議会改革検討委員会答申
第2次答申
「議会基本条例について」
1 はじめに
議会改革検討委員会(以下「検討委員会」という。)は、平成21年7月1日、議会改革に関する事項について協議し、その結果を議長に答申するため設置された。
検討委員会では、議長から諮問を受けた「⑴議会基本条例について」、「⑵委員会運営のあり方について」及び「⑶議員定数について」のうち、「⑵委員会運営のあり方について」は、同年12月3日に第1次答申を行った。
その後、「⑴議会基本条例について」を重点的に協議・検討し、一定の結論を得たので、第2次答申として、次のとおり答申する。
なお、結論が得られていない事項については、今後も引き続き検討し答申していく方針である。
2 議会基本条例について
平成21年7月の検討委員会設置から、12回の委員会を開催し、先進地(三重県、豊田市)の視察を実施した。また、この間、全員協議会において、「議会改革と議会基本条例について」をテーマとした講演会が開催された。
議会基本条例を検討するに当たっては、自由な意見交換を行い、その中で、条例の制定に向けて検討を進めるべきであるとの方針を確認し、他都市等の議会基本条例の内容を参考に、議会等に関する既存の条例との内容の重複をできるだけ避け、市民に分かりやすい言葉で簡潔に記述するという方針で検討を行い、のとおり、その案を取りまとめた。
なお、検討委員会では、次のような意見があった。
- 「議会と市民との関係」の中で、請願や陳情についても規定すべきである。
- 「議会の機能強化」の中で、会期、予算審議、政務調査費及び議会図書室についても規定し、また、議会事務局については、議会局とすべきである。
3 資料
別紙
広島市議会基本条例(案)
目次
- 前文
- 第1章 総則(第1条~第3条)
- 第2章 議会の活動原則等(第4条~第6条)
- 第3章 市民との関係(第7条~第10条)
- 第4章 市民等との関係(第11条・第12条)
- 第5章 議会の機能強化(第13条~第16条)
- 第6章 補則(第17条・第18条)
- 附則
昭和20年8月6日、人類史上最初の原子爆弾によって壊滅的な打撃を受けた本市は、廃墟の中から、堪え難い悲しみと苦しみを乗り越えて復興に立ち上がった。昭和24年には、日本国憲法第95条の規定に基づく特別法として、全国で初めての住民投票により市民の圧倒的多数の賛成をもって「広島平和記念都市建設法」が制定され、市民の英知とたゆまぬ努力、国内外からの温かい援助などにより、本市はめざましい復興・発展を遂げていった。
本市議会は、そうした歴史の上に立ち、今日をつくり上げてきた先人の意思を継承し、恒久平和の象徴として平和記念都市広島の建設に努めるとともに、核兵器の廃絶と世界恒久平和の実現を全世界に強く訴え続けてきた。また、本市議会は、社会や市民の要請に的確に対応した都市づくりを進めるため、議会の有する権限を適切に行使しながら、市民の代表として、その意思を的確に市政に反映させ、もって市民の負託にこたえるべく活動を行ってきたところである。
平成12年4月のいわゆる地方分権一括法の施行後、地方分権改革が進められ、地方公共団体の役割や責任が拡大する中にあって、二元代表制の下で、地方議会が果たすべき役割や責務は増大している。
そうした中で、本市議会が、今まで以上にその役割と責務を果たしていくためには、これまでの活動を更に推し進めるとともに、議会の機能強化や改革に取り組み、より一層、市民に信頼される議会を構築することが求められている。
このような認識の下、本市議会は、議会の基本理念を定め、議会及び議員の活動原則等を明らかにし、市民の負託に全力でこたえることを決意し、この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、議会の基本理念を定め、議会及び議員の活動原則等を明らかにするとともに、議会と市民との関係、議会と市長等との関係等、議会に関する 基本的事項を定めることにより、議会が市民の負託に的確にこたえ、もって市民の福祉の向上及び市勢の発展に寄与することを目的とする。
(基本理念)
第2条 議会は、時代を先導する議会を目指し、市民自治の観点から、真の地方自治の実現を目指すものとする。
(基本方針)
第3条 議会は、前条の基本理念にのっとり、次に掲げる基本方針に基づいた議会活動を行うものとする。
- 二元代表制の下、市の意思決定を担う議決機関としての責任を自覚し、その機能を最大限に発揮すること。
- 市民に対し市政に関する情報を積極的に公開するとともに、市民に分りやすい開かれた議会運営を行うこと。
- 人類史上最初の被爆都市として、核兵器の廃絶と世界恒久平和の実現に向けて、全力で取り組むこと。
第2章 議会の活動原則等
(議会の活動原則)
第4条 議会は、市民を代表する合議制の機関として、その役割を果たすため、次に掲げる原則に基づき活動するものとする。
- 議会活動の公正性及び透明性を確保すること。
- 議会活動に関する市民への説明責任を果たすこと。
- 市民の負託にこたえる議会の在り方を不断に追求し、議会の改革に継続的に取り組むこと。
(議員の活動原則)
第5条 議員は、市民の直接選挙によって選ばれた公職として、自らの職責を果たすため、次に掲げる原則に基づき活動するものとする。
- 市政に関する市民意思の把握に努めること。
- 市政の課題及び政策に関する広範な情報収集及び調査研究に努めること。
- 議会活動に関する市民への説明責任を果たすよう努めること。
- 自らの資質向上のため、不断の研さんに努めること。
(会派)
第6条 議員は、議会活動を行うため、会派を結成することができる。
2 会派は、政策立案、政策決定、政策提言等に関し、会派間で調整を行い、合意形成に努めるものとする。
3 会派は、市政に関する市民意思の把握、市政の課題及び政策に関する広範な情報収集及び調査研究並びに所属議員の議会活動に必要な研修等を行うものとする。
第3章 市民との関係
(市民参加の機会の充実)
第7条 議会は、市民の意思を議会活動に反映することができるよう、市民の議会活動に参加する機会の充実を図るものとする。
(広報広聴機能の充実)
第8条 議会は、市民に開かれた議会を実現するため、その諸活動に関して多様な媒体を活用して積極的な広報及び広聴に努めるものとする。
(委員会等の公開)
第9条 議会は、開かれた議会運営に資するため、本会議のほか、常任委員会、特別委員会等を原則として公開する。
(議会活動に関する資料の公開)
第10条 議会は、議会活動に関する資料を迅速に公開するものとする。
第4章 市長等との関係
(市長等との関係)
第11条 議会は、二元代表制の下、市長等と対等で緊張ある関係を構築し、事務の執行の監視及び評価を行うとともに、政策立案及び政策提言を通じて、市政の発展に取り組むものとする。
(確認の機会の付与)
第12条 議長並びに常任委員会、議会運営委員会及び特別委員会の委員長は、会議等における審議又は調査等の充実を図るため、会議等の論点等を明確にする必要があると認めるときは、市長等及びその職員に対し、議員及び委員の発言の主旨に対する確認の機会を付与することができる。
第5章 議会の機能強化
(議会の機能強化)
第13条 議会は、市長等の事務の執行の監視及び評価並びに政策提言に関する議会の機能を強化するものとする。
(調査機関の設置)
第14条 議会は、議会における審議の充実、議会による政策形成機能の強化及び政策の効果の評価のため、調査機関を設置することができる。
(議会改革)
第15条 議会は、社会環境、経済情勢等の変化により新たに生ずる市政の課題等に適切かつ迅速に対応するため、継続的な議会改革に取り組むものとする。
2 議会は、前項に規定する取組を行うため、地方自治法第100条第12項の規定により、議員で構成する検討組織を設置することができる。
(議会事務局の機能強化)
第16条 議会は、議会の政策立案能力を向上させ、議会活動を円滑かつ効率的に行うため、議会事務局の機能の強化及び組織体制の整備に努めるものとする。
第6章 補則
(他の条例との関係)
第17条 この条例は、議会に関する基本的事項を定める条例であり、議会に関する他の条例等を制定し、又は改廃する場合においては、この条例との整合を図るものとする。
(検討)
第18条 議会は、この条例の施行後、常に市民の意見、社会情勢の変化等を勘案し、必要があると認めるときは、この条例の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附則
この条例は、平成 年 月 日から施行する。
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