核兵器不拡散条約(NPT)体制の堅持及び核兵器廃絶に向けた取組に関する内閣総理大臣への要請(2026年4月9日)
内閣総理大臣 高市 早苗 様
核兵器不拡散条約(NPT)体制の堅持及び核兵器廃絶に向けた取組について(要請)
1945年8月の原爆投下により、広島と長崎の街は破壊し尽くされ、その年の終わりまでに両市で約21万人の尊い命が奪われました。原爆の惨禍を経験した両市は、「こんな思いを他の誰にもさせてはならない」という被爆者の切なる願いを原点に、核兵器の非人道性とその廃絶を世界に訴え続けてきました。
また、国際社会においても、何千万もの命が奪われた第二次世界大戦の惨禍を二度と繰り返さないという強い決意の下、世界の平和と安全の維持、国際協力の促進を目的に国際連合が設立され、その第1号決議である「核兵器などの大量破壊兵器の廃絶」は、国際連合の最優先目標に位置付けられています。
そして、国際社会の核軍縮・不拡散体制の礎石である核兵器不拡散条約(NPT)における最終目標は、核兵器の完全な廃絶であり、全ての締約国はこの条約の履行義務を負っています。
しかしながら、混迷を極める世界情勢の中、核兵器国やその同盟国において核兵器への依存が高まるなど、核兵器廃絶に逆行する動きが顕著となっています。
私たちは、このようなかつてない危機的な事態が、第三の戦争被爆地を生み出しかねないことを強く危惧しています。
過去2回の再検討会議で最終文書の採択に至らなかった中で、今月27日から開催されるNPT再検討会議は、この体制を堅持できるか否かを決定づける歴史的な局面となります。
今こそ、80年前の原点に立ち返り、理性的な対話を通じて法に基づく国際秩序を維持・強化するとともに、核兵器国を始めとする全ての締約国が英知を結集し、NPT体制を堅持するための確固たる決意を示すことが不可欠です。
唯一の戦争被爆国として、非核三原則の堅持を国是とし、核兵器廃絶に向けた国際社会の取組を主導する責務を有すると表明されている日本政府におかれましては、建設的な対話を通じて、核軍縮の進展に向けた具体的な道筋が提示されるよう尽力することを強く求めます。
また、NPTを補完する役割を担う「核兵器禁止条約」について、その実効性を高めるため、本年11月から開催される再検討会議にオブザーバー参加した上で、一刻も早く同条約に署名・批准していただくよう要請します。
これまで核兵器廃絶の歩みを牽引してきた被爆者の平均年齢は86歳を超え、その生の証言に直接触れる機会は極めて限られたものとなっています。貴台におかれましては、被爆地において被爆者の切なる訴えに直接耳を傾けていただき、核兵器の非人道性に対する理解を深め、平和への思いを受け止めていただきますようお願いいたします。
令和8年(2026年)4月9日
広島市長 松井 一實
長崎市長 鈴木 史朗
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