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私たちは、日常生活の中で多くの化学物質を利用し、それを大気や水、土壌を通じて環境中に排出しています。化学物質は、私たちの生活を便利で快適なものにしていますが、環境や人の健康に影響を及ぼすおそれがあるものもあります。
化学物質と上手につきあっていくためには、身の回りの化学物質の環境リスク(※)を正しく理解することが大切です。身近な製品に含まれる化学物質について関心を持ち、情報を収集し、自らの暮らしを見直すことが、社会全体で化学物質による環境リスクを減らしていく取組につながります。
※ 環境リスク
化学物質が環境を経由して人の健康や動植物の生息又は生育に悪い影響を及ぼすおそれのある可能性をいいます。
PRTRとは、Pollutant Release and Transfer Registe(化学物質排出移動量届出制度)の略称で、事業者が、1年間にどのような化学物質をどれだけ環境中に排出したかを把握・届出し、その結果を集計・公表する仕組みです。
諸外国でも同様の制度がありますが、日本では平成11年7月に「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(化管法)」が公布され、届出は平成14年4月から開始されました。
PRTR制度によって、どんな物質が、どこから、どこへ、どれだけ排出されているかを知ることができるようになりました。
市民・事業者・行政が化学物質に関する情報を共有し、相互に意思疎通を図ることを「リスクコミュニケーション」といいます。お互いに理解しあい、それぞれの立場から化学物質の排出削減に取り組むことで、化学物質による環境リスクを減らしていくことが期待されます。