会の概要であります。

 

記者

 まず第1点目に、首長会議の総会のですね、今、市長、もうすでにおっしゃってくださったんですが、もうちょっと詳しくお尋ねしたいのが、ロシアの侵攻がまだ終わりを見せない中で、核使用の危機っていうものもどんどん高まっているというふうにいわれる中で、こうした総会を開くということに対する受け止めというか、意義とか意気込みとかっていうのを、もうちょっと詳しくお尋ねしたいです。

 

市長

 先ほど申し上げましたように、核兵器を巡る世界情勢、暗雲が漂っているといいますけれども、よく見ていただくと、この暗雲を漂わせているのは、主に核兵器を持っている国レベルの、国対国の争いなんですね。そういたしますと、国というのは、あくまで観念的なものでありまして、人間などと違って実在するというか、生存するものではないんですね。人はこの世に生まれて死にますけど、国家というのはそのシステムですからね。いろいろな、どういうふうに維持するかという人の集合体で、人の集まりとして物事を営むという集合体の一つの観念的産物ですよね。それがこういう状況を起こしているわけですから、こういったことを起こす、人となり、それぞれに戻っていかなきゃいけないんですけれども、今、選ばれていて国家を指導する権限を与えられている人、立場の人がいろいろ考えて、個人と言いません、複数は考えながら起こしているわけですから、その問題の根源のところを、もう少し考えるべきじゃないかということを申し上げたいんですね。すなわち、いま一度、我々個々人として、平和というのは何なんでしょうかということをよく考えること。

 そして、核兵器のない平和な世界というのは、必ずどなたも望ましい理想的な世界だと思われるでしょうから、その理想をまず語る。そして、理想に向けて努力する市民社会といいますか、国家という枠をかぶせる以前の市民社会として、平和に向けてどういったことをやればいいんだろうというような議論を、もっともっとしっかりやれる、そういう環境を作り上げていくということが、今一番重要だと思いますね。どちらの国が良くて、どちらの国が悪いというようなことを言って、物事を収めるということは多分できない。つまり、片方について指示すると、「いや、そういうふうになっていない。向こうが悪いんだから」と言って、要は責任のなすりつけ合いを、国というレベルでやりますよね。人間のことを考えていないわけですよね。そういうことだと思います。

 ですからこの総会では、少なくとも核については核廃絶ということが理想なんだから、それを求めるための取組を都市として、国家じゃなくて都市としてどうするか。そのために、まず連帯しようじゃないかということ。そして、今の問題を解決するために、直ちにいろいろな影響力を持っている方々、そんなにいるわけじゃないんですけれども、若い方々が間違いなくそういった考え方を持っていただいて、その中から選ばれる為政者がこういうことを起こさないようにするということを、今以上にやっていく。暴力を否定する平和文化を市民社会に根付かせる。そして、それを担う若手を育てる。こういったことに、今こそ力を入れていくべきじゃないかと、そんな会議にできないかなと思っています。

 

記者

 今の最後の方に、国家ではなく都市として連帯していくという言葉をおっしゃってくださったんですけれども、この春にも、ウクライナ侵攻を受けて、姉妹都市のロシアのボルゴグラード市との交流事業を中止するっていうふうなことがあって、国家の枠を超えて都市として連帯する上では、ロシアであっても都市の連帯っていうのが必要なんじゃないかなと思うんですけれども、その後、この中止後、広島市として、このボルゴグラード市とか、ロシアの都市との連携とか連絡とかは、まずどうなっていますでしょうか。

 

市長

 8月6日の件は、都市とっていうか、いわゆる広島市として開催するんですけれども、ある意味で国家事業みたいになっていて…

 

記者

 ボルゴグラード市との姉妹都市の連携(の話)です。

 

市長

 だから、その延長です。そのときに国家としての立場があったりして、いろいろ判断してロシアの方に招待を出さない、国に対して出さないということを通じて、都市の方にも案内が行かなくなったんですけれども、この平和首長会議はダイレクトに都市間の交流でやっています。それで9月末現在、ロシアからは副会長都市をしていただいているボルゴグラード市とは、オンラインで出席という取り扱いにしています。実際こちらに来ることは、なかなか難しいということでありました。一方、ウクライナの方は加盟都市5市あるんですけれども、連絡を取っているんですけれども確認が取れないと。戦闘状況なんでしょうね。そんな状況であります。都市としてはアプローチして、それぞれお話しできる関係にはあるということであります。

 

記者

 やはり、国家はこういうふうな状況ですけれども、広島市としてはロシアであっても都市間の連携は強めていきたいというふうな理解でよろしいでしょうか。

 

市長

 はい、そういうことですね。

 

記者

 今、お話しいただいたボルゴグラードの参加に関連してなんですけれども、これは市長の御意見と申しますか、見立てをお伺いしたいんですが、今回ボルゴグラードがロシアで加盟都市67都市(※)ある中で、唯一オンライン参加をしているというふうに承知をしているんですけれども、なぜ今回参加をすることになったのだと思いますか。それは今までの姉妹都市としての交流の積み重ねみたいなところは影響したんでしょうか。

 

(※)音声では41都市と発言していますが、67都市の誤りです。

 

市長

 そうじゃないかと思います。向こうからの直接の理由は聞いていないんですけれども、ボルゴグラード市は、広島がハワイのホノルルと姉妹提携を結んで、アメリカの都市だったときに、ロシア、当時はソ連ですけれども、の都市としても、この被爆の実相を知って、自分たちもその第2次世界大戦で非常に多くの市民を失った大変な都市だった。だから、そこの痛みは分かっているので自分たちとも姉妹都市提携しようじゃないかと。そして、広島の核のない世界を希望する都市の気持ちはよく分かると。そんなことがあって姉妹都市提携しています。ですから、ロシアの中でも、ある意味で広島への理解が深い都市ですから、こんな状況の中でも、こういった形でオンラインでも出席するというふうに返答いただいているんじゃないかなと受け止めています。

 

記者

 もう一つお伺いしたいのが、一方で平和首長会議を巡る動きとしては、ウクライナへの侵攻を受けて、ドイツのハノーバーを中心に、ハノーバーで作っていらっしゃる旗をヨーロッパの都市が掲げて、加盟都市が急増したっていう動きが一方であると思うんですけれども、同じ平和首長会議の中に、当然ながらロシア国内にある都市もあれば、ロシアを脅威に感じる側の都市の動きもあって、それぞれがそれぞれの活動をしていると。その中で合意を探っていくことの難しさですとか、あるいは、それはそんなにハードルとしては考えていらっしゃらないのか、その辺りをお伺いできたらと思います。

 

市長

 各都市同様の悩みを持っていると思うんですね。先ほど申し上げたように、国家と都市の役割の違いっていうのは、首長さんに聞くと、皆さん御持論違いますよね。そして、もう一つ、都市自体も地域特性ありまして、国境を接している都市間で、自分たち都市同士のつきあいと、国家というものを背負ってのつきあいと様々あって、それを例えば島国、日本のようなところと、陸続きの大陸の国家の中の都市、違うものですから、その平和というものを核兵器のない世界を願うということについての理想、追求は変わらないんだけれども、実現していくためにおいて、自分たちの地域の中で、都市としての合意形成と、そしてそれが影響して、いずれ国家にもそういった理想を受容してもらうためにどういった行動がふさわしいのだろうというのは、その地域ごとに運動とか活動方法を考えていただきたいと思っているんです。そのために地域ごとにリーダー都市を決めて、そこの中で合意できるやり方をやってくださいと。そして、それを基本的に、平和首長会議全体としての方向に合うのであれば支援します。ただこちらが真似するんではなくて、それは頑張ってくださいねというやり方でやろうとしているんですね。

 そして、ドイツの場合は自分たちも東西冷戦でいろいろ味わっている国家であり、そこの都市ですね。ですから、そういった中で自分たちの考え方を、その平和首長会議という平和を象徴する旗のもとに集まってみんなで考えようじゃないかというふうな考え方で平和首長会議の旗を掲げ、これに賛同してくれということをやっているんですね。だから起こっている事象に関して、どこが悪いとかどこがいいということを言うんじゃなくて、それを乗り越えて仲良くするという道を歩もうじゃないかというふうにやってくれていると思っています。それが平和首長会議としての理解であります。そういう取組をいろいろなところでやってもらいたい。

 要するに争いを超えて理想を求めるための活動方法をよくよく考えてくださいと。相手の国家としての立場で、あれをやったから自分がこういうことやるのが正しいんだとか正当化するとか言い訳に使われることのないように、それを乗り越えた形で対応しているということを、みんなで分かるようにしてもらいたいと思っています。

 

記者

 最後に一つだけ。ウクライナからの応答が今回ないことについて、どのように受け止めていらっしゃいますか。

 

市長

 こちらは多分、ああいう状況ですから、こちらと事務連絡を取ろうにも、多分国内情勢として動き取れないんじゃないかと思っているんです。とても気の毒だと思っています。事務方がやろうとしても最終的には首長の決断が要りますでしょう。首長も今言った国内状況の中で、国の立場との協議なんかをしたりして、判断がなかなか出せないんじゃないかと。そうすると、こちらからの案内状について返事がなかなか来ないというか、回答がいただけない、そんな状況なんです。迷っておられると思います。

 

記者

 平和首長会議とはちょっと逸れるかもしれませんけれども、ロシアのウクライナ侵攻で、現時点でロシアによる戦術核使用への懸念がここに来て非常に高まっていると指摘されています。戦術核は、使える核兵器とも言われているわけですけれども、広島、長崎のタイプよりもより大きなものがあるというふうに指摘されています。77年間使われなかった核兵器が使われるかもしれないという懸念について、市長は今どのようにお考えになっていらっしゃるか、お話をお聞かせいただけますでしょうか。

 

市長

 今言った懸念はですね、国というレベルで起こしている争いだということを最初申し上げました。その国をリードしている方々の疑心暗鬼が積もり積もって、こういう状況を引き起こしている。だから、その双方の問題となる為政者が疑心暗鬼を解くということをやってもらいたいんですね。言葉は全然ふさわしくないかも分からないけど、気持ちとして喧嘩両成敗です。もし日本がね、その争いの当事者の国になっていたら、こんなこと言えてないかも分からないと。だから先ほど申し上げたウクライナの都市の首長さん方、なかなかお誘いかけても返事できないと。まずは第三者的な立場でおるから、こういうことが言えるということはあるんですけれども。願わくば当事者と、ある為政者が国を代表する者は、相手が悪かったからやったんだと、いやいや向こうが悪いからやったんだという、そういうけんか腰の対応というのを、まずどうしたらやめられるんだということを考えてほしいんですよ。それを、そういう危機があるからどちらかを味方して援助して事態を収めよう、あるいはそういう影響があるから自分たちも争いに向けて備えていこう、武力を確保しようと、そういう議論をすべきタイミングではないと思うんですよね。もっとそれを超えた理想を求める。そして今起こっている事態を、いかに沈静化するかを双方が冷静に考える。そういう場を提供していくということこそ今求められるんじゃないでしょうかね。でも国家ですからね。都市としてそれをできないから、我々は首長のレベルでそういった社会環境をつくるために努力しているんですよと。だから、これを理解して冷静になってくださいと言いたいぐらいの気持ちで平和首長会議も動くし、国際平和文化都市であるヒロシマもそういった立場で物事に対処していく必要があるなと強く感じています。危機が迫れば迫るほど、皆さん冷静に物事を、自分たちが本当に滅ぶかどうかということなんですよと、人じゃなくて自分たちなんですよということを強く申し上げたいと思います。

 

記者

 77年間、ヒロシマとしては二度と核兵器は使われてはならないということを訴え続けてきたわけです。そうした中でまさにこういう事態ということで、市長の御意見をお聞かせいただけますか。

 

市長

 本当に言いますけど、事実を知るということと、その事実を使って、結果として当事者をあおるというようなことがないような展開を、ぜひしたいんですね。沈静化をさせるためにどういったことを皆さんが考えにするかと、やっている当事者に冷静になれるような状況設定をどうしていくかということを考えるんです。そうしないと、あの国家の中で実際に被害に遭っているのは国民ですよ。死んでいるんですよね。自分がその人間になったときに、向こうが悪いからじゃあ死んでいいということになりましょうか。こういった殺害行為がとにかく起こらないように、事態を解消してもらうために、何がいるかと。どちらかを制裁するという決定権が国家システムの中にないわけですからね。両方がこういった争いから手を引く、やめるというそういう環境設定をどうするかということを本当に考えなきゃいかんと。そういうふうに思っています。具体的手段がなくて困っていますから、だから世論(よろん)とか世論(せろん)とか皆で市民社会でそういったことは望ましくないんだと。そのこと自体をみんなでやめよう。そして将来若い世代も、そうみんな願っているんだから若い子たちのことも考えるならば、自分たちが今その世界を滅ぼすとか無駄なことをやるということを控えなきゃいかんということを、真剣に考えていただくための環境設定をしっかりやっていくということだと思っていますけどね。

 

記者

 そういう意味では今回このタイミングで平和首長会議が開かれるということですから、しっかりメッセージを発していきたいということでしょうか。

 

市長

 そういうことです。そして我々の取組をサポートしてくれる方々を増やそうとしていますよと、だからそれを応援するということで、環境設定を変えるということを今は一歩でも踏み出しましょうと、そんな会議にしたいと思っています。

 

記者

 平和首長会議のサポーター制度について概要と狙いというのを、もう一度改めて端的にお伺いしてもいいでしょうか。

 

市長

 平和首長会議そのものは、先ほど申しましたように都市が加盟員になるということでやっていますけれども、この都市も国家と同じように観念の産物なんですね。そういたしますと、結局は人間一人一人というものを捉えなきゃいかんと。ですから最終的には個人が、そういう都市間の集まりでそういう活動をすることを、私たちも支持しますよということを増やしていただきたい。それを一人で、あるいは集団でやってもらってこれだけの多くの都市がやっているんだから、そこにいる都市のもとで暮らしている方々、皆がそうだねと、その理想に向けて努力をするということをみんなで応援しようじゃないかというふうな声を上げていただきたいんですね。そうすることで国家というものはそういう市民、国民を前提に成り立っているんだからその意見を聞かないと自分たちの統治技術っていうのは効果がないなと考えていただけるぐらいの大きなものにできないかなと実は思っていまして、都市国家、都市によって形成されている国家だということを前提にしていますからね。それで加盟都市を増やすということで平和首長会議をやっているんですけど、さらにその加盟都市の構成する、その人々、人もみんなそれに賛同しているんですよと、応援しているんですよという構造を作ることで、国家をコントロールする為政者に、この我々の発する理想なり考え方を聞かなきゃいかんですよということが分かっていただけるような、そういう構造にしていきたいと思って、この制度を発足させるということであります。目的意識としてはそんなところです。

 

記者

 内容としては、例えば具体的に…

 

市長

 内容は「平和文化」という言葉で抽象化しているんですけど、つまりいろいろな暴力を認めない社会活動、それを若者たちが中心になってこれがうまく展開できるような、社会情勢を形成してくれないと、皆不満なんですよということが分かるようにする。そういう意味では平和文化を振興するという言い方をしているんですけれども、スポーツであれ文化芸術であれ、戦争なんていうことをやっているとそういうことができません。それを十分に堪能できる、あるいは個人が楽しめる社会状況を作るということを皆が希望していて、それを破壊することが本当にいいんでしょうかとか、そういうふうに考えていただくためにも、この平和文化が振興され、そして各都市レベルでそれが根付いていくということを目指したいと思っています。

 

記者

 具体的にこういうことをやっていきますというのはこれから。

 

市長

 今から。今、申し上げたのは「平和文化」ということを追求する中で、いろいろな文化活動・芸術活動・スポーツ、そういったものを応援して、若者が生き生きして、それぞれ個人同士のつながりをつけて、その中で対話して理想を求める世界がいいですねということをお互いが確認すると。そんな展開ができればなと思っています。

 

記者

 サポーター制度なんですけれども、個人が対象なんですか。

 

市長

 個人、あるいは集団で。

 

記者

 個人とか企業とか。

 

市長

 団体っていう形で。

 

記者

 ああ、NPOとか。

 

市長

 そう、なんでもいいですよ。なんでもいいってことはないけど、人、より個人に近いレベルでこういう都市を支えるという活動を支持するし、ある意味でドネーション、寄附なんかしてもらうともっとありがたいなと思うんですけれど、そんなことを賛同していただきたいと。

 

記者

 賛同していただける個人とか団体を募って、それから具体的に何をやるかはちょっと今後詰めて。

 

市長

 そこでの要望、こんなことやりたいっていうんであれば、それに役立つ支援を自分たちもやりましょうと。そこで何ができるかっていうことの話し合いをすると、そんなものにしていきたいと思っております。

 

■市政記者クラブからの代表質問■

【次期市長選挙への立候補について】

記者

 次期市長選挙についてお伺いいたします。

 市長の任期満了まで半年となりました。次期市長選に立候補されるのか、現時点でのお考えをお聞かせください。お願いいたします。

 

市長

 確かに今年度は市長としての3期目の最終の年ということであります。そういう意味で、これまでの取組の総仕上げを一生懸命やらせていただいている、そんな状況であります。

 したがいまして、現時点におきまして、そういう問いかけに対しましては、残りの任期中に市政運営に関わる課題解決に向けてどこまで結果が出せるかが最大の関心事でありまして、これに専念するということにしたいと思います。したがって、次の市長選についての判断は現時点では白紙と、今やることをやり抜くという気持ちでいっぱいです。

 

記者

 次期任期中には来年5月にG7サミットがあるわけですけれども、世界の為政者を被爆の実相を知ってもらう機会というふうになりますけれども、その場面に市長の立場で向き合いたいというようなお気持ちはどうでしょうか。

 

市長

 5月のサミットに向けては今、県民会議という組織を立ち上げて県知事さんが会長で、副会長を私と商工会議所の池田さんでやっておりますから、今の任期中にやることはその会議がきちんと設定されて、被爆の実相を、被爆者との対話そういったことができるような要請活動をしていますから、まずその願いが政府に届いて、そういった会議の中でそれをセットできるということを最大限狙っています。その上で今言われたようにその場に立ち会えればそれはハッピーだと思いますけれども、今申し上げたように、それ以外の仕事も今実はたくさん課題として持っています。コミュニティーの活性化とか公共交通の問題とか、その他にも図書館の問題とかいっぱいあります。これについて、はっきり言ってどれもがまだ目途がついていないというか、検討中ですから、それについてしっかりやれる・やれないという成果を踏まえた上で、という状況だということであります。

 

記者

 その次の次期選挙、もし立候補するとなれば今度は4期目ということで、歴代で広島市長としては最長になると思うんですけれども。4期目をもし目指すことになれば、多選ということもちょっと注目されるんじゃないかと思うんですが、これ、市長の多選の弊害についてはどういう認識をお持ちかというところをお聞かせいただいていいですか。

 

市長

 多選の弊害は最初に市長になったときも聞かれたけれども、数だけでの問題ではなくてどういったことを首長としてやったか、その方の市政が市民にどう受け止められているかと、そういう視点から判断すべきだと思っていまして、数でどうこうということを私はあまり気にしていません。実際、広島市長、戦後の選挙でなられた方、7人かな、私の前におりますけれども、4期された方は2人いるんじゃないでしょうかね。だから最長というか、4期された方に並ぶという、2人に並ぶということだと思いますね。はい。と思っています。

 

記者

 それと、まだ今は白紙ということでしたけれども、これまでの実績なども考えながら市政運営なども考えながら次を判断することになるんじゃないかなと思うんですが、その判断のポイントとか時期についてはどのようにお考えでしょうか。

 

市長

 時期は、ですからもちろん年度内、今の任期の中ですよね。そして、あとまだ議会が12月議会とか2月議会とありますから、そこで私の市政についての、いわばもう一方の市民を代表する議員の方々の評価とかも含めて出てくると思いますから。それらをよく考慮して考えたいと思います。

 

【こども図書館の再整備について】

記者

 続きまして、こども図書館の再整備についてお伺いします。

 先日、こども図書館を中央図書館の再整備計画から切り離し、現在地に残す方針を示されました。改めて、この判断に至った理由を教えてください。また、今回の方針を受け、青少年センターをこども図書館に移転させる計画での規模縮小などの影響はないでしょうか。

 

市長

 判断に至った理由は議会でも説明しておりますが、改めてということでありますので、その繰り返しになりますけど、御容赦いただきたいと思います。

 付帯決議を踏まえて作業を進めている広島市立図書館再整備方針(素案)、これにつきまして本年の7月末から約1か月間、市民意見の募集を行ったところ、こども図書館については、その機能を充実させることに加えて、現地に残してほしいという意見が多く寄せられました。また、中央公園での存続を望む市民を中心にして、前身の広島市立児童図書館が、被爆後にアメリカからの図書や建設費用の寄附によって、中央公園に設置されたという歴史的経緯や、それ以来、こども専門の独立した図書館としての役割を担ってきたとして、議会への度重なる請願を始め、シンポジウム、ワークショップなどが開催されたという経過があります。

 そして、その中で出てまいりました意見などは、こども図書館も図書館ということで、中央図書館と一体のものとして考えた方が市民のニーズに応えるのではないかというふうに判断して提案した本市の判断と大きく異なったものなのですけれども、いろいろと言われる御意見には十分に考慮する必要もあると受け止めたわけであります。

 したがいまして、今後、付帯決議に基づき、広島市立図書館の再整備方針の作成後に行うことになっています整備する候補地、どこに図書館を置くかということを比較検討することになっておりますけど、次の段取りを考えたときに、判断が大きく異なる意見のあるこども図書館までも含めて、その設置場所の議論をしようとすると錯綜しかねない、混乱しかねないことから、こども図書館については切り離して、今の中央図書館で純粋に議論をしていこうという判断を示したわけであります。

 また、言われた青少年センターにつきましては、今後予定されております文化科学館のリニューアルに併せまして、その青少年センターが担っております青少年の広域的、自主的な文化芸術活動の拠点としての役割、その役割を生かすための方策を検討していきたいなというふうに考えております。

 

記者

 今回、こども図書館を現地に残すという御判断をされたわけですけれども、他にも中央図書館、映像文化ライブラリーも現地に残してほしいという要望とかも出ていますけれども、そういう声にはどういうふうに向き合っていこうと思われているかというところを。

 

市長

 中央図書館を巡っては、今の中央図書館の中にある施設と、図書館という名を冠しているけど別にある2つの属性の図書館が一緒になって議論されたので、まず、こども図書館は切り離しました。その他、議会などでもその議論は明らかになったところですけれども、図書館という中には、中央図書館と区に設置している図書館、それから、まんが図書館、こども図書館、これぐらいのものになるんですね。で、図書館全体について議論したいというふうな、総論を言われるのですが、よくよく聞くと、実は中央図書館そのものは、今ある中央図書館と区で作る図書館体制そのものを問題視されているわけではないし、まんが図書館が比治山にあったりすることも、それはそれで特段御意見がなかった。こども図書館に関してのみに集中したから、じゃあそれは切り離して中央図書館(についてと)。そうすると、中央図書館に今何があるかというと映像文化ライブラリーが併設してありますと。これについては、今みたいに切り離さなければいけないというふうな議論はなく、むしろ、あそこの利用率を高めるための問題。つまり、図書館全体として利用率が落ちている中で、他の区の図書館と比べても中央図書館はグッと減り方が激しい。それと同じくらいにライブラリーにも来る方がないんですね。だから、これは併せてより利便性の高い、利用しやすいところにやるというのが良いではないかと。その他、あの中には広島が図書館を造る原点となった浅野図書館、その跡がありまして、その扱いとか、それから文化芸術、文芸館といいますか、そういった資料などもあります。それはそれで集まりを気にするよりか、そういった資料を大事にして、もっと市として大切にするといったことを考えてほしいと。どういうふうにすれば、そういった文化面の伝承ができるかといった御意見もありますからね。その文学館とか浅野図書館も図書館という名に、建物に入っていますから、図書館じゃないから切り離して、少なくとも利用者の利便性を高めるということで、映像文化ライブラリーと今よりそれを除いた中央図書館内の、いわゆる中央図書館といわれる機能をまとめてどこに置くかという議論にするべく、今整理をしているところであります。

 

記者

 浅野図書館の、今別途検討するっていうところは、どういうふうな考えで。

 

市長

 それは、その寄附をされた当事者の御意見もありましょうから、いろいろな意見を聞いていかないといけないと思います。文学関係もいろいろな意見がございますから、赤い鳥の歴史があるからとか、そういうのを大事にしたい。どうすれば大事に扱ったと思えるかとか、いろいろありますので、そういう御意見も聞きながらそれは整理していきたいと思います。

 

その他の質問

【G7広島サミットについて】

記者

 G7について少しお伺いしたいです。

 先日10月5日、東京の方に行かれて要望もされていましたけど、そういった活動の現時点での手応え、どれぐらい要望が実現されるのかっていうところと、今後の取組、市長として、広島市としての意気込みを改めてお聞かせください。

 

市長

 確かに県民会議の立場として官邸と外務省、総理と外務大臣それぞれにお願いをしてまいりました。そのときに異口同音に御説明した内容は主に知事からございましたけど、広島の開催ということについての一番の意義は、各国首脳に被爆の実相がしっかりと伝わること。そして、広島の地から平和のメッセージが世界に向けてしっかり発信されるようにということ。それをやっていただきたいという思いですと申し上げて、その中で各国首脳が(被爆の)実相をちゃんと受け止められるようなことをやっていただきたいということで、プログラムの中に平和記念公園の視察とか被爆者との対話ということをしっかりと要望いたしました。国においてもそれを踏まえてしっかり検討をしたいということでありまして、いろいろ検討事項はたくさんあるので、問題意識として要請内容は分かったということで、それについてどうするという返事は実はなかったのですけれども、受け止め、分かったということであります。そういう状況であります。ただ、我々、知事と私と商工会議所と地元を挙げてお願いしていることですからという気持ちは届いたと思っていますけどね。総理そのものも、平和というものについての思いが強くて、それで広島での開催ということを決定されたという動機付けがあるはずですから、我々の要望はなにがしか心にちゃんと響いているのではないかなというふうに受け止めています。

 

記者

 今後どういうことをやっていけるかっていうのと、それに向けた意気込みを改めてお願いします。

 

市長

 今後は、そういった形で各国首脳が今申し上げた(平和)記念公園の視察とか被爆者と対話をされるときに、より、いろいろスケジュール、時間等もありましょうから、あとは外務省とかとのスケジュール調整になりましょうけど、向こうは向こうで多分会議全体の時間割りとか主な議論、スケジュールの方に追われた立場で言われるから、我が方とすれば(被爆の)実相をしっかり受け止めていただくための、しっかりとした場所とか時間の確保とか、被爆者どういう方々をどういう形で複数の、多くの首脳にお話を聞いていただけるか、その点についての工夫をすべく、相手とのやりとりになってきますから、担当部局がこれをしっかりやっていただくということが、年内あるいは年度内の重要な仕事だというふうに思っています。

 

※(  )は注釈を加えたものです。

第10回平和首長会議総会の開催について [PDFファイル/207KB]

(別紙)第10回平和首長会議総会のプログラムについて [PDFファイル/281KB]

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