韓日友好の場、大邱鹿洞書院

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ページ番号1021052  更新日 2025年2月16日

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ひろしま海外友好パートナー:姜龍徳(韓国・大邱広域市)

写真:大邱鹿洞書院


まず、大邱広域市と広島市の姉妹都市提携10周年を心よりお祝い申し上げます。両市の友情は年々深まっており、今回わが大邱広域市を紹介する機会をいただき、非常にうれしく思います。
大邱広域市は2002FIFAワールドカップ、2003年大邱夏季ユニバーシアード大会などを成功裏に開催した経験を持つ力みなぎる国際都市であり、昔から高い学風と実直な気概を誇るすぐれた人材を輩出している地方です。
この地域出身の多くの人材は、昔も今も韓国の政治、経済、文化、芸術などの様々な分野で韓国社会を牽引しています。朴正煕、全斗煥、盧泰愚前大統領はこの地域の出身者であり、現在、日本列島を熱狂させている読売ジャイアンツの四番打者、李承?選手は大邱出身です。また、日本の大富豪である孫正義会長のルーツは大邱にあるということも事実です。

このように多くの人物を輩出した大邱に、韓日友好の架け橋の役割を担っている村がありますので、紹介したいと思います。大邱広域市達城郡嘉昌面友鹿里には金忠善将軍の子孫300余名が居住しています。金忠善将軍は日本の武士で日本名は沙也可と言い、文禄の役の際、日本の加藤清正軍の先鋒将として出兵しましたが、進撃途中に不思議な場面を目撃しました。それは、ある農夫が家族を連れて逃げている光景でした。数千名の日本の軍が火縄銃を打ちながら走ってきているというのに、農夫は年老いた母親を背負い、農夫の妻は包みを頭に乗せ、幼い子供の手をとり、一糸乱れず山道を登っていました。この光景を見た沙也可将軍は深く感銘を受け、あのように善良で素直な国民を傷つけるのは聖賢の教えに背くことだと考え、幾晩も深く悩んだ末に、自分が引き連れていた武士500余名を連れ、朝鮮に帰化しました。その後、朝廷(宣祖大王)から、金海金氏の姓と忠善という名前を賜り、光海君の代に正憲大夫の官職まで登りつめた実在の人物です。このように、友鹿里は金忠善将軍が定住した1600年頃から現在まで400年以上にわたり、金海金氏という姓で脈々と彼の子孫が族譜をつないできた静かな村で、鹿洞書院を建立し将軍の位牌を安置し、現在も子孫300余名が居住し、「韓日友好村」として、毎年日本人の観光客5000人以上が訪問、参拝しています。
広島市民の皆さんも是非一度お越しになり、韓日友好の場としていただければと思います。
終わりに、わが大邱広域市は全世界の人々のスポーツの祭典である2011年世界陸上選手権大会を誘致するために、全力を傾けています。この誘致が成功し、世界の注目を浴びる大邱広域市となれるよう、姉妹都市からの温かい声援をよろしくお願いいたします。

大邱広域市はその後2011年世界陸上選手権大会の開催地に決定しました。

写真:姜龍徳氏


筆者紹介:姜龍徳氏
大邱広域市企業支援本部投資誘致団の日本専門委員。
1989年から1994年まで広島大学に入学し、帰国後、大邱市役所に勤務している。

このページに関するお問い合わせ

市民局国際平和推進部 国際化推進課
〒730-8586 広島市中区国泰寺町一丁目6番34号
電話:082-504-2106(代表)
[email protected]