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人工造林の対象となる主な樹種

ページ番号:0000317892 更新日:2023年2月1日更新 印刷ページ表示

苗木の植栽等により森林を造成する人工造林に利用する主な樹種について紹介します。

1 スギ

 本州以南(屋久島まで)に分布する常緑高木で、高さ30~40メートル、直径1~2メートルにもなり、秋田県や福島県には高さ60メートル前後の大木もあります。また、屋久島の縄文杉は、樹齢が3000年ともいわれ、寿命の長い木としても知られています。

  現在では、「スギ」というと「花粉症」の原因木として悪印象を持つ人も少なくないと思いますが、材は、まっすぐに伸びて生長が早く、建築用材をはじめ造船用材、家具材、樽材として大変重要な樹種であり、古くから各地に植栽されてきました。そのため、日本の人工造林面積はスギが最大となりました。

  他にも、酒屋の玄関につり下げられた杉玉は、スギの枝を束ねて球状にしたものですし、樹皮は神社などの屋根を葺く材料としてヒノキとともに古くから使用されてきました。また、線香の原料にもスギが使われるなど、スギは私たちの生活と深く関わってきた大切な樹種です。

 花粉症対策として国などにより、花粉の少ない品種(花粉症対策品種)の開発が行われ、令和元年度に生産された苗木の約5割が花粉症対策品種となっています。

 

2 ヒノキ

 福島県以南(屋久島まで)に分布する常緑高木で、高さ30メートル、直径60センチ程になります。

 スギに比べて生長は遅いけれども、材は日本の針葉樹の中で最も高値で取引されるため、人工造林面積が増加していますが、スギとともに春先の花粉症の原因となっています。

 ヒノキ材の特徴は、スギと同様にまっすぐに伸び、加工がしやすいことに加え、色が美しく光沢があり、香りが良いこと、耐久性に優れ腐りにくいことなどで、宮殿や神社仏閣などの建築材として古くから利用されてきました。なかでもヒノキ造りで有名なのが、世界最古の木造建築「法隆寺」です。また、「伊勢神宮」は、今日も20年ごとの遷宮には木曽のヒノキが使用されています。

 さらに、材は建築用だけでなく、仏像や能面などにも使用され、材と同じく耐久性のある樹皮は神社の屋根を葺くために利用され、「檜皮葺(ひわだぶき)」と呼ばれます。

 花粉症対策として国などにより、花粉の少ない品種(花粉症対策品種)の開発が行われ、苗木の供給の拡大が進められています。

 

3 アカマツ

 北海道南部から九州に分布し、土壌のやせたところにもよく育つ常緑高木で、高さ25メートル、直径120センチ程になります。

  葉は2葉性で、葉の断面は半円、2枚合わせると円形になります。花は、4~5月で、新枝の先に雌花が、基部に雄花がつきます。球果は4~5センチの「まつぼっくり」で、翌年の秋に熟します。

 材は建築材として使われ、林床に発生する「松茸」は高級きのことして有名です。

 広島県が松くい虫に抵抗性のあるマツを「広島スーパーマツ」として、計画的に生産・普及し、県内のマツ林の再生を図っています。

 広島県のスーパーマツの植栽実績(2001~2010年)は、累計約100万本で、全体の80%以上がアカマツでした。スーパーマツの植栽は、マツ枯れ被害地におけるアカマツ林の再生を目的として、マツタケ生産のための植栽事例が多数見られました。これまでのところ、スーパーマツの植栽地で大規模なマツ枯れ被害は報告されていません。一方、マツタケを生産できたという報告が寄せられています。

 

4 コウヨウザン

 江戸時代後期に日本へ渡来し、青森から九州南部に現存します。乾燥に強いが水はけの悪い土壌は向かない常緑高木で、高さ30メートル以上、直径100センチ以上になります。

 中国では用材用として1000年にわたる造林の歴史があります。

 生長速度はスギやヒノキの約2倍、木材としての質も良く、しかも伐採後は切り株から自然に芽が出るといった特性に着目して広島県が造林を推進しています。

 

5 クヌギ

 本州・四国・九州・沖縄に分布する落葉高木です。

 黒炭の原木として最高級と言われています。近年のキャンプブームで薪としての需要が高まっています。

 

6 コナラ

 北海道・本州・四国・九州に分布する落葉高木です。

 アカマツ地帯に多く、低山地の二次林の代表的な樹種です。

 シイタケ原木、薪などに使われます。