低入札価格調査マニュアル(建設コンサルタント業務等用)
令和4年9月1日
1 目的
この低入札価格調査マニュアル(以下「本マニュアル」という。)は、成果物の品質確保及び不良・不適格業者の排除等に資するため、広島市建設コンサルタント業務等競争入札取扱要綱(以下「要綱」という。)第40条第6項の規定に基づく低入札価格調査を実施する際の調査方法及び内容等を定めるものである。
2 適用対象
本マニュアルは、調査基準価格を下回った入札者のうち、最低入札価格提示者(以下、「対象者」という。)に対して適用する。ただし、当該入札において調査基準価格に満たない価格を提示した者が複数ある場合において、対象者を落札者としないときは、調査基準価格に満たない価格を提示した他の者のうち、最低価格を提示した者(以下、「次順位者」という。)を対象者とする。次順位者を落札者としないときは、以後この例による。
3 調査方法
1 本マニュアルに基づく調査(以下「本調査」という。)は、要綱第40条第6項に基づく調査の関係資料が提出された日から実施することとし、可及的速やかに本調査の対象者からの事情聴取、関係機関等への照会等の調査を完了する。
2 本調査は下記の手順で実施するものとする。
(1) 開札時の対応等
ア 業務担当課は、事前に「総額失格基準額算定調書(様式2-4)」を作成し、入札担当課に持参する(必ず検算を行うこと。)。
イ 入札担当課は、調査基準価格を下回る入札が行われた場合には(落札決定を保留し)、保留通知書において入札参加者全員へ低入札価格調査の対象である旨を通知する。
この場合、総額失格基準額を下回る入札は失格とし、対象者に通知する。
また、調査基準価格の85%を下回る価格での入札となった場合は、詳細調査様式(表-1~表-2-2)が必要であることに注意する。
ウ 対象者に対して「建設コンサルタント業務等低入札価格調査報告書(様式1~様式6)」(以下「調査報告書」という。)を業務担当課へ開札日(もしくは落札候補者決定の日)の翌日から起算して5日(閉庁日を除く)後の午後5時までに提出する旨通知する。
なお、最低入札価格提示者が提出期限までに「調査報告書」を提出しなかった場合には、その者の入札は無効とする。
エ 対象者から業務担当課に提出された「調査報告書」に不備がある場合には、その者の入札は無効とする。
(2) 事情聴取等調査(業務担当課)
ア 工事契約課へ低入札価格調査の対象となった業務名及び対象者名を連絡する。
イ 調査報告書の内容を精査し、「業務委託費内訳対照表(別紙3-(1))を作成する。
ウ 対象者から提出された調査報告書の調査項目に基づき、聴き取りが必要な項目を「事情聴取書(別紙2)」に記入して、必ず事情聴取を行う。なお、聴き取りの相手方は対象者の責任者及び積算に精通した者とする。
エ 事情聴取終了後、「建設コンサルタント業務等低入札価格調査結果の概要書(別紙1)」及び「事情聴取書(別紙2)」を作成する。また、事情聴取をしてもなお不明な点がある場合においては、期限を定めて必要な追加資料の提出を求めるものとする。
オ 「低入札価格調査結果調書(別紙4)」へ当該業者の技術者の状況、配置予定技術者の状況、過去の業務委託の成績、経営状況及び信用状態等を記載する。なお、事務局案の項の記入は不要である。
カ 対象者から提出された「調査報告書」、業務担当課で作成した「低入札価格調査結果調書(別紙4)」、「建設コンサルタント業務等低入札価格調査結果の概要書(別紙1)」、「事情聴取書(別紙2)」、「業務委託費内訳対照表(別紙3-(1))」、「一般管理費率調書(別紙3-(2))」、「総額失格基準額算定調書(様式2-4)」、入札参加業者の入札価格が記載された「入札履歴(入札調書)」及び「入札公告」、「入札参加資格確認資料」(決裁欄を含む資料のみ)」の写しを添付し、工事契約課へ提出し協議する。この場合、「業務委託費内訳対照表(別紙3-(1))」には、業務担当課長の意見を付すものとする。協議終了後、エクセルデータ(別紙4及び別紙1~別紙3-(2))を工事契約課へメールする。
キ 対象者が、本マニュアル5の2に定める基本的判断基準を満たさない場合、判断が困難な場合には事前に協議を行うものとする。
ク 以下に掲げる課へは、「低入札価格調査結果調書(別紙4)」、「建設コンサルタント業務等低入札価格調査結果の概要書(別紙1)」、「事情聴取書(別紙2)」、「業務委託費内訳対照表(別紙3-(1))」、「総額失格基準額算定調書(様式2-4)」、「労務費内訳書(表-2-2)(提出のある場合)」に、入札参加業者の入札価格が記載された「入札履歴(入札調書)」及び「入札公告」を添付し報告する。
(ア) 土木建築に関する工事の設計又は調査、測量及び地質調査
a 土木関係・・・・都市整備局技術管理課
b 建築関係・・・・都市整備局技術管理課建築管理担当
(イ) 補償関係コンサルタント業務
道路交通局用地部
(3) 調査結果の編さん及び委員会の準備(工事契約課)
ア 業務担当課が作成した「低入札価格調査結果調書(別紙4)」の事務局案の項に記入する。
イ 調査の結果、広島市建設工事等競争入札調査委員会(以下、「委員会」という。)へ付議する必要がある場合は、(2)のカ及び(3)のアに掲げた資料に入札者の入札金額が記載された「入札履歴(入札調書)」及び「入札公告」を添えて、委員会の審議に付す。
ウ 基本的判断基準を満たさないもの等、必要に応じ委員会で審議する。
3 業務担当課は、指定した日までに対象者が上記2の(2)のエに定める追加資料を提出しない場合は、対象者に対し、期限を定めて、提出できない理由等の説明を求める。対象者がこれに応じないときは、広島市競争入札参加資格者指名停止措置要綱に定める「不正又は不誠実な行為」に該当し、指名停止の対象となる旨を明確に伝える。
4 調査内容
1 本調査においては、広島市建設工事等競争入札調査委員会要綱第3条に掲げる調査事項等のうち、次の内容について調査を行うものとする。なお、表-1~表-2-2は、調査基準価格の85%を下回る価格での入札となった場合及び特に必要がある場合に調査を行うものとする。
(1) 当該価格で入札した理由及び利益見通し
(様式1)
(2) 入札金額の積算内訳等
ア 積算内訳書 (本市業務委託設計書に準じた様式)
イ 諸経費等内訳書 (表-1)
ウ 労務費内訳書 (表-2、2-2)
(3) 業務実施体制
(様式2)
(4) 業務工程表
(様式3)
(5) 手持業務の状況
(様式4-1、4-2)
(6) 配置技術者名簿
(様式5)
(7) 過去に実施した同種又は類似の業務名及び発注者
(様式6)
2 具体的な調査
(1) 入札金額の業務委託費構成
本市業務委託設計書について、次の調査を行う。
本市業務委託設計書から総額失格基準額を計算し、対象者の入札額と比較する。
総額失格基準額は、総額失格基準調査表(別紙3-(2))で計算するものとする。
(2) 当該価格で入札した理由及び利益見通し
(様式1)
当該入札価格で業務が適正で、良質な履行が可能かどうかを確認する。
(3) 入札金額の積算内訳等
対象者が提出した「積算内訳書(本市業務委託設計書に準じた様式)」、「諸経費等内訳書(表-1)」、「労務費内訳書(表-2,表-2-2)」について、次の調査をする。
ア 仕様及び数量
本市の業務委託設計書及び仕様書等に準じた積算内容となっているかどうか、また、積算根拠が適正かどうか調査する。
イ 労務単価
積算計上単価の算出根拠が明白であるか、最低賃金を下回っていないか調査する。
ウ 諸経費等
直接経費、間接経費、諸経費について、発注者の価格に比し相当程度低いと認められる場合は、当該価格の設定理由について確認を行い、具体的に必要経費が計上されているか確認する。
(4) 業務実施体制
(様式2)
業務の履行上必要な技術者が適正に配置されているか、再委託等が契約に違反することにならないかどうかを確認する。
(5) 業務工程表
(様式3)
工程の内容と積算内訳書の内容の整合性が取れているか、又、工程計画に問題はないかを確認する。
(6) 手持業務の状況
(様式4-1、4-2)
手持業務の状況から、業務の履行に支障がないか、又、節減可能な積算内訳書の項目があるかを確認する。また、本市発注分について記載漏れがないかも確認する。
(7) 配置技術者名簿
(様式5)
業務の履行上必要な技術者が配置されているか、必要な資格を有しているかを確認する。
(8) 過去に実施した同種又は類似の業務名及び発注者
(様式6)
過去に実施した同種又は類似の業務の内容について確認を行う。その際、必要に応じ発注者に記載内容の確認を行う。
5 適正な履行確保の基準
調査内容を総合的に検討し、次の総額失格基準(額は非公表)及び基本的判断基準からなる適正な履行確保の基準の項目をすべて満たしているかどうかを確認する。確認の結果、基準の項目を一つでも満たしていない場合、対象者は契約内容に適合した履行がされないおそれがあるものとする。この調査は、基準を満たさない項目が判明した時点で終了するものとする。
1 総額失格基準
入札金額(税抜き)が、総額失格基準額(税抜き)以上であること。
分類区分 |
直接費等 A |
直接費等 B |
間接費等 C |
間接費等 D |
---|---|---|---|---|
測量 注1 |
直接測量費 注4 |
測量調査費 |
|
諸経費 |
地質 |
直接調査費 |
間接調査費 |
解析等調査業務 注5 |
諸経費
|
解析 |
解析費等(k1) |
|
諸経費等(k2) |
|
建築 注2 |
直接人件費 |
特別経費 |
技術料等経費 |
諸経費 |
土木 注3 |
直接人件費 |
直接経費 |
その他原価 |
一般管理費等 |
土木 注3 |
直接人件費 |
直接経費 |
技術経費 |
諸経費 |
補償 |
直接人件費 |
直接経費 |
その他原価 |
一般管理費等 |
注1 道路環境調査(現地調査)、洪水痕跡調査、河川水辺環境調査、水質採水作業、水文観測、交通量調査等の業務を含む
注2 工事監理業務、耐震診断関連業務等の業務を含む
注3 道路環境調査(既存資料調査)等の業務を含む
注4 業務によって、直接調査費、直接業務費、直接採水費、直接費と呼ぶ
注5 解析等調査業務の歩掛は土木関係コンサルタント業務による
業務区分 |
総額失格基準額(S) |
---|---|
測量 | A×0.6+B×0.6+D×0.3 |
地質 | A×0.6+B×0.6+k1×0.6+k2×0.3+D×0.3 |
建築 | A×0.6+B×0.6+C×0.3+D×0.3 |
土木 | A×0.6+B×0.6+C×0.3+D×0.3 |
補償 | A×0.6+B×0.6+C×0.3+D×0.3 |
注:総額失格基準額は公表しないこと。
2 基本的判断基準
- 低入札価格調査に際し誠実で協力的であること。
- 当該入札が、適正な見積等に基づく結果であること。
- 積算内訳書の数量は、本市業務委託設計書等に計上した設計数量を満足していること。
- 設計仕様等を満足していること。
- 配置技術者が必要な資格を有していること。
- 専門的知識、経験等業務の履行上必要な能力を有する技術者が適正に確保されていること。
- 労務費は全て最低賃金を満たしていること。
- 下請等の見積額の計上が適正であること。
- 積算内訳書に違算等がある場合、不足総額が当該入札者の予定利益の計上額を上回らないこと。
- その他調査報告書に不備が無いこと。また、虚偽記載等が無いこと。
6 調査結果の公表
業務担当課は、広島市建設工事等発注見通し及び請負経過公表要領の例により「建設コンサルタント業務等低入札価格調査結果の概要書(別紙1)」及び本市積算内訳を公表する。
7 契約後の取扱い
業務担当課は、低入札価格調査を実施した業務において、履行可能と判断した業務については、業務の完了時において、「低入札価格調査対象業務実施結果調書(別紙5)」(以下「別紙5」という。)の1から10まで記載したものを提出させ、その内容を確認したうえで残りの部分を記載し調書を完成させるものとする。
検査時に検査職員が、管理技術者等から別紙5の内容についてヒアリングを必ず行うこととし、実施結果の記載内容が低入札価格調査時の内容と異なる場合は、その理由等について確認するものとする。
業務担当課は、検査終了後、速やかに別紙5を、上記3の2(2)ア及びクに掲げる課に送付するものとする。
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