区の魅力と活力を推進するためのアクションプラン(全文)
1 アクションプランの策定に当たって
(1)アクションプラン策定の趣旨
広島市には八つの行政区があり、区によって人口、地勢、産業構造、地域資源、歴史・文化などに違いがあり、地域が抱える課題も様々です。
安芸区では、区役所が区民に身近な行政窓口の役割を担うとともに、安芸区まちづくり支援センターを中心に、地域の特色を生かしながら、区民のみなさんの思いをより反映したまちづくりを進めることにより、住みやすさ・暮らしやすさを実感できるまちの実現を目指しています。
そのためには、区民のみなさんによる主体的なまちづくりの推進も必要不可欠になります。
そこで、区民のみなさんと区役所等がともに安芸区の今後のまちづくりの方向性を共有しながら、これまで以上に住民主体のまちづくりに取り組んでいくため、本アクションプランをまとめました。
また、広島市では、200万人広島都市圏構想を掲げ、経済面や生活面で結び付きのある近隣市町との連携や交流によって、誰もが“住み続けたい““住んでみたい“まちの実現を目指しています。安芸区においても、府中町、海田町、熊野町及び坂町を始めとした東部地域との連携や交流に積極的に取り組み、東部地域全体の活性化に貢献する取組を推進します。
(2)計画期間
令和2年度(2020年度)から令和6年度(2024年度)までの5年間とします。
(3)アクションプランの位置付け
本アクションプランは、第6次基本計画に掲げる「区における地域住民を主体としたまちづくり活動の充実」及び「まちづくりの方向性」を区民のみなさんと行政が協働して実現していくための計画として策定します。
2 安芸区の現状と課題
(1)現状
ア 位置・地勢
(ア)安芸区の地区構成
- 合併前の旧4町を基本とした構成
- 広島市の東端に位置し、面積は8区中4番目に広いです。(市全域の10.3%)
- 昭和48年~50年に広島市と合併した、瀬野川町、熊野跡村(現阿戸町)、船越町、矢野町を基本として構成されています。旧瀬野川町は、さらに畑賀、中野、中野東、瀬野の4地区に分けられます。
- 矢野地区が飛び地
- 矢野地区は呉市、安芸郡海田町、熊野町、坂町と隣接しており、行政区として飛び地になっています。
- 隣接する南区、東区とで安芸郡府中町を取り囲んだ形となっています。
(イ)地形
- 急峻な山と河川に沿った細長い谷による構成
- 鉾取山(711.5m)、絵下山(593.0m)、蓮華寺山(734.0m)、呉娑々宇山(682.2m)に代表される比較的急峻な山地が並行して北東から南西方向に連なっています。
- 区の中央を瀬野川が流れ、海田湾に注いでいます。
- 全体的に平地が少ない地形
瀬野川、熊野川などの河川が流れる谷の部分に沿って、細長い平地が形成されています。瀬野川下流では海田湾を囲むように平地が形成されていますが、全体的に平地が少ない地形です。
(ウ)土地利用の状況
- 自然的な土地利用が多い
区の面積の約7割が山林であるほか、瀬野川の河川敷、阿戸地区や瀬野川地区の農地など、自然的な土地利用の占める割合が高いです。 - 傾斜地に広がる市街地、海田湾を取り囲む工業地帯
- 平地が少ないことから船越地区や矢野地区では密集度の高い住宅地が、中野地区から瀬野地区にかけては、瀬野川沿いの傾斜地に沿って住宅地が形成されています。
- 矢野地区、瀬野地区においては大規模な住宅団地が形成され、新たな市街地が形成されています。
- 工業系、商業系の施設は、埋立地を含む海田湾沿いに集積しています。
(エ)交通の状況
- 国道2号に交通が集中
- 東広島方面と結ぶ国道2号、呉方面と結ぶ国道31号が主要な幹線道路です。
- 区内各地区を横断する道路が少なく、幹線道路と生活道路が入り組んでいるため、交通が集中する国道2号は非常に混雑しています。
- 地形的な制約が要因となり、隣接する市、区、町との連絡性が良くない状況です。
- 東広島バイパス、安芸バイパスや広島南道路を始め、これらに関連した連絡道路網の整備が進められており、交通環境の改善が期待されています。
- JR山陽本線、呉線が運行
2本の幹線道路と併走するようにJR山陽本線、呉線が通っています。混雑度が高い幹線道路とともに、通勤・通学などの重要な手段となっています。
イ 人口・世帯
(ア)人口の推移
区の中では最小の人口
平成27年国勢調査の安芸区の人口は7万9,353人で、漸増傾向にありますが、8区の中では最も少ないです。
(イ)年齢層別人口
少子化・高齢化が進展
- 全般的に各年齢層とも、全市平均とほぼ同じ傾向ですが、15歳未満の若年者層の割合は、旧市域の区に比べてやや多くなっています。
- 平成12年から平成27年にかけての年齢層別割合をみますと、全市の傾向と同じく、65歳以上の高齢者層が伸び、15歳未満の若年者層が低下しています。
(ウ)世帯の状況
単身世帯から4人世帯まで平均している世帯構成
旧市域の区では、単身世帯の割合が著しく高くなっていますが、安芸区では、他の新市域の区と同様に、3人~4人世帯の割合が高くなっています。
ウ 産業
(ア)産業構成
- 第二次産業で働く人の割合が高い
- 安芸区内で働く人は、第二次産業(工業・建設業)で働く人の割合が8区中最も高く、第一次産業(農林水産業)の割合は安佐北区、安佐南区、佐伯区に次いで高くなっています。
- 第三次産業(商業・サービス業)で働く人の割合は安佐北区に次いで低くなっています。
- 区外への通勤者が多い
自分が住んでいる区内で働く人の数は8区中最も少なくなっています。「安芸区から働きに出ている人」が「安芸区に働きに来ている人」を大きく上回っており、ベッドタウンとしての性格が見られます。
(イ)工業の特徴
製造品出荷額は8区中2番目に多い
- バブル崩壊後、低調に推移しましたが、近年、製造品出荷額等が増加に転じています。
- 安芸区の製造品出荷額は、約2,851億円で広島市全体(約3兆180億円)の9.4%を占め、8区の中では2番目に多くなっています。また、その内訳は、生産用機械器具製造業(約1,284億円)と輸送用機械器具製造業(約981億円)で79.4%を占めています。
- 安芸区の人口1人当たりの製造品出荷額は南区に次いで2番目に多い359万円で、人口規模に比べて工業のウエイトが高いことがうかがえます。
(ウ)商業の特徴
近年の年間商品販売額が増加傾向
- 安芸区の事業所数、従業員数、年間商品販売額は、バブル崩壊以後、低調に推移し、減少傾向にあります。近年の年間商品販売額は増加傾向にあります。
- 安芸区の年間商品販売額は、約1,882億円で広島市全体(約7兆8,422億円)の2.4%を占め、8区の中では6番目となっています。
(2)特性
- ア 位置は、広島市東部にあり、安芸郡府中町、海田町、熊野町及び坂町などと境を接しており、住民相互の交流や経済面、生活面での結び付きが深いです。
- イ 自然は、岩滝山や呉娑々宇山、水ケ丸山、小田山、鉾取山、絵下山などの山々に囲まれ、北東部から南西部にかけて瀬野川が流れるなど、区民に憩いと潤いを与える豊かな自然環境を有しています。
- ウ 地勢は、面積の約7割を山林が占めており、山の斜面まで住宅が折り重なるように建ち並んでいます。船越地区や矢野地区などの平地部でも、幹線道路を逸れると道路が狭あいで、住宅がひしめき合うように建っています。瀬野及び矢野の両地区では、山間部を切り開いた大規模な住宅団地が造成されており、それぞれ新しいコミュニティが形成されています。
- エ 交通は、本市都心部と東広島市方面を結ぶ国道2号及びJR山陽本線が、また、本市都心部と呉市方面を結ぶ国道31号及びJR呉線が通っています。
- オ 人口は、約8万人と8区の中で最も少ないです。年齢別では65歳以上の高齢者の割合が年々増えているとともに、高齢化率は全市平均を上回り、8区中4番目に高いです。
- カ 産業は、他の区と比較して、工業や建設業などの第二次産業従事者が多く、また、海田湾沿いの埋立地には工業団地や流通団地が形成されており、経済情勢に応じて製造品出荷額や商品販売額等が増減しますが、近年はいずれも増加傾向にあります。
(3)地域資源
- ア 瀬野川は、熊野川や畑賀川などの支川を含め、安芸区を特色付ける自然資源です。河川敷への遊歩道の整備もあいまって極めて親水性が高く、日頃からウォーキングや、ピクニック、水鳥や水生昆虫等の観察などで多くの市民が憩う場となっているほか、中野・中野東地区では住民自らが桜や芝桜を植栽し、維持・管理を行うなど、自然環境を生かした良好な景観・風致を形成しています。また、河川敷広場では祭りや花火大会等が開催され、地域コミュニティの拠点として活用されています。
- イ 区民まつりや区民スポーツ大会など全区民を対象とする文化・スポーツイベントは、旧4町村(船越町、瀬野川町、熊野跡村、矢野町)の地域住民が交流を深め、区民としての連帯意識を醸成する場となっています。
- ウ 瀬野川にほぼ沿うように、江戸時代の昔、京都と九州を結んだ『西国街道』が通っており、沿道には由緒ある神社仏閣などの史跡が点在するなど、郷土の歴史をうかがい知ることができます。
(4)身近な課題
- ア 高齢化の進展に伴い、一人暮らしの高齢者や高齢者のみの世帯が増加しており、清掃や買い物、ごみ出しなど日常生活面での支援のほか、災害時における避難支援の取組等が重要な課題となっています。
- イ 町内会・自治会その他地域団体では、担い手の高齢化や慢性的な人材の不足に直面しており、持続的・継続的な活動が困難になりつつある地域団体が増えています。
- ウ 買い物先の大規模店舗志向やインターネット販売の活用、後継者不足等により、地域では商店が減っており、交通手段を持たない世帯、インターネットを利用しない世帯等が買い物難民化しており、日常の暮らしに大きな不便が生じています。また、こうした商店は、商品流通のみならず、地域のにぎわいづくりの面で果たす役割が小さくないことから、商店の減少は地域コミュニティの衰退に直結する問題として有効な対策が求められています。
- エ 山々に囲まれた安芸区では、猪や鹿、猿などにより農地が荒らされる被害が続出しているほか、住宅街にも出没しており、園児・児童を始め住民の安全を脅かす存在として大きな社会問題となっています。
- オ 少子化・高齢化や核家族化の進展、集合住宅の増加等による新旧住民の混在などにより、世代や地縁の異なる住民間の交流が乏しくなっており、地域コミュニティの維持が困難になっています。
3 安芸区のまちづくりの方向性
安芸区では、地域の課題解決や地域の魅力と活力の向上に資する区民のみなさんの主体的かつ継続的な活動を効果的に支援することによって、地域特性を生かした個性豊かで魅力と活力のあるまちづくりの推進に取り組みます。
ここでは、安芸区の現状や、区のまちづくり懇談会などでみなさんから頂いた意見を踏まえ、安芸区の四つのまちづくりの方向性と主な取組をまとめています。今後、住民のみなさんと連携しながら、これらの取組の実現に向けて取り組んでいきます。
まちづくりの方向性(1) 人を育み、安全・安心で地域が支え合いながら健康に暮らせるまちづくり
まちづくりの担い手や子育て支援体制の確保、防災・防犯力の強化などの地域課題の解決に取り組み、安全・安心で地域が支え合いながら健康に暮らせるまちづくりを進めます。特に、中山間地では、定住の促進などにより、地域コミュニティの活性化を図ります。
【主な取組】
地域の支え合い
(1)日常の困りごとに対応する活動拠点づくり
住民が抱える日常の困りごとに、既存の枠組みに捉われない地域住民自らが相談に乗ったり、解決策を提示する拠点づくりを支援することにより、支え合いの意識づくりと地域活動への参加を促します。
- 【新】地域のボランティア会議の創設
地域で積極的に活動している市民団体やボランティアを構成員とした会議を、近隣の市町とも連携して創設することにより、既存組織に捉われない若い世代に積極的に参加してもらい、地域を元気にする取組の企画を促し、地域の担い手の育成につなげます。 - 【継】健康講座等の開催
住民一人一人が生き生きと住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、住民同士の交流の機会を創出するため、地区社会福祉協議会等が取り組む健康講座等の開催や文化活動等の場の提供を支援します。 - 【継】困りごと解決に向けた支援
生活上の困りごとの解消や地域の課題解決のため立ち上げられた住民主体の取組が円滑に行われるよう、協同労働など新たな手法も用いて関係機関と連携して支援します。また、医師会等との連携により地域医療体制の充実を図ります。 - 【継】フリースペースの活用
フリースペースで実施される、子どもの遊び場、子育て学習会、健康講座、高齢者体操教室、料理教室等の活動を支援し、地域住民が交流を深める中で相互に支え合えるような地域づくりを推進します。 - 【継】子どもと高齢者の交流の促進(再掲)
地域に古くから伝わる盆踊りなどの行事やしめ縄づくりなどの慣わしの継承活動の継続を支援することにより、子どもと高齢者の交流を促進します。 - 【継】幼児から高齢者まで世代を超えた交流の促進(再掲)
地域住民の企画によるスポーツ交流会や昔遊び、映画鑑賞会などの開催を支援することにより、幼児から高齢者まで幅広い参加の得られる世代を超えた交流を図ります。 - 【継】親と子どもの交流の促進(再掲)
交流機会を求める子育て世代が子どもとともに集える拠点施設を、地域団体が確保するのを支援することにより、地域の絆を深めます。


(2)子育て支援
子育て世帯が抱える悩みを相談することができる環境を整え、安心して子育てをすることができると感じるまちづくりを推進します。
- 【新】朝ごはんの提供活動への支援
各小学校区で各種地域団体(民生委員児童委員・地区社会福祉協議会・子ども会・任意団体・ボランティア)が連携し、登校前の児童に対し朝ごはんを提供する「朝ごはん会」の活動を支援(食育に関する情報提供)し、食でつながる地域づくりを推進します。 - 【継】地域のオープンスペース・子育てサロンの開催
子育ての悩みを相談できる保護者同士の仲間づくりと子どもの遊び場づくりを目的として、地域のオープンスペース・子育てサロンを開催し、安心して子育てをできる環境整備の充実を図ります。
(3)高齢者世帯への支援
高齢者世帯に対して、身近な困りごとに細やかな支援を行うことにより高齢者が住みやすいまちづくりを推進します。
- 【継】交流サロンの開催
高齢者に外出を促す集いの場を提供するため、歌やレクリエーション等を通じ、日常的に交流できるサロンを住民主体で継続して運営できるよう、区社会福祉協議会・地域包括支援センターと連携して支援します。 - 【継】地域の見守り体制の構築
高齢者一人一人が生き生きと住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、地域住民を主体とした「地域包括ケアシステム」や「高齢者見守りネットワーク」を構築するため、区社会福祉協議会・地域包括支援センター等関係機関と連携して支援します。 - 【継】住民主体型生活支援訪問サービス事業の実施
高齢者一人一人が生き生きと住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、ゴミ出し、電球交換等を行う「住民主体型生活支援訪問サービス事業」の円滑な推進を支援します。 - 【継】認知症の人とその家族の支援
認知症の人とその家族を支えるため、「認知症サポーター養成講座」等の開催や、「認知症カフェ運営事業」の活用が普及するよう、区社会福祉協議会・地域包括支援センターと連携して支援します。


(4)障害者世帯への支援
障害のある方やその家族が、安心して地域生活を送れるようまちづくりを推進します。
- 【新】地域生活支援拠点事業の活用
地域生活支援拠点事業を活用し、障害のある方やその家族が安心して地域生活を送れるよう、地域・関係機関の連携を強化し、区内における緊急時の受入れ体制を整えます。 - 【新】障害者自立支援協議会安芸区地域部会の活用
障害者自立支援協議会安芸区地域部会において、関係団体・支援団体が集まり、地域課題の抽出と対応、相互のネットワーク強化や地域資源の開発等を行うとともに、障害者への理解を深めるための普及啓発や権利擁護意識の醸成に取り組みます。
災害に強く、安全・安心なまちづくり
(1)災害への備えの充実
平成30年(2018年)7月の豪雨災害の教訓を踏まえ、各機関が連携して地域防災力の向上を図り、安全・安心に暮らせるまちづくりを推進します。
- 【新】復興まちづくりプランの作成支援
モデル地区に選定した矢野地区及び上瀬野地区において、目指すべきまちの将来像やその実現に向けた取組を「見える化」した「復興まちづくりプラン」作成のためのワークショップに職員も参加するなど、地域の取組をサポートします。 - 【新】防災出前サロンの開催
各地域の防災士に働きかけて「防災出前サロン」を開催し、防災・減災について気軽に話す機会を設けるなどにより仲間意識の醸成を促し、共助の避難行動等につなげていきます。また、防災士が活動しやすいよう、資料提供や資機材の貸出等について支援します。 - 【継】地域防災力の向上
平成30年(2018年)7月の豪雨災害の被災地区の中から、矢野地区及び上瀬野地区をモデル地区に選定し、わがまち防災マップの作成や防災訓練(子どもを対象とした宿泊訓練を含む)の実施、Webカメラの設置や防災リーダーの養成など、防災・減災に向けた取組を推進し、地域防災力の向上を図ります。その成果を踏まえ、他の地区においても取り組みます。 - 【継】防災まちづくり活動の促進
平成26年(2014年)8月20日以降に広島市に寄せられた寄附金をもとに設置された「防災まちづくり基金」を活用し、防災研修会の開催やわがまち防災マップの作成支援等を行い、地域の防災まちづくり活動の促進を図ります。 - 【継】避難行動要支援者支援事業の推進
避難行動要支援者支援事業に係る同意者リストを避難支援等関係者へ提供し、地域で行われている「支援・見守り活動」との連携を働きかけるなどし、必要に応じ、避難に必要な具体的事項を整理した個別計画の作成を推進します。


(2)防犯対策の強化
住民の意識啓発を図りながら、犯罪や事故の起こりにくい安全・安心なまちづくりを推進します。
- 【継】防犯の取組の推進
市民、事業者及び行政が連携・協働して「減らそう犯罪」区民大会や防犯講習会を開催することなどにより、犯罪の起こりにくい安全なまちづくりに取り組み、安全・安心な地域社会の実現を図ります。 - 【継】交通安全の取組の推進
引き続き、交通安全意識と交通マナーの向上を図るため、交通安全街頭キャンペーンや自転車マナーアップキャンペーンを実施します。




健康づくりの増進
ウォーキングを開催したり地域の集まりを促したりすることにより、住民の健康づくりの機会を提供し、地域の活性化を図ります。
- 【継】瀬野川健康ウオーキングの開催
豊かな自然を生かして瀬野川河川敷に整備されたウォーキングコースを活用し、ウォーキング大会を年に2回実施し、そのうち1回は海田町と共催することにより、住民の健康を増進し、健康づくり意識の向上を図るとともに、住民同士の交流を促進します。 - 【継】健康講座等の開催(再掲)
住民一人一人が生き生きと住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、住民同士の交流の機会を創出するため、地区社会福祉協議会等が取り組む健康講座等の開催や文化活動等の場の提供を支援します。 - 【継】交流サロンの開催支援(再掲)
高齢者に外出を促す集いの場を提供するため、歌やレクリエーション等を通じ、日常的に交流できるサロンを住民主体で継続して運営できるよう、区社会福祉協議会・地域包括支援センターと連携して支援します。

中山間地の活性化
阿戸地区を始めとする中山間地において、多くの地区外の住民による来訪を促すことにより、地域の活性化を推進します。
- 【新】コミュニティ・スクールの活用
阿戸小・中学校の小中一貫校への移行及びコミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)の導入により、9年間の教育に地域住民が積極的に関われるよう支援します。 - 【継】旧阿戸保育園を拠点としたにぎわいづくり
阿戸地区において、地域団体の活動をエリアマネジメントの手法を活用して支援することにより、保育園跡施設を活用して現在行っている高齢者交流サロンだけではなく、子ども達の参加を促すことによる地域の連携機能の充実と、UIJターン支援窓口の設置や野菜等の特産品の加工・販売といった情報発信機能の強化を図ります。 - 【継】中山間地活性化の担い手の支援
「ひろしま活力農業」経営者育成事業などによる新たな担い手の育成・営農を支援し、就農後、地域との協調した関係を築き、将来的には地域活動への積極的な参画につながるよう、地域活性化の担い手の支援を図ります。 - 【継】里山あーと村ふるさと起こし事業の推進
自然豊かな阿戸地区の市有林と農地を活用した「里山あーと村ふるさと起こし事業」は、定期的な部会活動のほか、住民を対象とした四季折々の農林業体験イベントを協働方式で開催しており、地区内外の住民の交流の場を提供するとともに、阿戸地区の活性化を図ります。 - 【継】阿戸地区活性化の取組の推進
平成26年(2014年)・平成27年(2015年)度に実施した地域住民によるワークショップを踏まえて取りまとめた「阿戸地区の新たなまちづくりプラン」に盛り込まれた活性化策の実現に向けて、地元組織と協議をしながら進めていきます。



まちづくりの方向性(2) 豊かな自然と共存したやすらぎのあるまちづくり
岩滝山や蓮華寺山、鉾取山、絵下山などの山々や瀬野川の水辺などの豊かな自然を保全・活用し、住民が身近に緑や水に親しむことのできる環境づくりに取り組み、豊かな自然と共存したやすらぎのあるまちづくりを進めます。
【主な取組】
豊かな自然との共存
(1)自然の保全・活用
自然観察会を開催することにより、住民が自然に触れるきっかけづくりを行います。
- 【継】自然保護活動の取組の推進
河川流域の清掃活動、水質浄化活動、自然観察会など自然の大切さを学び、保全する取組やまちの美化・清掃活動、緑化活動などにより、自然環境を大切にし、美しいまちづくりに取り組みます。 - 【継】絵下山の活用
矢野地区において、地区で親しまれている絵下山で自然観察会を行ったり、地域住民によるのろしリレーの開催を支援することにより、自然を愛する人材を増やします。 - 【継】ホタルの活用
地域団体が開催するホタル鑑賞会や、ホタルの養殖・放流の支援を行うことにより、河川環境を整えます。


(2)やすらぎのある環境づくり
登山道の整備を行うなど、住民が身近に親しむことのできる環境づくりを行います。
- 【新】整備事業により生まれるスペースの有効活用の検討
東広島バイパスの整備やJR海田市駅の高架化に伴い生まれるスペースの有効活用について、事業の進捗を踏まえながら検討します。 - 【継】未利用地の活用
耕作放棄地などの未利用地を活用して、地域住民による花壇づくりを始めとした取組を支援することにより、憩いの場づくりにつなげます。 - 【継】ハイキングコースの整備
安芸区や近隣市町の登山道整備ボランティアと連携しながら、身近にある山々にハイキングコースを整備し、地域の魅力資源として活用することにより、身近な里山として親しみを感じることができるようにします。


まちづくりの方向性(3) ふれあいと文化の薫る交流のまちづくり
かつての西国街道沿いの史跡や伝統行事を始めとする歴史・文化資源の保存・活用・継承に取り組みます。また、住民が地域を愛する心を育み、多様性を受け止め、互いに認め合い、交流することができるまちづくりを進めます。
【主な取組】
ふるさと魅力活用
(1)西国街道を始めとした史跡の活用
ボランティアガイドと連携しながら、安芸区の魅力ある史跡について多くの住民に知ってもらいます。
- 【継】西国街道の活用
海田町を始めとする近隣の市町と連携しつつ、地域のボランティアガイドと連携しながら、西国街道沿いの史跡を紹介するまち歩きを瀬野、中野、海田、船越・府中の4区間に分けて開催します。 - 【継】歴史資源の活用
西国街道沿い以外の地域においても、地域のボランティアガイドと連携しながら、地域が大切に育み保存してきた歴史的資源(神社仏閣、古民家、無形文化財等)を紹介するまち歩きを開催します。


(2)伝統文化の継承
各地区に伝わる伝統文化を、多くの住民に知ってもらう機会を設けるとともに、補助制度を活用して文化の継承を支援します。
- 【継】継承円滑化の支援
各地に伝わる伝統文化について、道具などの修繕・新調の支援をすることにより、継承を円滑にするとともに、より多くの住民に知ってもらうきっかけとします。 - 【継】新たな形での伝統文化の継承の促進
担い手不足などの理由により途絶えた又は途絶えそうになっている伝統行事に、地域住民の企画による新たな催しの開催などを支援することにより、新たな形での伝統文化の継承につなげます。




世代間を超えた交流
子どもから高齢者まで様々な世代の住民が交流できる場を設けて、住みやすいまちづくりを推進します。
- 【継】子どもと高齢者の交流の促進
地域に古くから伝わる盆踊りなどの行事やしめ縄づくりなどの慣わしの継承活動の継続を支援することにより、子どもと高齢者の交流を促進します。 - 【継】幼児から高齢者まで世代を超えた交流の促進
地域住民の企画によるスポーツ交流会や昔遊び、映画鑑賞会などの開催を支援することにより、幼児から高齢者まで幅広い参加の得られる世代を超えた交流を図ります。 - 【継】親と子どもの交流の促進
交流機会を求める子育て世代が子どもとともに集える拠点施設を、地域団体が確保するのを支援することにより、地域の絆を深めます。 - 【継】住民の連帯意識の高揚
住民の連帯意識の高揚を図るために、住民総参加の「安芸区民まつり」や、複数競技のスポーツ行事を行います。 - 【継】各種団体への支援
効果的な事例を集めた事例集をコミュニティ交流協議会などの場を活用して紹介するなど、各種団体への支援を継続することにより、多様な社会参加を促します。




花と緑と音楽を通じた地域のきずなづくり
区内の花づくり活動を行う団体等を育成・支援し、音楽に触れる機会を設けることにより、花と音楽にあふれた魅力あるまちづくりを進めます。
- 【継】花と緑と音楽にあふれるまちづくり
安芸区内の花づくり活動を行う団体等の育成・支援を継続したり、隣接する海田町とも連携することにより、活動の輪を広げ、花と緑にあふれるまちづくりを進める。また、“花と緑“に”音楽“を加え、花と音楽にあふれるまちづくりを安芸区民文化センター主催の「あきクラシックコンサート」等との連携を進めていきます。 - 【継】誰故草(たれゆえそう)の活用
船越地区において、連合町内会、公民館及び各種地域団体等と連携し、旧船越町の町花で住民にも親しまれてきた誰故草の生育・普及を継続することにより、コミュニティの活性化を図ります。



まちづくりの方向性(4) 東部地域をつなぐ活力とにぎわいのあるまちづくり
隣接する府中町、海田町、熊野町及び坂町を始めとした東部地域との連携を一層促進させ、住民相互の交流や経済面、生活面での結び付きを一層深めることにより、共に活力とにぎわいのあるまちづくりを進めます。
【主な取組】
住民相互の交流の促進
行政だけでなく民間レベルでの、隣接する府中町、海田町、熊野町及び坂町などとの連携の支援や、イベントの開催などにより、人々の更なる交流や地産地消の促進などを図ります。
- 【新】民間レベルの広域連携の検討
行政間の広域連携だけではなく、民間レベルでの広域連携も促進できるよう、例えば、コミュニティ交流協議会レベルの組織での広域連携ができないか検討を行います。 - 【新】安芸区外の大学との連携
広島国際学院大学の閉校が発表されたため、地域と若者の結び付きを保つため、安芸区外の大学との連携を検討します。 - 【新】民間企業等との連携の推進
様々な経営資源を有する民間企業等と、地域連携協定の締結などを行い、地域社会の発展、地域福祉の向上等に関する取組を推進します。 - 【新】安芸地区の特産品や食材を活用した地産地消の促進
安芸地区の特産品や食材を活用したレシピを考案するとともに、農産物等のPRなどをイベント等に併せて行い、人々の交流や地産地消の促進に取り組みます。 - 【継】近隣の自治体などとの交流・連携の推進
安芸区民まつりに併せて開催している安芸地区交流まつりなどを開催することにより、近隣の自治体などとの交流・連携を推進します。 - 【新】地域のボランティア会議の創設(再掲)
地域で積極的に活動している市民団体やボランティアを構成員とした会議を、近隣の市町とも連携して創設することにより、既存組織に捉われない若い世代に積極的に参加してもらい、地域を元気にする取組の企画を促し、地域の担い手の育成につなげます。 - 【継】瀬野川健康ウオーキングの開催(再掲)
豊かな自然を生かして瀬野川河川敷に整備されたウォーキングコースを活用し、ウォーキング大会を年に2回実施し、そのうち1回は海田町と共催することにより、住民の健康を増進し、健康づくり意識の向上を図るとともに、住民同士の交流を促進します。 - 【新】整備事業により生まれるスペースの有効活用の検討(再掲)
東広島バイパスの整備やJR海田市駅の高架化に伴い生まれるスペースの有効活用について、事業の進捗を踏まえながら検討します。 - 【継】ハイキングコースの整備(再掲)
安芸区や近隣市町の登山道整備ボランティアと連携しながら、身近にある山々にハイキングコースを整備し、地域の魅力資源として活用することにより、身近な里山として親しみを感じることができるようにします。 - 【継】西国街道の活用(再掲)
海田町を始めとする近隣の市町と連携しつつ、地域のボランティアガイドと連携しながら、西国街道沿いの史跡を紹介するまち歩きを瀬野、中野、海田、船越・府中の4区間に分けて開催します。 - 【継】花と緑と音楽にあふれるまちづくり(再掲)
安芸区内の花づくり活動を行う団体等の育成・支援を継続したり、隣接する海田町とも連携することにより、活動の輪を広げ、花と緑にあふれるまちづくりを進めます。また、“花と緑“に”音楽“を加え、花と音楽にあふれるまちづくりを安芸区民文化センター主催の「あきクラシックコンサート」等との連携を進めていきます。




4 計画の推進に当たって
(1)推進体制
本アクションプランを推進していくためには、行政だけでなく、住民や地域団体、企業、NPOといった地域全体で取り組む必要があります。このため、エリアマネジメントなど効果的な手法によって、様々な主体との連携を図りながら、効率的にまちづくりを推進します。
なお、アクションプランの推進に当たっては、民間の資源を有効的に活用できるよう、地域団体や民間企業など地域の多様な関係者に主体的に参加してもらう組織体制を検討する必要があります。
(2)アクションプランの進行管理
本アクションプランに掲げる取組の実施状況の点検及び進行管理を行うため、安芸区コミュニティ交流協議会等に毎年報告するとともに、区のホームページなどで公表します。
(3)持続可能な行政運営の推進
収支のバランスに配慮しつつ、ヒト・モノ・カネ・情報などの限られた経営資源を有効活用し、計画に基づく施策を推進します。
その際には、既存の枠組みに捉われない前向きで柔軟な発想と、市行政全体を俯瞰した全体最適の視点を持ちつつ、民間の活力やノウハウ、ICT等の先端的な技術など、社会経済環境の変化に対応するための様々な取組を、本市並びに区と圏域の特性を生かして巧みに取り込んでいきます。
また、アクションプランに掲げるまちづくりの方向性に沿って絶えず新たな取組を検討するなかで、毎年度の予算編成において施策の優先順位を付けた上でその展開を図ります。あわせて、その成果についての検証や必要に応じた改善を行うことにより、市民サービスの更なる充実と行政運営の持続性の確保を図ります。
参考
1 安芸区まちづくり懇談会 委員名簿(順不同、敬称略)
- 座長 池本 良教 広島国際学院大学 情報文化学部 教授
- 副座長 金月 節男 安芸区連合町内会連絡協議会会長
- 委員 稲垣 潤哉 ふなこしマチオコシ会議代表
- 上 郁子 矢野の家代表
- 金子 和泰 安芸区青少年健全育成連絡協議会会長
- 上垣内 啓治 安芸区身体障害者福祉協会会長
- 倉増 治男 広島安芸商工会副会長
- 佐々木 隆之 安芸区公衆衛生推進協議会会長
- 住本 照文 安芸区民生委員児童委員協議会会長
- 中島 幸子 安芸区社会福祉協議会会長
- 西井 康子 安芸区連合女性会会長
- 西佐古 信夫 広島安芸交通安全運動推進隊隊長
- 畠山 一美 矢野町町内会連合会会長
- 松田 康憲 阿戸町連合町内会会長
- 森重 晶 安芸区PTA連合会会長
- 森本 博 学区体育団体安芸区連合会会長
- 門前 賢四郎 安芸区自主防災会連合会会長
注:委員の役職は就任時のものである。
安芸区まちづくり懇談会の開催状況
第1回
- 開催日
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平成31年(2019年)2月21日
- 議事
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- 座長、副座長の選出
- 広島市総合計画審議会での審議状況について
- 安芸区まちづくり懇談会の進め方等について
- 安芸区の特性、地域資源および身近な課題について
- 安芸区のまちづくりの方向性(事務局案)について
第2回
- 開催日
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令和元年(2019年)6月27日
- 議事
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- 安芸区のまちづくりの方向性(事務局修正案)について
- 地域における住民主体の取組に関する概要・活動事例について
- 地域課題の解決に向けた取組・地域資源を活用した取組例の検討について
- まちづくり活動に関する効果的な行政支援について
第3回
- 開催日
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令和元年(2019年)11月27日
- 議事
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安芸区の魅力と活力を推進するためのアクションプラン(仮称)について
第4回
- 開催日
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令和2年(2020年)3月17日※
- 議事
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- 広島市総合計画審議会の審議結果報告
- 区の魅力と活力を推進するためのアクションプラン(案)のとりまとめ
- アクションプランの対応状況等について(案)
※第4回安芸区まちづくり懇談会については、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から開催を中止し、各委員からの意見聴取を書面で行いました。
このページに関するお問い合わせ
安芸区役所市民部 地域起こし推進課まちづくりグループ
〒736-8501 広島市安芸区船越南三丁目4番36号
電話:082-821-4904(まちづくりグループ) ファクス:082-822-8069
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