広島高速道路
広島高速道路は、広島市とその周辺地域における都市交通の高速性、定時性を強化することにより、住民の福祉の増進と産業経済の発展に寄与することを目的として整備が行われている、自動車専用道路のネットワークです。
広島高速道路の新設、改築、維持、修繕その他の管理は、広島県及び広島市が設立した広島高速道路公社が行っています。
計画路線と供用路線
広島高速道路は、国土交通大臣の許可を得た整備計画に沿って整備を進めています。現在の計画では、広島高速1号線(安芸府中道路)、広島高速2号線(府中仁保道路)、広島高速3号線(広島南道路)、広島高速4号線(広島西風新都線)、広島高速5号線(東部線)の5路線約29kmを令和10年度(2028年度)までに整備することとしており、現在、広島高速1号線から4号線までの4路線25kmを供用しています。
路線名称
開通状況
有料道路事業の仕組み
広島高速道路は、有料道路事業により整備を進めています。建設に係る費用は全額借入金等で賄っており、通行料金収入で一定の期間内に返済することになります。
広島高速道路公社の経営健全化方針の策定について
平成30年2月20日付け総務省通知「第三セクター等の経営健全化方針の策定について」に基づき、次のとおり広島高速道路公社の経営健全化方針を策定しました。
広島高速5号線(整備中)について
1 事業概要について
(1) 事業の目的
整備計画に定める5路線(延長約29km)のうち、広島高速1号線から4号線までの4路線(延長約25km)が完成しており、現在、残る広島高速5号線について、令和10年度(2028年度)の完成を目指し整備を進めています。
(2) 事業の整備効果
広島高速5号線には、次のような役割・整備効果があります。
都心部と山陽自動車道とのアクセス強化
中国・四国地方全域に延びる高速道路と広島の都心部が自動車専用道路で直結することにより、広島駅周辺と広島県東部地域広島空港間の所要時間の短縮・定時性の確保が図られます。
交通混雑の緩和、安全性の向上
県道広島中島線等の周辺道路を通行していた交通の一部が、広島高速5号線を利用することで、温品・中山地区周辺地域の交通混雑が緩和し、交通事故発生リスクの低減などが期待されます。
広島駅周辺地区の開発促進
広島駅周辺地区では、さまざまな開発事業が進められており、広島高速5号線を整備することにより、一層の開発促進が期待されるとともに、広島の陸の玄関にふさわしいまちづくりに貢献します。
緊急時や災害発生時の備え
広島市内の救急医療施設への傷病者の緊急搬送や、大規模災害時等における応急対策への貢献が期待されます。
2 事業の主な経緯
広島高速5号線は、全体延長約4.0km(うち、トンネル区間約1.8km)で計画しており、平成12年度に事業着手しましたが、広島高速1号線福木トンネル工事で発生した地表面沈下を契機に、トンネル建設に伴う地表面沈下や土砂災害などを危惧する声があがったことから、平成20年度に事業を一旦休止しました。
平成21年9月には、広島高速5号線トンネルに係る地域の住民生活等の安全性を確認するため、専門家で構成する「広島高速5号線トンネル安全検討員会」を設置しました。同委員会では、公正・中立な立場で客観的データに基づき、平成24年8月まで計9回にわたり科学的な審議・検討が行われ、多数の委員が「NATM工法(排水型)」「NATM+止水工法(非排水型)」「シールド工法」のいずれの工法においても安全なトンネル工事は可能であると評価した報告書が取りまとめられました。
この報告書の検証等を経て、平成24年12月には、最も地表面沈下の抑制に優れたシールド工法を採用すること等により、地域の住民生活等の安全性の確保が可能と判断し、また安心への施策として、万全の調査・計測管理体制をとった上で、影響が発生した場合には誠実かつ適切に補償対応を行うなど、必要な対策を総合的に講ずることとし、広島高速5号線の事業再開を決定しました。
その後現在まで、地域住民の皆様との対話を重ねながら、地域住民の安全確保と安心構築に向けた具体的施策をとりまとめ、工事を進めています。
【参考】 広島高速5号線に係る地元との協議等の経緯
- 平成11年3月
- 広島高速5号線(東部線)の都市計画決定
- 平成12年9月
- 広島高速5号線の事業化(高速5号線を追加する整備計画変更許可)
- 平成13~18年度
- 広島高速1号福木トンネル工事において予測以上の地表面沈下(最大18cm)により家屋等に被害が発生
- 平成19年度
- トンネル建設に伴う地表面沈下等を不安視する地域住民等から広島高速5号線事業の中止を求める要請書が提出
- 平成20年度
- 県、市(出資者)と協議の上、広島高速5号線の本体工事着手を一時見合わせ
- 平成21年9月
- 広島高速5号線トンネルに係る地域の住民生活の安全性を確認するため県・市・公社により学識経験者等からなる「広島高速5号線トンネル安全検討委員会」を設置し科学的な審議・検討を開始(第1回委員会)
- 平成24年8月
-
トンネル安全検討委員会 報告書をとりまとめ(第9回委員会)
「安全なトンネル工事は可能」
- 平成24年12月
- 広島県知事、広島市長による事業再開の決定
- 平成25年度~平成26年度
- 地域住民の皆様との対話を重ね、地域住民の安全確保と安心構築に向けた具体的施策をとりまとめ
- 平成27年10月
-
- 県・市・公社・広島県土地開発公社による記者会見
(広島県土地開発公社の事業協力について) - 県・市・公社による記者会見
(広島高速5号線事業の今後の進め方(工事発注・事業認定等)について)
- 県・市・公社・広島県土地開発公社による記者会見
- 平成27年11月
- 土地収用法に基づく事業説明会を開催
- 平成29年6月
- 安全・安心施策の一つである「現場ステーション」を設置(二葉の里地区)
- 平成30年2月
- 安全・安心施策の一つである「安全・安心対策協議会」を開催(二葉の里地区)
- 平成30年4月
- 安全・安心施策の一つである「現場ステーション」を設置(牛田地区)
- 平成30年9月
- シールドトンネル工事掘削開始
- 平成30年12月~令和元年5月
- シールドマシンの一部損傷により掘削作業中断
- 令和元年5月
- シールドトンネル工事掘削再開
- 令和2年6月
- 安全・安心の施策の一つである「安全・安心対策協議会」を設置(牛田地区)
- 令和3年4月
- シールドトンネル工事「牛田地区」掘削着手
- 令和3年10月
- シールドトンネル工事「牛田住宅地区間」掘削着手
- 令和4年12月
- シールドトンネル工事における地表面変位の二次管理値超過により掘削作業中断
- 令和5年6月
- シールドトンネル工事掘削再開
- 令和6年1月
- シールドトンネル工事「牛田住宅地区間」掘削完了
- 令和6年5月
- シールドトンネル工事「牛田地区」掘削完了
3 事業の内容
本路線は、広島高速道路公社が施行する都市高速道路事業(有料道路事業)と、広島市が施行する道路事業(公共事業)の合併施行により、事業を実施しています。
都市高速道路事業 (広島高速5号線) |
道路事業 (県道温品二葉の里線外) |
|
---|---|---|
事業箇所 |
広島市東区温品町~東区二葉の里三丁目 |
広島市東区温品一丁目~東区中山西二丁目 |
事業延長 |
約4.0km |
約1.0km |
道路規格 |
本線部:第2種第2級(設計速度60km/h) ランプ:C規格(設計速度40km/h) |
本線部:第2種第2級(設計速度60km/h) ランプ:C規格(設計速度40km/h) |
道路幅員 |
10.5m(暫定2車線) |
10.5m(暫定2車線) |
事業費 [進捗率※] |
1,439億円 [約79%] |
212億円(平面街路部含む) [約100%] |
完成予定年度 |
令和10年度(2028年度) |
令和7年度(2025年度) |
事業主体 |
広島高速道路公社 |
広島市 |
※事業費ベースの進捗率(令和6年度末)
4 進捗状況
(1) 用地取得状況
広島高速5号線の暫定2車線整備範囲の用地取得(区分地上権含む)は全て完了しています。
(2) 地区毎の状況
現在、温品地区及び矢賀・中山地区においては、5号本線の高架橋等の本体工事が完成し、2号線との連結路の高架橋等の工事を進めています。また、中山地区、牛田地区及び二葉の里地区に係るトンネル区間においては、令和3年3月に中山側のNATMトンネル工事が完成し、令和7年4月にシールドトンネル工事の掘削が完了しました。引き続き、シールドトンネル区間の施設工事等を進めています。
地区 |
主な状況 |
---|---|
温品地区 (都市高速道路事業) |
5号本線において高架橋の下部工事(橋脚5基)及び上部工事(延長約265m: 6径間連続非合成鈑桁橋)が完成しています。 2号線との連結路の高架橋等の工事を進めています。 |
中山地区 (道路事業) (都市高速道路事業) |
【道路事業】 (温品二葉の里線) JR芸備線を横断する高架橋(延長約440m:7径間連続非合成鋼箱桁橋)の上部工事が完成しています。 (府中祇園線) JR芸備線中山踏切の立体交差化(アンダーパス)については、令和6年6月に開通しました。 引き続き、アンダーパスに接続するエレベーター及び階段の工事を進めています。 【都市高速道路事業】 令和3年3月にNATMトンネル工事が完成しています。 |
牛田地区 (都市高速道路事業) |
平成30年5月に用地取得(区分地上権)が完了しました。 平成30年9月に二葉の里側からシールドトンネル掘削を行い、令和6年5月に牛田地区の掘削を完了しています。 |
二葉の里地区 (都市高速道路事業) |
高架橋の下部工事(橋台2基、橋脚2基)及び上部工事(延長約116m:3径間連続非合成鈑桁橋)が完成しています。 |
5 その他(公社改革の取組について)
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このページに関するお問い合わせ
道路交通局道路部 道路計画課高速道路整備係
〒730-8586 広島市中区国泰寺町一丁目6-34
電話:082-504-2366(高速道路整備係) ファクス:082-504-2427
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