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生物科学部は、食品細菌、細菌病理、ウイルスの3担当で構成され、腸管出血性大腸菌等の感染症の検査、食中毒の原因究明、細菌・ウイルスに関する調査・研究などの業務を実施しています。
食品細菌担当では、食品衛生法に基づき食品の成分規格検査、食中毒病原検索、食中毒起因菌の疫学検査、食品などの細菌・真菌検査などの各種検査を行っています。
また、食中毒をおこす細菌に関する調査・研究を実施しています。
保健所からの依頼に基づき、市内の食品取扱業者等から収去された食品について、成分規格の定められた食品の規格検査、その他の食品では大腸菌群などの衛生指標菌や食中毒起因菌の検査を行っています。
食中毒、有症苦情発生時に、保健所からの依頼に基づき、調理施設での検食、食品残品、拭き取り検体などについて、食中毒起因菌の検索を行っています。
食中毒起因菌の分離検査
市民から寄せられた異味異臭・腐敗変敗・カビ発生などの食品苦情、食品製造施設・旅館ホテル・病院給食施設などの衛生指導などに伴う細菌検査を実施しています。
腸管出血性大腸菌、カンピロバクターなどの食中毒をおこす細菌について、分子疫学的な研究を行っています。
リアルタイムPCR法による遺伝子検査
細菌病理担当では、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に基づく病原細菌などの検査及びQFT検査並びに感染症発生動向調査事業に基づく細菌学的検査を行っています。
また、病原細菌に関する調査研究を実施しています。
感染症予防対策の一環として、赤痢、腸チフス、コレラ、腸管出血性大腸菌感染症などの感染症発生時に、病原菌の検索を実施しています。
病原細菌の分離検査
感染症発生動向調査事業に基づき、細菌感染症の検査を行っています。
結核患者の接触者の健康診断(接触者健診)の1つとして、結核の免疫学的検査を行っています。
浴槽水中のレジオネラ属菌の検査を行っています。
腸管出血性大腸菌や薬剤耐性菌などについて、分子疫学的な研究を行っています。
厚生労働省科学研究事業に参加し、研究協力を行っています。
ウイルス担当では、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に基づく感染症発生動向調査及び食中毒病原体検索などの各種試験検査を実施しています。
また、ウイルス感染症に関する調査研究を行っています。
令和2年に世界的な新型コロナウイルスの流行が始まって以来、新型コロナウイルス感染症の遺伝子検査、変異株スクリーニング検査、ゲノム解析を中心に多数の検査を行っています。
また、新型コロナウイルス感染症以外では、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、日本紅斑熱、デング熱、ジカウイルス感染症等、医療機関や民間検査機関では検査できない感染症や麻しん、風しん等、国の予防指針に基づき、早急な対応が必要な感染症について遺伝子検査を中心とした確定検査を行っています。
5類定点把握感染症のうち病原体検査対象疾患を中心に、その起因病原体の特定を目的として、市内14定点医療機関において採取された咽頭拭い液、糞便、髄液等の検体について、ウイルス分離同定検査等を行っています。
検査結果は定点医療機関に還元するとともに、広島市感染症情報センターに週報、月報として情報を提供しています。また、広島市感染症情報センターのホームページにもデータを公開しています。
ウイルス分離検査:培養細胞への検体の接種
食中毒・有症苦情などの食品媒介性胃腸炎集団発生時に原因となった病原体を明らかにするために、保健所からの依頼に基づき、ウイルス学的検査を行っています。
ウイルス分離検査:培養細胞の観察
保健所の依頼により、広島湾北部海域で養殖されているカキについて、食品媒介性ウイルス性胃腸炎の主要な病因であるノロウイルスの汚染状況を調査しています。
カキ検体からのウイルスRNAの抽出
大規模食中毒や、冬季の感染性胃腸炎の主原因となっているノロウイルス及び呼吸器系疾患等の原因ウイルスの分子疫学的な研究を行っています。
厚生労働省科学研究事業に参加し、研究協力を行っています。