トランプ米国大統領の被爆地訪問に関する外務大臣への要請(2025年10月10日)

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ページ番号1043971  更新日 2025年10月10日

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外務大臣 岩屋 毅 様

貴台におかれましては、被爆から80年を迎えた広島と長崎での8月6日及び9日の式典に御参列いただきましたことに、広島・長崎両市民を代表し、改めて感謝申し上げます。

国際社会における対立と分断は深まり、世界各地で戦火が続いています。そのような中で、「核兵器は使ってはならない」という国際社会の人道的な規範が大きく揺らぎ、核兵器使用のリスクが一層高まっています。
同時に、「こんな思いを他の誰にもさせてはならない」と、自らの壮絶な体験を語り、核兵器廃絶を訴えてきた被爆者の平均年齢は86歳を超え、「被爆者のいない時代」が刻一刻と近づいています。

こうした人類の重要な岐路にある今だからこそ、核超大国の大統領である米国大統領に被爆地を訪問していただき、被爆者の声に直接耳を傾け、きのこ雲の下で何が起きたのか、核兵器の使用がいかに非人道的な結末をもたらすのかを、心で感じ取っていただきたく存じます。
その上で、核兵器は決して使ってはならないとの信念をより強固にしていただき、「核兵器のない世界」の実現に向けた揺るぎない決意を被爆地から発信していただければ、核兵器廃絶への国際機運を再び取り戻す大きな力になると確信しています。
本日、この被爆地の思いをしたためたトランプ大統領への書簡をグラス駐日大使宛てに送付したところです。

つきましては、本年10月31日から韓国で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせて調整中であることが報じられているトランプ大統領の日本訪問の際に、是非、被爆地広島・長崎の訪問が実現するよう、お力添えをお願いいたします。

また、日本政府におかれましては、唯一の戦争被爆国として、対話を通じた信頼関係に基づく国際的な安全保障体制の構築に向けて主導的な役割を果たすなど、核兵器廃絶とその先にある世界恒久平和の実現に向けた推進力となっていただくようお願いいたします。

令和7年(2025年)年10月10日

広島市長 松井 一實
長崎市長 鈴木 史朗

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