令和7年度当初予算

Xでポスト
フェイスブックでシェア
ラインでシェア

ページ番号1035877  更新日 2025年3月27日

印刷大きな文字で印刷

1 当初予算編成の基本的な考え方と予算規模

(1) 令和7年度当初予算編成の考え方

数年来、輸入物価の上昇に端を発する物価高騰により、市民生活が圧迫され、経済回復の実感が持ちにくい状況が続いていた中、令和6年度においては、我が国全体で33年ぶりの高水準となる賃上げ率が実現し、さらには賃金上昇率が物価上昇率を上回る見込みとなるなど、長年のデフレ・停滞から脱却し、賃上げとインフレの好循環の創出に向けた歩みが着実に進んできている状況です。
一方で、本市では、若い世代を中心に転出超過の状況が続いており、また、生産年齢人口が減少していくことが今後確実な状況の中、持続可能なまちづくりのためには、こうした課題への対応が待ったなしとなっています。
本市としては、国から措置される財源を最大限活用して令和6年度2月補正予算を編成し、当面の物価高騰に対して万全の対策を講じるとともに、一般会計において、2年連続で政令市移行後最大の規模となる令和7年度当初予算を編成し、「地域コミュニティの活性化」や「平和文化の振興」、「公共交通の充実強化」、「こども・若者や子育ての支援」などの重要課題に、市民を始め民間企業や大学、地域団体等との連携の下、若者が自らの将来展望を開くことにつながると実感できるような諸生活環境を整える「地域総出のまちづくり」の推進にも意を用いながら、ハード・ソフトの両面から積極的に取り組んでいきたいと考えています。
このような考え方の下で編成した新年度予算に基づき、今後50年、100年先の広島の持続的な発展に向け、広島市総合計画に掲げた「世界に輝く平和のまち」、「国際的に開かれた活力あるまち」、「文化が息づき豊かな人間性を育むまち」という3つの柱に沿ったまちづくりを進めます。

「世界に輝く平和のまち」に関しては、平和首長会議に加盟する国内外の都市と共に、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向けて、「平和文化の振興」に向けた取組を充実・強化し、平和を願う市民社会の総意が世界中の為政者の心に届くような環境づくりに、より一層注力していきます。
具体的には、「ヒロシマの心」の共有の推進を図るため、全国の自治体による若い世代の平和記念式典への派遣に対する支援や、平和記念資料館におけるこどもたちにも分かりやすい新たな展示の整備等を実施します。
また、NPT再検討会議準備委員会に出席し、国連・各国政府関係者等に対して、スピーチや個別の面会を通じて、核兵器のない平和な世界を願うヒロシマの心を伝え、具体的な核軍縮の進展を要請します。

「国際的に開かれた活力あるまち」に関しては、国内外から多くの人を引き付け、市域を超えて活力とにぎわいを生み出すため、広島駅南口広場の再整備等や、基町相生通地区や西広島駅南口西地区における市街地再開発事業、西広島駅北口地区や西風新都におけるまちづくり、東部地区連続立体交差事業を着実に進めます。
また、広島高速5号線の整備や広島高速4号線の延伸、新交通西風新都線などの交通ネットワークの整備に引き続き取り組むとともに、厳しい経営状況にある乗合バス事業者が今後も持続可能で使いやすいバスサービスを提供し、ヒト・モノが活発に「循環」し続けることが可能となるよう、令和7年1月に一般社団法人化した「バス協調・共創プラットフォームひろしま」を稼働させ、乗合バス事業の共同運営システムの構築に引き続き取り組みます。
さらに、中山間地・島しょ部について、引き続き、似島や戸山地域・湯来地域の活性化に取り組むとともに、令和6年度末に策定予定の高陽地域・白木地域の活性化プランの具体化や実行に向けたワークショップの開催等を支援します。

「文化が息づき豊かな人間性を育むまち」に関しては、中央図書館等の移転整備や浅野文庫等施設の整備を進めるとともに、広島城の魅力向上を図るため、広島城三の丸歴史館の整備などに取り組むほか、新たに、音楽文化活動を通じた平和文化の振興を図るため、広島ウインドオーケストラによるコンサートを開催します。
また、地方自治法に基づく「指定地域共同活動団体」として新たに位置付ける広島型地域運営組織「ひろしまLMO」の設立・運営を一層推進するとともに、多様な働き方を実現しつつ、地域の活力低下や担い手不足等の地域課題の解決に資する協同労働の一層の普及・促進に取り組む協同労働支援センターを支援します。
さらに、未来を担うこどもに関する取組として、地域における子育て環境の充実を図るため、子育て家庭等が気軽に相談できるよう、身近な場所である公募型の常設オープンスペースに「地域子育て相談機関」を新たに設置するとともに、子育て家庭への支援の充実を図るため、一時預かり保育や病児保育の利用等に係る予約や、放課後児童クラブの利用申請等をオンライン化するシステムを新たに導入するほか、ヤングケアラーを早期に把握し、個々の状況に応じた適切な支援につなげるため、相談体制等を強化します。

以上の3つの柱に沿ったまちづくりに加え、被爆80周年を迎える本年は、「原爆死没者の慰霊と被爆者の援護」と「平和文化の振興」の柱に沿って、被爆80周年記念事業を実施します。
記念事業の実施に当たっては、戦争経験者や被爆者の高齢化が進展している現状を踏まえて、次世代の平和文化の担い手を育成する観点に立って、若い世代の主体的な取組や積極的な参画を促し、「ヒロシマの心」を次世代につないでいくこと、また、国内外の都市との連携の輪を広げていくことが重要であることに留意しながら進めていきます。
具体的には、平和記念式典の開催に当たって、国内外から一層多くの参列を得て原爆死没者を慰霊するとともに、高齢化が進む被爆者の援護に引き続き取り組みながら、文化芸術活動やスポーツ交流、平和への思いを共有する学習や活動の機会の提供等を通じて平和文化の振興に取り組んでいきます。

このように、来年度予算については、行政経営改革推進プラン及び財政運営方針に基づき、持続可能な行政体制の構築にも意を用いるとともに、デジタル技術を有効に活用して、社会環境の変化に伴い多様化する地域課題に的確かつ能動的に対応する「DXの加速化」を図るなど、世界に誇れる「まち」の実現に向け、重点的かつ最大限に予算配分しました。

(2) 予算規模

  • 全会計 1兆2,770億1,904万3千円 (対前年度当初予算 2.8%)
  • 一般会計 7,228億5,133万6千円 (対前年度当初予算 5.6%)

(単位:%)

区分 令和7年度
当初予算額(A)
令和6年度
当初予算額(B)
差引(A)-(B) 伸率
一般会計 7,228億5,133万6千円 6,845億4,364万9千円 383億768万7千円 5.6
特別会計 4,136億6,959万9千円 4,118億1,371万1千円 18億5,588万8千円 0.5
企業会計 1,404億9,810万8千円 1,455億9,559万9千円 ▲50億9,749万1千円 ▲3.5
全会計 1兆2,770億1,904万3千円 1兆2,419億5,295万9千円 350億6,608万4千円 2.8
  • 一般会計の当初予算規模は、児童手当拡充の通年化や民間保育園等運営費などの社会保障費の増、満期一括分の元金償還金の増等に伴う公債費の増などにより、対前年度5.6%の増で、3年連続のプラス予算となり、政令市移行後最大となった。
  • 特別会計については、介護保険事業特別会計の増などにより、対前年度0.5%の増となった。
  • 企業会計については、下水道事業会計の減などにより、対前年度3.5%の減となった。
  • 全会計の予算規模は、対前年度2.8%の増で、2年連続の増となった。

(参考)当初予算伸び率の推移

(単位:%)

区分 令和7年 令和6年 令和5年 令和4年 令和3年 令和2年 令和元年 平成30年 平成29年
広島市 一般会計 5.6 2.2 1.6 ▲3.6 4.2 ▲2.0 2.9 0.8 7.8
広島市 全会計 2.8 2.2 ▲0.5 ▲3.7 3.2 ▲1.1 2.4 ▲0.6 3.7
国 一般会計 2.6 ▲2.0 6.3 0.9 3.8 1.2 3.8 0.3 0.8
国 うち一般歳出 0.7 ▲7.5 8.0 0.7 5.4 2.5 5.2 0.9 0.9
地方財政計画 3.6 1.7 1.6 0.9 ▲1.0 1.3 2.7 0.3 1.0

2 財源措置(一般会計)

(1) 市税 2,627億7,362万2千円(対前年度当初予算 7.2%)

(単位:%)

区分 令和7年度
当初予算額(A)
令和6年度
当初予算額(B)
差引(A)-(B) 伸率
個人市民税 1,109億1,999万1千円 976億5,707万7千円 132億6,291万4千円 13.6
法人市民税 210億6,890万2千円 200億7,500万5千円 9億9,389万7千円 5.0
固定資産税 936億4,441万8千円 908億9,555万2千円 27億4,886万6千円 3.0
その他 371億4,031万1千円 365億4,556万6千円 5億9,474万5千円 1.6
2,627億7,362万2千円 2,451億7,320万円 176億42万2千円 7.2

市税収入は、個人市民税の増収等により、対前年度7.2%の増となる見込み。

  • 個人市民税 令和6年度分の定額減税の終了及び給与収入の増加等により、13.6%の増となる見込み。
  • 法人市民税 令和6年度の法人市民税の収入状況及び企業収益の動向等を踏まえ、5.0%の増となる見込み。
  • 固定資産税 家屋の新増築等により、3.0%の増となる見込み。
  • その他 都市計画税等の増収により、1.6%の増となる見込み。

(2) 地方交付税 780億円(対前年度当初予算 14.7%)

(単位:%)

区分 令和7年度
当初予算額(A)
令和6年度
当初予算額(B)
差引(A)-(B) 伸率
普通交付税 (765億円)
765億円
(785億円)
665億円
(▲20億円)
100億円
(▲2.5)
15.0
特別交付税 15億円 15億円 0 -
(780億円)
780億円
(800億円)
680億円
(▲20億円)
100億円
(▲2.5)
14.7

※ ( )は、「臨時財政対策債」を含んだ場合の金額

国の地方財政対策、令和6年度の地方交付税の収入見込額等を勘案し、780億円を見込む。

令和7年度の地方財政対策

令和7年度の地方財政対策においては、地方の財源不足の一部について、地方交付税に代えて地方債を発行することにより補塡する「臨時財政対策債」の発行額が、平成13年度の制度創設以来、初めてゼロとされた。

(3) 市債 533億2,420万円(対前年度当初予算 1.7%)

(単位:%)

区分 令和7年度
当初予算額(A)
令和6年度
当初予算額(B)
差引(A)-(B) 伸率
一般事業債 533億2,420万円 404億3,800万円 128億8,620万円 31.9
臨時財政対策債 0 120億円 ▲120億円 皆減
533億2,420万円 524億3,800万円 8億8,620万円 1.7
  1. 伸び率 対前年度当初予算 1.7%
    (要因)
    • 市有施設照明のLED化 37億1,210万円
    • 消防ヘリコプターの更新整備 30億1,220万円
    • 北部地区学校給食センター(仮称)等の整備 14億2,560万円
    • 道路・街路等整備 13億1,740万円
    • 公立認定こども園の整備 8億1,760万円
    • 臨時財政対策債 ▲120億円
  2. 依存度 7.4%
  3. 市債残高見込み

(単位:%)

区分 令和7年度末残高(a) 令和6年度末残高(b) 差引(a)-(b) 伸率
一般会計債 1兆2,647億7,160万7千円 1兆2,417億640万6千円 230億6,520万1千円 1.9
臨時財政対策債残高等控除後残高 6,825億5,769万6千円 6,723億322万4千円 102億5,447万2千円 1.5

(注)臨時財政対策債残高等控除後残高とは、市債残高の総額から、臨時財政対策債残高と、将来の返済に備えて減債基金に積み立てている額を除いた額である。

(4) 基金繰入金 29億円(対前年度当初予算 ▲6.5%)

財源調整のための基金

財政調整基金繰入金 29億円(令和6年度当初予算 31億円)

基金の年度末残高の状況
区分 令和7年度末残高(A) 令和6年度末残高(B) 差引(A)-(B)
財政調整基金 95億7,200万円 124億1,000万円 ▲28億3,800万円

参考

財政調整基金の残高の説明
区分 財政調整基金
令和5年度末残高(出納整理期間を含む) 84億5,900万円
令和6年度中増減 積立
12月補正予算(剰余金積立)
9億6,600万円
令和6年度中増減 積立
2月補正予算
51億9,600万円
令和6年度中増減 積立
運用益
1,600万円
令和6年度中増減 積立計 61億7,800万円
令和6年度中増減 取崩し
当初予算
▲31億円
令和6年度中増減 取崩し
6月補正予算
▲8億3,000万円
令和6年度中増減 取崩し
9月補正予算
▲1,100万円
令和6年度中増減 取崩し
補正予算の専決処分
▲7,800万円
令和6年度中増減 取崩し
12月補正予算
▲15億3,700万円
令和6年度中増減 取崩し
2月補正予算(取崩しの減)
33億2,900万円
令和6年度中増減 取崩し計 ▲22億2,700万円
令和6年度末残高(出納整理期間を含む) 124億1,000万円
令和7年度中増減 運用益積立 6,200万円
令和7年度中増減 取崩し ▲29億円
令和7年度末残高(出納整理期間を含む) 95億7,200万円

予算の概要等、詳細については下のダウンロードファイルをご覧ください。

ダウンロード

PDFファイルをご覧いただくには、「Adobe(R) Reader(R)」が必要です。お持ちでない方はアドビシステムズ社のサイト(新しいウィンドウ)からダウンロード(無料)してください。

このページに関するお問い合わせ

財政局 財政課予算係
〒730-8586 広島市中区国泰寺町一丁目6番34号
電話:082-504-2075(予算係)  ファクス:082-504-2099
[email protected]