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感染症情報/中東呼吸器症候群(MERS)

ページ番号:0000000262 更新日:2016年4月4日更新 印刷ページ表示

中東呼吸器症候群(MERS)とは(届出基準と届出様式)

 中東呼吸器症候群(MERS)は、2012年9月に初めて確認されたウイルス性の感染症です。原因となるウイルスはMERSコロナウイルス(Middle East Respiratory Syndrome Coronavirus)と呼ばれています。主として、中東地域で患者が報告されています。

 2012年9月22日に英国よりWHOに対し、中東へ渡航歴のある重症肺炎患者から後にMiddle East Respiratory Syndrome Coronavirus(MERSコロナウイルス)と命名される新種のコロナウイルスが分離されたとの報告がありました。その後、中東地域に居住または渡航歴のある者、あるいはMERS患者との接触歴のある者において、このウイルスによる中東呼吸器症候群(MERS)の症例が継続的に報告され、医療施設や家族内等において限定的なヒト-ヒト感染が確認されています。

 なお、中東呼吸器症候群(病原体がベータコロナウイルス属MERSコロナウイルスであるものに限る。)は、2015年1月21日より二類感染症に追加されました。

感染経路

 人がどのようにしてMERSに感染するかは、まだ正確には分かっていません。患者から分離されたMERSコロナウイルスと同じウイルスが、中東のヒトコブラクダから分離されていることなどから、ヒトコブラクダがMERSウイルスの感染源動物の一つであるとされています。その一方で、患者の中には動物との接触歴がない人も多く含まれています。家族間や、医療機関における患者間、患者-医療従事者間など、濃厚接触者間での感染も報告されていますが、季節性インフルエンザのように、次々にヒトからヒトに感染することはありません。

症状

 潜伏期間は2~14日(中央値は5日程度)で、主な症状は、発熱、せき、息切れなどです。下痢などの消化器症状を伴う場合もあります。MERSに感染しても、症状が現われない人や、軽症の人もいますが、特に高齢の方や糖尿病、慢性肺疾患、免疫不全などの基礎疾患のある人で重症化する傾向があります。

治療方法

 現在、MERSに対する特異的な治療法はありません。患者の症状に応じた治療(対症療法)を行うことになります。

予防方法

 現在、MERSに対するワクチンはありません。中東地域を旅行する場合は、渡航前に現地の最新の情報をFORTH/厚生労働省検疫所ホームページ<外部リンク>などで確認してください。

 旅行中現地では、こまめに手を洗う、加熱が不十分な食品(未殺菌の乳や生肉など)や不衛生な状況で調理された料理をさけ、果物、野菜は食べる前によく洗う、といった一般的な衛生対策を心がけてください。咳やくしゃみの症状がある人や、動物(ラクダを含む)との接触は可能な限り避けましょう。

 帰国時に発熱や咳などの症状がある方は、空港内等の検疫所へご相談ください。

 帰国後14日以内に、発熱や咳などの症状がみられ、最寄りの医療機関を受診する際は、事前に医療機関に連絡の上、中東地域に滞在していたことを告げてください。

海外における発生状況

 主として、中東地域(アラブ首長国連邦、イエメン、イラン、オマーン、カタール、クウェート、サウジアラビア、ヨルダン、レバノン)で患者が報告されています。

 このほかヨーロッパ(イタリア、英国、オーストリア、オランダ、ギリシャ、ドイツ、フランス、トルコ)、アフリカ(アルジェリア、エジプト、チュニジア)、アジア(フィリピン、マレーシア、韓国、中国)、北米大陸(アメリカ合衆国)からも報告がありました。

参考

関連情報

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