ふれあいサロン「陽だまり」

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ページ番号1042433  更新日 2025年9月30日

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【インタビュー】誰でも気兼ねなく交流できる居場所づくり。「ふれあいサロン 陽だまり」迫 敬子さんの挑戦

 各地で、高度経済成長期を中心に造成された住宅団地が多数あります。各地の団地では、高齢化が加速し、買い物や交通手段などの様々な生活課題が浮き彫りになっています。
 佐伯区五月が丘団地の活性化に取り組む迫敬子さんと金藤八重子さんは、長年、この団地に住み、五月が丘学区社会福祉協議会の役員などを経験する中で、一人暮らしのお年寄りが引きこもりにならない居場所づくりを目指し、空き家を改装した「ふれあいサロン 陽だまり」の世話人として従事されています。
 なぜ、このような活動をするに至ったのか? 世話人 迫敬子さんへのインタビューを紹介します。

迫氏
(木製看板の文字は、団地内の書家の方が手掛けられたものです。)

Q:活動を始めたきっかけは。

 以前、滋賀県大津市の団地視察に行き、米屋の倉庫をリフォームし、お年寄りが集まる居場所(サロン)を開設したという先進事例を見学しました。その後、学区社会福祉協議会の方達と一緒に、五月が丘内の空き家を探し、事業を計画していましたが、賃料が高額という課題に直面し、諦めかけていました。
 そうした状況の中、五月が丘団地の住民の方のご厚意で、町内会へ空き家が寄附され、学区社会福祉協議会の主催事業として、平成28年2月に「ふれあいサロン陽だまり」が開設されることとなり、世話人として「ふれあいサロン陽だまり」の運営に携わるに至りました。令和8年2月で、当サロン開設10周年となります。

内観
(玄関から入ると、間仕切りを無くした開放的な空間が広がっています。)

Q:立ち上げ時の活動メンバーはどういう方法で集めたのか。

 元々、学区社会福祉協議会の役員をしていたので、口伝えでボランティアを募った結果、44名の方に、ボランティア(運営スタッフ)として登録していただきました。
 ちなみに、令和7年7月現在、世話人3名と、ボランティア35名が従事しています。

Q:どんな活動をしていますか。

 高齢者の閉じこもり予防、認知症予防、友達づくり等を目的に、気軽に立ち寄れる「ふれあいの場」として、地域住民に会話を楽しんでもらうための交流スペースを提供しています。
 参加者が集い、語らい、交流することに主眼を置いているため、イベントや催事等は行っていません。

【ふれあいサロン陽だまりの概要】
利用者:誰でも利用可
利用料:100円(お茶、お菓子代含む)
開所日:月曜、水曜、金曜10時~15時(祝日を除く)
※避難情報の警戒レベル3「高齢者等避難」以上が発令された場合、活動を自粛。
※新型コロナウイルスまん延防止のため、令和2年3月~令和4年12月において、136日間の活動を自粛。

茶菓子 バス停
(食器類の大半は、団地内の方からの寄付になります。)(ふれあいサロン陽だまりは、バス停の目の前です。)

Q:財政状況はどうか。

 利用料100円でなんとか運営ができており、必要以上に利益を得る必要は無いと考えています。施設のエアコン、給湯器等が故障した場合は、連合町内会で対応するという役割分担になっています。

Q:活動を続けるために工夫していることは。

 ボランティアスタッフの負担を少なくし、働きやすい環境をつくることを心掛けています。

Q:トラブル対応などは。

 当サロンにおける選挙活動、宗教活動、販売目的等のPR活動や利益を伴う物品販売について相談されることがありますが、全てお断りしています。
 なぜなら、これらの活動を認めてしまうと、気軽に立ち寄れなくなり、活動目的に支障をきたすと考えているからです。

Q:利用者はどういった方か。

 利用者の7割は常連さんです。その他、常連さんに誘われていらっしゃる方や、通りがかりの方もおられます。
 1日の平均来所者数は18人程度です。

談笑

Q:五月が丘団地の課題は。

 他の団地と共通だと思うが、やはり高齢化が課題であると考えています。

Q:活動メンバーの今後について、どう考えているか。

 世話人やボランティアスタッフの高齢化が課題となっており、若い人の協力が必要です。
 参加者やボランティアスタッフの要望や意見をしっかり取り入れ、担い手を育成することが急務であると考えています。

Q:今後の展望は。

 学区社会福祉協議会では、月に一度、公民館でふれあいサロンを開催しており、大勢の方が参加されています。
 学区社会福祉協議会と手を取り合い、末永く、ふれあいサロン「陽だまり」が憩いの場となりますよう切に願います。

サイン
(五月が丘団地出身の広島東洋カープ新井貴浩(監督)が激励に訪れた際、いただいたサイン色紙及び記念バット)

利用者の声

‣家に1人でいると寂しいが、このサロンに来て、人と話しをして、色々な情報が得られる。
‣うつ病を患っていたが、このサロンに来て、色々な人と話しをして、勇気をもらった。元気になった。
‣団地に数十年住み、隣近所と挨拶しか交わさない生活だったが、このサロンに来るようになり、同じ団地の知り合い、友達が出来た。
‣このサロンに来るようになり、一人で悩むことが無くなった。
‣常連で最近来ない人がいた時、電話などで安否確認ができる。
‣人と話すことの素晴らしさに気づいた。もっと多くの人に「陽だまり」の存在を知ってもらいたい。
‣世話人の迫さんが好きだから、このサロンに来ている。

3名の世話人の方々
(3名の世話人の方々)

迫敬子さんをはじめ、利用者の皆様。インタビューありがとうございました。これからも益々のご活躍を期待しています。

このページに関するお問い合わせ

佐伯区役所市民部 地域起こし推進課
〒731-5195 広島市佐伯区海老園二丁目5番28号
電話:082-943-9705(代表) ファクス:082-943-9718
[email protected]