本文
広島市監査公表第1号
令和4年1月13日
広島市監査委員 政氏 昭夫
同 井戸 陽子
同 宮崎 誠克
同 森畠 秀治
地方自治法第252条の38第6項の規定により,広島市長から監査の結果に基づき措置を講じた旨の通知があったので,当該通知に係る事項を別紙のとおり公表する。
なお,併せて通知のあった監査の意見に対する対応結果についても,当該通知に係る事項を公表する。
(別紙)
1 監査結果及び監査意見公表年月日
平成31年2月5日(広島市監査公表第1号)
2 包括外部監査人
大濱 香織
3 監査結果に基づいて講じた措置及び監査意見に対する対応結果通知年月日
令和3年12月24日(広こ家第573号)
4 監査のテーマ
子ども・子育て支援事業の事務の執行について
5 監査の結果(指摘事項)及び措置の内容
⑴母子家庭等就業支援事業(委託事業に係る事業実績報告等の確認が不十分であったため、委託料が過大に支払われたことについて)
(所管課:こども未来局こども・家庭支援課)
監査の結果 |
措置の内容 |
---|---|
広島市は、母子家庭等就業支援事業を委託し実施している。委託先は担当課に「平成29年度母子家庭等就業支援事業実績報告書」(以下5において「実績報告書」という。)、「平成29年度母子家庭等就業支援事業決算書」(以下5において「決算書」という。)及び「精算書」を提出し、これを受けて、こども未来局こども・家庭支援課長が決裁の上、委託先に対して、適正に事業を執行されたことを承認する旨を記載した「平成29年度母子家庭等就業支援事業委託契約に係る実績報告の承認について」(以下5において「承認通知」という。)を交付した。結果として、委託先への委託料は21,543,757円で確定した。監査人が、こども・家庭支援課を通じ委託先から提出を受けた本委託業務に関する委託先作成の会計帳簿、会計伝票、納品書、請求書、領収証等の関連証憑と、決算書を照合したところ、委託先の不適切な経理処理と担当課による審査が十分でなかったため、委託料が合計で1,209,672円過大に支払われている事案が見受けられた。 |
監査の結果を受けて,委託先に対して,決算書及び実績報告書を再確認の上,訂正し再提出するよう指示した。再提出された決算書及び実績報告書の内容を審査したところ,適正と認められたことから,これらを承認し、その旨通知するとともに,指摘を受けた1,209,672円について精査し,過払となった委託料1,095,510円の返還を求め(⑶の受講生負担金460,000円は⑵の受講生負担金4,000円を含んでいたため正しくは456,000円、⑹の消費税635,472円は交通費480円を非課税分としており正しくは38円多い635,510円であった。⑼の平成29年度委託料で支出済みの平成30年度事業に用いる収入印紙代及びパスピーチャージ代金110,200円については,平成30年度委託料で減額調整することとした。),その全額が返還された。 |
⑵母子家庭等就業支援事業(受講生負担金返金額が誤って講習会諸費として計上され委託料が支払われたことについて)
(所管課:こども未来局こども・家庭支援課)
監査の結果 |
措置の内容 |
---|---|
委託料が、適正に支出(委託業務の内容に沿った支出)されているかを監査するため、こども・家庭支援課を通じ委託先から提出を受けた会計帳簿を確認したところ、委託先は、パソコン講習会の受講生1名から徴収したパソコン講習会の受講生負担金5千円のうち、4千円を平成29年8月28日に当該受講生に返金した。 |
監査の結果を受けて,前記⑴のとおり委託料の精査をし,過払となった委託料の一部4,000円について返還を求め,その全額が返還された。 |
⑶母子家庭等就業支援事業(受講生負担金を財源とした支出は、平成29年度就業支援講習会事業の使途として不適切であることについて)
(所管課:こども未来局こども・家庭支援課)
監査の結果 |
措置の内容 |
---|---|
委託料が、適正に支出(委託業務の内容に沿った支出)されているかを監査するため、こども・家庭支援課を通じ委託先から提出を受けた会計帳簿を確認したところ、委託先は、就業支援講習会を行い、受講生負担金を徴収している。平成29年度の就業支援講習会に参加した受講生から委託先が徴収した受講生負担金の額の合計額は460千円であった。 |
監査の結果を受けて,前記⑴のとおり委託料の精査をし,過払となった委託料の一部456,000円について返還を求め(受講生負担金460,000円は前記5の⑵の受講生負担金4,000円を含んでいたため,正しくは456,000円であった。),その全額が返還された。 |
⑷ 母子家庭等就業支援事業(受講生負担金の使途の定めについて)
(所管課:こども未来局こども・家庭支援課)
監査の結果 |
措置の内容 |
---|---|
受講生負担金の使途の適否を検討する前提となる考え方として、委託先は、使用した経費につき、まず受講生負担金を充て、これに不足する部分に委託料を充てるべきである。そして、委託料剰余金を広島市母子家庭等就業支援事業委託契約約款(以下「委託契約約款」という。)第6条に基づいて精算する。広島市と委託先との委託契約は、概算精算方式を採用しており、委託先が事業のために使用した経費は、委託料限度額の範囲内で広島市が負担することとしている。このように公金によって経費が負担された事業において、事業を行う者が受講生から受講料を徴収し利益を上げることは、一般市民の理解を得ることができないために、これは当然の取扱いであると言える。 |
監査の結果を受けて,平成31年度から委託契約約款第3条に定める別紙仕様書に,受講料の項目を設け,受講生負担金を経費として使用できる範囲を明記した。平成30年度についても,使用した経費につき,まず受講生負担金を充て,これに不足する部分に委託料を充て,委託料剰余金を委託契約約款第6条に基づいて精算した。平成26年度から平成28年度までについては,前記⑴のとおりである。 |
⑸ 母子家庭等就業支援事業(「事務処理費」及び「年度末事務処理費」に関する仕様書、予算、決算及び金額の算定根拠について)(所管課:こども未来局こども・家庭支援課)
監査の結果 |
措置の内容 |
---|---|
委託料が、適正に支出(委託業務の内容に沿った支出)されているかを監査するため、こども・家庭支援課を通じ委託先から提出を受けた会計帳簿を確認したところ、委託先は、平成29年度に「事務処理費」として1,488千円、「年度末事務処理費」として165千円、「事務処理費」及び「年度末事務処理費」合計で1,653千円を決算書に計上し、委託料の対象としている事案が見受けられた。「事務処理費」及び「年度末事務処理費」は、委託先就労支援事業会計から委託先法人会計への内部振替であり、この取引に係る領収証は、月に1枚、委託先の経理職員が手書きで発行している。 |
監査の結果を受けて,委託先に対して,当初の事業計画及び予算書に定めていない事業内容を実施する場合には,事前に事業計画及び予算書の変更承認手続が必要である旨を指導するとともに,「事務処理費」及び「年度末事務処理費」を平成30年度の「母子家庭等就業支援事業予算書」(以下「予算書」という。)及び事業計画書に明記して,変更申請を行うよう指示した。再提出された予算書及び事業計画書の内容を確認したところ,適正と認められたことから,これらを承認し,その旨を通知した。 |
⑹ 母子家庭等就業支援事業(消費税の重複計上について)
(所管課:こども未来局こども・家庭支援課)
監査の結果 |
措置の内容 |
---|---|
決算書に計上された消費税1,511,389円には、税込み金額にさらに8%を乗じて計算した金額が含まれており、消費税が重複している分、委託料の支払が635,472円過大になっている。 |
監査の結果を受けて,前記⑴のとおり委託料の精査をし,過払となった委託料の一部635,510円について返還を求め,その全額が返還された。(消費税635,472円は交通費480円を非課税分としており、正しくは38円多い635,510円であった。)平成25年度から平成28年度までの委託料についても前記⑴のとおり消費税の重複分に係る過払分の返還を受けた。 |
⑺ 母子家庭等就業支援事業(プログラム策定員の期末手当に計上した昼食代について)
(所管課:こども未来局こども・家庭支援課)
監査の結果 |
措置の内容 |
---|---|
委託料が、適正に支出(委託業務の内容に沿った支出)されているかを監査するため、こども・家庭支援課を通じ委託先から提出を受けた会計帳簿を確認したところ、決算書のプログラム策定事業の「プログラム策定員・期末手当」の決算額には、平成30年3月23日付けで「就労プログラム策定会議昼食代」として会計処理した昼食代の8,640円が含まれている事案が見受けられた。 |
監査の結果を受けて,委託先に対して,当初の事業計画及び予算書に定めていない事業内容を実施する場合には,事前に事業計画及び予算書の変更承認手続が必要である旨を指導するとともに,「就労プログラム策定会議昼食代」を平成29年度の予算書及び事業計画書に明記して,変更申請を行うよう指示した。再提出された予算書では昼食代8,640円を会議費として計上しており,本事業に必要な経費と認められることからこれを承認し,併せて、決算書の訂正を指示しその提出を受けた。 |
⑻ 母子家庭等就業支援事業(就業支援活動事業用のパソコン購入について)
(所管課:こども未来局こども・家庭支援課)
監査の結果 |
措置の内容 |
---|---|
委託料が、適正に支出(委託業務の内容に沿った支出)されているかを監査するため、こども・家庭支援課を通じ委託先から提出を受けた会計帳簿を確認したところ、委託先は、平成30年2月27日にノートパソコン147,960円を購入し、決算書の就業支援活動事業の「通信運搬費」に計上している事案が見受けられた。 |
監査の結果を受けて,委託先に対して,当初の事業計画及び予算書に定めていない事業内容を実施する場合には,事前に事業計画及び予算書の変更承認手続が必要である旨を指導するとともに,パソコン購入にあたっては,委託先に本事業の実施目的以外に使用しないこと,パソコン本体に本事業備品であることを明示するとともに備品管理台帳へ記載し,適正に管理すること,耐用年数経過等により廃棄する場合は,事前に広島市へ協議することを指導した。 |
⑼ 母子家庭等就業支援事業(平成29年度の委託料の対象に平成30年度の事業に用いるためのものが含まれていたことについて)(所管課:こども未来局こども・家庭支援課)
監査の結果 |
措置の内容 |
---|---|
委託料が、適正に支出(委託業務の内容に沿った支出)されているかを監査するため、こども・家庭支援課を通じ委託先から提出を受けた会計帳簿を確認したところ、平成30年度の事業に用いる収入印紙代30,200円、パスピーチャージ代金80千円の合計110,200円が平成29年度の委託料の対象に含まれている事案が見受けられた。 |
監査の結果を受けて,指摘を受けた平成29年度委託料で支出済みの平成30年度事業に用いる収入印紙代30,200円,パスピーチャージ代金80,000円については、平成30年度委託料で減額調整することとした。 |
6 監査の意見及び対応の内容
⑴ 母子家庭等就業支援事業(決算書に計上した科目の修正について)
(所管課:こども未来局こども・家庭支援課)
監査の意見 |
対応の内容 |
---|---|
委託料が、適正に支出(委託業務の内容に沿った支出)されているかを監査するため、こども・家庭支援課を通じ委託先から提出を受けた会計帳簿を確認したところ、「平成29年度母子家庭等就業支援事業決算書」(以下6において「決算書」という。)就業支援活動事業「事務職員・期末手当」の決算額には、平成30年2月5日付け「平成29年度就労促進連絡会議出張費」として51,080円、同日付け「平成29年度就労促進連絡会議参加費」として1,000円の合計52,080円が含まれていた。 |
監査の意見を受けて,委託先に対し,決算書を訂正し再提出するよう指示した。再提出された決算書においては,「平成29年度就労促進連絡会議出張費」の51,080円及び「平成29年度就労促進連絡会議参加費」の1,000円の合計52,080円を就業支援活動事業の「会議費」に記載されていたことから,これを承認した。 |
⑵ 母子家庭等就業支援事業(各種手当に関する源泉徴収漏れについて)
(所管課:こども未来局こども・家庭支援課)
監査の意見 |
対応の内容 |
---|---|
決算書に計上した各種手当66,950円について、委託先は源泉徴収を行っていない。特に「広島市母子家庭等就業支援事業実施要綱」には、本事業は一般財団法人Aに委託することが定められており、Aは本事業にとって重要な団体である。当然のことながら事業に関して適正な会計税務処理をすることが求められる。担当課は、委託先が所得税法を遵守し、適正に源泉徴収事務を履行するよう助言する必要がある。 |
監査の意見を受けて,委託先に対して,過去の源泉徴収事務が適正に行われていたかどうか点検し、徴収していないときは遡って適正に事務を行うよう助言・指導した。 |
1 監査結果及び監査意見公表年月日
令和2年2月6日(広島市監査公表第3号)
2 包括外部監査人
大濱 香織
3 監査結果に基づいて講じた措置及び監査意見に対する対応結果通知年月日
令和4年1月6日(広市教青育第157号)
4 監査のテーマ
広島市が出資している法人の「ヒト・モノ・カネ」に関する財務事務の執行について
5 監査の結果(指摘事項)及び措置の内容
⑴広島市青少年センター(指定管理)(青少年センター使用料の返還事務について)
(所管課:教育委員会事務局青少年育成部育成課)
監査の結果 |
措置の内容 |
---|---|
令和元年5月31日に,(一財)A社に147,060円の使用料返還金が支払われている。大きなイベントの主催者である(一財)A社が5部屋を予約していたが,詳細がわかるにつれ,不要な部屋を解約してきたものであった。起票者の間違いにより,令和元年度で返還処理すべきものを平成30年度で処理していた。 |
起票者の間違いにより,領収すべき年度を誤って返還処理した。 |
6 監査の意見及び対応の内容
⑴広島市三滝少年自然の家・広島市グリーンスポーツセンター(指定管理)(指定管理期間開始年度の平成30年4月1日において,切手の在庫が766枚あったことについて)
(所管課:教育委員会事務局青少年育成部育成課)
監査の意見 |
対応の内容 |
---|---|
往査時に,切手受払簿の確認を行った。 |
監査の実施を受け,育成課から指定管理者に対し,今後,郵便物を送る際には保有している切手から使用すること及び切手を購入する際は,必要な枚数のみ購入することを指導した。 |
⑵広島市三滝少年自然の家・広島市グリーンスポーツセンター(指定管理)(使用料の歳入決算が歳入予算を大幅に下回っていることについて)
(所管課:教育委員会事務局青少年育成部育成課)
監査の意見 |
対応の内容 |
---|---|
三滝少年自然の家等では,この使用料収入は広島市の歳入に計上され,三滝少年自然の家等の指定管理料の一部に充てられている。 |
歳入予算は,これまで定員に目標とする利用率や開所日数を乗じて延べ利用者数を算出し,これに使用料単価を乗じて積算していた。 |
⑶広島市似島少年自然の家(指定管理)(使用料の歳入決算が歳入予算を大幅に下回っていることについて)
(所管課:教育委員会事務局青少年育成部育成課)
監査の意見 |
対応の内容 |
---|---|
似島臨海少年自然の家の使用料は,広島市の歳入に計上され,似島臨海少年自然の家の指定管理料の一部に充てられている。 |
歳入予算は,これまで定員に目標とする利用率や開所日数を乗じて延べ利用者数を算出し,これに使用料単価を乗じて積算していた。 |