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JR安芸矢口駅及びJR下深川駅周辺地区バリアフリー基本構想 ~第2章 地区別構想~ JR下深川駅周辺地区
目次
第2章 地区別構想
2 JR下深川駅周辺地区
2-1 地区の現状と課題
⑴ 地区の現状
ア 地域特性
JR下深川駅は、安佐北区高陽地域の北西部に位置し、1日当たりの平均利用者数は3千人と、JR芸備線の中でJR安芸矢口駅に次いで2番目に利用者数が多い駅です。芸備線の広島~下深川間については20 分間隔で運転され、広島駅方面への利便性が高いことから、可部地区や白木地区からの利用もあります。
駅の南側に1km 程度離れた位置に、拠点地区である高陽地区の中心となる地区センターがあり、商業施設や銀行、郵便局、病院、学校などといった生活サービス施設が集積しています。
イ 駅施設および駅周辺道路等
JR下深川駅は橋上駅で、改札口からホームまでの移動は階段を利用する構造となっています。駅は、自由通路を介して南北それぞれの市道に接続しており、線路を挟んで南側と北側の2方向からアクセスすることが出来ますが、北側については高低差があるため、自由通路に併設された階段を利用する必要があります。また、駅構内にあるトイレは自由通路から出入りする構造となっています。
南側の市道は三角状の広いスペースを有しており、自動車の滞留空間や駐輪場、植樹帯が確保されています。北側には、駐輪場のほかJRが運営する駐車場が確保されています。
⑵ 地区の課題
- ア 駅施設
- 改札口とホームをつなぐ階段に昇降設備が設置されていません。
- トイレが身体障害者対応ではありません。
- イ 駅周辺
- 駅南側に接続する市道は歩道幅員が狭く、視覚障害者誘導用ブロックも駅前付近しか整備されていません。
- 自由通路の階段に昇降設備が設置されていません。
- 駅北側に接続する市道は幅員が狭く、歩道も整備されていません。
2-2 重点整備地区等
「重点整備地区」、「生活関連施設」及び「生活関連経路」は次のとおりです。
⑴ 重点整備地区
【設定の基本的な考え方】
- バリアフリー化を推進する必要性が高く、地区外より優先すべき地区
- 駅のバリアフリー化にあわせて、駅を中心とした重点的・一体的な地区のバリアフリー化を目指す目的で作成することから、駅から通常徒歩で利用される概ね半径500mを目安として区域を設定する。
- 区域の境界は、主要な道路や丁目界・街区界等を考慮する。
⑵ 生活関連施設
【設定の基本的な考え方】
- 駅から通常徒歩で利用される範囲内(重点整備地区)にあり、その施設に至る手段が主に徒歩である施設
- 相当数の高齢者、障害者等が利用する旅客施設、官公庁施設、福祉施設、病院(診療所を除く)、文化施設、商業施設など公共性が高い施設
⑶ 生活関連経路
【設定の基本的な考え方】
- 生活関連施設相互間の経路のうち、移動円滑化のための事業を重点的に実施する経路
- 生活関連施設を訪れる人の利用頻度の高い経路や歩行者交通量の多い経路を優先的に選定する。
なお、地形的な制約や歩道の整備状況などから、生活関連経路に位置付けることが困難な区間についても、中長期的にバリアフリー化に取り組むため、法定外の「生活関連経路に準ずる経路」として設定しました。
構想図
2-3 移動等円滑化事業
重点整備地区において、バリアフリー化に向けて実施すべき事業は次のとおりです。
⑴ 特定事業
今後、事業者が作成する特定事業計画において具体的な整備内容を定め、目標年次までの整備を目指します。
ア 公共交通特定事業
交通事業者(鉄道事業者)
- 改札口からホームへの昇降設備(エレベーター)の設置
- 音声・音響案内装置の設置
- 券売機の改良
- バリアフリー対応に関する社員教育・訓練及び実践
交通事業者(バス事業者)
- 低床車両の導入
- バリアフリー対応に関する社員教育・訓練及び実践
イ 道路特定事業
道路管理者(広島市)
- 生活関連経路上の視覚障害者誘導用ブロックの改良
- 生活関連経路上の歩道の改良
ウ 交通安全特定事業
交通管理者(公安委員会)
生活関連経路上の違法駐車行為の取締り及び防止のための広報活動・啓発活動等の実施
⑵ その他の事業
- ア 生活関連経路に準ずる経路のバリアフリー化
- 視覚障害者誘導用ブロックの設置
- 歩車道境界の段差や勾配の改良
- 歩道の凸凹や勾配等の改良
- イ 歩行空間を阻害する行為への対応
- 放置自転車の撤去・指導等の実施
- 不法看板等の撤去・指導等の実施
- ウ 駅と一体的な施設のバリアフリー化
- 自由通路への昇降設備(エレベーター)の設置
- 障害者対応トイレ(多機能トイレ)の設置検討(鉄道事業者、広島市)