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感染症情報/ジカウイルス感染症(ジカ熱)

ページ番号:0000000247 更新日:2016年9月26日更新 印刷ページ表示

ジカウイルス感染症(ジカ熱)とは(届出基準と届出様式)

 ジカウイルス感染症は、蚊によって媒介されるジカウイルスが人に感染する病気です。軽度の発熱、頭痛、関節痛、発疹、結膜炎などが主な症状です。

 なお、ジカウイルス感染症は、2016年2月15日から新たに感染症法の四類感染症全数把握対象疾患に追加されました。

感染経路

 ジカウイルスに感染したネッタイシマカやヒトスジシマカなどの蚊に刺されることで、ウイルスが人へ感染します。
 ウイルスに感染した患者を蚊が吸血すると、蚊の体内でウイルスが増殖し、その蚊が他者を吸血することでウイルスが感染します(蚊媒介性)。

 また、輸血や性行為によって感染する場合もあります。感染しても全員が発症するわけではなく、症状がないか、症状が軽いため気付かないこともあります(不顕性感染)。妊娠中の女性が感染すると胎児に感染する可能性があります。

症状

 潜伏期間は2~12日(多くは2~7日)とされています。主として軽度の発熱(<38.5℃)、頭痛、関節痛、筋肉痛、発疹、結膜炎、疲労感、倦怠感などを呈します。これらの症状は軽く、数日で回復します。血小板減少などが認められることもありますが、他の蚊媒介感染症であるデング熱やチクングニア熱より軽症と言われています。また、不顕性感染が感染者の約8割を占めるとされています。

 これまでの研究結果から、ジカウイルス感染が小頭症やギラン・バレー症候群の原因になると結論づけられました。

治療方法

 ジカウイルス感染症には、特別な治療法はありません。治療は症状を和らげる対症療法となります。通常は比較的症状が軽く、特別な治療を必要としません。

予防方法

 蚊に刺されないように注意しましょう。

 ジカウイルス感染症に有効なワクチンはありません。ウイルスを持った蚊に刺されることにより感染しますので、海外の流行地に出かける際は、デング熱やチクングニア熱と同様に、渡航先で蚊に刺されないように注意することが大切です。また、国内の蚊の活動期においては、帰国後も蚊に刺されないための対策を少なくとも、2週間程度行うことが推奨されています。下に具体例を示します。

  • 虫よけ剤を使用する。
  • 長袖、長ズボンを着用し肌の露出を避ける。
  • 蚊帳や網戸を使用する。

 海外旅行へ行かれる前に、検疫所のホームページ等を見て、渡航先の病気の流行状況を確認しましょう。

 なお、妊娠中にジカウイルスに感染すると、胎児に小頭症等の先天性障害を来すことがあります。このため、妊婦及び妊娠予定の方は、流行地域への渡航は控えた方がよいとされています。

 また性行為感染のリスクを考慮し、「流行地域に滞在中は症状の有無にかかわらず、性行為の際にコンドームを使用するか性行為を控えること」、「流行地域から帰国した男女は、症状の有無に関わらず、少なくとも6か月(パートナーが妊婦の場合は妊娠期間中)、性行為の際にコンドームを使用するか性行為を控えること」、「流行地域から帰国した女性は、少なくとも6か月は妊娠を控えること」が推奨されています。

海外における発生状況

 アフリカ、中南米、アジア太平洋地域で発生があります。特に、近年は中南米等で流行しています。

 なお、日本では海外の流行地域で感染し、帰国後発症する症例(いわゆる輸入症例)の報告はありますが、日本国内での感染、流行はありません。

参考