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平和記念式典における議長の式辞
式辞
本日ここに、岸田内閣総理大臣を始め、ご来賓各位、被爆者、ご遺族の方々のご臨席と、国内外から多くの皆様のご参列のもと、広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式を挙行するに当たり、原子爆弾の犠牲となられた多くの御霊に対し、謹んで哀悼の誠を捧げます。
79年前の8月6日、一発の原子爆弾により、筆舌に尽くし難い悲惨な体験をした被爆者は「こんな思いを他の誰にもさせてはならない」という切なる願いのもと、被爆の実相を伝え続けています。
しかしながら、世界ではロシアがウクライナへの侵攻に際し核兵器による威嚇を続けるほか、安全保障体制の強化を掲げ核戦力の増強を進める国があるなど、核兵器の使用という現実的な脅威で緊張が高まっています。
日本国憲法前文では「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」と謳われています。
戦後世代が大半となった現代を生きる私たちに求められるのは、自国のことのみに専念して他国を無視する国家の暴挙により平和が危機に瀕していることに目を向け、世界の誰もが平和を享受できるよう強い信念のもと連携して歩みを進めていくことです。
昨年5月のG7広島サミットは、各国の首脳が被爆地に集い、被爆者との対話を通して被爆の実相に触れた歴史的に大きな意味を持つ会合でした。
その中では「核軍縮に関するG7首脳広島ビジョン」が独立の文書として世界に発信され、平和をゆるがせにすることがあってはならないことを共有しました。
国際社会は、この意義に改めて思いを致し、戦争と核兵器のない世界を創造するための具体的な行動へと繋いでいくことが重要であり、被爆地広島が果たすべき役割はますます大きくなるものと考えています。
私たちは、これからも平和を希求する人々と手を取り合い、世界恒久平和と核兵器廃絶の実現に向けて未来志向で全力を尽くすと、ここに改めてお誓い申し上げます。
本日の式典に当たり、原子爆弾の犠牲となられた御霊に対し、謹んでご冥福をお祈り申し上げますとともに、今なお原子爆弾の後遺症に苦しんでおられる皆様へ、より一層の援護をお願いいたしまして、式辞といたします。
令和6年(2024年)8月6日
広島市議会議長 母谷 龍典
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