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原子爆弾(原爆)はどのような爆弾なのですか(FAQID-5801)

ページ番号:0000009418 更新日:2023年1月5日更新 印刷ページ表示

 物質を構成している原子の中心に原子核があります。ウランやプルトニウム原子の原子核に中性子をあて、人工的に壊すと、大量のエネルギー(高い熱や人体に危険な放射線)が放出されます。原子核がこわれることを「核分裂」といい、この核分裂がごく短い時間に次々と広がると、瞬間的に非常に強大なエネルギーを生みだします。このエネルギーを兵器として利用したのが原子爆弾(原爆)です。

 核分裂を連続して起こさせるためには、ある一定量(臨界量)以上の核分裂物質が必要になります。広島に投下された原爆には、核分裂物質としてウラン235が使われました。このウラン235を臨界量より少ない2つの塊に分けておき、爆薬を使って塊をぶつけ合わせることにより、一瞬のうちに臨界量以上になるように作られました。

 臨界量以上に達すると、百万分の1秒という極めて短い時間に核分裂が連続して起こり、膨大なエネルギーが一度に放出されます。爆発の瞬間、強烈な熱線と放射線が放出されるとともに、周囲の空気がものすごい力で膨張して、衝撃波が発生し、その後、強烈な爆風が吹き抜けました。そのエネルギーは、TNT火薬に換算すると、広島型で16キロトンに相当すると考えられています。

 ドイツで原爆の開発が進められているのではないかと恐れた科学者の意見をきっかけにアメリカは原爆の研究に乗り出しました。1942(昭和17)年には、実際に原爆を作るための準備が始められました。これは、「マンハッタン計画」と名付けられ、多くの費用を使って秘密のうちに進められました。そして1945(昭和20)年7月16日、アメリカはニューメキシコ州アラモゴードの砂漠で、人類史上初めての原爆の爆発実験に成功しました。

 2022年6月にストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が発表した報告書によれば、2022年1月現在、アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国、インド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮の9か国が保有している核弾頭数は、12,705発と推計されています。この核弾頭の数は、世界のすべての人類を何回も全滅させることができる量であり、ひとたび核戦争が起きれば、人類は破滅の危機にさらされます。

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外部リンク

広島平和記念資料館ホームページ<外部リンク>