【HTML版】高齢者や障害者等の消費者トラブル防止ハンドブック(1)
はじめに
近年、高齢者や障害者等、消費生活上配慮を要する方の消費者被害が深刻化しており、被害の未然防止が急務となっています。国は、地域の見守りネットワーク構築を目指して、消費者安全法を改正(平成28年4月1日施行)し、各自治体が消費者安全確保地域協議会(以下「協議会」という。)を設置できることとしました。
広島市においては、平成31年1月に設置した広島市消費生活審議会「消費者安全確保部会」を協議会として位置付け、高齢者福祉や障害者福祉、地域福祉等の既存のネットワークが参加することで、それぞれのネットワークが主目的としている行政施策や日頃の見守りの視点に、消費者被害の未然防止の問題意識を持っていただき、見守り体制を構築することになりました。
このハンドブックでは、高齢者や障害者等の見守りにおける「気づき」、「声かけ」から「消費生活センターへの相談につなぐ」という流れや、それぞれのポイントなどを示しました。見守りする側の皆さんにご活用いただき、高齢者や障害者等の消費者被害の未然防止、早期発見、拡大防止に役立てていただければ幸いです。
消費者トラブル発見時のフローチャート
消費者トラブルの気づきチェック項目
気づき |
考えられる消費者トラブル |
---|---|
見慣れない人物(業者)が頻繁に出入りしている | 悪質な訪問販売・ 訪問購入、点検商法 |
見かけない車が頻繁に止まっている | 悪質な訪問販売・ 訪問購入、点検商法 |
不自然な工事をしている | 点検商法、訪問販売 |
消費生活センターのチラシを見せると様子が変わった | いろいろな手口の悪質商法 |
出かける回数が急に増えた | 催眠商法 |
電話を切らせてもらえず困っている | 悪質な電話勧誘販売 |
電話に怯えている | 悪質な電話勧誘販売 |
段ボール箱や新しい商品がたくさん置いてある | 定期購入、送り付け商法、 過量販売 |
お金に困っている様子が見られる | 多重債務、架空請求、利殖商法 |
霊感・祈祷などに関心を持ち始めた | 開運商法 |
消費者トラブル例
架空請求
はがきやSms(ショートメッセージサービス)等で利用した覚えのない料金の請求が届く。問い合わせると、料金を請求されたり、個人情報を聞き出されたりする。
ネット通販
インターネットの通販サイトで、商品を注文してお金を払ったが、商品が届かない。または、粗悪なコピー品が届いた。
定期購入
通信販売で、健康食品の「初回お試し注文」のつもりで購入したが、2回目の商品が届き、定期購入だと分かった。
電話勧誘販売
「電気料金が安くなる。電気料金の明細を教えてほしい。」と電話があり、言われるとおりに答えていると、後日、電気契約切替の書面が届いた。
訪問購入
「不用品を買い取る」などと電話をかけて訪問し、宝石や貴金属などを強引に買い取っていく。
点検商法
「無料で点検する」と言って家を訪問し、「このままでは大変なことになる」などと不安をあおって高額な契約をさせる。
催眠商法
会場に人を集め、日用品などを無料同然で配って雰囲気を盛り上げて、冷静な判断ができない状況にし、高額な商品を購入させる。
送り付け商法
注文していない商品を勝手に送り付け、支払いを強要する。
過量販売
日常生活において必要とする数量以上の商品を購入させる。
利殖商法
「必ずもうかる」などともうかることを必要以上に強調し、リスクについて十分な説明をしないまま、投資等の勧誘をする。
開運商法
「あなたの病気は先祖のせいだ」などと不安をあおり、祈祷サービスや数珠等の商品を売りつける。
マルチ商法
「友人や知人を誘って契約させると、あなたにも収入が得られる」などと勧誘し、商品やサービスを契約させる。
声かけの方法
声かけには、十分な配慮が必要です。本人のプライドを傷つけたり、追い込んでしまわないよう、本人の意思を尊重しながら、冷静に、ゆっくりとした口調で話を聞きましょう。誰が、誰に対して、どういう場面なのか等、状況に応じた声かけを心がけましょう。
声かけ(例)
- 「本当に信用できる業者ですか?」
- 「誰にでも起こることです。心配しないでください。」
- 「身近に相談できる人はいますか?」※
- 「気になることがあったら、教えてください。」
- 「解決方法を一緒に考えましょう。」
※家族に知られることを恐れていることもあるので、身内よりも第三者の方が話しやすい場合があります。
あなたを守る悪質業者撃退ステッカー
被害を未然に防ぐため、広島市消費生活センターでは、悪質業者撃退ステッカーを配布しています。ご活用ください。
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このページに関するお問い合わせ
市民局消費生活センター
〒730-0011 広島市中区基町6番27号アクア広島センター街8階
開館時間/午前10時~午後6時(休館日:火曜日、日曜日、祝日・休日及び12月29日~1月3日)
電話:082-225-3329(代表) ファクス:082-221-6282
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