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2022年9月2日記者会見「令和4年第7回広島市議会定例会提出案件について外3件」
動画は下記からご覧ください。
(「広島市公式チャンネル(YouTube)(市長記者会見)」のページへジャンプします<外部リンク>)
日時 令和4年(2022年)9月2日(金)午後1時15分~午後2時05分
場所 市役所本庁舎11階第1会議室
■市からの発表案件■
【令和4年第7回広島市議会定例会提出案件について】
市長
令和4年第7回定例会の提出案件についての説明をしたいと思います。
9月15日木曜日に開会予定であります、令和4年第7回広島市議会定例会に提出する議案は、一般会計補正予算案などの13件であります。
まず、補正予算案についてですが、今回の補正予算の規模は、お手元の資料の「令和4年度9月補正予算の概要」のとおり、全会計で、94億5,360万6千円となっております。
その内訳として、最初に、新型コロナウイルス感染症対策に関連する補正予算案であります。
まず、利用料金の減収等に伴う指定管理料の追加措置についてです。
感染症の影響により利用の減少等が生じている施設の指定管理者が適切に管理運営できるよう、指定管理料を追加措置します。
次に、ワクチン接種事業についてです。
国の方針に基づきオミクロン株に対応したワクチン接種を実施するため、接種費用や集団接種会場の設置等に要する経費を計上します。
次に、患者搬送経費の追加措置についてです。感染症患者を自宅から医療機関や宿泊療養施設へ搬送するために要する経費を追加措置します。
次に、生活衛生関連事業者への支援についてです。
感染症の影響を受け厳しい事業環境にある生活衛生関連事業者を支援するため、共助の精神に立ってプレミアム付き利用券の発行等に取り組む広島県生活衛生同業組合連合会に対し、その取組に要する経費を補助します。
次に、バス、路面電車などの交通事業者への支援についてです。
感染症の影響により、移動需要が激減し、厳しい経営状況にあるバス、路面電車などの交通事業者に対し、PASPY(パスピー)による運賃割引に要する経費を補助します。
続いて、G7広島サミットに関連する補正予算案です。
まず、平和記念資料館の発信力の強化についてです。
平和記念資料館の情報発信機能を強化するため、G7参加国の主要言語に対応するようホームページを多言語化します。
次に、広島国際会議場の改修についてです。
広島国際会議場の受入環境整備として、トイレを洋式化します。
次に、観光サインの更新についてです。
歓迎機運の醸成を図るとともに、来広者の受入環境を整備するため、都心部の観光サインを更新します。
次に、道路の安全・景観対策などについてです。
想定される会場周辺の樹木をせん定するほか、移動ルートの道路補修や下水道管の改築、平和記念公園の園路改修などの環境整備を行います。
次に、広島へリポート整備事業負担金についてです。
広島県が実施する着陸帯の舗装や滑走路標識の再塗装等に係る経費の一部を負担するため、所要の予算措置を講じます。
続いて、その他の補正予算についてです。
まず、戸山小学校屋内運動場改築についてです。
戸山小学校の屋内運動場の移転改築を行うため、債務負担行為を設定します。
次に、放課後児童クラブの開設準備についてです。
来年度に放課後児童クラブの定員不足が見込まれる学区において、余裕教室等の利用に必要となる備品購入など、クラス増設に向けた準備に取り組みます。
以上の補正措置を行った結果、補正後における全会計の総予算規模は、1兆2,364億7,413万円となります。
最後に、予算以外の議案としては、広島市附属機関設置条例の一部改正案など条例案4件、その他の議案7件を提出します。
以上が今議会に提出する議案の概要であります。
私からの説明は以上です。
記者
今回、(G7)サミット関連の予算が組まれていますが、来年のサミットで各国の首脳とか関係者を迎えるに当たってどのような思いで今回の予算を編成したのか、市長の思いを聞かせてください。
市長
来年のサミットは、ある意味で歴史に残る会議になるんじゃないかなと、今受け止めています。現下の事情なども大変見通しの立たない複雑な状況の中で、こういった紛争などの事後処理に要する世界の経済関係の設定、あるいは外交の基本的な対応方針等々、重大な課題が必ず議題になる、そういった会議になろうかと思いますけれども。そういった会議がこの広島の地で、いわば国際平和記念都市を掲げるこの広島で開催され、一定の成果を得るようなものにしていくためにも、いわばロジスティックの面でしっかりとした対応が求められている。まずは安全な会議ができるように、それに必要となる諸措置で県・市一体となって取り組むべき課題、そういったものに対応する。そして、外から見える首脳の方々が、今言った議題設定の中できちっとした会議をしていただくための環境整備、これもいるかと思います。そして併せて、そういった会議が開かれるこの広島の地をこの際世界にアピールするといいますか、広島の景観なり広島の誇れるもの、そういったものも併せて世界に発信できたらと思いますし、そこで得られた成果をその後の広島のまちづくりというか、県全体を含めて観光とかそういった需要目的に則してうまく利用できるようにするための対応を、この会議開催に向けて関係者が一丸となって取り組み、総じて今言ったようなことを含めて全てうまく会議が開始され、運営され、終了すると、そういったことになればなと思っています。そういう意味では県・市、それから今やっている県民会議、関係者一丸となってしっかりとした対応をしたいなというふうに思っています。
記者
今回、原爆資料館(広島平和記念資料館)の多言語化といったところが入っていますが、そこに込めた思いも聞かせてもらっていいですか。
市長
多言語化に関しては、元々、迎える平和、平和の発信、こういったことをやる中で、今は日本語と英語バージョンでいろいろな施設の、いわゆるヒロシマの取組をやっていたところなんですけれども、それを今年度からもっともっと発進力を強化するということで、一カ国語ずつ増やしていこうと、そういうことをやっていた中でこういう会議が決定になりましたので。実はもうすでにその予定でフランス語の言語の翻訳をやっていたんですけれども、それに加えてドイツ語とイタリア語を追加措置いたしましたので、少しこの多言語化が加速するというふうなことにもなりますけれども。いずれにしても平成10年にホームページを開設して以来、なるべく多くの国にといいますか、世界中にヒロシマの被爆の実相を伝え、思いを伝えるためにということでやっておりまして、総じて迎える平和というものを実現するための重要なツールとして拡充していくということをやってきていますので、これを機会にまた一層充実していければというふうに思っています。
記者
最後に、ちょっと今回の予算とは離れるんですが、サミット関連でロゴマークの選定委員会の委員に市長がなられていますが、そのロゴマークを選ぶに当たってどのようなマークを選びたいというか、ロゴマークへの期待を聞かせてもらっていいですか。
市長
これは私のみならずいろいろな観点から関係者が何名か選ばれているということです。私自身は私個人というか市長の立場で選ばれたんじゃないかなというふうに思っていますので、先ほどから言っていますけれども、国際平和文化都市として平和発信をしている都市の首長として、また、広島の良さといいますか、広島の特色を発信できるような要素が折り込まれたロゴであればなと思いますので。そういった手打ちをしながらうまく数多くの人になじんでいただけるものになるかどうかという視点で、審査員としてチェックさせてもらえればというふうに思っています。
記者
そこには平和の発信のメッセージも込めたものになればというのもあるんでしょうか。
市長
うまく入ればもちろん言うことなしですよね、はい。
記者
道路補修なんですけれども、14億5,000万円かけてやる。これは特にどこら辺の道路をやるおつもりでいらっしゃいますか。
市長
具体的な道路、まだ決まっているわけではないんですけれども、いわゆるサミットが開催されるその会場周辺、こんなところになるんじゃないかなということを想定いたしまして、それに要する補修・整備ですね。それをある意味で想定しながらやっておりまして。具体的には今後決まっていくということです。警備の問題もありますので、具体的な状況は差し控えたいと思います。
記者
先ほどの質問で(広島平和記念資料館の)多言語化のことが出たと思うんですけれども、ホームページの言語を増やすということに関して、具体的にどのような効果があると。もちろん、G7に向けてというところもあると思うのですが、お考えでしょうか。お聞かせください。
市長
日本語と英語だけですと、英語からドイツ語、あるいはイタリア語やフランス語に通訳しなきゃいけませんけれども、言葉っていうのはほぼ通ずるところもあるし、単語によって微妙なニュアンスが伝わらないっていうようなこともあったりするのですけれども、そういったことも含めて、情報発信する際に、元々は広島の平和発信は日本語で考えてこういうニュアンスでこうなっていますよっていうようなことを各々被爆の実相の説明であれ、被爆者の思いの説明であれやってまいりますね。それをあらかじめそれぞれの言語に即してうまく訳文を作っておくというような、間接的に、訳しながらニュアンスがずれていき、あるいはそれを通訳するのに時間を要するっていうようなことが省略できるし、的確な伝言といいますか、情報伝達ができますのでね。そういう意味では用意周到にする中で、なるべく世界中の広い地域に、このヒロシマの思いあるいは被爆の実相を伝えられるという意味で、なるべく多くの言語にできておく方が効果的だというのは元々の発想であります。それをなかなか予算との状況もありやっていなかったのを、今回こういったタイミングで、やることを多くの方に合点いただける、納得いただけるのではないかということで、それを利用して少し翻訳作業を加速化させると。こういうふうな思いでやっています。
記者
ありがとうございます。もう一つだけ、これなんですけれども、来年5月にG7があるというところでタイミングもなかなか大事かなと思うのですが、整備の見通しについてはどうお考えでしょうか。
市長
これは会議開催が5月ということで、会計年度は4月(から翌年の3月)ですから。例えば年度末等(の開催)であれば次年度でゆっくり整備できましょうけれども、年度早々というようなことでありますので、この作業は補正を組むことで、かつ、一連の予算についてはできれば余裕を持って年度内に完成させ、5月の開催に向けてしっかりした準備ができるようにすると。これはもういろいろなもの全てですね。道路とかの補修、あるいは来られる方への接遇、全てそういった思いであります。用意周到に、かつ年度内にしっかりやっていくということが基本かなというふうに思っています。
■市政記者クラブからの代表質問■
【NPT(核兵器不拡散条約)再検討会議について】
記者
まず最初にNPT再検討会議についてお伺いします。
先日、NPT再検討会議が最終文書を採択できずに閉幕しました。改めて市長の受け止めをお聞かせください。
また、2回連続で決裂となりまして、核廃絶に向けた国家間の交渉の行き詰まりが深刻化しています。平和首長会議の会長として、こうした現状をどう打開すべきとお考えでしょうか。
市長
今ありましたように、これについてのコメントも出しておりますけれども確認ということで述べさせていただきます。
まず受け止めですけれども、参加各国によるぎりぎりの交渉が行われたということだと思いますけれども、核保有国と非核保有国、ロシアと欧米といった対立が際立つといった議論展開になりまして、前回に引き続いて交渉が決裂してしまったと。このことは、核兵器のない世界、この実現を願う被爆者の願いをいわば断ち切るような状況であります。そういう意味で極めて遺憾な結果になったというふうな受け止めをしています。そして、このことは核兵器のない平和な世界の実現を目指すということにしております人類の決意、国連の発足もこういったところにあるわけでありますけれども、そういったものに背くものといって差し支えなく、冷戦以降核兵器使用のリスクが最も高まっているというふうに言われている中、さらなる危機的な状況を招きかねないのではないかと。そんなことも危惧しているような状況であります。
そして、最終文書案に関しましても、その策定過程の中で報道等によって知るわけですけれども、核軍縮に関する内容が大きく後退していったと。こういったこともあります。このことは、長崎市長に現地に赴いていただきまして、平和首長会議として求めました核軍縮、あるいは核不拡散措置、これを確実に進展させるための具体的な道筋を示す内容というふうなことをお願いしたという経緯があるのですけれども。到底そういうものになったとは言えない。あるいはNPT体制の信頼性を保つという、そういう目的もあったはずですけれども、不十分な結果になったというふうに受け止めています。
ただ一方で、そうは言いながら、最終文書案そのものについて見ますと、核兵器使用の非人道的結末への認識が、核軍縮に向けたアプローチといったものを下支えしなければならんといったようなことは明記されておりました。そして会期中に、核兵器が再び使用されないことを保証する唯一の方法というのは廃絶だと。それしかないと。こういったこと、すなわち「核兵器の非人道性を訴える共同声明」が、日本を含めまして147の国、地域の支持を得て発表というふうなこともありました。NPT体制の信頼性というものを確保して、現下の核兵器使用のリスクを回避していくといったこと、これが実現するためにも、こうした認識こそが広く国際社会に浸透する、いわばこの国際社会の共通認識になるといったことが必要じゃないかなというふうに思うわけであります。
そういった視点で考えますと、本市としては今申し上げたような状況にするために、最終文書の策定過程の中で指摘された、若い世代、次の世代の被爆地訪問とか被爆者との交流の重要性、こういったことをまずしっかりと押さえて、一層「迎える平和」という取組ですね、これを強化したいと、これは本当に広島として、しっかりやっていくべき対応かなというふうに思っています。
そして、そういったことをやるのは広島の使命だと思いますけれども、現状の打開について、全体として、どんな方向性が望まれるかという点に関しましては、いわゆる、今の状況を見てみますと、国家単位での利益追求というものが国際的な枠組みの尊重ということよりも尊重されるという事態が発生している。かつ、これはどうも回避できないという状況が見て取れるわけでありまして、これを改めるためには、国家を超える権限者、権力者がいないということになれば、そういった国家を包み込んでいる社会環境として現状を改めるようなものにしていく、そういったことが必要になるのではないかというふうに思うわけであります。
そして、その社会環境をつくり上げる、醸成していくということをやっていくためには、最終文書案の中で、しかも、会期中に発表された共同声明に示された認識、すなわち、核兵器の非人道性についての認識、これをまず国際社会に根付かせていくための取組といったことをこれまでにも増してやっていかなければいかんと思うんです。事態が混乱したから、じゃあ、場当たり的な対応をやっていこうというのではなくて、この議論の中で出てきた、伸ばすべき芽、それをしっかりと伸ばすということを国際社会全体でやっていかなきゃいかんと、こういうふうに思っているわけであります。
そういう視点に立ったときに平和首長会議としては、今までも核兵器の非人道性の認識について、例えば、国際会議の場等でも繰り返し求めてきておりますけれども、これからは、そういった認識を広めるということを引き続きやりながら、さらに、その認識の上に立って、もう一段、あらゆる暴力を否定する「平和文化」、これを市民社会に根付かせる、この社会環境を構成しているお一人お一人、市民お一人お一人が、暴力を否定する平和文化こそ重要なんだと、自分たちもそれを実践する、それを実践する為政者を選ばなきゃいかんなと、そういったことを皆が考えていただくような、そんな社会を目指した取組が重要になると思います。そして、為政者が核抑止力といったものに依存することなく、また問題解決にあたっては、対話ということを重視し、それを通じた外交政策を目指すと、それこそ、それが政治家の王道だといったように感じられる環境づくりを推進していくことが重要になるんじゃないかと思います。そのためには、改めて、平和首長会議としては、平和文化の振興ということを重視し、これをしっかりやっていきたいというふうに思っております。
記者
そうした国家間の国家としての利益を追求するという構造に対して、この平和首長会議の都市間のつながりというか、そういったものを改めて活用していくというお話だったんですけれども、来年の8月に総会が予定をされていまして、いろいろな世界の加盟国が集まると思うんですけれども、設立40周年という節目の総会でもあり、その場で改めて、首長会議として、こうした状況を今、平和文化という話もありましたけれども、具体的には、どういった方法で、そうしたものをさらに進めていくのか、どうやって、その都市間のつながりをさらに生かしていくのか、その辺りもう少し具体的なイメージがあればお願いします。
市長
平和文化の振興という言い方で整理しましたけれども、その基本コンセプトがいわゆる、あらゆる暴力を否定する、平和を追求する、平和に資する文化と、こういうことであります。ですから、私自身は今、市でやっています、例えば、スポーツ王国とか、皆さんの文化・芸術をめでるような対応、あるいは経済だって、競争する、競い合いながらも市民生活を豊かにしていくと、あらゆる平常時における生活活動、それをきちっと支援するということが、平和文化につながると思うんですけれども、それを象徴的に理解していただくためには、そういったテーマ設定をして、皆がその目標に向けて協調しながら活動する、享受をする、行動すると、そういったことを促す、それに役立つような、まちとして、都市としての取組を点ではなくて面的にといいますか、複数の都市が一緒になってやっていくということが重要になっているんじゃないかと思うんですね。ですから、広島市でやり始めたのは、例えば、11月の「平和文化月間」というふうにテーマ設定して、その間に行われる様々な取組が市民が平和を願ってやっていることですよと、それを実現するために政治環境が決して戦争がない状況設定が要りますねと、そういったことが共通に発信できるように、広島だけではなくて、平和首長会議加盟都市が同じように、年間通じて同じようにやるとか、同じタイミングでやると、そういったことをしっかりやり、それをまた、マスコミ等を通じて、多くの方に知っていただくと、そういったことが、この平和文化の振興ということにつながるんではないかなと思っています。
記者
来年の総会に向けては、やっぱりそういうことをまた加盟都市と意見交換をしながら、具体案をもう少し詰めていくというか、どういった取組を広げていくのか…
市長
平和首長会議の総会は一応、この10月に延期されて予定されています。今申し上げたようなことを、その総会でも皆さんにお伝えして、一緒にやっていきましょうということをやる予定にしています。
記者
今回、NPTに関連して、平和首長会議に関連してなんですけれども、今回、NPTの場でも核兵器のない世界を目指すためには、期限設定とか、その辺が重要だっていうことを指摘する声がかなり相次いでいまして、とはいえ昨年、発表された平和首長会議が発表されたPXビジョンの中には、そういうふうな期限設定っていうものがないのですが、今後、そういうふうな期限を設定していくということについての見通しと、現状、市長どう考えてらっしゃるかということをお聞かせください。
市長
いろいろな運動といいますか、活動していく上で、期限を設定して、より詳細かつ具体的に対応方策を考えていこうという手法・方法論、それはある意味で有効な側面はあるんですけれども、その期限を設定したとしても具体的な状況、環境、それをやる設定の中で、そういった設定そのものが単にスローガン倒れに終わって、より具体的な対応がまだまだ未確定といった中では、必ずしも効果的でない場合もあるような気がするんですね。
今回の場合、核兵器禁止、核兵器廃絶という問題についても、まずNPTという存在が疑問視されつつあるという状況でありますけれども、まずは核軍縮不拡散という、核兵器がある中で、その量を減らし増やしていかないというこの目的そのものが十分達成されていない中で、廃絶という、例えば、日を設定してやるということ自体は、本当にスローガンとしては有効としても、具体的な対応策が出てこないと。だから、その前提として、その前に例えば核兵器の縮小といいますか、核軍縮と核不拡散であれば不拡散。今5か国持っている、9か国になっている、それを何か国にまず減らしましょう、それをいつまでにやりましょうというふうにやる。いわゆる廃絶の前段階としての具体的な進捗状況のいわゆる一里塚として、年限とか数値目標を示すということはひとつあろうかというふうには思います。だから、そういった提言の仕方として今置かれている環境下と目標との距離感を考え具体的な対応策というものが、ある程度議論できて、それを実行できる環境づくりについてのプロセスが、多くの方に想定できるような状況設定をした上で、目標設定、期限設定というのは効果的だと思いますけれども、それをやることを含めて、とにかく分かんないから単に期限設定して何かやろうよというだけでは、必ずしも有効な対策にはならないかなというような気はしています。
我々市長という立場、あるいは市民という立場からすると、そういった方法論を議論していただくための環境設定としても、より下部構造といいますか、下のそういったものができるような状況、環境をつくるためにも平和文化というものをしっかり根付かせるということに力を置いて取り組んでいきたいと、そういうふうな考えでいます。
記者
今のところで2点確認なんですけれども、今まだ設定していないというのは市長の考えとしては、やっぱりまだ期限を設定するということが効果的でないというふうに思われているという理解でよろしいですか。
市長
効果があがらないんじゃなく、効果的じゃなくて、効果をあげられないんじゃないかと思っているということです。効果的かどうかは分かりません。効果があげられないんじゃないかと思っている。
記者
それは核軍縮不拡散についても同様にお考えということでしょうか。
市長
まず核廃絶の方がまず一番難しいなと思いますし、先ほど言いましたように核軍縮不拡散についても、今言った状況の中で、NPTの会合、今度は2026年ですか。それに向けて見直しの中で次のステージいつまでというのは、なかなか難しいのではというふうに思っています。
記者
とはいえやっぱりヒロシマなので、現状っていうのは、結構、保有国側が言うような見解であって、非保有国側のオーストリアであるとか、かなり推進している国は、とにかく期限設定をとかっていうふうなことを強く言っているんですけれども、被爆地・ヒロシマとしてそういうふうな。
市長
被爆者はなるべく早く廃絶をと言っているわけですからね。廃絶(を訴えて)いる人間がいつまでに軍縮さえすればいいとか言うのもまた問題だという意識もあります。
記者
なので、そういうふうな被爆者の声も受けて、被爆地としてそういうような期限設定は重要じゃないかなと思うんですけれども。
市長
被爆者の意見を受け止めて廃絶を一刻でも早くと言っている方に、そこまでいけませんというメッセージを出す面もありますから、難しいと申し上げているわけです。両面を考えております。
【旧統一教会と政治・行政の関係について】
記者
代表質問の2問目を伺います。
旧統一教会について、市長は、政治家として、その活動や選挙活動で関連団体の支援を求めたり、献金など金銭を介した関係があったことはありますか。
また、市は、旧統一教会の関連団体から寄附を受けたり、イベントの後援名義の使用を承諾したことなどはありますか。
旧統一教会の関連団体と政治・行政の関係の在り方を含めて、それぞれの立場、市長と市の立場から今後どのように対応されるのかお聞かせください。
市長
まず、私個人としては、旧統一教会とその関連団体とされている団体との関係を持ったことはありません。
市として、いわゆる市長としての関わりにつきましては、旧統一教会の関連団体は多くありまして、報道等で旧統一教会の関連団体とされている団体の範囲での調査をしたところでお答えいたしますと、現時点におきまして、寄附を1件、それからイベント出席が1件と後援3件、計5件、確認できています。
まず、その寄附1件に関してですけれども、今年の1月に旧統一教会の関連団体から、コロナ禍における医療従事者への支援として30万2,544円を受領しております。その後、2月に、これらの活動報告をお聞きするために私が面会をするといったことをやっております。
次に、イベントの出席につきましては、ずっと遡るんですけれども、平成23年の7月に、「平和大使フォーラム懇談会」というものに私が公務として出席をしておりました。
最後に、後援につきましては、昨年3月と本年の3月の2回、「Hiroshima 平和希望音楽祭」に対しまして、また、本年7月に、「ピースロード2022 in Hiroshima」のイベントに対して、広島県とともに後援名義の使用を承認しておりました。なお、「ピースロード2022 in Hiroshima」のイベントは開催されておりませんで、申請者から後援を取り下げてもらいたいとの申し出がありましたので、これを受けて、後援を取り消しております。
次に、今後の対応ということになりますけれども、旧統一教会及びその関連団体は、法律などによりまして、明らかに反社会的勢力と認定されている団体ではないということでありますけれども、悪質商法など、不法行為が指摘されて、社会的に大きな問題を起こしている。そういう意味で、問題視されているといった点を踏まえますと、本市がこうした関連団体の活動に賛同しているといった誤解を与えるということはあってはならないというふうに思います。そういう意味で、市民の不信や疑念を招かないようにするという必要があるというふうに考えました。
このため、政治の立場は当然のこととして、行政の立場におきましても団体との関係は持つべきでなく、今後はそのように対応していきたいと考えております。
また、この対応に関しまして国の方でも旧統一教会問題に関する関係省庁の連絡会議とか悪質商法への対策検討会が設置されており、そこで対応が検討されておるということでありますので、今後はこういった動向等も注視していかなきゃいかんかなというふうに思っております。
以上であります。
記者
今後の対応は、国の対応を見ながらということでしたけど、一点確認で、市のホームページの方にも、この教会の関連友好団体とされる団体が、市民団体活動等を紹介するページで出ているのですけど、この掲載についても今後は削除など見直されていかれるお考えなのでしょうか。
市長
これは、今掲載しているものの扱いですね。今後は先ほど申しましたように対応しないということでありますけど。今のものについて、今後は、誤解を招かないようにするために寄附もお断りするとか、こういったホームページの掲載等もやらないということに当然なります。
その上で、すでに掲載されているものの扱いですけれども、これは当然、相手とも話し合い等々しなきゃいかんですけれども、話し合いを基本として削除ということを含めて、関連団体にその取り扱いをどうしますかというふうな話しかけをして処理していきたいと思っています。
なお、このホームページの関係で、市長の日々の動静ということで、自分の行動を記載すること、イベントの出席とか寄附受領等々について、どういうふうに活動したかということを記したページがあるのですけれども、これにつきましては私自身の行動はどんなものであったかということを示したものでありますので、その削除はしなくてもいいと思います。いわゆる、こういった団体の宣伝になるようなものについては削除しますよということで調整をしていきたいというふうに思っています。
記者
今回は、今、(旧)統一教会について非常に社会的な注目が集まる中で、今回のように、今後は教会や関連団体との関係を断つというお話だと思うのですけれども、一方でいろいろな被害というか問題を起こしている団体というのは、もう少し広く見れば統一教会に限らない中で、同じような形でそういうバックグラウンドを持ちながら行政の後援を得たりとか、何らか、入り込んでくるということは常にあり得ると思うのですけれども、例えば、今後そういった何か後援申請に対する審査であるとか、あるいは、それはどういった団体であるのかっていうような確認作業、こういったプロセスの改善とか何らかのルール化とか、その辺りは今何かお考えがありますでしょうか。
市長
今の御指摘も全くでありまして、自分自身どうしようかと本当に悩んでいるところなんですね。申請を出される方の名前とか実情をまずお聞きするということをしないと着手できないのですね。だけど、今までの審査ですと、やろうとする中身をそんなに公的な目的にかなっていますよ、そういう説明を受けて、ある意味、大体が書面審査ですね。そして、疑義がなければ特定の利益誘導とかプライベートの利益獲得、あるいは犯罪的な要素が一見して分からないというか、スッとやっているということをやっていますから。この手続きそのものを根本的に変えるということはしなくていいと思うのですけれど、今言われたように、そういった中でたまたま問題事象を起こしているような情報が入ったときに、それをすでに審査にというか判断に反映できるようにするためのシステムってどうしたらいいだろうということを自分自身、今すぐに即答できないのですけれども。でも、やらなきゃいかんと思うのですね。分かりにくいから、今のところうやむやだからやっておこうじゃなくて、むしろ、そういう問題があれば、いったん少し作業を慎重にするというぐらいで、まず事を構えて、相手とのもう少し事情を聞けるような手続きをかませるとか、背景事情、こういったことがあるのだけどどうですかということをある意味で今まで以上に丁寧に相手とのやり取りができるような手続きをかませる中で、こういった問題を未然に防ぐということがいるのではないかと思います。具体的には、ちょっとまだ指示できませんけれども、考え方とすれば比較的安易に受け付けて形式処理していたものを、もし、そういうものがあれば実質処理が響かないかということを少し丁寧にやるという手続きをかませるということがいいのではないかというふうに思っています。
記者
またどこかのタイミングでそうした手続きの精緻化といいますか…
市長
検討して、先ほど言ったように国の方もこういったことを踏まえて検討するというようなことを言っていますから、多分、何らかの措置を考えると思うのですね。今後の類似の、あるいは、それ以上に、何といいますか、悪質なものがあるかも分かりませんから、そういったものを受け付けないような処理を考えていくのではないかなというふうに思います。
記者
確認なんですけれども、今おっしゃった5件については、これは全て受ける時点で旧統一教会と関係のある団体という認識は、市の方にあったのでしょうか。
市長
一部はあったかな。
市職員
はい。あったものと、なかったもの。
市長
2種類ありまして、協議体等の名前でそれすら分からないものもあったのと、それから、協議体といいながら寄附目的が、我々が受容している、そういった目的に沿っているというそちらの内容判断だけでいたと。大きく分けるとその2種類になるのですけどもね。
記者
これ市長できれば、今口頭でおっしゃいましたけれども、あとで紙でその5件の詳細を教えていただけますか。よろしくお願いします。
市長
はい、了解です。
■その他の質問■
【市内バス上下分離方式について】
記者
市内の路線バスへの上下分離方式の導入に関してお伺いしたいのですが、市長、年内に大枠を決めると前からおっしゃっていますけれども、今の進捗状況を教えてください。また今回のスキームは資産を保有する会社への補助というのが前提と思いますが、国による支援を得られる見通しがどうなっているのか、また本当に民間の力を引き出せるのかどうかというところを改めて市長の口からお聞かせください。
市長
市内の公共交通のうち、バス、大変だということで、行政の立場としても大変だという基本認識を持っていますけれども、実際そのように携わっている民間の会社としても、ある意味で早急に根本的な対応策を立てなきゃいかんという問題意識でやっておられ、かつ、今後の公共交通の事業主体としてのいわゆる営業方針として、できれば市内に関係する関連の事業者の方々が一緒になって、業態としていわゆる多くの方の、足と言いますかね、移動手段をしっかりと支える。かつ、できればその料金設定なども比較的安価で利用者、「MaaS」と言っていますけれども、モビリティ・アズ・ア・サービス、利用者主体の事業運営ができるような仕掛けにしたいと。かつ、そのMaaSの考え方は国そのものが基本的な方向性として、それをやれといって出てきている中で、それをやるための今の、いわばその規制ルールが、十分それにそぐったものになっていないと。それについての検討を今やり始めているという中で、いわば広島市は先行してその目標に向けて、現時点での規制措置などの中で何ができるかということを追求していると、そんな状況であります。
ですから、やれることを加速度的にやりたいけれども、今のいわゆる諸規制の中で、十分それが思い届かないところがありますので、それについては国への要望等も行いながら、その状況が整った段階で具体化するという、いわばステップ・バイ・ステップの対応をしておりまして、今言われた進捗状況はということに関しては、確実に進んでおりますけれども、今例えば何合目ですというような言い方はできる状況にはありません。ただ環境として、国自体もそういった問題意識を持って、バス、電車、それから鉄道、いわゆる公共交通全体についての方向性を出して、次の国会ではそういったことについての基本的な方針が、いわゆる国是として国の方向として出てくるというふうな状況もあるようですので、それを見た上で、その措置の適用可能性があるかどうか、そういったことを見定めて、次のステップとしてもう少し具体的な方策を打ち出したい。そのための基本的な心構えは早いうちにということで、今年度あるいは今年中に関係者と行政として、基本的な方向を定めたいと、そんな思いです。だから、今言われた答えに具体的にこうですというところまで、まだいかないんですけれども、次の具体的な準備段階に備えての、その一つ前の準備までは、だいぶ整ってきているというふうに思っています。
※( )は注釈を加えたものです。