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包括外部監査の結果(指摘事項)に対する措置事項及び監査の意見に対する対応結果の公表(令和2年2月12日公表)

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広島市監査公表第4号
令和2年2月12日

広島市監査委員 谷本 睦志
同 井戸 陽子
同 碓氷 芳雄
同 豊島 岩白

 包括外部監査の結果(指摘事項)に対する措置事項及び監査の意見に対する対応結果の公表

 地方自治法第252条の38第6項の規定により、広島市長及び広島市教育委員会から監査の結果に基づき措置を講じた旨の通知があったので、当該通知に係る事項を別紙のとおり公表する。
 なお、併せて通知のあった監査の意見に対する対応結果についても、当該通知に係る事項を公表する。

(別紙)

平成29年度包括外部監査の結果に基づいて講じた措置等の公表(市民局)

1 監査結果及び監査意見公表年月日
 平成30年2月2日(広島市監査公表第2号)
2 包括外部監査人
 福田 浩
3 監査結果に基づいて講じた措置及び監査意見に対する対応結果通知年月日
 令和2年2月4日(広市生第164号)
4 監査のテーマ
 文化活動及び生涯学習に係る施設の管理運営等について
5 監査の結果(指摘事項)及び措置の内容並びに監査の意見及び対応の内容

 【監査の結果】

(広島市温品公民館)公金の管理について
(所管課:市民局生涯学習課)

監査の結果
措置の内容

 広島市温品公民館の事務室は,その奥に印刷機が据え付けられており,これを利用する者の立入りが許されているところ,収受された使用料等の公金が,開館時間中は,施錠されていない職員の机の引き出しの中に紙製の箱に入れて保管され,終業後になって,金庫に入れて保管されている事案が見受けられた。
 地方自治法第243条は,普通地方公共団体は,法律又はこれに基づく政令に特別の定めがある場合を除くほか,公金の徴収若しくは収納又は支出の権限を私人に委任し,又は私人をして行わせてはならないと定め,地方自治法施行令第158条第1項第1号は,使用料について,その収入の確保及び住民の便益の増進に寄与すると認められる場合に限り,私人にその徴収又は収納の事務を委託することができると定めている。
 広島市は,公益財団法人広島市文化財団との間で広島市公民館使用料収納事務委託契約を締結し,広島市公民館条例第6条に規定する公民館に係る使用料収納事務を同財団に委託している。そして,広島市公民館使用料収納事務委託契約書第6条は,公益財団法人広島市文化財団は,収納事務を処理するに当たっては,本契約,広島市会計規則等関係規定及び広島市の指示を遵守しなければならないと定め,徴収・収納及び支出事務受託者の公金の取扱いについて,事務処理上の留意点をまとめた「公金取扱事務手引書」は,第1の5現金の保管の項において,収納した現金は,金庫,金融機関の保護預けを利用する等安全で確実な方法で保管すると定めている。
 したがって,以上の規範等の定めからすれば,収納した現金は,金庫,金融機関の保護預けを利用する等安全で確実な方法で保管すると定めている同手引書第1の5は厳格に解されるべきものであり,収納した現金を,金庫を利用して保管する,あるいは金融機関の保護預けを利用して保管する以外の方法で保管する場合においては,これらの方法と同等又はそれ以上安全で確実な方法で保管しなければならないと解すべきである。
 これを本件に当てはめると,開館時間中,施錠されていない職員の机の引き出しの中に紙製の箱に入れて保管する行為は,金庫を利用して保管する,金融機関の保護預けを利用して保管する方法と同等又はそれ以上安全で確実な方法で保管しているとはいえないばかりか,公金が窃取されるおそれがある。広島市においては,受託者に対し,速やかに改善するよう指導すべきである。

 広島市温品公民館では,館長を含め4人の職員を配置し,公民館の使用承認及び使用料の徴収のほか,学習会の実施,地域における生涯学習・まちづくり活動の支援,印刷サービスの提供等を行っている。使用料の徴収を取り扱う時間帯においては,常時2人以上の職員を配置しているが,公民館の事業や利用者への応対等により,収納した使用料の監視が行き届かない状況が生じる可能性は否定できない。
 このため,監査の実施を受け,広島市温品公民館で収納した使用料については,平成29年10月から,手提げ金庫において保管することとした上で,その手提げ金庫は,公民館の利用者が付近を通行せず,かつ,施錠できる場所に盗難防止ワイヤーでつなぎ留め,使用料の収納後は直ちにその場所を施錠することとした。
 今後も,「公金取扱事務手引書」に従った適正な公金の取扱いを実施するよう,収納事務受託者に対して継続的に指導をする。

 

【監査の意見】

(1) (広島市中央公民館)備品について
(所管課:市民局生涯学習課)

監査の意見
対応の内容

 広島市中央公民館において,現に倉庫として利用されている視聴覚準備室に,広島市の備品である,文化,科学,美術等の幅広い分野にわたる体系的な事典や全集等の図書が相当数保管されている事案が見受けられた。
 社会教育法第22条第3号は,住民の教養の向上等に寄与することを目的として,公民館は,図書等を備え,その利用を図ると定めているところ,これらの図書の中には住民の教養の向上等に寄与するものが含まれている蓋然性があるにもかかわらず,精査されないまま放置され,その利用の機会が閉ざされている。
 広島市においては,これらの図書の有用性を精査した上で,同公民館の図書室に備える,図書館への保管転換をする,不要なものについては廃棄するなど,備品の利用の方策や処分について検討されたい。

 広島市中央公民館の視聴覚準備室にある29点181冊の備品の図書は,全市の公民館職員向けに,企画運営上必要な情報を収集するための事務参考用図書として平成7年度以前に購入したものである。
 監査意見のあった図書の有用性を広島市中央公民館とともに精査した結果,3点19冊を同公民館で閲覧に供することとし,10点27冊を中央図書館に保管転換して利用させ,残りの16点135冊については廃棄することとした。
 なお,廃棄する図書の数が多くなったのは,発刊から相当の年数が経過しており,内容が古く,資料的価値を失っていたことによるものである。

(2) (広島市馬木公民館)私物を預かる行為について
(所管課:市民局生涯学習課)

監査の意見
対応の内容

 広島市馬木公民館に設置されている研修室にあるキャビネットでは,菓子類,音楽CDを含む利用グループの私物を,また,実習室にある収納棚では,現に使用されていないアンプやスピーカーを含む利用グループの私物を,それぞれ預かっている事案が見受けられた。
 同公民館が利用グループの私物を預かる行為については,これを規律するルールを定めないままに行われていることから問題があるが,長年にわたり慣習として行われてきたこと,諸室の利用を提供するサービスに付随するものとも考え得ることから,一律に違法性を帯びるとまではいえない。しかしながら,利用グループの私物を預かる行為の目的や態様によっては,同公民館を管理運営する上で,看過できない弊害が生じるから,指定管理者においては,私物を預ける利用グループとの協議をもってルールを定め,これに従った指導をされたい。
 菓子類などの食品については,食中毒が懸念されることから,指定管理者においては,ルールを定めた上で,利用グループに持ち帰らせるよう,指導されたい。また,音楽CDなどの高価品については,盗難や毀損の際に管理責任の問題が生じ得ることから,指定管理者においては,ルールを定めた上で,利用グループに持ち帰らせるよう,あるいは管理責任を問わない旨の差入書等を提出させるよう,指導されたい。さらに,現に使用されていない私物については,預かる必要がないにもかかわらず管理の負担を強いられることから,指定管理者においては,ルールを定めた上で,利用グループに持ち帰らせるよう,あるいは処分させるよう,指導されたい。

 監査の意見を受け,平成30年2月に本市から指定管理者に対し,公民館が利用グループの私物を預かる際のルールを定めるよう指示した。
 これを受けて,指定管理者は,各館の運営上やむを得ず私物を置かせる際に公民館と利用グループの間で明確にしておくべき運用上のルールを定めるとともに,平成30年6月に,各公民館に対し,当該運用上のルールに基づき私物を管理するよう通知した。
 広島市馬木公民館では,上記の運用上のルールに加え,更にルールを定め,平成31年4月に利用グループへの通知をし,その周知徹底を図った。
 今後,利用グループが継続的に置いている物品の管理状況に留意し,施設の適正な管理運営に努める。

 

(3) (広島市温品公民館)実習室について
(所管課:市民局生涯学習課)

監査の意見
対応の内容

 広島市温品公民館に設置されている実習室は,調理台や食器棚が据え付けられており,もっぱら調理室として利用する目的で設置されたものであるが,その延べ利用者数は年間約1,000人,その稼働率は約16パーセントと低迷しており,調理室としての利用を通じて生活文化の向上等を図るという所期の効果を十分もたらしていない事案が見受けられた。
 社会教育法第20条は,公民館は,市町村その他一定区域内の住民のために,実際生活に即する教育,学術及び文化に関する各種の事業を行い,もって住民の教養の向上,健康の増進,情操の純化を図り,生活文化の振興,社会福祉の増進に寄与することを目的とすると定め,同法第22条第2号は,この目的達成のために行う事業のひとつとして,討論会,講習会,講演会,実習会,展示会等を開催することを掲げているところ,実習室での活動は,生活に即した調理方法等を学ぶ場としてだけでなく,食を通じた世代間交流や地域のつながりづくりの推進など地域福祉の増進に寄与するものである。指定管理者においては,調理に関する事業へのさらなる取組に努められたい。

 監査の意見を受け,平成30年2月に本市から指定管理者に対し,公民館における調理に関する事業の推進を指示した。
 この指示を受けて,指定管理者においては,調理に関する事業を主催する回数を増やし,調理に関する学習活動が継続して行われるよう,学習グループの形成・育成の促進を図ることとした。
 その結果,平成30年度の実習室の稼働率は,対前年度比で4.7%増加している。
 今後も,指定管理者と協議した上で,事業を工夫しながら実習室の利用促進に取り組んでいく。

(4) (広島市温品公民館)私物を預かる行為について
(所管課:市民局生涯学習課)

監査の意見
対応の内容

 広島市温品公民館に設置されている第1倉庫には,現に活動していない利用グループの私物を含む,利用グループの私物を相当量預かっている事案が見受けられた。
 同公民館が利用グループの私物を預かる行為については,これを規律するルールを定めないままに行われていることから問題があるが,長年にわたり慣習として行われてきたこと,諸室の利用を提供するサービスに付随するものとも考え得ることから,一律に違法性を帯びるとまではいえない。しかしながら,利用グループの私物を預かる行為の目的や態様によっては,同公民館を管理運営する上で,看過できない弊害が生じるから,指定管理者においては,私物を預ける利用グループとの協議をもってルールを定め,これに従った指導をされたい。
 現に活動していない利用グループの私物については,預かる必要がないにもかかわらず管理の負担を強いられることから,指定管理者においては,ルールを定めた上で,利用グループに持ち帰らせるよう,あるいは処分させるよう,指導されたい。

 監査の意見を受け,平成30年2月に本市から指定管理者に対し,公民館が利用グループの私物を預かる際のルールを定めるよう指示した。
 これを受けて,指定管理者は,各館の運営上やむを得ず私物を置かせる際に公民館と利用グループの間で明確にしておくべき運用上のルールを定めるとともに,平成30年6月に,各公民館に対し,当該運用上のルールに基づき私物を管理するよう通知した。
 広島市温品公民館では,上記の運用上のルールに加え,更にルールを定め,平成31年3月に利用グループへの通知をし,その周知徹底を図った。
 今後,利用グループが継続的に置いている物品の管理状況に留意し,施設の適正な管理運営に努める。

(5) (広島市戸坂公民館)実習室について
(所管課:市民局生涯学習課)

監査の意見
対応の内容

 広島市戸坂公民館に設置されている実習室は,調理台や食器棚が据え付けられており,もっぱら調理室として利用する目的で設置されたものであるが,その延べ利用者数は年間約1,000人,その稼働率は約20パーセントと低迷しており,調理室としての利用を通じて生活文化の向上等を図るという所期の効果を十分もたらしていない事案が見受けられた。
 社会教育法第20条は,公民館は,市町村その他一定区域内の住民のために,実際生活に即する教育,学術及び文化に関する各種の事業を行い,もって住民の教養の向上,健康の増進,情操の純化を図り,生活文化の振興,社会福祉の増進に寄与することを目的とすると定め,同法第22条第2号は,この目的達成のために行う事業のひとつとして,討論会,講習会,講演会,実習会,展示会等を開催することを掲げているところ,実習室での活動は,生活に即した調理方法等を学ぶ場としてだけでなく,食を通じた世代間交流や地域のつながりづくりの推進など地域福祉の増進に寄与するものである。指定管理者においては,調理に関する事業へのさらなる取組に努められたい。

 監査の意見を受け,平成30年2月に本市から指定管理者に対し,公民館における調理に関する事業の推進を指示した。
 この指示を受けて,指定管理者においては,調理に関する事業を主催する回数を増やし,調理に関する学習活動が継続して行われるよう,学習グループの形成・育成の促進を図ることとした。
 その結果,平成30年度の実習室の稼働率は,対前年度比で0.3%増加している。
 今後も,指定管理者と協議した上で,事業を工夫しながら実習室の利用促進に取り組んでいく。

(6) (広島市戸坂公民館)私物を預かる行為について
(所管課:市民局生涯学習課)

監査の意見
対応の内容

 広島市戸坂公民館に設置されている和室にある倉庫には,現に活動していない利用グループの私物を含む,利用グループの私物を預かっている事案が見受けられた。また,会議室2にあるキャビネットには,ノートパソコン,菓子類を含む,利用グループの私物を預かっている事案が見受けられた。さらに,実習室にある収納棚の上には,利用グループの私物が多数の段ボールに入れられ,積み重ねて置かれている事案が見受けられた。
 同公民館が利用グループの私物を預かる行為については,これを規律するルールを定めないままに行われていることから問題があるが,長年にわたり慣習として行われてきたこと,諸室の利用を提供するサービスに付随するものとも考え得ることから,一律に違法性を帯びるとまではいえない。しかしながら,利用グループの私物を預かる行為の目的や態様によっては,同公民館を管理運営する上で,看過できない弊害が生じるから,指定管理者においては,私物を預ける利用グループとの協議をもってルールを定め,これに従った指導をされたい。
 現に活動していない利用グループの私物については,預かる必要がないにもかかわらず管理の負担を強いられることから,指定管理者においては,ルールを定めた上で,利用グループに持ち帰らせるよう,あるいは処分させるよう,指導されたい。また,ノートパソコンなどの高価品については,盗難や毀損の際に管理責任の問題が生じ得ることから,指定管理者においては,ルールを定めた上で,利用グループに持ち帰らせるよう,あるいは管理責任を問わない旨の差入書等を提出させるよう,指導されたい。さらに,菓子類などの食品については,食中毒が懸念されることから,指定管理者においては,ルールを定めた上で,利用グループに持ち帰らせるよう,指導されたい。収納棚の上に積み重ねて置かれている物品については,美観を損なうものであることから,ルールを定めた上で,利用グループに,整理整頓させ収納棚に収納させるよう,あるいは持ち帰らせるよう,指導されたい。

 監査の意見を受け,平成30年2月に本市から指定管理者に対し,公民館が利用グループの私物を預かる際のルールを定めるよう指示した。
 これを受けて,指定管理者は,各館の運営上やむを得ず私物を置かせる際に公民館と利用グループの間で明確にしておくべき運用上のルールを定めるとともに,平成30年6月に,各公民館に対し,当該運用上のルールに基づき私物を管理するよう通知した。
 広島市戸坂公民館では,上記の運用上のルールに加え,更にルールを定め,平成30年12月に利用グループへの通知をし,その周知徹底を図った。
 今後,利用グループが継続的に置いている物品の管理状況に留意し,施設の適正な管理運営に努める。

(7) (広島市大河公民館)私物を預かる行為について
(所管課:市民局生涯学習課)

監査の意見
対応の内容

 広島市大河公民館の3階に設置されている倉庫脇の廊下及び2階に設置されている倉庫脇の廊下には,いずれも大型の収納棚が据え付けられ,利用グループの相当量の私物を預かっている事案が見受けられた。
 同公民館が利用グループの私物を預かる行為については,これを規律するルールを定めないままに行われていることから問題があるが,長年にわたり慣習として行われてきたこと,諸室の利用を提供するサービスに付随するものとも考え得ることから,一律に違法性を帯びるとまではいえない。しかしながら,利用グループの私物を預かる行為の目的や態様によっては,同公民館を管理運営する上で,看過できない弊害が生じるから,指定管理者においては,私物を預ける利用グループとの協議をもってルールを定め,これに従った指導をされたい。

 監査の意見を受け,平成30年2月に本市から指定管理者に対し,公民館が利用グループの私物を預かる際のルールを定めるよう指示した。
 これを受けて,指定管理者は,各館の運営上やむを得ず私物を置かせる際に公民館と利用グループの間で明確にしておくべき運用上のルールを定めるとともに,平成30年6月に,各公民館に対し,当該運用上のルールに基づき私物を管理するよう通知した。
 広島市大河公民館では,上記の運用上のルールに加え,更にルールを定め,平成31年2月に利用グループへの通知をし,その周知徹底を図った。
 今後,利用グループが継続的に置いている物品の管理状況に留意し,施設の適正な管理運営に努める。

(8) (広島市祇園公民館)開放扉の開放方向について
(所管課:市民局生涯学習課)

監査の意見
対応の内容

 広島市祇園公民館の建築物を対象とした定期点検結果報告書において,「1階階段室防火戸の開放方向が避難方向でない(建築基準法上では規定が無い)」と指摘され,「第三者の安全確保上,避難方向へ開くように改善する事が望ましい」との改善策が示されているにもかかわらず,改善に向けた検討が行われていない事案が見受けられた。
 万が一の際には,施設利用者が避難するに際し,重大な人身事故を招来する危険性があるから,施設設置者である広島市においては,万が一の人身事故の発生を未然に防止することを通じて,同公民館を利用する者のさらなる安全確保を図るため,改善に向けて速やかに検討されたい。

 監査の実施を受け,災害発生時における公民館の利用者の安全確保を図るため,平成30年1月に,防火扉が避難方向に開くよう,改修を行った。

 

(9) (広島市安佐公民館)実習室について
      (所管課:市民局生涯学習課)

監査の意見
対応の内容

 広島市安佐公民館に設置されている実習室は,調理台や食器棚が据え付けられており,もっぱら調理室として利用する目的で設置されたものであるが,その延べ利用者数は年間約900人,その稼働率は約19パーセントと低迷しており,調理室としての利用を通じて生活文化の向上等を図るという所期の効果を十分もたらしていない事案が見受けられた。
 社会教育法第20条は,公民館は,市町村その他一定区域内の住民のために,実際生活に即する教育,学術及び文化に関する各種の事業を行い,もって住民の教養の向上,健康の増進,情操の純化を図り,生活文化の振興,社会福祉の増進に寄与することを目的とすると定め,同法第22条第2号は,この目的達成のために行う事業のひとつとして,討論会,講習会,講演会,実習会,展示会等を開催することを掲げているところ,実習室での活動は,生活に即した調理方法等を学ぶ場としてだけでなく,食を通じた世代間交流や地域のつながりづくりの推進など地域福祉の増進に寄与するものである。指定管理者においては,調理に関する事業へのさらなる取組に努められたい。

 監査の意見を受け,平成30年2月に本市から指定管理者に対し,公民館における調理に関する事業の推進を指示した。
 この指示を受けて,指定管理者においては,調理に関する事業を主催する回数を増やし,調理に関する学習活動が継続して行われるよう,学習グループの形成・育成の促進を図ることとした。
 その結果,平成30年度の実習室の稼働率は,対前年度比で2.6%増加している。
 今後も,指定管理者と協議した上で,事業を工夫しながら実習室の利用促進に取り組んでいく。

(10) (広島市中野公民館)実習室について
(所管課:市民局生涯学習課)

監査の意見
対応の内容

 広島市中野公民館に設置されている実習室は,調理台や食器棚が据え付けられており,もっぱら調理室として利用する目的で設置されたものであるが,その延べ利用者数は年間約900人,その稼働率は約15パーセントと低迷しており,調理室としての利用を通じて生活文化の向上等を図るという所期の効果を十分もたらしていない事案が見受けられた。
 社会教育法第20条は,公民館は,市町村その他一定区域内の住民のために,実際生活に即する教育,学術及び文化に関する各種の事業を行い,もって住民の教養の向上,健康の増進,情操の純化を図り,生活文化の振興,社会福祉の増進に寄与することを目的とすると定め,同法第22条第2号は,この目的達成のために行う事業のひとつとして,討論会,講習会,講演会,実習会,展示会等を開催することを掲げているところ,実習室での活動は,生活に即した調理方法等を学ぶ場としてだけでなく,食を通じた世代間交流や地域のつながりづくりの推進など地域福祉の増進に寄与するものである。指定管理者においては,調理に関する事業へのさらなる取組に努められたい。

 監査の意見を受け,平成30年2月に本市から指定管理者に対し,公民館における調理に関する事業の推進を指示した。
 この指示を受けて,指定管理者においては,調理に関する事業を主催する回数を増やし,調理に関する学習活動が継続して行われるよう,学習グループの形成・育成の促進を図ることとした。
 その結果,平成30年度に広島市中野公民館が主催した事業の数は,対前年度比で1事業(1回)増加している。
 今後も,指定管理者と協議した上で,事業を工夫しながら実習室の利用促進に取り組んでいく。

(11) (広島市中野公民館)私物を預かる行為について
(所管課:市民局生涯学習課)

監査の意見
対応の内容

 広島市中野公民館に設置されている会議室1には,ノートパソコンを含む,利用グループの私物を預かっている事案が見受けられた。
 同公民館が利用グループの私物を預かる行為については,これを規律するルールを定めないままに行われていることから問題があるが,長年にわたり慣習として行われてきたこと,諸室の利用を提供するサービスに付随するものとも考え得ることから,一律に違法性を帯びるとまではいえない。しかしながら,利用グループの私物を預かる行為の目的や態様によっては,同公民館を管理運営する上で,看過できない弊害が生じるから,指定管理者においては,私物を預ける利用グループとの協議をもってルールを定め,これに従った指導をされたい。
 ノートパソコンなどの高価品については,盗難や毀損の際に管理責任の問題が生じ得ることから,指定管理者においては,ルールを定めた上で,利用グループに持ち帰らせるよう,あるいは管理責任を問わない旨の差入書等を提出させるよう,指導されたい。

 監査の意見を受け,平成30年2月に本市から指定管理者に対し,公民館が利用グループの私物を預かる際のルールを定めるよう指示した。
 これを受けて,指定管理者は,各館の運営上やむを得ず私物を置かせる際に公民館と利用グループの間で明確にしておくべき運用上のルールを定めるとともに,平成30年6月に,各公民館に対し,当該運用上のルールに基づき私物を管理するよう通知した。
 広島市中野公民館では,上記の運用上のルールに加え,更にルールを定め,平成31年2月に利用グループへの通知をし,その周知徹底を図った。
 今後,利用グループが継続的に置いている物品の管理状況に留意し,施設の適正な管理運営に努める。

(12) (広島市八幡公民館)実習室について
(所管課:市民局生涯学習課)

監査の意見
対応の内容
 広島市八幡公民館に設置されている実習室は,調理台や食器棚が据え付けられており,もっぱら調理室として利用する目的で設置されたものであるが,その延べ利用者数は年間約800人,その稼働率は約14パーセントと低迷しており,調理室としての利用を通じて生活文化の向上等を図るという所期の効果を十分もたらしていない事案が見受けられた。
 社会教育法第20条は,公民館は,市町村その他一定区域内の住民のために,実際生活に即する教育,学術及び文化に関する各種の事業を行い,もって住民の教養の向上,健康の増進,情操の純化を図り,生活文化の振興,社会福祉の増進に寄与することを目的とすると定め,同法第22条第2号は,この目的達成のために行う事業のひとつとして,討論会,講習会,講演会,実習会,展示会等を開催することを掲げているところ,実習室での活動は,生活に即した調理方法等を学ぶ場としてだけでなく,食を通じた世代間交流や地域のつながりづくりの推進など地域福祉の増進に寄与するものである。指定管理者においては,調理に関する事業へのさらなる取組に努められたい。

 監査の意見を受け,平成30年2月に本市から指定管理者に対し,公民館における調理に関する事業の推進を指示した。
 この指示を受けて,指定管理者においては,調理に関する事業を主催する回数を増やし,調理に関する学習活動が継続して行われるよう,学習グループの形成・育成の促進を図ることとした。
 その結果,平成30年度の実習室の稼働率は,対前年度比で2.3%増加している。
 今後も,指定管理者と協議した上で,事業を工夫しながら実習室の利用促進に取り組んでいく。

(13) (広島市八幡公民館)和室2について
(所管課:市民局生涯学習課)

監査の意見
対応の内容

 広島市八幡公民館に設置されている和室2は,その広さは15畳であり,その構造としては,電気炉,床の間,水屋が据え付けられており,もっぱら茶室として利用する目的で設置されたものであるが,その延べ利用者数は年間約300人,その稼働率は約6パーセントと極めて低迷しており,茶室としての利用を通じて生活文化の向上等を図るという所期の効果を十分もたらしていない事案が見受けられた。
 茶道は,実際生活に即する文化であり,生活文化の振興に寄与するという公民館の設置目的に適っている。公民館の設置目的に適った特定の利用目的を想定して諸室を設計し設置することは,近隣の住民のニーズに合致する限りにおいて正当である。しかしながら,半世紀以上にわたる建物のライフサイクルの間には,そのニーズは変化し,また新たなニーズが生じる。例えば,平成29年7月26日時点で,広島市八幡公民館の学習グループは36あるが,茶道に関する学習グループはなく,その余の学習グループの活動内容は,極めて多種多様である。和室2が,これを設計し設置した所期の効果を十分もたらしていない原因は,このような住民ニーズの変化を想定していなかったところにある。
 茶道に関する学習グループがない状況等に鑑みると,指定管理者において,茶道に関する事業のさらなる取組に努めても,和室2の利用状況の改善は期待できず,さりとて,和室2は,その広さを含めた構造上,汎用性に乏しく,茶室としての利用以外の目的での利用には適していない。広島市においては,今後,建物を更新するのであれば,茶室に特化した和室の整備については極めて慎重に検討されたい。また,多様なニーズに対応するため,多目的での利用ができる汎用性のある諸室の設置に努められたい。

 公民館の更新については,平成29年2月に策定した広島市公共施設等総合管理計画で,地域の実情に即して利用者の利便性の向上を図ることなどを地域住民とともに検討することとしている。
 そこで,監査の意見を踏まえ,広島市八幡公民館の建物を更新する際には,茶室に特化した和室を整備するのではなく,和室としての機能を最大限発揮できるよう,様々な使用形態を想定しつつ,地域住民とともに検討する。

(14) (広島市楽々園公民館)和室2について
(所管課:市民局生涯学習課)

監査の意見
対応の内容

 広島市楽々園公民館に設置されている和室2は,その広さは14畳であり,その構造としては,電気炉,床の間,水屋が据え付けられており,もっぱら茶室として利用する目的で設置されたものであるが,その延べ利用者数は年間約800人,その稼働率は約20パーセントと低迷しており,茶室としての利用を通じて生活文化の向上等を図るという所期の効果を十分もたらしていない事案が見受けられた。
 茶道は,実際生活に即する文化であり,生活文化の振興に寄与するという公民館の設置目的に適っている。公民館の設置目的に適った特定の利用目的を想定して諸室を設計し設置することは,近隣の住民のニーズに合致する限りにおいて正当である。しかしながら,半世紀以上にわたる建物のライフサイクルの間には,そのニーズは変化し,また新たなニーズが生じる。例えば,平成29年8月2日時点で,広島市楽々園公民館の学習グループは53あるが,茶道に関する学習グループは1であり,その余の学習グループの活動内容は,極めて多種多様である。和室2が,これを設計し設置した所期の効果を十分もたらしていない原因は,このような住民ニーズの変化を想定していなかったところにある。
 茶道に関する学習グループ数が1である状況等に鑑みると,指定管理者において,茶道に関する事業のさらなる取組に努めても,和室2の利用状況の改善は期待できず,さりとて,和室2は,その広さを含めた構造上,汎用性に乏しく,茶室としての利用以外の目的での利用には適していない。広島市においては,今後,建物を更新するのであれば,茶室に特化した和室の整備については極めて慎重に検討されたい。また,多様なニーズに対応するため,多目的での利用ができる汎用性のある諸室の設置に努められたい。

 公民館の更新については,平成29年2月に策定した広島市公共施設等総合管理計画で,地域の実情に即して利用者の利便性の向上を図ることなどを地域住民とともに検討することとしている。
 そこで,監査の意見を踏まえ,広島市楽々園公民館の建物を更新する際には,茶室に特化した和室を整備するのではなく,和室としての機能を最大限発揮できるよう,様々な使用形態を想定しつつ,地域住民とともに検討する。

 

平成27年度包括外部監査の意見に対する対応結果の公表(健康福祉局)

1 監査意見公表年月日
 平成28年2月3日(広島市監査公表第3号)
2 包括外部監査人
 村田 賢治
3 監査意見に対する対応結果通知年月日
 令和2年2月4日(広高高第179号)
4 監査のテーマ
 高齢者施策に関する事務の執行について
5 監査の意見及び対応の内容

生活支援ハウスの運営委託費について
(所管課:健康福祉局高齢福祉部高齢福祉課)

監査の意見の要旨
対応の内容

 生活支援ハウスについて,現に6名の入居者がいる実態からも広島市が当該施設を有する意義はあるものの,広島市内に定員6名の施設が1つしか設置されておらず,サービスを受けることができる者が6名に限定されている。また,入居者が光熱水費,食費などの生活費を負担しているにもかかわらず,居住費相当の運営委託費が,一人当たり毎月11万円程度(注)となっている。年間では約8百万円を負担しているが,現状,広島市はこれらの金額の妥当性を検証していない。生活支援ハウスの運営委託費は広島市が100%を負担しているのであるから,居住費相当の運営委託費が一人当たり毎月11万円程度になることや,年間8,361,000円という基準額に関して,広島市においてその妥当性を検証し,さらに,運営委託業者と価格交渉をすることなどによって,委託料の引き下げの可能性を検討すべきである。しかし,広島市において,これまでこのような取組みを実施した文書は確認できなかった。
 広島市は生活支援ハウスに関して,居住費相当の毎月の一人当たり運営委託費及び委託金額の妥当性を検証し,運営委託業者と価格交渉をすることなども含め,委託金額の引き下げの可能性を検討されたい。
(注)たとえば,平成26年度では,
 7,929,460円÷6人÷12か月≒11万円

 本市では,生活支援ハウスの運営事業費が,平成17年度まで国庫補助の対象であったことから,当時の国庫補助基準額をもって運営に係る基準額として設定した上で,そこから利用者負担額を控除した金額を運営委託費として負担してきたところである。
 監査の意見を受けて,まず,この基準額の妥当性を検証するため,入所対象者が類似する養護老人ホーム及び軽費老人ホームの運営に係る基準額との比較を行うとともに,本市と同様に生活支援ハウスを運営している政令指定都市(9市)における運営委託費の状況についても調査を行った。
 その結果,生活支援ハウスと養護老人ホーム及び軽費老人ホームとの比較については,定員を生活支援ハウスと同じ6名としてそれぞれ運営に係る基準額を積算して比較したところ,生活支援ハウスの基準額が,養護老人ホーム及び軽費老人ホームの基準額を下回っており,また,他の政令指定都市の状況についても,国庫補助の対象でなくなった平成18年度以降,いずれの都市も本市と同様に国庫補助基準額をもって運営に係る基準額としており,これを見直して減額した都市はなかったことから,本市の基準額については,高額で妥当性を欠いているという状況にはなかったことを確認した。
 さらに,従来,基準額から利用者負担額を控除した額を運営委託費としてきたが,運営委託費の引き下げを図るため,平成31年度の契約から,基準額を上限として,事業計画に基づき年4回に分けて概算払した後,年度末に受託業者から提出される年間事業実績報告書に基づき当該運営業務に係る実支出額の内訳を精査・確認し,これにより確定した額で精算するよう支払方法を見直した。
 今後とも,適宜,必要な見直しを行いながら,生活支援ハウスの運営委託を適切に実施していく。

 

平成28年度包括外部監査の結果に基づいて講じた措置等の公表(こども未来局)

1 監査結果及び監査意見公表年月日
 平成29年2月3日(広島市監査公表第2号)
2 包括外部監査人
 福田 浩
3 監査結果に基づいて講じた措置及び監査意見に対する対応結果通知年月日
 令和2年2月6日(広こ家第526号)
4 監査のテーマ
 未収金及び貸付金の管理及び回収に係る事務の執行について
5 監査の結果(指摘事項)及び措置の内容並びに監査の意見及び対応の内容

 【監査の結果】

(1) 広島市母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付(貸付の相談・指導について)
(所管課:こども未来局こども・家庭支援課)

監査の結果
措置の内容

 母子・父子・寡婦福祉資金貸付金事務処理の手引きは、対象者から貸付の相談を受けたら、貸付が必要な理由、生活状況、必要とする貸付金額等を詳しく聴取し、貸付資格・要件、償還方法等貸付制度の理解を求めるとし、償還方法については、償還額計算表を作成し、一回の償還額を提示して理解を求めると定めている(手引き33ページ)ところ、償還額計算表は、これを作成している区役所厚生部保健福祉課と作成していない区役所厚生部保健福祉課があり、また作成している区役所厚生部保健福祉課においても、貸付の相談・指導の段階ではなく、借用書の提出の直前の段階で作成している事例が見受けられるなど、貸付の相談・指導の段階での、償還額計算表の作成と、これに基づく将来の償還計画を示しての償還指導は徹底されていなかった。
 平成23年度広島市定期監査において、「将来の償還計画を示して、借主の世帯総収入及び必要生活費から見た償還能力を踏まえ、十分な指導を行うべき」、「特に、貸付総額が高額になる修学資金の貸付に当たっては、(1)借主に対して償還計画に基づく償還額やその償還能力について十分に認識させた上で」貸付を行うことが必要であるとの監査の意見が提出され、これを受けて、申請書が提出される前に、対象者からの貸付の相談を受け、対象者を指導することが定められたこと、償還額計算表に基づく貸付の相談・指導は、償還期間及び毎月の償還金額を具体的な数値をもって提示し、償還能力を判断するほか、対象者に返済義務を負うことの適否を検討させる、毎月の収支を認識させることによって償還に対する自覚を促すという重要な役割があることからすると、貸付の相談・指導の段階での、償還額計算表の作成と、これに基づく将来の償還計画を示しての償還指導が徹底されていなかったことは重大であり、手引き違反を是正すべきである。

 包括外部監査の結果を受けて、貸付けの相談・指導の段階で、償還額計算表により1回当たりの償還金額を提示した上で、償還指導を徹底することとし、その旨を「母子・父子・寡婦福祉資金貸付金事務処理の手引き」(以下「手引」という。)に明記した。
 また、職員が対象者の償還能力を判断する参考とするため、「母子・父子・寡婦福祉資金窓口聞き取り票(以下「窓口聞き取り票」という。)」に、(1)貸付を希望する金額、(2)その場合の1回当たりの償還金額と償還期間、(3)償還能力(収支の確認)、(4)市税等の納付状況の項目を追加し、これらの項目を確認するとともに、窓口聞き取り票を基に貸付資格を的確に判定するため、「母子・父子・寡婦福祉資金貸付適格者チェックリスト」(以下「チェックリスト」という。)を新たに作成した。
 さらに、「母子・父子・寡婦福祉資金貸付金事務処理チェックシート」(以下「チェックシート」という。)を新たに作成して、貸付事務における項目別のチェックポイントを明らかにした。具体的には、チェックシートの中で「窓口聞き取り票」及び「償還額計算表」のチェック項目を設定して、手引どおりの事務が行われているかどうか、複数の職員で確認することとした。
 こうした対応に加えて、各区役所厚生部保健福祉課(平成30年度から、東区役所にあっては、福祉課。以下「保健福祉課等」という。)の課長、担当係長、担当者等を対象とした研修を定期的に実施し、チェックシート等を利用して手引に基づいた事務処理を行うよう徹底を図っている。

(2) 広島市母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付(面接について)
(所管課:こども未来局こども・家庭支援課)

監査の結果
措置の内容

 母子・父子・寡婦福祉資金貸付金事務処理の手引きは、貸付の申請を受け付ける前の面接、貸付の申請を受け付けた後の貸付審査会での審査を経て、貸付の承認又は不承認を決定するものとし、この面接については、申請書等の受理までの間に、原則として、申請者、連帯借主となる子及び連帯保証人の全ての者との間で来所面接を行うと定めている(手引き46ページ)ところ、連帯借主となる子については、県外の大学等へ進学した場合等で来庁が難しいケースの場合には、来所面接も、電話による面接も行っていないという事例が多数見受けられ、連帯保証人については、電話による面接を原則とし、来所面接を要しないとする運用が見受けられるなど、申請書等の受理までの間に原則として行うこととされている連帯借主となる子及び連帯保証人に対する来所面接は徹底されていなかった。
 申請書等の受理までの間に、連帯借主となる子及び連帯保証人との間で来所面接を行い、これらの者に対し、事前に償還に関する説明を十分に行い、自らが債務を負担することを自覚させ、将来の償還への意識付けを行うことは重要であるから、手引き違反を是正すべきである。

 包括外部監査の結果を受けて、貸付の申請を受け付ける前の面接は、来所を要することを原則とし、やむを得ない理由により来所が困難な場合に限り、電話による面接も可能であることについて、保健福祉課等へ改めて周知徹底を図った。電話による場合、連帯借主又は連帯保証人に対し、借主と同等の債務を負うことを自覚させるため、その旨の説明を十分に行うこととし、また、当該説明について前記1の⑴のイの手引に明記した。
 さらに、前記1の⑴のイのチェックシートに「来所面接」のチェック項目を設定して、手引どおりの事務が行われているかどうか、複数の職員で確認することとした。
 こうした対応に加えて、保健福祉課等の課長、担当係長、担当者等を対象とした研修を定期的に実施し、チェックシート等を利用して手引に基づいた事務処理を行うよう徹底を図っている。

(3) 広島市母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付(保証人の徴求について)
(所管課:こども未来局こども・家庭支援課)

監査の結果
措置の内容

 広島市母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付事務取扱要領は、原則として、連帯保証人の設定を求めるものと定め(要領第9条第1項、第3項)、これを受けて、母子・父子・寡婦福祉資金貸付金事務処理の手引きは、原則として連帯保証人を1名立てる必要があると定める一方で、連帯保証人の徴求について、連帯保証人が立てられない場合について相当に複雑な規定を定めている(手引き6ページ以下)ところ、連帯保証人を立てられない事案において、母や父の就労状況や収支状況等の申立て及び児童(子)の償還に対する意思について誓約書の提出がないにもかかわらず、連帯保証人なしで貸し付けている事例が見受けられ、なお全区役所の厚生部保健福祉課を俯瞰すると、連帯保証人が立てられている割合が1割程度の区役所厚生部保健福祉課もあれば、その割合が9割程度の区役所厚生部保健福祉課もあり、その余の区役所厚生部保健福祉課においても、連帯保証人が立てられている割合は様々であった。
 平成27年度における母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付金の収入未済額は約6億6,500万円であり、その収納率は約40.6パーセントであるところ、主たる債務者と連帯して、もし主たる債務者が債務を履行しないときには、主たる債務者に代ってその債務を履行する旨の債務を負担する連帯保証人が果たす人的担保の機能は、物的担保を徴求しない母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付金の円滑な回収の観点から極めて重要である。
 また、連帯保証人が立てられている割合が1割程度の区役所厚生部保健福祉課もあれば、その割合が9割程度の区役所厚生部保健福祉課もあり、その余の区役所厚生部保健福祉課においても、連帯保証人が立てられている割合は様々であったことは、保証人の徴求について統一的な事務が執行されていないことを優に推認させるが、平成23年度広島市定期監査において提出された監査の意見を受けた対応結果の中で、「今後も、継続的に、貸付事務の担当者等を対象とした統一的な事務処理等についての研修を実施することとしている。また、毎月開催されている児童福祉係長会議の場においても、貸付け時の相談対応や償還指導等について、統一的な取扱いとなるよう、情報交換を密にすることとしている。」と述べられているとおり、保証人の徴求についても統一的な事務が執行されるべきであり、行政サービスを受ける側に立っても、いずれの区役所厚生部保健福祉課においても同じ取扱いがされるべきであることはいうまでもない。
 これらの点からして、全ての区役所厚生部保健福祉課において、広島市母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付事務取扱要領及び母子・父子・寡婦福祉資金貸付金事務処理の手引きが原則として連帯保証人の設定を求めるルールを徹底した事務を執行すべきである。

 包括外部監査の結果を受けて、全区役所で統一的な事務の執行がされるよう、やむを得ず連帯保証人が立てられない場合の貸付資格を判定する項目を設定した前記1の⑴のイのチェックリストを利用して貸付資格の判断をすることとし、その旨を前記1の⑴のイの手引に明記した。
 また、連帯保証人の要件を確認する「連帯保証人の資格要件確認書」の様式を変更し、当該要件を備え、連帯して債務を保証する意思があることを自ら示させることで、連帯保証人の保証能力を担保させることとした。
 さらに、前記1の⑴のイのチェックシートに「連帯保証人の扱い」のチェック項目を設定して、手引どおりの事務が行われているかどうか、複数の職員で確認することとした。
 こうした対応に加えて、保健福祉課等の課長、担当係長、担当者等を対象とした研修を定期的に実施し、チェックシート等を利用して手引に基づいた事務処理を行うよう指導している。

(4) 広島市母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付(申請者の収入要件等(広島市母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付制度の 貸付金の償還を現に滞納している者)について))
(所管課:こども未来局こども・家庭支援課)

監査の結果
措置の内容

 母子・父子・寡婦福祉資金貸付金事務処理の手引きは、広島市母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付金を滞納している者は、原則として貸付の対象外として取り扱うこととし、ただし申請する資金種類が連帯借主を要するもので、その連帯借主に確実な償還が見込める場合は、この限りではないとし、ただその際には原則として連帯保証人を付すことを条件とすると定め、母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付金に滞納があるときについては、過去1年以上分割納付を継続している場合に限り、連帯保証人を立てることを条件として、貸付の対象とすると定めている(手引き9ページ)ところ、広島市母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付金制度の貸付金の償還の滞納の有無については、福祉情報システムにより調査しているが、滞納がある場合であっても、過去1年以上分割納付を継続しているかどうかについては確認しないまま、連帯保証人を立てずに貸付の対象としている事例が見受けられた。
 貸付金の償還を現に滞納している者について、原則として貸付の対象外として取り扱う趣旨は、広島市母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付制度の円滑な運用及び債権の保全を図ることにあるが、加えて、現に貸付金の償還に滞納がある者に対して、さらなる債務を負わせて生活がさらに困窮することのないようにする福祉的配慮も必要であるから、手引き違反を是正すべきである。

 包括外部監査の結果を受けて、前記1の⑴のイのチェックリストに貸付金の償還を現に滞納している者への貸付資格を判定する項目を設定した。
 また、前記1の⑴のイのチェックシートに「滞納の有無」及び「滞納の場合の事務処理」のチェック項目を設定して、前記1の⑴のイの手引どおりの事務が行われているかどうか、複数の職員で確認することとした。
 さらに、全区役所で統一的な事務の執行がされることをより徹底するため、滞納がある継続貸付申請者に対しては、継続申請までに滞納分の償還をしなければ、原則、継続貸付けができない旨を、改めて保健福祉課等に注意喚起するとともに、滞納がある継続貸付申請者に対して通知した。
 こうした対応に加えて、保健福祉課等の課長、担当係長、担当者等を対象とした研修を定期的に実施し、チェックシート等を利用して手引に基づいた事務処理を行うよう指導している。

(5) 広島市母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付(償還口座の設定について)
(所管課:こども未来局こども・家庭支援課)

監査の結果
措置の内容

 償還指導事務マニュアルは、継続資金(就学支度資金を含む。)について、継続申請書提出時、金融機関へ提出した「広島市母子・父子・寡婦福祉資金償還金口座振替依頼書」の本人控えの提示がなければ、原則として継続貸付決定をすることができないとし、どうしても口座振替が困難な場合は、「口座振替できない場合の申立書」を確認し、やむを得ないと判断される場合は、提示があったものとみなして取り扱うものと定めている(マニュアル1ページ)ところ、金融機関へ提出した「広島市母子・父子・寡婦福祉資金償還金口座振替依頼書」の本人控えの提示がなかったが、「口座振替できない場合の申立書」の提出を受けず、これを確認しないまま、支払をしている事例が多数見受けられた。
 口座振替による母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付金の償還は、その償還率を高めるための有力な手段であると考えられ、「広島市母子・父子・寡婦福祉資金償還金口座振替依頼書」の本人控えの提示がなければ、原則、支払ができないこととしているのは、口座振替による償還を促進するためであるから、マニュアル違反を是正すべきである。

 包括外部監査の結果を受けて、滞納者のうち口座振替を行っていない者に対し、督促状等を送付する際に「口座振替依頼書」を同封し、口座振替登録を行うよう指導した。また、全区役所で統一的な事務の執行がされることをより徹底するため、同登録を行っていない継続申請者に対しては、申請書を提出する際に同依頼書の本人控えの提示を受けなければ、原則、支払ができない旨を、改めて保健福祉課等に周知を図るとともに、滞納がある継続貸付申請者に対して通知した。
 また、前記1の⑴のイのチェックシートに「償還口座の設定」のチェック項目を設定して、前記1の⑴のイの手引どおりの事務が行われているかどうか、複数の職員で確認することとした。
 こうした対応に加えて、保健福祉課等の課長、担当係長、担当者等を対象とした研修を定期的に実施し、チェックシート等を利用して手引に基づいた事務処理を行うよう指導している。
 なお、口座振替登録を促進するため、口座振替の申込手続をインターネット上から行うことのできる「WEB口座振替受付サービス」を平成30年10月から開始し、広報紙等で周知を図っている

(6) 広島市母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付(一部の繰上償還について)
(所管課:こども未来局こども・家庭支援課)

監査の結果
措置の内容

 母子及び父子並びに寡婦福祉法施行令は、母子福祉資金貸付金等の貸付を受けた者は、いつでも繰上償還をすることができると定め(施行令第8条第3項但書、第31条の6第3項但書、第37条第3項但書)、これを受けて、広島市母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付事務取扱要領は、償還未済額の一部を支払期日前に償還する場合は、償還方法の変更として処理すると定めている(要領第37条第1項)ところ、貸付を受けた者から償還未済額の一部を繰上償還したい旨の申入れがあったが、福祉情報システムで償還方法の変更の事務を処理することに支障があるため、この申入れを断っている事例が多数見受けられた。
 このことは、母子及び父子並びに寡婦福祉法施行令及び広島市母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付事務取扱要領の定めに抵触するのみならず、利子を徴している貸付金の貸付を受けた者に対しては、償還未済額の一部の繰上償還により免れることができたはずの利子の負担という経済的不利益を課すものであり、広島市にとっては、償還未済額の一部の繰上償還により回避することができたはずの回収リスクを残すものである。したがって、償還方法の変更の事務が処理できるよう福祉情報システムを改修するなどして、償還未済額の一部の繰上償還の事務を執行すべきである。

 包括外部監査の結果を受けて、償還未済額の一部の繰上償還に対応することができるよう福祉情報システムを改修し、平成29年10月から償還未済額の一部の繰上償還を可能とした。また、同償還対応に係る調定金額の計算方法等について、前記1の⑴のイの手引に追記した。
 さらに、前記1の⑴のイのチェックシートに「一部繰上償還の対応」のチェック項目を設定して、手引どおりの事務が行われているかどうか、複数の職員で確認することとした。
 こうした対応に加えて、保健福祉課等の課長、担当係長、担当者等を対象とした研修を定期的に実施し、チェックシート等を利用して手引に基づいた事務処理を行うよう指導している。

(7) 広島市母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付(時効中断措置について)
(所管課:こども未来局こども・家庭支援課)

監査の結果
措置の内容

 広島市債権管理事務取扱規則は、債権が時効によって消滅することとなるおそれがあるときは、時効を中断するために必要な措置をとらなければならないと定め(規則第17条第5項)、これを受けて、償還指導事務マニュアルは、償還期間経過後の滞納について、一括返済が困難な場合は、「債務承認書」及び「未償還金償還計画書」を提出させ、分割の納付書を発行すると定めているが(マニュアル2ページ)、「債務承認書」を提出させる償還指導が行われていないなど、時効を中断するために必要な措置は、督促を除いてとられていなかった。
 債権を時効によって消滅させる財政的損失を回避する観点のみならず、誠実に償還している債務者との公平を保つためにも、規則違反及びマニュアル違反を是正すべきである。

 包括外部監査の結果を受けて、事務の適正化及び効率化を図るため、「母子・父子・寡婦福祉資金債務承認書」及び「母子・父子・寡婦福祉資金未償還金償還計画書」について、「母子・父子・寡婦福祉資金債務承認書」として一つの様式とし、滞納分を分割納付する際はこれを記入させた上で分割の納付書を作成する旨を前記1の⑴のイの手引に明記した。
 また、前記1の⑴のイのチェックシートに「時効の中断措置」のチェック項目を設定して、手引どおりの事務が行われているかどうか、複数の職員で確認することとした。
 こうした対応に加えて、保健福祉課等の課長、担当係長、担当者等を対象とした研修を定期的に実施し、チェックシート等を利用して手引に基づいた事務処理を行うよう指導している。
 なお、滞納者のうち児童扶養手当の受給者については、同手当現況届の手続のために各区役所へ来庁する8月1日から31日までの期間を捉えて、「債務承認書」を提出するよう償還指導を行うこととした。

(8) 広島市母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付(償還事務について)
(所管課:こども未来局こども・家庭支援課)

監査の結果
措置の内容

 広島市債権管理事務取扱規則、広島市母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付事務取扱要領、母子・父子・寡婦福祉資金貸付金事務処理の手引き及び償還指導事務マニュアルは、債権回収に直接関係する債権管理事務について詳細に定めているにもかかわらず、未償還者に対する償還指導、連帯保証人への償還指導、強制執行、保全措置等債権回収に直接関係する債権管理事務は、督促状及び催告書の送付を除き、ほぼ執行されていなかった。 
 広島市母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付金の収入未済額は、平成23年度には約5億3,800万円であったものが、平成27年度には約6億6,500万円へと増加の一途をたどっているばかりか、平成27年度の収納率は、現年分は約85.1パーセントであり、滞納繰越分は約6.7パーセントであって、いずれも平成23年度以来改善がみられないという財政的見地からも、また誠実に償還している債務者との公平を保つ見地からも、是正の必要がある。
 しかしながら、実効性のある債権回収業務を行うためには相応のマンパワーと専門的知識が必要であるところ、現実問題として、母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付金に関する債権回収事務を取り扱う各区役所厚生部保健福祉課の職員の人員では、必要かつ十分な債権回収事務を執行することは困難であると見受けられる。
 そこで、母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付金を含む貸付債権や非強制徴収に係る未収金等の債権の管理及び回収を一元的に扱う専門部署を設置する、あるいは、埼玉県、群馬県、広島県、大阪市、京都市、鹿児島市等において、母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付金の未収金の債権回収業務を外部に委託している事例を踏まえ、債権回収会社や法律事務所等の外部の専門家へ委託するなどして、債権回収に直接関係する債権管理事務についての規則違反、要領違反、手引き違反及びマニュアル違反を是正すべきである。

 包括外部監査の結果を受けて、平成30年10月に弁護士法人と債権回収等業務委託契約を締結し、同年3月時点でおおむね「債権額100万以上で1年以上納付実績がない者」及び「債権額50万円以上で納付折衝が困難な者」の債権を中心に、外部委託による債権回収業務を開始した。今後も、債権回収業務の外部委託の範囲の拡大など有効かつ効率的な債権管理事務の執行方法や体制づくりについて検討していく。

 【監査の意見】

(1) 広島市母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付(申請者の収入要件等(租税の支払を現に滞納している者)について)
(所管課:こども未来局こども・家庭支援課)

監査の意見
対応の内容

 広島市母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付事務取扱要領は、租税の支払を現に滞納している者については、原則として貸付の対象外として取り扱うものとし、ただし申請する資金の種類が修学資金等連帯借主の加わる資金でその連帯借主に償還が見込める場合やその他特別な事情がある場合はこの限りでないと定めている(要領第8条第4項)ところ、租税の支払の滞納の有無については、滞納管理システムで確認することは可能であるが、担当職員がこれにアクセスすることに支障があるため、申請者からの申告に基づいて租税の支払の滞納の有無について調査しており、租税の支払の滞納はないと申告された場合には、この滞納がないものとして取り扱っていた。
 租税の支払を現に滞納している者について、原則として貸付の対象外として取り扱う趣旨は、広島市母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付制度の円滑な運用及び債権の保全を図ることにあるが、加えて、現に租税の支払に滞納がある者に対して、さらなる債務を負わせて生活がさらに困窮することのないようにする福祉的配慮も必要であるから、租税の支払の滞納の有無については厳格に調査すべきところ、貸付を希望する対象者に対し、租税の支払の滞納があるという貸付が難しくなる方向に働く事実を正しく申告することは期待できないから、申請者から納税証明書を提出させ、これに基づいて租税の支払の滞納の有無について調査されたい。

 包括外部監査の意見を受けて、新規貸付申請書に添付する証票として「市税の滞納がない証明書」を提出させることとし、その旨を前記1の⑴のイの手引に明記した。
 また、前記1の⑴のイのチェックシートに「添付書類の確認」のチェック項目を設定して、手引どおりの事務が行われているかどうか、複数の職員で確認することとした。
 こうした対応に加えて、保健福祉課等の課長、担当係長、担当者等を対象とした研修を定期的に実施し、チェックシート等を利用して手引に基づいた事務処理を行うよう指導している。

(2) 広島市母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付(日本学生支援機構から奨学金の貸与を受けている者について)について
(所管課:こども未来局こども・家庭支援課)

監査の意見
対応の内容

 広島市母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付事務取扱要領は、日本学生支援機構から奨学金の貸与を受けている者については、当該奨学金の貸与月額と広島市母子及び父子並びに寡婦福祉資金の修学資金の貸付限度額との差額を限度として、貸し付けることができると定めている(要領第14条第3号)ところ、申請者からの申告に基づいて、日本学生支援機構から奨学金の貸与を受けているかどうか、受けている場合にはその貸与月額はいくらかについて調査しており、日本学生支援機構から奨学金の貸与を受けていないと申告された場合には、受けていないものとして取り扱われていた。
 日本学生支援機構から奨学金の貸与を受けている者については、当該奨学金の貸与月額と広島市母子及び父子並びに寡婦福祉資金の修学資金の貸付限度額との差額を限度として、貸し付けることができると定める趣旨は、学校の種別や通学方法などによって、就学させるのに直接必要な授業料、書籍代、通学費等に充てる資金の貸付限度額を細分化して、厳に必要な限度の貸付を行うことによって、過大な債務を負わせて生活が困窮することのないようにする福祉的配慮にあり、日本学生支援機構から奨学金の貸与を受けているかどうか、受けている場合にはその貸与月額はいくらかについては厳格に調査することが望ましいが、貸付を希望する申請者に対し、貸付が難しくなる方向に働く事実を正しく申告することは期待できない。
 そこで、申請者から承諾書を徴求した上で、日本学生支援機構に対し奨学金の貸与の有無、貸与を受けている場合にはその貸与月額を照会されたい。また、日本学生支援機構に対する照会が事実上困難な場合には、少なくとも、申請者に対し、後日、日本学生支援機構からの奨学金の貸与が明らかになった場合には、修学資金の返還を約する旨の誓約書を徴求されたい。

 包括外部監査の意見を受けて、「母子父子寡婦福祉資金貸付金(修学資金)に係る貸付基準確認のための誓約書兼同意書」を新たに作成し、申請時に提出を求めることした。また、同誓約書兼同意書に基づき、日本学生支援機構に対して、年2回、奨学金貸与の有無及び金額を照会し、その結果、同機構からの奨学金の貸付が明らかになった場合は、修学資金を返還させることとし、その旨を前記1の⑴のイの手引に明記した。
 また、前記1の⑴のイのチェックシートに「添付書類の確認」のチェック項目を設定して、手引どおりの事務が行われているかどうか、複数の職員で確認することとした。
 こうした対応に加えて、保健福祉課等の課長、担当係長、担当者等を対象とした研修を定期的に実施し、チェックシート等を利用して手引に基づいた事務処理を行うよう指導している。

(3) 広島市母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付(修学資金の貸付について)
(所管課:こども未来局こども・家庭支援課)

監査の意見
対応の内容

 広島市母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付規則は、修学資金の貸付を受けようとする者は、申請書に「在学証明書」ほかの書類を添えて市長に申請しなければならないと定めている(規則第2条第1項、第23条第1項、第25条第1項)ところ、大学に進学するに際し、合格発表直後に入学金や授業料を納付しなければならなかったため、民間の金融機関から資金を借り入れてこれらを納付し、入学してから在学証明書を取得して修学資金の貸付を申請している事例が見受けられた。
 「在学証明書」ほかの書類が添付された申請に基づき、その内容を審査し貸付を決定するのは規則の定めるところに準拠した事務の執行であるが、「母子及び父子並びに寡婦福祉法による福祉資金貸付金(以下「母子父子寡婦福祉資金貸付金」という。)の修学資金及び就学支度資金については、経済的理由により修学が困難なひとり親家庭の児童等の進学を容易にする観点から設けられておりますが、これらの資金の貸付については、都道府県等における貸付審査に一定の期間を要するため、ひとり親家庭等への修学資金等の支払いが高等学校等の学費の納付期限に間に合わず、ひとり親家庭等が資金繰りに苦慮しているといった指摘があります。つきましては、各都道府県等におかれましては、これらの資金の貸付につきまして、願書の提出段階から事前の審査を受け付けるなど円滑な貸付の実施に努めていただくようお願いします。」との厚生労働省雇用均等・児童家庭局家庭福祉課発出に係る事務連絡を踏まえ、各区役所厚生部保健福祉課においては、願書の提出段階から、資金計画を含む貸付の相談を受け付け、あるいは事前の審査を受け付けるなどの対応をとられたい。

 包括外部監査の意見を受けて、「母子父子寡婦福祉資金貸付金の修学資金等の円滑な貸付の実施について(平成27年6月29日厚生労働省雇用均等・児童家庭局家庭福祉課)」の事務連絡を改めて保健福祉課等へ示し、早期相談を受け付けていることを案内するよう指導した。
 また、前記1の⑴のイのチェックシートに「修学資金の事前審査」のチェック項目を設定して、前記事務連絡どおりの事務が行われているかどうか、複数の職員で確認することとした。
 あわせて、本市ホームページの母子・父子・寡婦福祉資金貸付金「手続き・相談窓口」の項目に、「特に、修学資金及び就学支度資金については、早い段階でご相談ください。」との案内文を追加し、早期相談を受け付けていることについて広く周知を図った。

(4) 広島市母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付(借用書について)
(所管課:こども未来局こども・家庭支援課)

監査の意見
対応の内容

 母子・父子・寡婦福祉資金貸付金事務処理の手引きは、貸付資金ごとに借用書とともに借主及び連帯保証人の印鑑証明書を速やかに提出させ、その有効性を確認し、借用書等は、償還金(違約金を含む。)完済時まで一括保管を行うと定めている(手引き51ページ)ところ、借用書については、国が定めた様式のものが使用されていたが、期限の利益喪失についての合意の定めがなく、また各区役所厚生部保健福祉課において保管されていたが、借主、連帯借主及び連帯保証人にその写しを交付していなかった。
 期限の利益喪失条項の定めについては、確かに、母子及び父子並びに寡婦福祉法施行令は、母子福祉資金貸付金等の貸付を受けた者が償還金の支払を怠った場合等には、当該母子福祉資金貸付金等の貸付を受けた者に対し、母子福祉資金貸付金等の全部又は一部につき一時償還を請求することができると定めている(施行令第16条、第31条の7、第38条)が、母子福祉資金貸付金等の貸付を受けた者に対し償還金の支払を怠った場合等には母子福祉資金貸付金等の全部又は一部につき一時償還を請求されることがあることを十分に認識させた上で借用書を提出させることが、確実な償還を期する観点から重要であるから、借用書に期限の利益喪失条項を定められたい。
 また、借主、連帯借主及び連帯保証人に対する借用書の写しの交付については、金銭消費貸借契約・保証契約の内容を、書面をもって確認させることが、確実な償還や確実な保証債務の履行を期する観点から重要であるから、借主、連帯借主及び連帯保証人に借用書の写しを交付されたい。

 包括外部監査の意見を受けて、借用書の裏面に借主、連帯借主及び連帯保証人の義務や期限の利益喪失などの「特約事項」を記載するよう様式を変更するとともに、借用書の写しを借主、連帯借主及び連帯保証人に交付することとし、その旨を前記1の⑴のイの手引に明記した。
 また、前記1の⑴のイのチェックシートに「借用書の取扱」及び「借主への説明」のチェック項目を設定し、手引どおりの事務が行われているかどうか、複数の職員で確認することとした。
 こうした対応に加えて、保健福祉課等の課長、担当係長、担当者等を対象とした研修を定期的に実施し、借主へ借用書の写しを手渡すときは「特約事項」を読み上げ、借主にその内容を確認させるとともに、借主自らが連帯借主及び連帯保証人へ借用書の写しを渡し、借主と同等の債務を負ったことを認識させるように指導している。

(5) 広島市母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付(償還金の支払猶予について)
(所管課:こども未来局こども・家庭支援課)

監査の意見
対応の内容

 母子・父子・寡婦福祉資金貸付金事務処理の手引きは、支払猶予の申し出があった場合でも、例えば修学中であれば、まずは在学期間中の償還月額を減額(償還期間の延長)することで対応できないか借主と話し合うなど、慎重に対応することと定めている(手引き68ページ以下)ところ、高等学校での修学資金の貸付を受けた者から、大学進学に伴い、高等学校での修学資金の償還金の一時的な支払猶予を求められたが、在学期間中の償還月額を減額(償還期間の延長)することで対応できないか借主と話し合うことなく、一時的な支払猶予を認める事例が多数見受けられた。
 個別に収支状況を把握した上で判断することなく、償還金の支払猶予を認めるということになれば、支払猶予の期間中は支出が減り、家計が一時的に楽になるという効果がある反面、支払猶予後の1回当たりの償還額が高額となり、償還できない場合には、違約金の負担も出てくることから、手引きに定めたところに従った事務を執行されたい。

 包括外部監査の意見を受けて、前記1の⑴のイのチェックシートに「支払猶予の扱い」のチェック項目を設定して、前記1の⑴のイの手引どおりの事務が行われているかどうか複数の職員で確認することとした。
 こうした対応に加えて、保健福祉課等の課長、担当係長、担当者等を対象とした研修を定期的に実施し、チェックシート等を利用して手引に基づいた事務処理を行うよう指導している。

(6) 広島市母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付(相続人調査について)
(所管課:こども未来局こども・家庭支援課)

監査の意見
対応の内容

 各区役所厚生部保健福祉課においては、借主、連帯借主又は連帯保証人が死亡した場合、死亡した者の相続人を特定するための戸籍調査等は、ほとんど実施されていなかった。
 金銭債務は、相続により当然に各相続人に法定相続分で承継されるのであり、借主、連帯借主又は連帯保証人が死亡した場合、死亡した者の戸籍調査等によって相続人を特定し、これらの者に対し、金銭債務を負担していることを通知するとともに支払を請求することは、貸付金の回収の観点から重要であるから、借主、連帯借主又は連帯保証人が死亡した場合、死亡した者の相続人を特定するための戸籍調査等を実施し、相続人に対して支払を請求されたい。

 包括外部監査の意見を受けて、前記1の⑴のイのチェックシートに「相続人調査」のチェック項目を設定して、前記1の⑴のイの手引どおりの事務が行われているかどうか複数の職員で確認することとした。
 こうした対応に加えて、保健福祉課等の課長、担当係長、担当者等を対象とした研修を定期的に実施し、チェックシート等を利用して手引に基づいた事務処理を行うよう指導している。

(7) 広島市母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付(督促及び催告について)
(所管課:こども未来局こども・家庭支援課)

監査の意見
対応の内容

 納入通知書、納付書、督促状及び催告状等の送付事務については、これらの送付量は年間合計約11万6,000通であり、各区役所厚生部保健福祉課において、職員が手作業で、催告状については、送付すべきではないものを抜き出し、督促状と催告状については、これらを三つ折りした上で、送付している実態が見受けられた。
 納入義務者の変更を福祉情報システムに反映して、職員が手作業で抜き出す作業をなくすなど、相当量の工数を要する納入通知書、納付書、督促状及び催告状等の送付作業の効率化を検討されたい。

 包括外部監査の意見を受けて、貸付番号順に福祉情報システムから出力される「引き抜き対象者リスト」(督促状等の出力後に納付した者宛の督促状等を抜き出すためのリスト)に氏名欄を新たに設け、50音順に出力された督促状等の抜き出し作業を容易にした。あわせて、送付用封筒の形状を縦長から横長に見直すことで、封入した通知書類の点検作業を容易にし、送付作業の効率化を図った。
 こうした対応に加えて、督促状等の抜き出し件数を減らすため、借主等の死亡等により納入義務者が変更になった場合は、前記1の⑴のイの手引に基づき、直ちにその変更内容を福祉情報システムに入力するよう保健福祉課等へ定期的に指導している。
 なお、本貸付事業の対象者が特に多い区については、健康福祉局障害福祉部障害自立支援課分室(通称ワークステーション)へ、通知書類の封入封かん作業を依頼し、事務負担の軽減を図っている。

(8) 広島市母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付(不納欠損について)
(所管課:こども未来局こども・家庭支援課)

監査の意見
対応の内容

 広島市母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付事務取扱要領は、償還金に係る債務について、民法第167条第1項に規定する10年の消滅時効期間が経過し、かつ債務者が時効の援用をしている等のときは、償還金の不納欠損の処理を行うことができると定めている(同要領第51条第1項)ところ、償還金に係る債務について10年の消滅時効期間が経過している案件、債務者の生活困窮や失踪等によっておよそ回収見込みがないものと認められる案件などを長期間管理しているが、不納欠損の処理は行われていなかった。
 およそ回収見込みがない債権を長期間管理し続けることは、債権管理事務の効率化の観点からは問題があり、不納欠損の処理を行う必要があるものの、公平性の観点からは安易な不納欠損の処理は行えないばかりか、十分な債権回収の努力を尽くさずに不納欠損の処理を行うこととなれば、債権回収に対するインセンティブが失われてしまうおそれがある。
 もっとも、現実問題として、母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付金に関する債権回収事務を取り扱う各区役所厚生部保健福祉課の職員の人員では、必要かつ十分な債権回収事務を執行することは困難であると見受けられる。
 そこで、債権管理事務の効率化を図る観点からも、母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付金を含む貸付債権や非強制徴収に係る未収金等の債権の管理及び回収を一元的に扱う専門部署を設置する、あるいは債権回収会社や法律事務所等の外部の専門家へ委託するなどして、債権回収に直接関係する債権管理事務を十分に尽くした上で、不良債権化しているものについては、広島市母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付事務取扱要領に準拠して、不納欠損の処理を行われたい。

 包括外部監査の結果を受けて、平成30年10月に弁護士法人と債権回収等業務委託契約を締結し、同年3月時点でおおむね「債権額100万以上で1年以上納付実績がない者」及び「債権額50万円以上で納付折衝が困難な者」の債権を中心に、外部委託による債権回収業務を開始し、適正な債権管理事務を行うこととした。
 こうした債権管理事務の効率化を十分に尽くしても、なお回収の見込みのない債権については、広島市母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付事務取扱要領に基づき、不納欠損の処理を行うこととした。

 

平成30年度包括外部監査の意見に対する対応結果の公表(教育委員会)

1 監査意見公表年月日
 平成31年2月5日(広島市監査公表第1号)
2 包括外部監査人
 大濱 香織
3 監査意見に対する対応結果通知年月日
 令和2年1月27日(広市教青育第244号)
 令和2年1月27日(広市教青放第86号)
4 監査のテーマ
 子ども・子育て支援事業の事務の執行について
5 監査の意見及び対応の内容

(1) 広島市のホームページについて
(所管課:教育委員会事務局青少年育成部育成課)

監査の意見
対応の内容

 広島市のホームページに「子どものいじめ」に関する情報提供窓口ページがある。そこには,「広島市立の小学校、中学校、高等学校、特別支援学校に在籍する児童・生徒のいじめに関する情報を提供してください。」と書かれている。
 電話相談の場合,広島市以外からの電話でも必ず受けて,学校名や名前を伝えてくれた子どもの了解を取った上で,相談者から聞いた学校に連絡している。ホームページからの情報提供事業についても,電話相談事業と同様に,広島市立学校以外の児童生徒も対象とすることが望ましい。「「子どものいじめ」に関する情報提供窓口」の注意事項及び入力フォームの注意書きにおける広島市立の学校に限定する記載の見直しを検討されたい。
 なお,監査人の当該意見に基づき,担当課は,平成30年12月5日に上述の「広島市立の小学校、中学校、高等学校、特別支援学校に在籍する児童・生徒のいじめに関する情報を提供してください。」という記述を「広島市に住所がある児童・生徒又は、市内の学校に通学している児童・生徒のいじめに関する情報を提供してください。」と変更し,業務を改善している。

 監査の実施を受け,平成30年12月5日に「広島市立の小学校、中学校、高等学校、特別支援学校に在籍する児童・生徒のいじめに関する情報を提供してください。」という記述を「広島市に住所がある児童・生徒又は、市内の学校に通学している児童・生徒のいじめに関する情報を提供してください。」と変更した。
 今後も,上述の対応を引き続き実施する。

 

(2) 児童館に附設されていない放課後児童クラブにについて
(所管課:教育委員会事務局青少年育成部放課後対策課)

監査の意見
対応の内容

 児童館附設の放課後児童クラブと比較すると,児童館に附設されていない放課後児童クラブでは児童が過ごす場所が限られている。児童館に附設されていない放課後児童クラブには,児童が体を動かして遊ぶことのできるホールがないため,必然的に教室内で過ごす時間が多くなる。一方で,遊具や図書の備え付けが十分であるとは言い難い。
 児童館に附設されていない放課後児童クラブの遊具や図書等の充実を図り,また,児童館附設型を整備するには時間がかかることから,児童が体を動かして遊ぶことのできるよう,それまでの間の対応策も講じるべきである。

 児童館に附設されていない放課後児童クラブでは,これまで,年3回の受付期間を設け,現場からの要望を把握し,予算の範囲内で,遊具や図書等の充実を図っていたが,平成31年1月に受付期間をさらに1回追加した。また,同年3月20日付けで「広島市立図書館除籍図書再利用事業の活用について」を各放課後児童クラブに通知し,公立図書館の除籍図書の再利用を働きかけた。
 児童が体を動かして遊ぶことについて,平成31年2月に本市が実施した「外遊び」に関するアンケートによると,児童館に附設されていない放課後児童クラブの全てにおいて「外遊び」を実施しているものの,実施回数にはばらつきが見られたことから,令和元年9月3日付けで,改めて「外遊び」の重要性を考慮して,内容等の充実に努めるよう各放課後児童クラブに依頼した。
 今後も各放課後児童クラブの意見を聴取しながら,必要な措置を講じていく。

(3) 吉島児童館の亀裂と天井の穴について
(所管課:教育委員会事務局青少年育成部放課後対策課)

監査の意見
対応の内容

 平成30年8月24日午後に吉島児童館の現場往査を行った。ア コンクリート剥離の危険性について
  吉島児童館は,鉄筋平屋建,昭和47年建築で ある。担当課から提示された耐震診断結果を閲覧したところ,X方向のIs値は1.74,q値は6.40であり,Y方向のIs値は1.82,q値は8.33であり,広島市の耐震診断判定指標(Is値=0.75,q値≧1.00)より多い数値になっている。よって,「本建物は,地震の震動及び衝撃に対して倒壊し,又は崩壊する危険性が低い。」と判定されている。しかし,特記事項には,「コンクリート中性化については,室内側で著しく進行しており,今後の進行具合に注意が必要である。中性化に対する何らかの対応が望ましい。」の記載がある。
実際,図書室として使われている部屋を見たところ,東側窓枠上側壁コンクリート部分に,横に60cmの亀裂が走っていた。
コンクリートが剥離して落下し,児童に危険が及ぶことがないように,上記特記事項のとおり,対応を取る必要がある。
イ 天井の石膏ボードの穴について
  保育園においては,万一,建物の天井や壁の内部にアスベストを含有していたとしても飛散することがないように,天井や壁には隙間が無いように修繕している。【事業10】保育園の耐震化の推進に記載したように,保育園の建物の解体工事においても,三篠保育園の耐震化その他工事では,実際にアスベストが含まれているか分からないが,アスベスト含有建材を含んでいてはいけないので,アスベストがあるものとして解体工事を行っており,アスベストに関して非常に慎重な対応をとっている。
 一方,吉島児童館の図書室として使われている部屋の床に白い粉が落ちていたので,児童館職員に確認したところ,数年前の雨漏りにより天井に水が染み,その後いつからか天井の石膏ボードに穴が開いて,床にポロポロと白い粉が落ちるようになったとのことである。
 広島市の平成29年7月1日付け「市有建築物の吹付けアスベスト対策について」によれば,吉島児童館は,「吹付けアスベスト除去済みの施設」103件のうちに含まれていないが,担当課によれば,吹付けアスベストが使用されていないことは平成17年度に設計図書等で確認済みであり,天井の石膏ボードについてもアスベストは含有されていないとのことであった。この「市有建築物の吹付けアスベスト対策について」の注意書きには,「大規模修繕時等に除去を予定している施設」については,「全ての施設について,天井に隙間等がないか点検するとともに,室内空気中のアスベスト濃度の測定を実施し,安全であることを確認しています。」と書かれている。吉島児童館は,吹付けアスベストは使用されていないものの,天井や壁に穴があいている。
ウ 対応措置
  担当課においては,各児童館のアスベストの状況を調べ,全くアスベストが無いのか,又は天井等にアスベスト含有建材が使用されているが隙間等が無い状態なのか確認し,必要な対応措置を講じるべきである。

 吉島児童館については,平成31年1月にコンクリートの剥離及び天井の穴の修繕を完了した。
 他の児童館については,令和元年7月に調査を行った結果,12館で天井に隙間等があることが判明したため,同年9月までに該当館の修繕を全て完了した。