ふれあいサロン「陽だまり」
【インタビュー】誰でも気兼ねなく交流できる居場所づくり。「ふれあいサロン 陽だまり」の挑戦
各地で、高度経済成長期を中心に造成された住宅団地が多数あります。各地の団地では、高齢化が加速し、買い物や交通手段などの様々な生活課題が浮き彫りになっています。
佐伯区五月が丘団地の活性化に取り組む迫敬子さん、金藤八重子さんは、長年、この団地に住み、五月が丘学区社会福祉協議会の役員などを経験する中で、一人暮らしのお年寄りが引きこもりにならない居場所づくりを目指し、空き家を改装した「ふれあいサロン 陽だまり」の世話人として従事されています。
現在、35人のメンバーとともに、ふれあいサロン陽だまりの運営をされています。
なぜ現在このような活動をするに至ったのか? 世話人 迫敬子さんへのインタビューを紹介します。
迫敬子さんへのインタビュー

Q:活動を始めたきっかけは。
約20年前、滋賀県大津市の団地視察に行き、米屋の倉庫をリフォームし、お年寄りが集まる居場所(サロン)を開設したという先進事例を見学しました。その後、学区社会福祉協議会の方達と一緒に、五月が丘内の空き家を探し、事業を計画していましたが、賃料が高額という課題に直面し、諦めかけていました。
そういう状況の中、五月が丘団地の住民の方のご厚意で、町内会へ空き家が寄附され、学区社会福祉協議会の主催事業として、平成28年2月に「ふれあいサロン陽だまり」を開設されることとなり、世話人として「ふれあいサロン陽だまり」の運営に携わるに至りました。

Q:当時の活動メンバーはどういう方法で集めたのか。
元々、学区社会福祉協議会の役員をしていたので、口伝えでボランティアを募った結果、44名の方に、ボランティア(運営スタッフ)として登録していただきました。
ちなみに、令和7年7月現在、世話人は迫敬子、金藤八重子、市丸富恵の3名と、ボランティア35名です。
Q:どんな活動をしていますか。
活動目的は、高齢者の閉じこもり防止のため、誰もが気兼ねなく交流できることです。
「ふれあいサロン陽だまり」は、祝日を除く月、水、金の10時から15時に開館しており、利用料100円を支払えば、年齢問わず、誰でも利用できるというサロンです。
利用者には、お茶、お菓子が振舞われます。目の前にバス停があるので、誰でもフラっと立ち寄れます。
ちなみに、2階は、連合町内会及び学区社会福祉協議会の事務所となっています。

Q:活動メンバーについて今後、どう考えているか。
苦情対応やボランティアシフト表の作成など、代表世話人の負担が大きく、担い手の育成が急務であると考えています。ボランティアメンバーも高齢化しているため、今後は若い人を増やしていきたいです。
Q:財政状況はどうか。
利用料100円でなんとか運営ができており、必要以上に利益を得る必要は無いと考えています。施設のエアコン、給湯器等が故障した場合は、連合町内会で対応するという役割分担になっています。
Q:続けるための工夫はあるか。
手間をかけないこと。ボランティアスタッフの負担を少なくし、働きやすい環境をつくること。を心掛けています。
Q:トラブル対応はどういったものがあるか。
町内会のイベントのPR、選挙活動、宗教活動、販売目的のPRなどをしたい旨の相談があるが、全てお断りしています。
こういったPRを認めてしまうと、目的である気兼ねない交流が出来なくなってしまうと考えています。
Q:利用者はどういった方か。新規の利用者はいるか。
利用者の8割は常連さんです。その他、常連さんに誘われて来る方や、通りがかりの方もおられます。
Q:この五月が丘団地の課題として何があるか。
他の団地と共通だと思うが、やはり高齢化が課題であると考えています。
Q:今後の展望
学区社会福祉協議会では、月一度、公民館でふれあいサロンを開催し、にぎわいをみせていますが、月1回では物足りない人達がおられるため、週3回開設している「陽だまり」の役割・存在は大きいと感じています。
繰り返しになりますが、このサロンの課題は、ボランティアメンバーの高齢化です。
今後の展望として、現状を維持しつつ、若い方にボランティアメンバーに入ってもらうことと、まだ「陽だまり」に来たことが無い人に来ていただきたいと思っています。

利用者の方の声
・家に1人でいると寂しいが、このサロンに来て、人と話しをして、色々な情報が得られる。
・うつ病を患っていたが、このサロンに来て、色々な人と話しをして、勇気をもらった。元気になった。
・団地に数十年住み、隣近所と挨拶しか交わさない生活だったが、同じ団地の知り合い、友達が出来た。
・このサロンに来るようになり、一人で悩むことが無くなった。
・常連で最近来ない人がいた時、電話などで安否確認ができる。
・人と話すことの素晴らしさに気づいた。もっと多くの人に「陽だまり」の存在を知ってもらいたい。
迫敬子さん。利用者の皆様。インタビューありがとうございました。これからも益々のご活躍を期待しています。
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