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包括外部監査の結果(指摘事項)に対する措置事項及び監査の意見に対する対応結果の公表(令和3年11月24日公表)

ページ番号:0000249980 更新日:2021年11月24日更新 印刷ページ表示

広島市監査公表第27号
令和3年11月24日

広島市監査委員 政氏 昭夫  
同 井戸 陽子
同 宮崎 誠克
同 森畠 秀治

包括外部監査の結果(指摘事項)に対する措置事項及び監査の意見に対する対応結果の公表

 地方自治法第252条の38第6項の規定により,広島市教育委員会から監査の結果に基づき措置を講じた旨の通知があったので,当該通知に係る事項を別紙のとおり公表する。
 なお,併せて通知のあった監査の意見に対する対応結果についても,当該通知に係る事項を公表する。

(別紙)

平成31年度包括外部監査の結果に基づいて講じた措置等の公表(教育委員会)

1 監査結果及び監査意見公表年月日
  令和2年2月6日(広島市監査公表第3号)
2 包括外部監査人
   大濱 香織
3 監査結果に基づいて講じた措置及び監査意見に対する対応結果通知年月日
   令和3年11月22日(広市教青育第130号)
4 監査のテーマ
  広島市が出資している法人の「ヒト・モノ・カネ」に関する財務事務の執行について
5 監査の結果(指摘事項)及び措置の内容

⑴広島市三滝少年自然の家・広島市グリーンスポーツセンター(指定管理)(指定管理者の業務である備品管理の不備について)
(所管課:教育委員会事務局青少年育成部育成課)

監査の結果
措置の内容

 往査の前に備品管理台帳の提供を受け,往査日にサンプル27点につき,確認作業を行ったところ,以下の備品に問題があった。
 ⑴ 課長用椅子(平成9年12月26日購入)
    44,730円
       所在不明。
  ⑵ 望遠鏡(昭和58年3月31日取得)
       394,000円
   未確認。
  ⑶ トランポリン(昭和53年3月31日所有)
    211,450円
   現物なし。
 備品管理については,基本協定書において「乙(広島市文化財団)は,指定期間中,備品等(Ⅰ種)を常に良好な状態に保つものとする。」と定められている。⑴課長用椅子と⑵望遠鏡が所在不明となっていたことに関し,指定管理者である広島市文化財団は,この基本協定書に定める管理がなされていないことになる。また,⑶トランポリンについては,指定管理者が廃棄申請書の提出を失念していた。
 備品台帳の不備は,備品への管理機能を弱め,紛失,盗難のリスクを高くし,備品に関する経済性,効率性,有効性の判断を誤らせる要因になる。担当課は,指定管理者に対し備品管理を指導するとともに,指定管理者と担当課との間での書類の流れを再確認し,備品台帳の不備に関しての再発防止を行うべきである。
 なお,課長用椅子と望遠鏡については,令和元年12月に担当課より備品の確認をしたとの報告があった。

 監査の実施を受け,指定管理者にその所在確認を指示し,その結果,2つの備品の所在が確認され,残り1つの備品については経年劣化により廃棄していた旨を報告させ,備品台帳から削除した。
 また,令和2年1月に指定管理者に対し,この施設を含め,所管施設における備品の管理について,管理備品と備品台帳との照合を年間1回以上行うこと,本市に照合結果を報告する際には保管場所も報告すること,管理備品に異動があるときには速やかに手続を行うことなどを改めて通知し,適切な管理を徹底するよう指示した。

⑵広島市三滝少年自然の家・広島市グリーンスポーツセンター(指定管理)(利用者満足度アンケートの一部未実施について)
(所管課:教育委員会事務局青少年育成部育成課)

監査の結果
措置の内容

 平成31年3月31日の日付で,「広島市三滝少年自然の家及び広島市グリーンスポーツセンター業務実施報告書(平成30年度)」(以下「H30業務実施報告書」という。)が指定管理者から,教育委員会青少年育成部育成課に提出されている。そのうちの「H30業務実施報告書のチェックリスト」の中の「5 利用者ニーズの把握及びそれを踏まえた管理運営の実施状況(指定管理者によるアンケートの実施等)」においては,提出の有無と記載の有無の欄に「有」となっていた。
 しかし,「平成30年度 自己評価の実施状況(受入事業)」「利用満足度(5点満点)アンケート評価」の表は,11月から3月部分において「-」が記されており,1年のうち5か月も欠落しているものの結果である。
 アンケートは年間通じて行うべきであり,5か月が欠落している状態でのアンケートでは適切な調査結果は得られない。これについて,担当課から,11月から3月は担当課において利用者アンケートを行うため,利用者に同時に同様の質問項目のアンケートを行う必要はないと判断し,担当課によるアンケートのみを実施し,そのアンケートの集計結果を指定管理者にフィードバックすることで利用者ニーズを共有しているとの説明があった。
 しかしながら,指定管理者のアンケートが学校のクラス単位・家族単位で行われたのに対し,担当課のそれは子どもを含む利用者一人一人に行ったものであるという点に違いがあり,これでは,利用者ニーズを共有することは難しいし,アンケートが実施されていない5か月を補っているとは言い難い。
 担当課は,この施設の今後の対策に有効な評価項目や実施対象者を協議のうえアンケートを作成し,1年間で集計すべきである。

 監査の結果を踏まえ,利用者のニーズや満足度をより把握することができるアンケート調査となるよう,令和元年10月から,年間を通して指定管理者にアンケートを実施させることとした。

 

6 監査の意見及び対応の内容

⑴広島市三滝少年自然の家・広島市グリーンスポーツセンター(指定管理)(耐震化が施されていない三滝少年自然の家についての応急処置的な避難対策について)
(所管課:教育委員会事務局青少年育成部育成課)

監査の意見
対応の内容

 広島市は,老朽化が進み,建替えか耐震補強かも視野に入れて三滝少年自然の家の耐震診断を行った。本館棟・食堂棟・体育館棟のいずれにおいても,Is値(構造値新指数)が0.3未満であり,倒壊する危険性が高いという診断結果であった。
 補強した場合,数億円の資金が必要となるとの結果を受け,近い将来には建替えという選択肢が有力である中,今時点で耐震化されていない施設である。
 三滝少年自然の家とグリーンスポーツセンターは,利用者の多くは子どもである。遊び場が少なくなった近年,子どもの心身の発達において重要な体験型施設である。
 想定外の地震が起こった場合,犠牲者は命を落とす。耐震化が図られていない建物であった場合,人災か天災かを問われる。これだけの強度が不足している建物である場合,広島市側に問題があったと言われるおそれがある。
 担当課は,三滝少年自然の家の建替えまでの間の対処方法を早急に構築するとともに,宿泊棟の廊下や各部屋のドア等に子どもが見てもすぐに安全に逃げる方向が分かるような避難経路図を貼り,耐震診断で特に問題があった場所であるロビーを通らないように誘導し,より一層利用者が安全に避難できるようにすべきである。

 本施設については,新耐震基準以前の建築物であることや建築後40年以上経過していることを踏まえた抜本的な対応方策を検討する必要があるが,こうした検討には日時を要することから,利用者の方々が現在の施設を安全に安心して利用していただけるよう,指定管理者とともに,避難経路の周知や誘導の訓練など安全対策により一層努めていく。

⑵広島市三滝少年自然の家・広島市グリーンスポーツセンター(指定管理)(ロビー上の2階床下収納の中の荷物について)
(所管課:教育委員会事務局青少年育成部育成課)

監査の意見
対応の内容

 この施設の耐震性には相当の問題がある。現状においては,耐震化か建替えかの方向性を検討中である。
 特に本館1階部分は,広いロビーがある。事務室の前から30m以上の間,柱が1本もない。前面は,広島市内が一望できるようにガラス張りになっており,これが耐震性において更に悪い要素となっている。
 備品監査の際に,監査対象としたアコーデオンが収められていた床下収納はこのロビーの上にあり,地震が起こり天井がその強さに耐えられずに落ちた場合にその荷物が落下してくる可能性が考えられる。地震の後,避難行動をとる宿泊者のうち,3階の宿泊部屋から建物の中央階段を使い外に出ようとした者が通る動線上になる。
 耐震化の対策が講じられていないうちは人命第一を考慮し,この床下収納には物を入れないようにするべきである。

 監査の実施を受け,不測の事態が生じる場合も否定できないので,令和2年1月に床下収納の中の備品等を全て他の保管場所に移動させた。

⑶広島市青少年野外活動センター・こども村事業に対する補助(清掃業務について)
(所管課:教育委員会事務局青少年育成部育成課)

監査の意見
対応の内容

 往査時に確認したトイレは,定期的に清掃されているようには見えないほど砂とよごれが目立った。女子トイレの汚物入れ付近も定期的に拭かれているようには見えない汚れ方をしている。また,障害者用のトイレには,車いすが3台置かれていた。
 青少年野外活動センターは広島市文化財団が自ら所有し,管理運営する施設であるため,広島市は,当該事業者に対し指導する立場にはないとのことであった。
 しかし,施設の管理運営の費用と広島市文化財団所有の施設の耐震計画の立案についての補助金は広島市が負担している。
 担当課は,広島市が補助金を負担している立場であることに鑑み,利用者が快適に施設を利用できるよう指導すべきである。

 青少年野外活動センターは,公益財団法人広島市文化財団が設置し運営している施設であるが,監査の意見を踏まえ,利用者が快適に使用できるよう,令和2年1月に清掃の徹底について施設管理者に依頼した。